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毘式よんじゅうみりめーとる機銃きじゅう

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
毘式よんじゅうみりめーとる機銃きじゅう
2連装れんそうじゅう搭載とうさいされた毘式よんじゅうみりめーとる機銃きじゅう[1]
種類しゅるい 対空たいくう機関きかんほう
はら開発かいはつこく イギリスの旗 イギリス
運用うんよう
配備はいび期間きかん 1932ねん - 1945ねん
配備はいびさき  大日本帝国だいにっぽんていこく海軍かいぐん
関連かんれん戦争せんそう紛争ふんそう だい世界せかい大戦たいせん
開発かいはつ
開発かいはつ期間きかん 1915ねん(原型げんけい開発かいはつねん)
製造せいぞう業者ぎょうしゃ ヴィッカース・アームストロングしゃ海軍かいぐん工廠こうしょう
製造せいぞうすう じゅう本体ほんたい 500 ちょうじゅう 200
派生はせいがた いちがたがたさんがた
しょもと
重量じゅうりょう 機銃きじゅう本体ほんたい:281 kg
じゅうそう重量じゅうりょう
たんそういちがた:971 kg[2]
たんそうがた:1,950 kg[2]
連装れんそういちがた:1,900 kg[3]
連装れんそうがた:2,300 kg[3]
全長ぜんちょう 2,502 mm
銃身じゅうしんなが 1,575 mm(39口径こうけい)
要員よういんすう たんそう:8めい[2]
連装れんそう:10めい[3]

砲弾ほうだん 40 × 158R
口径こうけい 40mm[2][3][1]
ほう たんそうおよ連装れんそう[2][3]
仰角ぎょうかく 最大さいだい仰角ぎょうかく:85 最大さいだい俯角ふかく:5 [1]
発射はっしゃ速度そくど 200はつぶん(最大さいだい)
120はつぶん(連続れんぞく最大さいだい、1もんあたり)[2]
60〜100はつぶん(実用じつよう)
初速しょそく 600m/びょう[2]
有効ゆうこう射程しゃてい やく 1,100 m/2,000 m(かく 85 )
最大さいだい射程しゃてい やく 3,500 m(水平すいへい)
最大さいだい射撃しゃげき高度こうど 3,980 m[2]
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毘式よんじゅうみりめーとる機銃きじゅう(ビしきよんじゅうミリきじゅう)は、大日本帝国だいにっぽんていこく海軍かいぐん装備そうびした機関きかんほうである。海軍かいぐん装備そうびした機関きかんほう最大さいだいかつさい重量じゅうりょうだった[3]

“毘式”とはヴィッカース・アームストロングしゃのビ(ヴィ)をあらわしている。

概要がいよう

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水冷すいれい・ベルトリンクきゅうだんしき[1]機関きかんほうで、自動じどうしき信管しんかん調ちょうじょうそなえ、望遠ぼうえん計算けいさんしき照準しょうじゅんゆうする[1]。1925ねんイギリスヴィッカース QF 2ポンドほうMk.II(いわゆるポンポンほう)を導入どうにゅうしたものである。当初とうしょはイギリスより輸入ゆにゅうしたが、のち機銃きじゅうじゅうともに海軍かいぐん工廠こうしょうおよび舞鶴まいづる海軍かいぐん工作こうさく[4]にてライセンス生産せいさんされた。

機銃きじゅう本体ほんたいいちがたいちがたあらためいちがたがたあらためいちさんがた各種かくしゅがあり、じゅうたんそうたんそういちがたがたさんがたと2連装れんそう連装れんそういちがたいちがたあらためいちがたがたがあった。たんそうじゅうおも艦艇かんてい対空たいくうほうとして、連装れんそうじゅう浮上ふじょうちゅう潜水せんすいかんふねからあなけて潜航せんこう不能ふのうにするため[3]駆逐くちくてい敷設ふせつていかんくび備砲びほうとして、1932ねん昭和しょうわ7ねん)から1940ねん昭和しょうわ15ねん)に竣工しゅんこうした艦艇かんてい装備そうびされた。

だい口径こうけいほうとしての威力いりょく期待きたいされた[2]が、オリジナルと同様どうようきゅうだん機構きこう機関きかん設計せっけい無理むりがあり、機械きかいてきなトラブルが多発たはつするために信頼しんらいせいひくく、対空たいくう兵器へいきとしては発射はっしゃ速度そくどひくうえ弾道だんどう特性とくせいわるく、実用じつよう射程しゃていみじかいため、有効ゆうこうせいたかいものではなかった。1935ねん以降いこうじゅうさんみりめーとる機銃きじゅうきゅうろくしきじゅうみりめーとる高角こうかく機銃きじゅうといった新型しんがた国産こくさん艦載かんさい対空たいくう機銃きじゅう開発かいはつ配備はいびされるとそれらにえられ、太平洋戦争たいへいようせんそうときにはおも小型こがた艦艇かんてい艦載かんさいほうおよ地上ちじょう設置せっちがた対空たいくうほう対戦たいせんしゃほう[1]としてもちいられた。

実戦じっせんでの運用うんよう

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1942ねん昭和しょうわ17ねん)10がつ25にちガダルカナルとうにおいてけい巡洋艦じゅんようかん由良ゆらおよ駆逐くちくかん秋月あきづき」とともべいぐん急降下きゅうこうか爆撃ばくげきSBDドーントレス交戦こうせんしただい駆逐くちくたい白露しらつゆがた駆逐くちくかん4せき)は、対空たいくう戦闘せんとうで40mm機銃きじゅうを「村雨むらさめ」288はつ、「五月雨さみだれ」200はつ、「夕立ゆうだち」310はつ、「春雨はるさめ」350はつ発射はっしゃしているが[5]、「対空たいくう兵器へいきとしての価値かちきわめてすくない」と評価ひょうかしている[6]

地上ちじょう設置せっちされたものは、かずもん連合れんごうぐん鹵獲ろかくされた[1]

搭載とうさいかん

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このほかたんそう連装れんそうども陸上りくじょう基地きち固定こていしき対空たいくう砲座ほうざようとしても使用しようされた。

現存げんそんひん

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タイ王国おうこくサムットプラカーンけんにある海軍かいぐん歴史れきし公園こうえんには、毘式よんじゅうみりめーとる機銃きじゅうたんそうじゅうがたおよ連装れんそうじゅうがた展示てんじされている[4]

かくかた

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機銃きじゅう本体ほんたい

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毘式よんじゅうみりめーとる機銃きじゅういちがた
ヴィッカース・アームストロングしゃよりの輸入ゆにゅうひん。25れんベルトリンクきゅうだんしき
毘式よんじゅうみりめーとる機銃きじゅういちがたあらためいち
いちがたきゅうだん機構きこう改造かいぞうがたおなじ50れんベルトリンクきゅうだんしきとしたもの。
毘式よんじゅうみりめーとる機銃きじゅうがた
きゅうだん機構きこう改造かいぞうし50れんベルトリンクきゅうだんしきとしたもの。
毘式よんじゅうみりめーとる機銃きじゅうがたあらためいち
150はつベルトリンクきゅうだんしき変更へんこうしたもの。試作しさくのみ。
毘式よんじゅうみりめーとる機銃きじゅうさんがた
駆潜艇くせんてい搭載とうさいよう。25れんベルトリンクきゅうだんしきとして小型こがたしたもの。

じゅう

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毘式四十粍単装銃架一型
ヴィッカース・アームストロングしゃよりの輸入ゆにゅうひん機銃きじゅう1ちょう装備そうび
毘式四十粍単装銃架二型
海軍かいぐん工廠こうしょうによる国産こくさんひん搭載とうさい機銃きじゅうがたもしくはいちがたあらためいちとし、操作そうさしゅを2めいとしたもの。
毘式四十粍単装銃架三型
がた改良かいりょうしたもので、機銃きじゅうを毘式よんじゅうみりめーとる機銃きじゅうさんがたとし、小型こがた艦艇かんていへの搭載とうさいよう全幅ぜんぷく縮小しゅくしょうしたもの。
毘式よんじゅうみりめーとる連装れんそうじゅういちがた
ヴィッカース・アームストロングしゃよりの輸入ゆにゅうひん機銃きじゅう2ちょう装備そうび
毘式四十粍連装銃架一型改一型
たんそうじゅうがた搭載とうさい機銃きじゅうを2ちょう連装れんそう変更へんこうしたもの。
毘式よんじゅうみりめーとる連装れんそうじゅうがた
たんそうじゅうさんがた搭載とうさい機銃きじゅうを2ちょう連装れんそう変更へんこうしたもの。

脚注きゃくちゅう出典しゅってん

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  1. ^ a b c d e f g べい陸軍りくぐんしょうへんはらかんわけいわどうけんじん熊谷くまがいただし斎木さいき伸生のぶお監修かんしゅう日本にっぽん陸軍りくぐん便覧びんらん まい陸軍りくぐんテクニカル・マニュアル:1944』 光人みつひとしゃ 1998ねん ISBN 4-7698-0833-X P.226-227
  2. ^ a b c d e f g h i j k 山本やまもと義秀よしひで吉原よしはら幹也みきや日本にっぽん海軍かいぐん艦載かんさい兵器へいきだい図鑑ずかんKKベストセラーズ 2002ねん ISBN 4-584-17088-6 P.116-117
  3. ^ a b c d e f g h 日本にっぽん海軍かいぐん艦載かんさい兵器へいきだい図鑑ずかん』 P.118-119
  4. ^ a b 日本にっぽん海軍かいぐん艦載かんさい兵器へいきだい図鑑ずかん』 P.30-33
  5. ^ #昭和しょうわ17ねん9がつよんみずせん詳報しょうほう(6)p.56『.消耗しょうもう弾薬だんやくすう
  6. ^ #昭和しょうわ17ねん9がつよんみずせん詳報しょうほう(6)p.59『()2dgがた(白露しらつゆがた)装備そうびノ40みりめーとる機銃きじゅう急降下きゅうこうか爆撃ばくげきたい射撃しゃげき速度そくどしょう且ツ故障こしょうクシテ對空たいくう兵器へいきトシテノ価値かちごくメテしょうナリそくニ25みりめーとる機銃きじゅうかわそうようアリ』
  7. ^ #昭和しょうわ17ねん12月〜4みずせん日誌にっし(2)p.4『12月22にち1620大臣だいじん長官ちょうかん/部下ぶか工廠こうしょうヲシテ時機じき次第しだい 若葉わかば はつしも 有明ありあけ 夕暮ゆうぐれ 白露しらつゆ 時雨しぐれノ40みりめーとる機銃きじゅう在庫ざいこノ25みりめーとる2連装れんそういちがたあらため(がたあらため)トかわそう これ代償だいしょう重量じゅうりょうトシテ予備よび魚雷ぎょらい2、及同格納庫かくのうこ撤去てっきょセシムベシ。工事こうじ所要しょよう兵器へいき詳細しょうさいせきシテハ海軍かいぐんかんせい本部ほんぶちょうヲシテ直接ちょくせつ所要しょようこう通牒つうちょうセシム。』

参考さんこう文献ぶんけん資料しりょう

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  • アジア歴史れきし資料しりょうセンター(公式こうしき防衛ぼうえいしょう防衛ぼうえい研究所けんきゅうじょ
    • Ref.C08030113400『昭和しょうわ17ねん9がつ25にち昭和しょうわ17ねん11月9にち だい4水雷すいらい戦隊せんたい戦闘せんとう詳報しょうほう(6)』。 
    • Ref.C08030116100『昭和しょうわ17ねん12月1にち昭和しょうわ18ねん4がつ30にち だい4水雷すいらい戦隊せんたい戦時せんじ日誌にっし(2)』。 
  • 日本にっぽん帝國ていこく海軍かいぐん 海軍かいぐんかんせい本部ほんぶ各種かくしゅ機銃きじゅう縮図しゅくず 昭和しょうわじゅういちねんがつ調製ちょうせい
  • もりひさしえいちょタミヤニュース別冊べっさつ 軍艦ぐんかん雑記ざっきちょう (上巻じょうかん) 』「6 火器かき 機銃きじゅう」 田宮たみや模型もけい 1989ねん p.32
  • もりひさしえいちょ軍艦ぐんかんメカニズム図鑑ずかん 日本にっぽん駆逐くちくかん』(ISBN 978-4876871544)グランプリ出版しゅっぱん 1995ねん
  • まる編集へんしゅうへん軍艦ぐんかんシリーズ 4 図解ずかい 日本にっぽん駆逐くちくかん 』(ISBN 978-4769808985) 光人みつひとしゃ 1999ねん

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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