李り憲けん

李り憲けん
続柄つづきがら	睿宗第だい一いち皇子おうじ
全ぜん名な	李り憲けん
称号しょうごう	寧やすし王おう（追贈ついぞう：譲ゆずる皇帝こうてい）
身み位い	郡ぐん王おう→皇太子こうたいし→郡ぐん王おう→王おう
敬称けいしょう	殿下でんか
出生しゅっしょう	調しらべ露ろ元年がんねん（679年ねん）
死去しきょ	開ひらき元もと29年ねん11月24日にち （742年ねん1月がつ5日にち）
埋葬まいそう	恵めぐみ陵りょう
配偶はいぐう者しゃ	元げん氏し
子女しじょ	李り璡 他た 養子ようし：李り瑁
父親ちちおや	睿宗
母親ははおや	劉りゅう皇后こうごう
役職やくしょく	太ふとし尉じょう

李り 憲けん（り けん）は、唐とうの第だい5代だい皇帝こうてい睿宗の長男ちょうなんで最初さいしょの皇太子こうたいし。母ははは皇后こうごう劉りゅう氏し、異母いぼの庶弟に李り隆たかし基もと（玄げん宗むね）がいる。死後しごに譲ゆずる皇帝こうていと追つい諡おくりなされて皇帝こうていに准じゅんじた格式かくしきでの葬礼そうれいを受うけた。

生涯しょうがい

初はじめは李り成しげる器き（り せいき）と名乗なのって永なが平郡へごおり王おうに封ふうじられていたが、文明ぶんめい元年がんねん（684年ねん）に父ちちが即位そくい（1回かい目め）すると、皇太子こうたいしに立たてられた。ところが載の初はつ2年ねん（690年ねん）に睿宗の実母じつぼである武則たけのり天てんが自みずから帝位ていいを簒奪さんだつすると、睿宗は皇嗣こうし（皇太子こうたいし）に、成なり器きら兄弟きょうだいは皇孫こうそんに格下かくさげとなり、長寿ちょうじゅ2年ねん（693年ねん）に寿ことぶき春はる郡ぐん王おうとされた。

神かみ龍りゅう元年がんねん（705年ねん）に伯父おじに当あたる中ちゅう宗むねが政変せいへんを起おこして復位ふくいに成功せいこうすると、蔡王に封ふうじられるがこの際さいは辞退じたいしている。景けい龍りゅう4年ねん（710年ねん）に改あらためて宋そう王おうに封ふうじられる。ところがこの年としに中ちゅう宗むねが変死へんししてその皇后こうごうである韋后が帝位ていいを簒奪さんだつしようとしたために、成なり器きの弟おとうとである李り隆たかし基もとがクーデターを起おこして韋后・安楽あんらく公主こうしゅらを殺害さつがいし、事後じご父ちちである睿宗に報告ほうこくして復位ふくいさせた。当然とうぜん、元もとの皇太子こうたいしであった成なり器きが皇太子こうたいしになるものと思おもわれ睿宗もその心しんつもりであったが、成なり器きは自みずからが父ちちの復位ふくいに何なんの功績こうせきも挙あげていないことを理由りゆうに皇太子こうたいしの地位ちいを李り隆たかし基もとに譲ゆずった。

そこで太子たいし太ふとし師し・雍州牧まき・揚あげ州しゅう大だい都と督とく、次ついで左ひだり僕ぼく射しゃ・司つかさ徒とに任命にんめいされ、翌年よくねんには太子たいし賓客ひんきゃくとしての待遇たいぐうが与あたえられて、弟おとうとである李り隆たかし基もとに臣下しんかの礼れいを取とることのないように配慮はいりょされた。開ひらき元もと元年がんねん（713年ねん）李り隆たかし基もとが第だい6代だい皇帝こうてい玄げん宗むねとして即位そくいすると、司つかさ空そら・太ふとし尉じょうとなり開府かいふ儀ぎ同どう三さん司つかさとして遇ぐうせられた。開ひらけ元もと4年ねん（716年ねん）に成なり器きは継母けいぼ皇后こうごうの尊称そんしょう「昭あきら成なり」を避さけて憲けんと改名かいめいする。以後いご、寧やすし王おうとなり二に州しゅうの刺史ししを務つとめた。開ひらけ元もと9年ねん（721年ねん）に太ふと常つね卿きょう、開ひらく元もと21年ねん（733年ねん）に再度さいど太ふとし尉じょうとなる。

李り憲けんは音楽おんがくに詳くわしく笛ふえの達人たつじんであった。また、いつも慎つつましやかな態度たいどを取とって自みずからは政務せいむに関かかわることを避さけていた。このため、彼かれと玄げん宗むねの間あいだを裂さこうとする讒言ざんげんがなされることがあっても玄げん宗むねは全まったく信しんじようとはせず、李り憲けんが臣下しんかの礼れいを取とろうとするとこれを止とめさせて、弟おとうととしての立場たちばを終始しゅうし崩くずすことがなかったという。

開ひらけ元もと29年ねん11月24日にち（742年ねん1月がつ5日にち）、63歳さいで病死びょうし。玄げん宗むねは深ふかく悲かなしみ、諸しょ臣しんの反対はんたいにもかかわらず、李り憲けんに譲ゆずる皇帝こうていという諡おくりなを贈おくって皇帝こうていの衣装いしょうを着きせ、皇帝こうていに准じゅんじた葬儀そうぎを行おこなわせた。また、先さきに亡なくなっていた妃ひの元もと氏しにも恭きょう皇后こうごうという諡おくりなを贈おくった。墓はかは「恵めぐみ陵りょう」と称しょうされて皇帝こうていに准じゅんじた扱あつかいを受うけ、現在げんざいも陝西せんせい省しょう渭南市し蒲がま城ぐすく県けんの北西ほくせいに残のこっている。養子ようしの寿ことぶき王おう李り瑁（玄げん宗むねの第だい18子し）は喪もに服ふくした。

李り憲けんの長男ちょうなんは、杜もり甫はじめの『飲いん中ちゅう八はち仙せん歌うた』に名なを挙あげられた、おなじく音おと芸げい諸般しょはんに通つうじた汝なんじ陽ひ郡ぐん王おう李り璡（小字こあざは花はな奴やつ）である。

子女しじょ

男子だんし

1. 汝なんじ陽ひ郡ぐん王おう李り璡 - 初はつ名なは李り嗣恭、後のちに李り淳あつしに改名かいめいする。　
2. 済すみ陰かげ郡ぐん王おう李り嗣荘
3. 寧やすし王おう李り琳
4. 申さる王おう李り璹
5. 同どう安やす郡ぐん王おう李り珣
6. 隴西郡にしごおり公こう李り瑀 - 後のちに漢かん中ちゅう王おうに昇格しょうかくし、子孫しそんは繁栄はんえいした。
7. 蒼梧そうご郡こおり公こう李り玢
8. 晋すすむ昌あきら郡こおり公こう李り珽
9. 魏ぎ郡ぐん公おおやけ李り琯
10. 文ぶん安やす郡ぐん公こう李り璀

女子じょし

• 吉安きちやす県けん主ぬし
• 金山かなやま公主こうしゅ - 突厥の默だま啜すす可か汗あせに嫁とついだが、叔父おじの玄げん宗むねが即位そくいすると離縁りえんされて帰国きこくした。