河かわ套

黄河こうが上うえ・中流ちゅうりゅうの地形ちけい図ず

黄河こうがの上うえ・中流ちゅうりゅうの都市としには重要じゅうよう都市としが多おおい

河かわ套（かとう）または河かわ套地域ちいきとは、中国ちゅうごく北西ほくせい部ぶで黄河こうが上うえ・中流ちゅうりゅうが「几」の字じのような形かたちで大おおきく時計とけい回まわりに湾曲わんきょくして流ながれる地域ちいきで、「河かわ套」は「河かわ（黄河こうが）に包つつまれた場所ばしょ」というような意味いみである。

概要がいよう

黄河こうがは甘粛かんせい省しょう蘭あららぎ州しゅう平野へいやを経へて、賀が蘭らん山脈さんみゃくとオルドス高原こうげんの間あいだを北上ほくじょうして、内モンゴル自治うちもんごるじち区くの陰かげ山やま山脈さんみゃくに当あたって東ひがし転ころがし、さらに山西さんせい省しょうの呂りょ梁はり山脈さんみゃくに当あたって南みなみ転てんする。こうした地域ちいきは「河かわ套」と呼よばれて、古来こらいさまざまな都市としが設置せっちされて、現在げんざいの銀川ぎんかわ市し、オルドス市し、包つつみ頭あたま市し、フフホト市し、楡にれ林はやし市し、延のべ安やす市しなどの重要じゅうよう都市としになった。

これは黄河こうがが各地かくちで分流ぶんりゅうしてその支流しりゅうと共ともに幅広はばひろい沖積ちゅうせき平野へいやを作つくり、灌漑かんがいさえ施ほどこせばきわめて肥沃ひよくな土地とちとなるところからであった。

経済けいざい

現在げんざいの銀川ぎんかわ駅えきは河かわ套地域ちいきを象形しょうけいしたといわれている。

古来こらい、俗ぞくに「黄河こうが百害ひゃくがい、唯ただ富とみ一いち套」、「天下てんか黄河こうが富とみ河かわ套、富とみ了りょう前ぜん套富後ご套」（前ぜん套は河かわ套の北西ほくせい部ぶ、後こう套は北東ほくとう部ぶ）などといわれて、土壌どじょうが肥沃ひよくで、灌漑かんがいが発達はったつしていて、小麦こむぎ、米べい、大豆だいず、コーリャン、ビートなどの農業のうぎょうが盛さかんであった。また、石炭せきたん、鉄てつ、銅どう、貴金属ききんぞくの生産せいさんも豊富ほうふである。

現在げんざいでは主要しゅよう都市としの工業こうぎょうも盛さかんである（包つつみ頭あたま鋼鉄こうてつなど）。

関連かんれん項目こうもく

• オルドス盆地ぼんち
• 黄土おうど高原こうげん