戦術せんじゅつ情報処理じょうほうしょり装置そうち

戦術せんじゅつ情報処理じょうほうしょり装置そうち（せんじゅつじょうほうしょりそうち）は、軍隊ぐんたいが戦術せんじゅつ的てき階梯かいていで使用しようする情報処理じょうほうしょりシステム。

概要がいよう

戦術せんじゅつ情報処理じょうほうしょり装置そうちは、戦闘せんとうにおける意思いし決定けっていを支援しえんするという性格せいかく上じょう、マン・マシン・システムを構成こうせいすることが求もとめられる。このことから、多おおくの戦術せんじゅつ情報処理じょうほうしょり装置そうちは、中核ちゅうかくとなる情報処理じょうほうしょりシステムとともに、マンマシンインタフェースも、重要じゅうようなサブシステムとして含ふくまれることが多おおい。

かつては単体たんたいで戦術せんじゅつ級きゅうC2システムとなることもあったが、現在げんざいでは、戦術せんじゅつデータ・リンクとともに戦術せんじゅつ級きゅうのC4Iシステムを構成こうせいする。また、多おおくの場合ばあいは射撃しゃげき指揮しき装置そうちとは別べつのものとして扱あつかわれるが、イージスシステムや艦艇かんてい自衛じえいシステムなど、総合そうごう的てきC4ISRシステムを指向しこうしている機種きしゅの場合ばあいは、射撃しゃげき指揮しき機能きのう、さらにはセンサー・システムも統合とうごうされている場合ばあいもある。

もっとも初期しょきの戦術せんじゅつ情報処理じょうほうしょり装置そうちといえるのがアメリカ空軍くうぐんの半はん自動じどう式しき防空ぼうくう管制かんせい組織そしき（SAGE）である。ただし、これは戦術せんじゅつ用途ようとではあるものの、規模きぼとしては作戦さくせん級きゅうに近ちかかった。その後ご、アメリカ海軍かいぐんが開発かいはつした海軍かいぐん戦術せんじゅつ情報じょうほうシステム（NTDS）において、大幅おおはばに小型こがた・軽量けいりょう化かされた戦術せんじゅつ情報処理じょうほうしょり装置そうちが開発かいはつされた。西側にしがわ諸国しょこくの海軍かいぐんもこれに準じゅんじた機種きしゅを開発かいはつし、これらは、その情報処理じょうほうしょり機能きのうに着目ちゃくもくして、戦術せんじゅつ情報じょうほうシステム（TDS：Tactical Data System）あるいは戦術せんじゅつ情報処理じょうほうしょりシステム（TDPS：Tactical Data Processing System）と呼よばれていた。しかし、現在げんざいでは、意思いし決定けってい支援しえんシステムとしての機能きのうを重視じゅうしして、戦闘せんとう指揮しきシステム（CDS：Combat Direction System）、あるいは戦闘せんとう管理かんりシステム（CMS：Combat Management System）と呼よばれることが多おおい。

一方いっぽう、戦術せんじゅつ情報処理じょうほうしょり装置そうちは、NTDSの海軍かいぐん航空こうくう隊たい版ばんである空中くうちゅう戦術せんじゅつ情報じょうほうシステム（ATDS：Airborne Tactical Data System）により、E-2に搭載とうさいされて空中くうちゅうにも進出しんしゅつした。これらは、NTDSや地上ちじょう要撃ようげき管制かんせいと同様どうよう、データ・リンクによって敵てき機きの座標ざひょうなどを送受信そうじゅしんすることができる。これらのデータ・リンクを運用うんようするため、戦闘せんとう機き搭載とうさいの火器かき管制かんせい装置そうちのなかには、限定げんてい的てきな戦術せんじゅつ情報処理じょうほうしょり機能きのうが追加ついかされたものがある。

関連かんれん項目こうもく

• C4Iシステム
• 戦術せんじゅつデータ・リンク