木屋こや町まち通どおり

木屋こや町まち通どおりと高瀬川たかせがわ

立たて誠まことガーデン ヒューリック京都きょうと・角倉すみくら了りょう以顕彰けんしょう碑ひ

木屋こや町まち通どおり・大村おおむら益次郎えきじろう遭難そうなんの碑いしぶみ

木屋こや町まち通どおり・佐久間さくま象山ぞうさん遭難そうなんの碑いしぶみ

木屋こや町まち通どおり、木屋こや町まち通どおり（きやまちどおり）は、京都きょうと市しの南北なんぼくの通とおりの一ひとつである。北きたは二条通にじょうどおりから南みなみは七条通しちじょうどおりまで、全長ぜんちょう約やく2.8キロメートルの道路どうろである。先斗ぽんと町まちの西にしにあり、高瀬川たかせがわの東側ひがしがわに沿そって中京ちゅうきょう区く・下京しもぎょう区くを貫通かんつうする。

略称りゃくしょう木屋こや町まち（きやまち）は、東西とうざいの通とおり名なと合あわせて頻用ひんようされ、また通とおり沿ぞい・高瀬川たかせがわ沿ぞいの二に条じょう・五条ごじょう間あいだの地域ちいきを「木屋こや町まち」と通称つうしょうする。

三条さんじょう通どおりから南みなみでは、一部いちぶを除のぞき高瀬川たかせがわ西岸せいがんに西にし木屋こや町まち通どおり（にしきやまちどおり）が並なみ走はしする。

略歴りゃくれき

慶長けいちょう年間ねんかん（1596年ねん - 1615年ねん）の角すみ倉くら了りょう以の高瀬川たかせがわ開削かいさくに伴ともなって、1611年ねん（慶長けいちょう16年ねん）に二に条じょう樵きこり木町きまち（現在げんざいの中京ちゅうきょう区く上樵木かみこりき町まち付近ふきん）を起点きてんに開通かいつうした。開通かいつう当時とうじのこの通とおりは、「樵きこり木町通きまちどおり」と呼よばれていた。

江戸えど時代じだい初期しょき（17世紀せいき）、大坂おおさか（現在げんざいの大阪おおさか府ふ大阪おおさか市し）や伏見ふしみ（現在げんざいの京都きょうと市し伏見ふしみ区く）から薪炭しんたん・木材もくざいが高瀬舟たかせぶねに積つまれて集あつまり、材木ざいもく問屋とんや・材木ざいもく商しょうが倉庫そうこや店舗てんぽを立たち並ならべるようになったため、「木屋こや町まち」と呼よばれた。木屋こや町まち周辺しゅうへんには材木ざいもく町まち、紙屋かみや町まち、鍋屋なべや町まち、米屋こめや町まちなどの地名ちめいが残のこっている。1762年ねん（宝たから暦れき12年ねん）に刊行かんこうされた『京町きょうまち鑑あきら』には、「木屋こや町まち」を「北二条きたにじょう通どおりより南みなみ五ご条じょう迄まで」と定義ていぎし記載きさいしている。

江戸えど時代じだい中期ちゅうき（18世紀せいき）には、この通とおりを往来おうらいする旅人たびびとや商人しょうにんを目当めあてに、料理りょうり屋やや旅籠はたご、酒屋さかやなどが店みせを構かまえるようになり、酒楼しゅろう娯楽ごらくの場ばへと姿すがたを変かえた。幕末ばくまつ（19世紀せいき）には勤皇きんのう志士ししが密会みっかいに利用りようしたため、坂本さかもと龍馬りょうまや桂かつら小五郎こごろうらの潜せん居きょ跡あとや事跡じせきの碑いしぶみが繁華はんか街がいのあちこちに立たっており、大村おおむら益次郎えきじろうや本間ほんま精一郎せいいちろう、佐久間さくま象山ぞうさんなどが殉難じゅんなんしている。

1895年ねん（明治めいじ28年ねん）には、二に条じょう - 五条ごじょう間あいだに京都きょうと電気でんき鉄道てつどう（のちに買収ばいしゅうされ京都きょうと市電しでん木屋こや町まち線せん）の路面ろめん電車でんしゃが開通かいつうした。1920年代ねんだい（大正たいしょう末すえ年ねん - 昭和しょうわ初年しょねん）に河原町かわらまち通どおりが拡幅かくふくされたことにより、市電しでんのルートは河原町かわらまち線せんに移うつった。

1935年ねん（昭和しょうわ10年ねん）6月29日にちに発生はっせいした京都大きょうとだい水害すいがいでは、三条さんじょう以南いなんの家屋かおくのほとんどが階下かいかが浸水しんすいする被害ひがいを受うけた。

現状げんじょう

高瀬川たかせがわの側がわにサクラが植うえ栽され、歩道ほどうを場所ばしょにより車道しゃどう側がわに飛とび出ださせて車くるまの高速こうそく走行そうこうを押おさえるなど、整備せいびがされている。三条さんじょう通どおりから四条しじょう通どおりまでを中心ちゅうしんに、喫茶店きっさてん、バー、スナック、料亭りょうていなどに加くわえ、各国かっこく料理りょうりレストランなど所ところ狭せましと並ならんでいる。風俗ふうぞく営業えいぎょう店てんの増加ぞうかに伴ともない、地元じもとが治安ちあん対策たいさくの運動うんどうを行おこなっている。

2003年ねん（平成へいせい15年ねん）、京都きょうと市しが地区ちくとしての「木屋こや町まち」を、「木屋こや町まち界隈かいわい」（きやまちかいわい）として「美うつくしいまちづくり重点じゅうてん地区ちく」に指定していした。

2016年ねん（平成へいせい28年ねん）、京都きょうと府ふ暴力団ぼうりょくだん排除はいじょ条例じょうれいが改正かいせいされたことを契機けいきに、木屋こや町まち界隈かいわいに暴力団ぼうりょくだん排除はいじょ特別とくべつ強化きょうか地域ちいきが設定せってい。暴力団ぼうりょくだん員いん等とうによるみかじめ料りょうの要求ようきゅうも、飲食いんしょく業者ぎょうしゃなどからの支払しはらいも禁止きんしされた。なお、支払しはらった側がわにも1年ねん以下いかの懲役ちょうえき又または50万まん円えん以下いかの罰金ばっきんが課かされる。

参考さんこう文献ぶんけん

• 森谷もりたに尅久『ビジュアル・ワイド 京都きょうとの大路おおじ小路こうじ』小学館しょうがくかん、2003年ねん。ISBN 9784096815618。 
• 高松たかまつ吉太郎よしたろう『京都きょうと市電しでん慕情ぼじょう』プレス・アイゼンバーン、1978年ねん。 

関連かんれん項目こうもく

• 高瀬川たかせがわ (京都きょうと府ふ)
• 京都きょうと市内しないの通とおり
• 河原町かわらまち通どおり（一筋ひとすじ西にしの通とおり）
• 木屋こや町まち (京都きょうと市し中京ちゅうきょう区く)（きやちょう） - 京都きょうと府ふ京都きょうと市し中京ちゅうきょう区くの公称こうしょう町名ちょうめい。夷川えびすがわ通どおり麩ふすま屋や町まち西入にしいり及および夷川えびすがわ通どおり麩ふすま屋や町東まちひがし入いれに位置いちする。元もと学区がっくでは富有ふゆう学区がっくにあたる。本ほん項こう（木屋こや町まち通どおり）とは別べつのものである。

外部がいぶリンク

• 『木屋こや町まち通どおり』 - コトバンク
• 『木屋こや町まち』 - コトバンク
• 織田おだ武雄たけお『木屋こや町まち』 - コトバンク
• 西にし木屋こや町まち通どおり
• 木屋こや町まちバーテンダーズ

京都きょうと市内しないの南北なんぼくの通とおり
西にし隣となりの通とおり 河原町かわらまち通どおり・土手どて町まち通どおり	北きたは 二条通にじょうどおり まで	東ひがし隣となりの通とおり 先斗ぽんと町まち通どおり・三ノ宮さんのみや町まち通どおり 鴨川かもがわを渡わたって川端かわばた通とおる
	木屋こや町まち通どおり
	南みなみは 七条通しちじょうどおり まで