決勝けっしょう戦せん

決勝けっしょう戦せん（けっしょうせん、英語えいご: Final）とは、各種かくしゅの競技きょうぎにおいて優勝ゆうしょうを決定けっていするために行おこなわれる試合しあいのことである。単たんに決勝けっしょうともいう。優勝ゆうしょう戦せんや優勝ゆうしょう決定けってい戦せんと呼よぶ場合ばあいもある。一般いっぱん的てきに決勝けっしょう戦せん終了しゅうりょう後ごには、表彰ひょうしょう式しき並ならびに閉会へいかい式しきが行おこなわれることが多おおい。

決着けっちゃくがつかない場合ばあいや中止ちゅうしになって振替ふりかえ試合しあいを開催かいさいする目途もくとが立たたない場合ばあい、もしくは決勝けっしょう戦せん以前いぜんの試合しあいで誤審ごしんが発覚はっかくした場合ばあいは決勝けっしょう戦せんを取とりやめもしくは打うち切きりとして決勝けっしょう戦せんに進出しんしゅつした選手せんしゅもしくはチームをすべてを優勝ゆうしょう扱あつかいすることがある。

システム

決勝けっしょう戦せんは競技きょうぎにより1対たい1（個人こじん対たい個人こじんあるいはチーム対たいチーム）もしくは多人数たにんずうで行おこなわれる。決勝けっしょう戦せんに進すすんだ選手せんしゅ（チーム）はファイナリストと呼よばれる。

決勝けっしょう戦せん進出しんしゅつ者しゃの決定けってい

決勝けっしょう戦せんに進出しんしゅつする選手せんしゅやチームはトーナメント方式ほうしき（勝かち残のこり式しきのノックアウトトーナメントやグループトーナメント）などの勝敗しょうはいに基もとづいて絞しぼり込こまれる。

陸上りくじょう競技きょうぎのトラック種目しゅもく、競泳きょうえい、スキークロスのように、1ゲームに複数ふくすう人じんずつ参加さんかする形態けいたいのスポーツ競技きょうぎの場合ばあい、準決勝じゅんけっしょう2ゲーム（1組くみと2組くみ）を行おこない、各組かくくみの上位じょうい半数はんすうの者ものが決勝けっしょうへと進すすみ、下位かい半数はんすうの者ものが下位かいの順位じゅんい決定けってい戦せんに回まわることになるが、上位じょうい者しゃの参加さんかする通常つうじょうの決勝けっしょう戦せんを「A決勝けっしょう」または「ビッグ・ファイナル（big final）」、下位かい者しゃの参加さんかする順位じゅんい決定けってい戦せん（5位い～8位い決定けってい戦せんなど）を「B決勝けっしょう」または「スモール・ファイナル（small final）」と呼よぶことがある。
7人にん制せいラグビーの場合ばあい、グループリーグの順位じゅんいに応おうじて、上うえから「カップ」「プレート」「ボウル」に進出しんしゅつ。それぞれで決勝けっしょう戦せんが行おこなわれている。
演芸えんげいや音楽おんがくのコンテストなどでは決勝けっしょう戦せんのさらに上うえの段階だんかいで決勝けっしょう戦せんの成績せいせき上位じょうい者しゃの中なかから優勝ゆうしょう者しゃを決きめる「最終さいしゅう決戦けっせん」を設もうけている大会たいかいもある。最終さいしゅう決戦けっせんを設もうけている大会たいかいでは、最終さいしゅう決戦けっせんの勝者しょうしゃが優勝ゆうしょう者しゃとなる。
スポーツの大会たいかいやシーズンなどで全ぜん試合しあいを終おえて他たの選手せんしゅ（チーム）と全まったく同おなじ成績せいせきの場合ばあい、プレーオフとして上位じょういを決きめる試合しあいをする時ときがあり、これを同点どうてん決勝けっしょうと呼よばれる時ときがある。例れいとして大相撲おおずもうの優勝ゆうしょう決定けってい戦せんなど。また、プロ野球やきゅうのクライマックスシリーズや全日本ぜんにほんプロレスの世界せかい最強さいきょうタッグ決定けっていリーグ戦せんのように、1位いと2位いが同おなじ成績せいせきでなくとも、1位いと2位い以下いかによる優勝ゆうしょう者しゃ決定けってい戦せんを行おこなう場合ばあいもある。
トーナメントの決勝けっしょう戦せん以外いがいで優勝ゆうしょう候補こうほ同士どうしが当あたる試合しあいのことを事実じじつ上じょうの決勝けっしょう戦せんと表現ひょうげんをされることもある。

決勝けっしょう戦せんでの独自どくじルールの採用さいよう

決勝けっしょう戦せんでは後腐あとくされなく雌雄しゆうを決けっするためにそれ以前いぜんの対戦たいせん時じと異ことなるルールが適用てきようされることもある。

全国ぜんこく高等こうとう学校がっこうサッカー選手権せんしゅけん大会たいかいでは、準々じゅんじゅん決勝けっしょうまでは40分ふんハーフ、準決勝じゅんけっしょう・決勝けっしょう戦せんは45分ふんハーフとなる。決勝けっしょう戦せんは決着けっちゃくが付つかない場合ばあい、10分ふんハーフの延長えんちょう戦せんを行おこなう。
全日本ぜんにほんプロレスの世界せかい最強さいきょうタッグ決定けっていリーグ戦せんでは、公式こうしき戦せんは30分ふん1本ほん勝負しょうぶであるが決勝けっしょう戦せん（正式せいしきには優勝ゆうしょう戦せん）は時間じかん無制限むせいげん1本ほん勝負しょうぶとなる。
K-1では、決勝けっしょうトーナメントでは決勝けっしょう戦せん以外いがいは3分ふん最大さいだい4ラウンド（3Rで決着けっちゃくが付つかない場合ばあいに1R延長えんちょう戦せんを行おこなう）の2ダウンでKO、決勝けっしょう戦せんは3分ふん最大さいだい5ラウンド（3Rで決着けっちゃくが付つかない場合ばあいに1R延長えんちょう戦せんを行おこない、それでも決着けっちゃくが付つかない場合ばあいにはもう1R延長えんちょうを行おこなう）の3ダウンKOになる。ただし開幕かいまく戦せんや2008年ねんのMAXでの準々じゅんじゅん決勝けっしょう（いわゆるワンマッチ形式けいしき）は通常つうじょうのK-1ルールと同おなじ。
将棋しょうぎの竜王りゅうおう戦せんでは、挑戦ちょうせん者しゃ決定けっていトーナメントの決勝けっしょうを三さん番ばん勝負しょうぶで行おこなっている。
アメリカ横断おうだんウルトラクイズの決勝けっしょう戦せんでは、勝かち残のこった2人ふたりの挑戦ちょうせん者しゃがニューヨークで10問もん先取せんしゅ(誤あやま答こたえはマイナスポイント)の早はや押おし形式けいしきを行おこなうことが慣例かんれいとなっていた(ごく一部いちぶの回かいで例外れいがいあり)。
UEFAチャンピオンズリーグやJリーグYBCルヴァンカップでは、決勝けっしょうトーナメントはホーム・アンド・アウェーで行おこなうが、決勝けっしょう戦せんだけは中立ちゅうりつ地ちでの一発いっぱつ勝負しょうぶとしている。

有名ゆうめいな決勝けっしょうシリーズ

スポーツ

日本にっぽん
- 日本にっぽん選手権せんしゅけんシリーズ（野球やきゅう）
- Jリーグチャンピオンシップ（サッカー）
- Bリーグチャンピオンシップ（バスケットボール）

オーストラリア
- AFLグランドファイナル（オーストラリアンフットボール）

アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく
- MLSカップ（サッカー）
- ワールドシリーズ（野球やきゅう）
- NBAファイナル（バスケットボール）
- スタンレーカップ（アイスホッケー）
- スーパーボウル（アメリカンフットボール）

有名ゆうめいな決勝けっしょう戦せん

ここでは、様々さまざまな理由りゆうで歴史れきしに残のこる決勝けっしょう戦せんを紹介しょうかいする。

1966年ねん - 1968年ねん、全国ぜんこく高等こうとう学校がっこうサッカー選手権せんしゅけん大会たいかい決勝けっしょう 3大会たいかい連続れんぞくで再さい延長えんちょう戦せん・両校りょうこう優勝ゆうしょうとなった。
1969年ねん、第だい51回かい全国ぜんこく高等こうとう学校がっこう野球やきゅう選手権せんしゅけん大会たいかい決勝けっしょう松山まつやま商業しょうぎょうと三沢みさわによる試合しあいは延長えんちょう18回かい引ひき分わけ再さい試合しあいに。
1996年ねん、第だい78回かい全国ぜんこく高等こうとう学校がっこう野球やきゅう選手権せんしゅけん大会たいかい決勝けっしょう松山まつやま商業しょうぎょう高だかの矢野やの勝まさる嗣右翼うよく手しゅが、1アウト満塁まんるいから犠牲ぎせいフライ確実かくじつと思おもわれた飛球ひきゅうを捕とった後のち、80mのノーバウンド送球そうきゅうで本塁ほんるい補殺ほさつを成功せいこうさせる。別名べつめい「奇跡きせきのバックホーム」。
1998年ねん、第だい76回かい全国ぜんこく高等こうとう学校がっこうサッカー選手権せんしゅけん大会たいかい決勝けっしょう東ひがし福岡ふくおか対たい帝京ていきょうは雪ゆきの降ふる中なか行おこなわれ、東ひがし福岡ふくおかがインターハイ・全日本ぜんにほんユースと合あわせた高校こうこう三さん冠かんを達成たっせい。別名べつめい「雪ゆきの決勝けっしょう戦せん」。
1998年ねん、第だい80回かい全国ぜんこく高等こうとう学校がっこう野球やきゅう選手権せんしゅけん大会たいかい決勝けっしょう横浜よこはま高校こうこうの松坂まつさか大輔だいすけがノーヒットノーランを達成たっせい。
1999年ねん、全国ぜんこく高等こうとう学校がっこう総合そうごう体育たいいく大会たいかいサッカー競技きょうぎ大会たいかい決勝けっしょう八はち千せん代だい高校こうこうと広島ひろしま皆実みなみ高校こうこうが3-3の引ひき分わけでインターハイ唯一ゆいいつの引ひき分わけ両校りょうこう優勝ゆうしょうとなる（現在げんざいは決勝けっしょう戦せんもPK戦せんにより決着けっちゃくをつけているため）
2004年ねん、全国ぜんこく高等こうとう学校がっこうサッカー選手権せんしゅけん大会たいかい決勝けっしょう国見くにみ高校こうこうが戦後せんご最多さいたの4年ねん連続れんぞく決勝けっしょう進出しんしゅつを果はたし、筑陽学園がくえん高校こうこうを6-0の大会たいかいタイ記録たいきろくとなる点差てんさで下くだし優勝ゆうしょう。中村なかむら北斗ほくとは戦後せんごの選手権せんしゅけん史上しじょう唯一ゆいいつの3年ねん連続れんぞく決勝けっしょう戦せん出場しゅつじょうを果はたした。
2005年ねん、全国ぜんこく高等こうとう学校がっこうサッカー選手権せんしゅけん大会たいかい決勝けっしょう鹿児島かごしま実業じつぎょう高校こうこうと市立しりつ船橋ふなばし高校こうこうの戦たたかいが大会たいかい史上しじょう初はつのPK戦せんとなる。

2006年ねん、第だい88回かい全国ぜんこく高等こうとう学校がっこう野球やきゅう選手権せんしゅけん大会たいかい決勝けっしょう南みなみ北海道ほっかいどう代表だいひょうの駒澤大学こまざわだいがく付属ふぞく苫小牧とまこまい高校こうこうと西東京にしとうきょう代表だいひょうの早稲田実業学校わせだじつぎょうがっこうの戦たたかいが再さい試合しあいに。
2008年ねん、全国ぜんこく高等こうとう学校がっこう総合そうごう体育たいいく大会たいかいサッカー競技きょうぎ大会たいかい決勝けっしょう市立しりつ船橋ふなばし高校こうこうと流通経済大学りゅうつうけいざいだいがく付属ふぞく柏かしわ高校こうこうの千葉ちば県勢けんせい同士どうしの組くみ合あわせとなったが、雷雨らいうのため中止ちゅうし。両校りょうこう優勝ゆうしょうに。
2009年ねん、第だい91回かい全国ぜんこく高等こうとう学校がっこう野球やきゅう選手権せんしゅけん大会たいかい決勝けっしょう新潟にいがた代表だいひょうの日本にっぽん文理ぶんり高校こうこうが愛知あいち代表だいひょうの中京ちゅうきょう大だい中京ちゅうきょう高校こうこうに9回かい開始かいし時点じてんで付つけられていた6点てん差さを2死しランナーなしから最終さいしゅう的てきに1点てん差さまで迫せまる驚異きょうい的てきな追おい上あげを見みせる。
2010年ねん、第だい92回かい全国ぜんこく高等こうとう学校がっこう野球やきゅう選手権せんしゅけん大会たいかい決勝けっしょう沖縄おきなわ代表だいひょうの興南こうなん高校こうこうが神奈川かながわ代表だいひょうの東海大相模とうかいだいさがみ高校こうこうを先発せんぱつ全員ぜんいん安打あんだの19安打あんだを叩たたき出だして13-1で圧勝あっしょうし沖縄おきなわ県勢けんせい・夏なつの甲子園こうしえん初はつ制覇せいは。1998年ねんの横浜よこはま高校こうこう以来いらいの12年ねんぶり史上しじょう6校こう目め／21世紀せいきに入はいってからは初はつの春はる夏なつ連覇れんぱを達成たっせいした。
2011年ねん、第だい90回かい全国ぜんこく高等こうとう学校がっこうラグビーフットボール大会たいかい決勝けっしょう福岡ふくおか県けん代表だいひょうの東ひがし福岡ふくおか高校こうこうが終了しゅうりょう1分ふん前まえのトライ・コンバージョンで神奈川かながわ県けん代表だいひょうの桐蔭学園とういんがくえん高校こうこうに追おいつき、31-31で両校りょうこう優勝ゆうしょう。