旃檀林りん

吉祥寺きちじょうじにある「旃檀林りん」の額がく

旃檀林りん（せんだんりん）は、1592年ねんに駿河台するがだいの吉祥寺きちじょうじ内うちに設もうけられた学寮がくりょうを指さす。

概要がいよう

駒澤大学こまざわだいがくの前身ぜんしんのひとつで、仏教ぶっきょうの研究けんきゅうと漢学かんがくの振興しんこうとそれらの人材じんざい供給きょうきゅうを目的もくてきとした学寮がくりょう。江戸えど時代じだいには、昌平しょうへい坂ざか学問がくもん所しょと並ならぶ漢学かんがく研究けんきゅうの中心ちゅうしんであった。現在げんざいも諏訪山すわやま吉祥寺きちじょうじの山門さんもんには「旃檀林りん」の額がくが掲かかげられている。

吉祥寺きちじょうじは七堂伽藍しちどうがらんを具そなえる大だい学寮がくりょうであったが、東京とうきょう大だい空襲くうしゅうで「経蔵きょうぞう」を残のこして全すべて焼失しょうしつした。本堂ほんどうと客殿きゃくでんと庫裏くりが再建さいけんされ、往時おうじの面影おもかげを伝つたえている。

駒澤大学こまざわだいがくの校歌こうかにも、「旃檀林りん」という語かたりが登場とうじょうする。また、世田谷せたがや学園がくえんの発祥はっしょうも旃檀林りんで、応援おうえん歌かに「栴檀せんだん林りん」が登場とうじょうする。

名称めいしょうの由来ゆらい

1657年ねんに吉祥寺きちじょうじ学寮がくりょうを訪おとずれた中国ちゅうごくの陳ひね道どう栄さかえが、研究けんきゅう内容ないようなどに感動かんどうしたために「旃檀林りん」と大書たいしょしたことに因ちなんで、命名めいめいされた。「旃檀林りん」の名称めいしょうは『証あかし道歌どうか』に「旃檀林りんに雑ざつ樹じゅ無なし、鬱うつ密みつ深沈しんちんとして獅子ししのみ住じゅうす」から取とられたものである。

関連かんれん項目こうもく

• 檀林だんりん