旧きゅう武装ぶそう親衛隊しんえいたい員いん相互そうご扶助ふじょ協会きょうかい

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旧きゅう武装ぶそう親衛隊しんえいたい員いん相互そうご扶助ふじょ協会きょうかい
Hilfsgemeinschaft auf Gegenseitigkeit der ehemaligen Angehörigen der Waffen-SS, HIAG
バルケンクロイツをあしらったHIAGのロゴ
略称りゃくしょう HIAG
前身ぜんしん 武装ぶそう親衛隊しんえいたい
後継こうけい HIAG各かく支部しぶ団体だんたい
設立せつりつ 1951年ねん
設立せつりつ者しゃ オットー・クム
設立せつりつ地ち ボン
解散かいさん 1992年ねん
種類しゅるい 右翼うよく団体だんたい
歴史れきし修正しゅうせい主義しゅぎ
後年こうねん : ネオナチ
法的ほうてき地位ちい 任意にんい団体だんたい
目的もくてき 元もと武装ぶそう親衛隊しんえいたい員いんへの相互そうご扶助ふじょ及および名誉めいよ回復かいふく
会員かいいん数すう
 約やく2万まん人にん
公用こうよう語ご ドイツ語ご
会長かいちょう パウル・ハウサー
重要じゅうよう人物じんぶつ オットー・クム
フェリックス・シュタイナー
クルト・マイヤー
ヘルベルト・オットー・ギレ
ヨーゼフ・ディートリヒ
ヴィルヘルム・ビットリヒなど
主要しゅよう機関きかん 『義勇軍ぎゆうぐん（Der Freiwillige）』
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旧きゅう武装ぶそう親衛隊しんえいたい員いん相互そうご扶助ふじょ協会きょうかい（ドイツ語ご: Hilfsgemeinschaft auf Gegenseitigkeit der ehemaligen Angehörigen der Waffen-SS, HIAG）は、1951年ねんに西にしドイツで設立せつりつされた登記とうき社団しゃだん（Eingetragener Verein）である。創設そうせつ者しゃや幹部かんぶはナチス・ドイツ時代じだいの武装ぶそう親衛隊しんえいたい（武装ぶそうSS）に所属しょぞくした元もと将校しょうこうらであり、その目的もくてきは武装ぶそう親衛隊しんえいたい員いんと国防こくぼう軍ぐん将兵しょうへいへの法的ほうてき・社会しゃかい的てき平等びょうどうの確保かくほおよび元もと隊員たいいんへの支援しえんを行おこなうことであった。1992年ねんには解散かいさんしたものの、以後いごも各かく地方ちほうで存続そんぞくした分派ぶんぱや後継こうけい組織そしきが散発さんぱつ的てきに活動かつどうを続つづけている。HIAGは極右きょくう団体だんたいとして当局とうきょくの監視かんしを受うけているほか、1960年代ねんだいにはこの組織そしきの存在そんざいがメディア等とうで物議ぶつぎを醸かもした。

歴史れきし[編集へんしゅう]

オットー・クム（1943年ねん3月がつ撮影さつえい。当時とうじSS中佐ちゅうさ）

創設そうせつ者しゃはオットー・クム元もとSS少将しょうしょうである。

当初とうしょは地域ちいきごとに分散ぶんさんした組織そしきが設置せっちされていたが、1950年代ねんだいのうちに体制たいせいが改あらためられ統括とうかつ組織そしきが設置せっちされた。当時とうじのドイツではいわゆる「清廉せいれん潔白けっぱくな国防こくぼう軍ぐん」論ろんの元もと、武装ぶそう親衛隊しんえいたいの復員ふくいん兵へいらは国防こくぼう軍ぐんの復員ふくいん兵へいらに比くらべて様々さまざまな社会しゃかい的てき不利ふりを被こうむり、軍人ぐんじん恩給おんきゅうの支給しきゅうも認みとめられなかった。こうした背景はいけいの中なか、HIAGは武装ぶそう親衛隊しんえいたい員いんと国防こくぼう軍ぐん将兵しょうへいの法的ほうてき・社会しゃかい的てき平等びょうどうの確保かくほおよび元もと隊員たいいんへの支援しえんを目的もくてきに結成けっせいされた。HIAGは同どう時期じきに存在そんざいした戦友せんゆう会かい組織そしき・保守ほしゅ派は団体だんたいなどの中なかでも有力ゆうりょくなものの1つに数かぞえられていた。

1951年ねんより機関きかん紙し『ヴィーキング・ルーフ』（Wiking-Ruf、「ヴァイキングの雄叫おたけび」の意い）の発行はっこうが開始かいしされ、1956年ねん以降いこうは月刊げっかん誌し『デア・フライヴィリゲ（ドイツ語ご版ばん）』（Der Freiwillige、「志願しがん兵へい」の意い）がこの役目やくめを引ひき継ついだ。同誌どうしは最大さいだいで12,000部ぶの発行はっこう部数ぶすうを誇ほこり、HIAGが解散かいさんした1992年ねんにも8,000部ぶが発行はっこうされた。編集へんしゅう長ちょうは元もと武装ぶそうSS戦時せんじ報道ほうどう隊員たいいんのエーリヒ・ケルン（ドイツ語ご版ばん）であった。現在げんざいでも「ムニン出版しゅっぱん社しゃ（ドイツ語ご版ばん）」(名称めいしょうは北欧ほくおう神話しんわのムニンに由来ゆらい）から引ひき続つづき発行はっこうされている。機関きかん紙しの内容ないようは、主おもに武装ぶそうSSに関かんする戦史せんしなど元もと隊員たいいんらが過去かこを懐なつかしむ記事きじであったが、一部いちぶにはいわゆる歴史れきし修正しゅうせい主義しゅぎ的てきな内容ないようも含ふくまれていた。

HIAG東ひがしザクセン支部しぶの旗はたを掲かかげる会員かいいん。2003年ねん、ウルリッヒスベルク追悼ついとう祭さい（ドイツ語ご版ばん）にて。

1992年ねんにはHIAGの連邦れんぽう統括とうかつ組織そしき (Bundesdachverbandes) が解散かいさんするが、ドイツ各地かくちに設置せっちされていた12個この地方ちほう支部しぶや協力きょうりょく団体だんたいはその後ごも活動かつどうを続つづけている。最後さいごの連邦れんぽう委員いいんはフーベルト・マイヤー（ドイツ語ご版ばん）元もとSS中佐ちゅうさ、アウグスト・ホフマン (August Hoffmann)、ヨハン・フェルデ (Johann Felde)であった。HIAGは1992年ねんに解散かいさんが宣言せんげんされるまで、極右きょくう団体だんたいとして連邦れんぽう憲法けんぽう擁護ようご庁ちょうによる監視かんし対象たいしょうとされていた。

1993年ねん、いくつかのHIAG地方ちほう支部しぶと戦友せんゆう会かい組織そしきが連合れんごうし、HIAGの後継こうけい組織そしきとして、戦没せんぼつ者しゃ埋葬まいそう地ち財団ざいだん「静しずかなる戦友せんゆう」(Kriegsgräberstiftung Wenn alle Brüder schweigen)が結成けっせいされた。本部ほんぶはシュトゥットガルトに置おかれ、会長かいちょうアウグスト・ホフマン、副ふく会長かいちょうハインツ・ベルナー (Heinz Berner)、財務ざいむ担当たんとう者しゃヴェルナー・ビッツァー (Werner Bitzer)らが初代しょだい幹部かんぶを務つとめた。同どう財団ざいだんではその使命しめいを「国内外こくないがいにおける戦没せんぼつ者しゃ、特とくに我わが軍ぐんの戦没せんぼつ者しゃの埋葬まいそう地ちを捜索そうさくし、その情報じょうほうをドイツ戦没せんぼつ者しゃ埋葬まいそう地ち支援しえん国民こくみん連盟れんめいに報告ほうこくすること」と定さだめている。

戦犯せんぱん容疑ようぎ者しゃの扱あつかい[編集へんしゅう]

HIAGでは長ながらく戦争せんそう犯罪はんざいの定義ていぎに関かんする議論ぎろんと戦争せんそう犯罪はんざいに関かんする起訴きその否定ひていを行おこなってきた。また、HIAG会員かいいんには武装ぶそう親衛隊しんえいたい員いん以外いがいに髑髏しゃれこうべ部隊ぶたいやSS保安ほあん部ぶ(SD)の元もと隊員たいいんも多おおかった[1]。これはSS隊員たいいんらが複数ふくすうの部局ぶきょく・部隊ぶたいに所属しょぞくする事ことが多おおかったことに起因きいんし[2]、例たとえば髑髏しゃれこうべ部隊ぶたいを率ひきいたテオドール・アイケ将軍しょうぐんも当初とうしょは強制きょうせい収容しゅうよう所しょ所長しょちょうなどとして勤務きんむする一般いっぱんSS隊員たいいんだったが、後のちに髑髏しゃれこうべ部隊ぶたいの志願しがん者しゃから髑髏しゃれこうべ師団しだんが結成けっせいされると師団しだん長ちょうとして武装ぶそうSS隊員たいいんたる階級かいきゅうを得えている。1979年ねんには髑髏しゃれこうべ師団しだん戦友せんゆう会かいがHIAGと共ともに式典しきてんを開ひらいている[3]。

1959年ねん、当時とうじのHIAG広報こうほう官かんクルト・マイヤー元もとSS少将しょうしょう[4]は、HIAG会員かいいんたる髑髏しゃれこうべ部隊ぶたいおよびSD隊員たいいんへの批判ひはんに対たいして「彼かれらの罪つみよりも戦友せんゆう愛あいを尊重そんちょうする」と述のべた[5]。この際さい、マイヤーは彼かれ自身じしんもカナダ兵へい捕虜ほりょ殺害さつがいの罪つみで戦犯せんぱん容疑ようぎ者しゃとして裁さばかれた旨むねを語かたった。マイヤーの他ほかにも、当時とうじのHIAG幹部かんぶにはオットー・クム元もとSS少将しょうしょう、ゼップ・ディートリヒ元もとSS上級じょうきゅう大将たいしょう、リヒャルト・シュルツェ＝コッセンス（ドイツ語ご版ばん）元もとSS中佐ちゅうさなど、戦犯せんぱん容疑ようぎ者しゃとして裁さばかれた元もと将校しょうこうが多おおかった。

HIAGではニュルンベルク裁判さいばんで示しめされた「武装ぶそう親衛隊しんえいたいもまた犯罪はんざい者しゃ組織そしきである」という判断はんだんを認みとめず、戦犯せんぱん容疑ようぎ者しゃとして裁さばかれた元もと隊員たいいんも戦友せんゆうとして受うけ入いれていた[6]。1975年ねん4月がつには、グスタフ・ロンバルト元もとSS少将しょうしょうの80歳さいの誕生たんじょう日びがHIAGによって盛大せいだいに祝いわわれた。ロンバルトは東部とうぶ占領せんりょう地域ちいきにおけるユダヤ人じん殺害さつがいの組織そしき化かに関与かんよし、「脱だつユダヤ化か」(Entjudung) なる語かたりを造語ぞうごした人物じんぶつである[7]。

また、服役ふくえき中ちゅうの戦犯せんぱん容疑ようぎ者しゃへの支援しえんも行おこなっていた。1960年ねん、『デア・フライヴィリゲ』誌しはイタリアにて投獄とうごくされている3人にんの囚人しゅうじんに寄付きふや手紙てがみを送おくるキャンペーンを行おこなっている[8]。この3人にんとは、バッサーノの虐殺ぎゃくさつとして知しられる事件じけんに関与かんよしたヴァルター・レーダー（ドイツ語ご版ばん）元もとSS少佐しょうさ[9]、ヘルベルト・カプラー元もとSS中佐ちゅうさ[10]、ヨゼフ・フォイヒティンガー(Josef Feuchtinger)の3将校しょうこうであった[11]。このうち、レーダーは反省はんせいの辞じを述のべて1985年ねんに出所しゅっしょ・帰国きこくし（ただし後のちに反省はんせいは取とり消けした）、カプラーは看護かんご婦ふだった妻つまの協力きょうりょくを得えて1977年ねんに脱獄だつごくして帰国きこくし、翌年よくねん死去しきょした。

  • クルト・マイヤー（1943年2月撮影。当時SS中佐）
    クルト・マイヤー（1943年ねん2月がつ撮影さつえい。当時とうじSS中佐ちゅうさ）
  • ゼップ・ディートリッヒ（1943年6月28日撮影。当時SS大将）
    ゼップ・ディートリッヒ（1943年ねん6月がつ28日にち撮影さつえい。当時とうじSS大将たいしょう）
  • リヒャルト・シュルツェ＝コッセンス（1939年8月23日撮影。当時SS中尉）
    リヒャルト・シュルツェ＝コッセンス（1939年ねん8月がつ23日にち撮影さつえい。当時とうじSS中尉ちゅうい）

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

  • Bert-Oliver Manig: Die Politik der Ehre. Die Rehabilitierung der Berufssoldaten in der frühen Bundesrepublik, Wallstein Verlag, Göttingen 2004, ISBN 3-89244-658-X
  • Karsten Wilke: Geistige Regeneration der Schutzstaffel in der frühen Bundesrepublik? Die „Hilfsgemeinschaft auf Gegenseitigkeit der Angehörigen der ehemaligen Waffen-SS“ (HIAG). In: Jan Erik Schulte (Hrsg.), Die SS, Himmler und die Wewelsburg, Ferdinand Schöningh Verlag, Paderborn 2009, ISBN 978-3-506-76374-7, S. 433–448.
  • Karsten Wilke: Die „Hilfsgemeinschaft auf Gegenseitigkeit“ (HIAG) 1950–1990). Veteranen der Waffen-SS in der Bundesrepublik. Schöningh, Paderborn 2011, ISBN 978-3-506-77235-0[12]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ John M. Steiner/Jochen Fahrenberg: Autoritäre Einstellung und Statusmerkmale von ehemaligen Angehörigen der Waffen-SS und SS und der Wehrmacht. Eine erweiterte Reanalyse der 1970 publizierten Untersuchung (PDF)
  2. ^ Zum Organisationsaufbau auch: Hans Buchheim: Anatomie des SS-Staats, Bd. 1: Die SS – Das Herrschaftsinstrument. Befehl und Gehorsam, München 1967, S. 179
  3. ^ "Besten Willens", Der Spiegel (ドイツ語ご), no. 15, 1979
  4. ^ Ernst Klee: Das Personenlexikon zum Dritten Reich. Wer war was vor und nach 1945. Fischer Taschenbuch Verlag, Zweite aktualisierte Auflage, Frankfurt am Main 2005, ISBN 978-3-596-16048-8, S. 408.
  5. ^ Kurt Meyer 1958 nach: Thomas Kühne: Kameradschaft. S. 245
  6. ^ Thomas Kühne: Kameradschaft. S. 245
  7. ^ Abteilungsbefehl Nr. 36 u. 37 vom 9. u. 11. August 1941, BA-MA, RS 4/441.
  8. ^ Anzeige in: Der Freiwillige August 1960, S. 7.
  9. ^ In einer Beilage von „So sieht es Vocator“ zu Der Freiwillige Heft 3, März 1968 heißt es: „Major Walter Reder wurde für etwas bestraft, was er nicht getan hat. Er ist kein Kriegsverbrecher!“
  10. ^ Der Freiwillige, Heft 2, Feb. 1968, S. 21–23 gibt außerdem umfangreich eine Broschüre von Rudolf Aschenauer, dem Verteidiger Kapplers wieder.
  11. ^ Gegen Feuchtinger wurde 1963 in Wien ein Prozess wegen dem Massakers von Bassano geführt. Siehe: Wehrmachtsverbrechen. Verdächtiger nimmt sich das Leben in FR vom 26. September 2008
  12. ^ Rezension von Rafael Binkowski / Klaus Wiegrefe (2011), "Brauner Bluff", Der Spiegel (ドイツ語ご), no. 42, pp. 44–4517. Oktober 2011

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]

  • Verband der Unbelehrbaren? (PDF; 15 kB) von Karsten Wilke, Fakultät für Geschichtswissenschaft, Philosophie und Theologie der Universität Bielefeld
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