明治天皇めいじてんのう紀おさむ

リンクを追加ついか
出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア（Wikipedia）』

明治天皇めいじてんのう紀おさむ（めいじてんのうき）は、宮みや内省ないせいが勅旨ちょくしを奉ほうじて編修へんしゅうした明治天皇めいじてんのうの伝記でんき（実録じつろく）である。明治天皇めいじてんのうや明治めいじ時代じだいの歴史れきしを研究けんきゅうするための基本きほん文献ぶんけんとして活用かつようされている[1]。

沿革えんかく[編集へんしゅう]

1914年ねん（大正たいしょう3年ねん）11月30日にち、天皇てんのうの命令めいれいにより、明治天皇めいじてんのう紀きを編修へんしゅうするため宮みや内省ないせいに臨時りんじ編修へんしゅう局きょく（のち臨時りんじ帝室ていしつ編修へんしゅう局きょくに改称かいしょう）を置おく[2]。当初とうしょの体制たいせいは、総裁そうさいが土方ひじかた久元ひさもと、副ふく総裁そうさいが金子かねこ堅太郎けんたろう、編修へんしゅう長ちょうが股また野の琢みがくである。股また野の編修へんしゅう長ちょうは、近代きんだいの史学しがくを殆ほとんど知しらない官僚かんりょう出身しゅっしんの漢学かんがく者しゃであり、天皇てんのうの言行げんこうを記録きろくする程度ていどの意識いしきしかなかったという[3]。1915年ねん（大正たいしょう4年ねん）制定せいていの編修へんしゅう要綱ようこうでは、天てん皇紀こうきは明治天皇めいじてんのうの言行げんこう録ろくを編纂へんさんするものであって国史こくしを編纂へんさんするものではない、と定さだめられる。

この方針ほうしんに反対はんたいする金子かねこ副ふく総裁そうさいは1918年ねん（大正たいしょう7年ねん）に土方どかた総裁そうさいに意見いけん書しょを提出ていしゅつし、 天皇てんのうは国くにを以もって家いえとするため、天てん皇紀こうきは天皇てんのうの伝記でんきであるとともに治世ちせい中ちゅうの大小だいしょうの出来事できごとを記録きろくする国史こくしでなければならないという自説じせつを主張しゅちょうする。 同年どうねん、土方ひじかた総裁そうさいが死去しきょし、後ごを継ついだ田中たなか光ひかり顕あきらが翌年よくねん辞職じしょくすると、総裁そうさい欠員けついんのまま金子かねこ副ふく総裁そうさいが特命とくめいにより総裁そうさい職しょくを摂と行くだりする（1922年ねん（大正たいしょう11年ねん）に正式せいしきな総裁そうさいに昇格しょうかく）。金子かねこは自説じせつの通とおりに編修へんしゅう方針ほうしんを転換てんかんするように図はかり、1920年ねん（大正たいしょう9年ねん）に天皇てんのうの裁可さいかを得えて、明治天皇めいじてんのう紀き編修へんしゅう綱領こうりょうを定さだめ、明治めいじ時代じだいを叙述じょじゅつする国史こくしとして明治天皇めいじてんのう紀きを編修へんしゅうする方針ほうしんを固かためる[4]。

1921年ねん（大正たいしょう10年ねん）、股また野のに代かわり竹越たけこし与三郎よさぶろうが編修へんしゅう官かん長ちょうに就任しゅうにんする。 竹越たけこしは、リベラルな文明ぶんめい史し家かとして有名ゆうめいで、西園寺さいおんじ公望きんもちのブレインでもあった。西園寺さいおんじが臨時りんじ帝室ていしつ編修へんしゅう局きょくの顧問こもんであった関係かんけいで、その推薦すいせんにより編修へんしゅう官かん長ちょうに就任しゅうにんしたという。竹越たけこし編修へんしゅう官かん長ちょうは、明治天皇めいじてんのう紀きを世界せかい史しの観点かんてんから編修へんしゅうすることを目指めざすが、スケールが大おおきすぎて完成かんせいの目処めどが立たたず、早期そうき完成かんせいを求もとめる金子かねこ総裁そうさいと衝突しょうとつして1926年ねん（大正たいしょう15年ねん）に辞任じにんする[5]。

竹越たけこしの後のちを継ついで編修へんしゅう官かん長ちょうに就任しゅうにんした東京とうきょう帝国ていこく大学だいがく名誉めいよ教授きょうじゅ三上みかみ参さん次じは、史料しりょう編纂へんさん掛かけの発展はってんに尽力じんりょくした実証じっしょう的てきな歴史れきし学者がくしゃであり、編修へんしゅう官かん長ちょう就任しゅうにん前まえから昭和しょうわ天皇てんのうに対たいして明治天皇めいじてんのうの事績じせきを進講しんこうし、宮中きゅうちゅうで高たかく評価ひょうかされていた[6]。三上みかみ編修へんしゅう官かん長ちょうは、記述きじゅつの範囲はんいを縮小しゅくしょうし背景はいけい的てき記述きじゅつを簡略かんりゃくにして、出来できるだけ速成そくせいすることを方針ほうしんに定さだめる[7]。史料しりょうの採集さいしゅうを進すすめ、1930年ねん（昭和しょうわ5年ねん）頃ごろから本格ほんかく的てきに執筆しっぴつを始はじめる[8]。1933年ねん（昭和しょうわ8年ねん）9月がつ30日にち、完成かんせいした本紀ほんぎ250巻かんと画が巻まき1巻かんを昭和しょうわ天皇てんのうに奉呈ほうていし[9]、業務ぎょうむを終おえた臨時りんじ帝室ていしつ編修へんしゅう局きょくを廃止はいしする[10]。

その後ごおよそ1年間ねんかんの残務ざんむ整理せいりを経へて、 1934年ねん（昭和しょうわ9年ねん）7月がつ、明治天皇めいじてんのう紀きを縮ちぢみ約やく公刊こうかんするための公刊こうかん明治天皇めいじてんのう御ご紀き編修へんしゅう委員いいん会かいを宮内くない省内しょうないに置おく[11]。公刊こうかん用ようの稿本こうほんは1939年ねん（昭和しょうわ14年ねん）に大体だいたい完成かんせいし[12]、 編修へんしゅう委員いいん会かいも編修へんしゅう長ちょう以下いかの職制しょくせいを廃止はいしして事実じじつ上じょう休眠きゅうみんするが[13]、この時ときの稿本こうほんは未いまだ刊行かんこうされていない。

その後ご、明治天皇めいじてんのう紀きは長ながらく刊行かんこうされなかったが、政府せいふの明治めいじ百ひゃく年ねん記念きねん事業じぎょうの一環いっかんとして刊行かんこうされることになり、1968年ねん（昭和しょうわ43年ねん）から1977年ねん（昭和しょうわ52年ねん）にかけて全ぜん12巻かんと索引さくいんが刊行かんこうされる[14]。これは、かつて準備じゅんびされた公刊こうかん明治天皇めいじてんのう御ご紀きとは別物べつものであり、昭和しょうわ天皇てんのうに奉呈ほうていした本紀ほんぎ250巻かんをもとに宮内庁くないちょうが校訂こうていしたものである。附図ふずは2012年ねん（平成へいせい24年ねん）の明治天皇めいじてんのう百ひゃく年ねん祭さいを機きに刊行かんこうされる。

庁舎ちょうしゃ[編集へんしゅう]

1919年ねん9月がつ6日にち、臨時りんじ帝室ていしつ編修へんしゅう局きょく庁舎ちょうしゃを東京とうきょう市し麹町こうじまち区く永田町ながたちょう二に丁目ちょうめ20番地ばんちに移転いてん[15]。

竹越たけこし編修へんしゅう官かん長ちょう辞任じにんの要因よういん[編集へんしゅう]

二に代目だいめ編修へんしゅう官かん長ちょうの竹越たけこしが辞任じにんした要因よういんについて、 渡辺わたなべ幾いく治郎じろう編修へんしゅう官かんは後のちに「全まったく総裁そうさい金子かねこ堅太郎けんたろうの拘束こうそくが甚はなはだしく、かれが世界せかい的てきの明治天皇めいじてんのうを世界せかい史し的てき立場たちばから描えがかんとした抱負ほうふを理解りかいせず、煩はん細ほその束縛そくばくを加くわえた結果けっかであった」と回想かいそうしている[16]。

また、竹越たけこしの次男じなんによると、竹越たけこしが辞任じにんした経緯けいいは次つぎのようであったという[17] 。金子かねこ総裁そうさいは高齢こうれいであったので自分じぶんの存命ぞんめい中ちゅうに明治天皇めいじてんのう紀きを完成かんせいさせ、その栄誉えいよを以って伯爵はくしゃくに昇叙しょうじょされることを期待きたいした。竹越たけこしに対たいしては、完成かんせいの暁あかつきに竹越たけこしを男爵だんしゃくに推薦すいせんしてやると言いって早期そうき完成かんせいを促うながした。このことが竹越たけこしを痛いたく憤激ふんげきさせた。西園寺さいおんじ公望きんもちは「金子かねこは高齢こうれいであるから、先さきが長ながくないので、いま暫しばらく辛抱しんぼうしたらよいではないか」と言いって竹越たけこしを慰留いりゅうしたが、竹越たけこしは編修へんしゅう官かん長ちょうを辞任じにんした。

竹越たけこしの後のちを継ついだ三上みかみ編修へんしゅう官かん長ちょうは、自分じぶんが編修へんしゅう官かん長ちょうになったのは「ある家いえに後妻ごさいに来きたようなもの」であり、「その家いえはかなり複雑ふくざつ」で、金子かねこ総裁そうさいは「相当そうとうに喧やかましい姑しゅうと婆ばあさん」であったという[18]。

編修へんしゅうの様子ようす[編集へんしゅう]

1928年ねん（昭和しょうわ3年ねん）に編修へんしゅう官かん補ほになった深谷ふかや博治ひろじは 、編修へんしゅうの様子ようすを回顧かいこして次つぎのように語かたっている[19]。実際じっさいに初稿しょこうを執筆しっぴつするのは編修へんしゅう官かんか編修へんしゅう官かん補ほであり、大体だいたいは編集へんしゅう官かん補ほが書かいて編修へんしゅう官かんが修正しゅうせいする。原稿げんこうは三上みかみ編修へんしゅう官かん長ちょうを経へて金子かねこ総裁そうさいに上あげる。三上みかみ編修へんしゅう官かん長ちょうや金子かねこ総裁そうさいが直なおしを入いれることもあり、その直なおしが編修へんしゅう官かんの意見いけんと合あわないときは議論ぎろんして最終さいしゅう決定けっていする。

金子かねこ総裁そうさいは「私心ししんの強つよい人ひと」であり、自分じぶんが関係かんけいした事ことを非常ひじょうに詳くわしく書かかないと満足まんぞくしない。編修へんしゅう官かんの渡辺わたなべ幾いく治郎じろうは金子かねこ総裁そうさいに向むかって「閣かく下かが関係かんけいされたところだけくわしく書かいては変へんじゃないですか」とずけずけ言いう。金子かねこ総裁そうさいは渡辺わたなべ編修へんしゅう官かんの部下ぶかの深谷ふかや編修へんしゅう官かん補ほを呼よび出だして「渡辺わたなべが書かかんから、おまえ書かけ」と命めいじる。こういうこともあって渡辺わたなべ編修へんしゅう官かんは金子かねこ総裁そうさいに「にらまれた」という。

昭和しょうわ天皇てんのうの見解けんかい[編集へんしゅう]

1933年ねん（昭和しょうわ8年ねん）8月がつ2日にち、金子かねこ総裁そうさいが明治天皇めいじてんのう紀きの編修へんしゅう終了しゅうりょうにつき昭和しょうわ天皇てんのうに奏上そうじょうした[20]。その際さい、日にち清しん戦争せんそうや日にち露ろ戦争せんそうが起おこる前まえまで明治天皇めいじてんのうが開戦かいせんにあまり賛成さんせいでなく平和へいわ的てき解決かいけつを強つよく望のぞんでいたという記述きじゅつについて、「こういうことを今日きょう御ご年代ねんだい記きに書かくことは面白おもしろくございませんから」[21]という理由りゆうで、一般いっぱんに頒布はんぷする公刊こうかん本ほんに書かくのをやめたいと奏上そうじょうした[22][20]。 この当時とうじは、二に年ねん前まえに陸軍りくぐんが満州まんしゅう事変じへんを起おこし、その結果けっかこの年としに国際こくさい連盟れんめいを脱退だったいするなど、周辺しゅうへん国こくとの軍事ぐんじ的てき緊張きんちょうが高たかまった非常時ひじょうじであった。

金子かねこ総裁そうさいが内奏ないそうを終おえた後のち、昭和しょうわ天皇てんのうは鈴木すずき貫太郎かんたろう侍従じじゅう長ちょうを呼よび、「金子かねこが今日きょう省はぶこうと言いっている、明治天皇めいじてんのうが戦争せんそうになることをお好このみにならず平和へいわ裡うらに解決かいけつしたいという思おぼし召めしこそ、天皇てんのうの平和へいわ愛好あいこうの御ご精神せいしんが現あらわれていて、これこそ後世こうせいに伝つたうべきであり、むしろ御ご年代ねんだい記きの中なかに特とくに書かき入いれた方ほうがいいんじゃないかと思おもう」と漏もらした[21]。のちに組織そしきされた公刊こうかん明治天皇めいじてんのう御ご紀き編修へんしゅう委員いいん会かいは、委員いいん長ちょうに宮内くない大臣だいじんを充あて、金子かねこを委員いいんから外はずした。同どう委員いいん会かいは公刊こうかん用ようの稿本こうほんをほぼ完成かんせいしたが、結局けっきょく公刊こうかんしなかったため、当該とうがい記述きじゅつの扱あつかいは不明ふめいである。戦後せんご公刊こうかんされた明治天皇めいじてんのう紀きでは当該とうがい記述きじゅつが残のこされている。

書誌しょし[編集へんしゅう]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]
  1. ^ 堀口ほりぐち(2006)。
  2. ^ 大正たいしょう3年ねん12月1日にち付づけ官報かんぽう皇室こうしつ令れい第だい22号ごう、宮みや内省ないせいニ臨時りんじ編修へんしゅう局きょくヲ置おけクノ件けん。大正たいしょう5年ねん11月6日にち付づけ官報かんぽう皇室こうしつ令れい第だい7号ごう、臨時りんじ編修へんしゅう局きょくノ名称めいしょうヲ変更へんこうスルノ件けん。
  3. ^ 渡辺わたなべ(1934)。
  4. ^ 岩いわ壁かべ(2004)。
  5. ^ 堀ほり(2007)。
  6. ^ 高橋たかはし(1995)。三上みかみ編修へんしゅう官かん長ちょうの御ご進講しんこうは明治天皇めいじてんのう紀き編修へんしゅうと並行へいこうして続つづけられる。
  7. ^ 堀ほり(2007)p666所しょ引「明治天皇めいじてんのう紀き編修へんしゅう事業じぎょう経過けいか概略がいりゃく」。
  8. ^ 堀ほり(2007)注ちゅう45所しょ引、深谷ふかや博治ひろじの回想かいそう。
  9. ^ 岩いわ壁かべ(2004)、堀口ほりぐち(2006)。
  10. ^ 昭和しょうわ8年ねん9月がつ30日にち付づけ官報かんぽう皇室こうしつ令れい第だい4号ごう、宮みや内省ないせいニ臨時りんじ帝室ていしつ編修へんしゅう局きょくヲ置おけクノ件けん廃止はいし。
  11. ^ 堀口ほりぐち(2006)註10。昭和しょうわ9年ねん7月がつ2日にち付づけ官報かんぽう彙報いほう欄らん、公刊こうかん明治天皇めいじてんのう御ご紀き編修へんしゅう委員いいん会かい設置せっち。
  12. ^ 高橋たかはし(1995)p20。
  13. ^ 昭和しょうわ14年ねん7月がつ1日にち官報かんぽう彙報いほう欄らん、公刊こうかん明治天皇めいじてんのう御ご紀き編修へんしゅう委員いいん会かい規程きてい中ちゅう改正かいせい。
  14. ^ 堀口ほりぐち(2006)註1。
  15. ^ 『官報かんぽう』第だい2129号ごう、大正たいしょう8年ねん9月がつ8日にち。
  16. ^ 堀ほり(2007)p669所しょ引、 渡辺わたなべ幾いく治郎じろう「越後えちごが生うんだ才人さいじん竹越たけこし与三郎よさぶろう」『夕刊ゆうかん北越ほくえつ新報しんぽう』1950年ねん2月がつ18日にち〜20日はつか連載れんさい。
  17. ^ 堀ほり(2007)p671所しょ引、 竹越たけこし熊三郎くまさぶろう「竹越たけこし三叉さんさ　日本にっぽん経済けいざい史し・明治天皇めいじてんのう紀き」。
  18. ^ 堀ほり(2007)所しょ引、 三上みかみ(1934)p8。
  19. ^ 堀口ほりぐち(2010)p269-270所しょ引
  20. ^ a b 宮内庁くないちょう『昭和しょうわ天皇てんのう実録じつろく』昭和しょうわ8年ねん8月がつ2日にち条じょう第だい2項こう、2014年ねん9月がつ13日にち閲覧えつらん。
  21. ^ a b 原はら田熊たぐま雄つよし『西園寺さいおんじ公こうと政局せいきょく』第だい3巻かん136頁ぺーじによると、1933年ねん（昭和しょうわ8年ねん）9月がつ5日にちに木戸きど幸一こういちが西園寺さいおんじ公望きんもちに次つぎのように話はなしたという。「金子かねこ子爵ししゃくが今度こんど出来でき上うえつた明治天皇めいじてんのうの御ご年代ねんだい記きの内容ないようについて、陛下へいかに上奏じょうそうした。その時ときに、子爵ししゃくは、日にち清しん日にち露ろの戦役せんえきのいよ／＼起おこる前まえまでは、明治天皇めいじてんのうは開戦かいせんにはあまり御ご賛成さんせいでなく、寧むしろ平和へいわ裡うらに解決かいけつしたいといふ思召おぼしめしが強つよかつたことについて、『かういふことを今日きょう御ご年代ねんだい記きに書かくことは面白おもしろくございませんから、また別べつの場合ばあいにしたら……』と言げんつて省はぶく意思いしを申上もうしあげた。ところが、陛下へいかはその後ご侍従じじゅう長ちょうを召めされて、『金子かねこが来きてかく／＼のことを言げんつたが、自分じぶんは金子かねこが今日きょう省はぶかうと言げんつてゐる、明治天皇めいじてんのうが戦争せんそうになることをお好このみにならず平和へいわ裡うらに解決かいけつしたいといふ思召おぼしめしこそ、天皇てんのうの平和へいわ愛好あいこうの御ご精神せいしんが現げんはれてゐて、これこそ後世こうせいに伝つてふべきであり、寧むしろ御ご年代ねんだい記きの中なかに特とくに書かき入いれた方ほうがいゝんぢやないかと思おもふが、どうか』といふ思召おぼしめしを洩もらされ、侍従じじゅう長ちょうはその旨むねを宮内くない大臣だいじんに話はなした。」
  22. ^ 『木戸きど幸一こういち日記にっき』昭和しょうわ8年ねん9月がつ2日にち条じょう

参考さんこう[編集へんしゅう]

  • 岩いわ壁かべ義光よしみつ「明治天皇めいじてんのう紀き編纂へんさんと史料しりょう公開こうかい・保存ほぞん (大学だいがく・編纂へんさん・文書ぶんしょ館かん : 広島大学ひろしまだいがく文書ぶんしょ館かん設立せつりつ準備じゅんび企画きかく公開こうかいプレ・シンポジウムの記録きろく)」、『広島大学ひろしまだいがく史し紀要きよう』6、2004年ねん [1]
  • 高橋たかはし勝浩かつひろ「三上みかみ参さん次じの進講しんこうと昭和しょうわ天皇てんのう ― 明治天皇めいじてんのうの聖徳せいとくをめぐって ― 」『明治めいじ聖徳せいとく記念きねん学会がっかい紀要きよう』復刊ふっかん第だい15号ごう、1995年ねん8月がつ [2]
  • 堀ほり和孝かずたか「竹越たけこし与三郎よさぶろうと『明治天皇めいじてんのう紀き』編修へんしゅう事業じぎょう―稿本こうほん『明治天皇めいじてんのう紀き』の分析ぶんせき―」、 同志社どうししゃ法ほう學會がっかい『同志社どうししゃ法學ほうがく』59(2)、2007年ねん7月がつ [3]
  • 堀口ほりぐち修おさむ「『明治天皇めいじてんのう紀き』編修へんしゅうと金子かねこ堅太郎けんたろう」、日本にっぽん歴史れきし学会がっかい『日本にっぽん歴史れきし』第だい661号ごう、2003年ねん6月がつ
  • 堀口ほりぐち修おさむ「『明治天皇めいじてんのう紀き』編修へんしゅうと近きん現代げんだいの歴史れきし学がく」、『明治めいじ聖徳せいとく記念きねん学会がっかい紀要きよう』復刊ふっかん第だい43号ごう、2006年ねん11月 [4]
  • 堀口ほりぐち修おさむ「『明治天皇めいじてんのう紀き』編修へんしゅうをめぐる宮みや内省ないせい臨時りんじ編修へんしゅう局きょく総裁そうさい人事じんじ問題もんだいと末松すえまつ謙澄けんちょう」 『明治めいじ聖徳せいとく記念きねん学会がっかい紀要きよう』復刊ふっかん第だい45号ごう、2008年ねん11月 [5]
  • 堀口ほりぐち修おさむ「『公刊こうかん明治天皇めいじてんのう御ご紀き』の編修へんしゅうについて--特とくに編纂へんさん長ちょう三さん上じょう参さん次じの時期じきを中心ちゅうしんとして(上うえ) 」 、大倉おおくら精神せいしん文化ぶんか研究所けんきゅうじょ『大倉山おおくらやま論集ろんしゅう』54、2008年ねん3月がつ
  • 堀口ほりぐち修おさむ「『公刊こうかん明治天皇めいじてんのう御ご紀き』の編修へんしゅうについて--特とくに編纂へんさん長ちょう三さん上じょう参さん次じの時期じきを中心ちゅうしんとして(下した) 」 大倉おおくら精神せいしん文化ぶんか研究所けんきゅうじょ『大倉山おおくらやま論集ろんしゅう』55、2009年ねん3月がつ
  • 堀口ほりぐち修おさむ「『明治天皇めいじてんのう紀き』の叙述じょじゅつをめぐる問題もんだいについてー日にち清しん戦争せんそう開戦かいせん時じの宣戦せんせん奉告ほうこく問題もんだいを事例じれいとしてー」 『明治めいじ聖徳せいとく記念きねん学会がっかい紀要きよう』復刊ふっかん第だい47号ごう、2010年ねん11月 [6]
  • 渡辺わたなべ幾いく治郎じろう「明治天皇めいじてんのう紀き編修へんしゅう二に十じゅう年ねん」、『明治めいじ史し研究けんきゅう』、1934年ねん [7]
  • 真辺まなべ美佐みさ「史料しりょう解読かいどく 『明治天皇めいじてんのう紀き』の読よみ方かた指南しなん」『歴史れきし読本とくほん』特集とくしゅう明治天皇めいじてんのう100年ねん目めの実像じつぞう、2012年ねん12月、pp.154-160
  • 三上みかみ参さん次じ「明治天皇めいじてんのう御ご紀きの編纂へんさんに就ついて」『歴史れきし研究けんきゅう』第だい8巻かん第だい11号ごう、1934年ねん2月がつ
「https://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=明治天皇めいじてんのう紀おさむ&oldid=99292708」から取得しゅとく