庫くら

庫くら・厙
各種かくしゅ表記ひょうき
繁体字はんたいじ：	庫くら/厙
簡体字かんたいじ：	库/厍
拼音：	Shè
注ちゅう音符おんぷ号ごう：	ㄕㄜˋ
ラテン字じ：	She
広東かんとん語ご発音はつおん：	Se3
上海しゃんはい語ご発音はつおん：	So3
台湾たいわん語ご白話はくわ字じ：	Sià
	テンプレートを表示ひょうじ

庫くらまたは厙（こ、しゃ）は、漢かん姓せいのひとつ。『百ひゃく家いえ姓せい』の371番目ばんめ。

きわめて珍めずらしい姓せいである。

由来ゆらい

庫くらと厙が異体いたい字じなのか別べつ字じなのか、コと読よむのかシャと読よむのかについては議論ぎろんがある。

『後こう漢書かんしょ』竇融列伝れつでんに金城きんじょう太守たいしゅの厙鈞という人物じんぶつが出でてくる。その注ちゅうによると、倉庫そうこ吏の職しょくをしていた人ひとの末裔まつえいであるという。また、羌に厙姓のものがあり、舎しゃ（しゃ）と読よむと同どう注ちゅうに言いっている^[1]。

ほかに、『魏ぎ書しょ』官かん氏し志こころざしによると、鮮卑の庫くら傉官氏しが漢かん化かして庫くら姓せいに改あらためたという^[2]。

『広こう韻いん』では、庫くらをコ、厙とシャと読よむとするが、庫くら鈞ひとしや複ふく姓せいの厙狄、庫くら門もん、庫くら傉官は庫くらの方ほうに含ふくめている^[3]^[4]。

清きよし朝あさの学者がくしゃにはこの2字じについて多おおくの議論ぎろんがあり、「庫くら・厙」の書かき分わけに反対はんたいして、本来ほんらいは「庫くら」と書かいてコともシャとも読よむのだという意見いけんと、非ひ漢かん族ぞくの姓せいでは「厙」と書かくのだとする意見いけんとがあった^[5]。

著名ちょめいな人物じんぶつ

なし。

脚注きゃくちゅう

^ 『後こう漢書かんしょ』竇融列伝れつでん注ちゅう「前書ぜんしょ音義おんぎ曰：厙姓、即そく倉庫そうこ吏後也。今こん羌中有ちゅうう姓せい厙、音おと舎しゃ、云うん承うけたまわ鈞ひとし之これ後ご也。」
^ 『魏ぎ書しょ』官かん氏し志こころざし「庫くら傉官氏し，後こう改あらため為ため庫こ氏し。」
^ 『広こう韻いん』去声きょしょう十じゅう暮くれ・庫くら（苦く故こ切きり）「『風俗ふうぞく通どおり』云うん、古こ守もり庫こ大夫たいふ之これ後ご、以官為ため氏し。後こう漢かん輔義侯こう庫こ鈞ひとし。亦また虜とりこ複ふく姓せい二に氏し。周しゅう有ゆう少しょう師し厙狄峙。又また有ゆう庫くら門もん氏し。亦また虜とりこ三さん字じ姓せい。『前ぜん燕つばめ録ろく』有ゆう岷山桓公かんこう庫こ傉官泥どろ。」
^ 『広こう韻いん』去声きょしょう四よん十じゅう禡・厙（始はじめ夜よる切きり）「姓せい也。出で『姓せい苑えん』。今いま台だい・括くく有ゆう之の。」
^ 王おう先さき謙けん『後こう漢書かんしょ集しゅう解かい』。「銭ぜに大だい昕曰（中略ちゅうりゃく）古こ読庫有ゆう舎しゃ音おん、猶なお車くるま音おん尺じゃく遮さえぎ反はん、余よ音おと食しょく遮さえぎ反はん。『広こう韻いん』禡部有ゆう「厙」字じ云うん「姓せい也。」此流俗りゅうぞく之の字じ。王おう鳴な盛もり曰（中略ちゅうりゃく）『説せつ文ぶん』「庫くら、兵へい車しゃ蔵ぞう也。」厂部無な「厙」字じ。此流俗りゅうぞく妄造、正せい如角里さと別べつ造づくり甪字代だい之の。鄭てい樵きこり『通つう志こころざし』氏族しぞく略りゃく載の「厙氏、音おと舎しゃ、天台てんだい・括くく蒼あお有ゆう此姓。」此妄拠よりどころ委い巷ちまた小人こども之の姓せい以為典てん、実じつ不足ふそく信しん。（中略ちゅうりゃく）沈欽韓かん曰、樵きこり本ほん『広こう韻いん』『風俗ふうぞく通どおり』、卻非妄撰。『広こう韻いん』十じゅう一いち暮くれ又また云うん「庫くら、亦また虜とりこ複ふく姓せい。」『新しん唐とう書しょ』董ただし衝釈音おん「厙狄」音おと「赦」、是ぜ作さく舎しゃ音おん「者しゃ」。即そく虜とりこ複ふく姓せい省しょう従したがえ厙、与あずか庫くら相しょう混こん耳みみ。」

[1] 『後こう漢書かんしょ』竇融列伝れつでん注ちゅう「前書ぜんしょ音義おんぎ曰：厙姓、即そく倉庫そうこ吏後也。今こん羌中有ちゅうう姓せい厙、音おと舎しゃ、云うん承うけたまわ鈞ひとし之これ後ご也。」

[2] 『魏ぎ書しょ』官かん氏し志こころざし「庫くら傉官氏し，後こう改あらため為ため庫こ氏し。」

[3] 『広こう韻いん』去声きょしょう十じゅう暮くれ・庫くら（苦く故こ切きり）「『風俗ふうぞく通どおり』云うん、古こ守もり庫こ大夫たいふ之これ後ご、以官為ため氏し。後こう漢かん輔義侯こう庫こ鈞ひとし。亦また虜とりこ複ふく姓せい二に氏し。周しゅう有ゆう少しょう師し厙狄峙。又また有ゆう庫くら門もん氏し。亦また虜とりこ三さん字じ姓せい。『前ぜん燕つばめ録ろく』有ゆう岷山桓公かんこう庫こ傉官泥どろ。」

[4] 『広こう韻いん』去声きょしょう四よん十じゅう禡・厙（始はじめ夜よる切きり）「姓せい也。出で『姓せい苑えん』。今いま台だい・括くく有ゆう之の。」

[5] 王おう先さき謙けん『後こう漢書かんしょ集しゅう解かい』。「銭ぜに大だい昕曰（中略ちゅうりゃく）古こ読庫有ゆう舎しゃ音おん、猶なお車くるま音おん尺じゃく遮さえぎ反はん、余よ音おと食しょく遮さえぎ反はん。『広こう韻いん』禡部有ゆう「厙」字じ云うん「姓せい也。」此流俗りゅうぞく之の字じ。王おう鳴な盛もり曰（中略ちゅうりゃく）『説せつ文ぶん』「庫くら、兵へい車しゃ蔵ぞう也。」厂部無な「厙」字じ。此流俗りゅうぞく妄造、正せい如角里さと別べつ造づくり甪字代だい之の。鄭てい樵きこり『通つう志こころざし』氏族しぞく略りゃく載の「厙氏、音おと舎しゃ、天台てんだい・括くく蒼あお有ゆう此姓。」此妄拠よりどころ委い巷ちまた小人こども之の姓せい以為典てん、実じつ不足ふそく信しん。（中略ちゅうりゃく）沈欽韓かん曰、樵きこり本ほん『広こう韻いん』『風俗ふうぞく通どおり』、卻非妄撰。『広こう韻いん』十じゅう一いち暮くれ又また云うん「庫くら、亦また虜とりこ複ふく姓せい。」『新しん唐とう書しょ』董ただし衝釈音おん「厙狄」音おと「赦」、是ぜ作さく舎しゃ音おん「者しゃ」。即そく虜とりこ複ふく姓せい省しょう従したがえ厙、与あずか庫くら相しょう混こん耳みみ。」

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