波多野はたの勤つとむ子こ

波多野はたの 勤つとむ子こ
はたの いそこ

『同級生どうきゅうせい交歓こうかん 第だい1集しゅう』（あすなろ社しゃ、1967年ねん）
人物じんぶつ情報じょうほう
生誕せいたん	畠山はたけやま 勤つとむ子こ (1905-12-26) 1905年ねん12月26日にち
死没しぼつ	(1978-09-15) 1978年ねん9月15日にち（72歳さい没ぼつ）
出身しゅっしん校こう	日本女子大学にほんじょしだいがく 東京文理科大とうきょうぶんりかだい学がく
配偶はいぐう者しゃ	波多野はたの完治かんじ（夫おっと）
両親りょうしん	畠山はたけやま健けん（父ちち）
子供こども	長男ちょうなん：波多はた野里のざと望のぞむ（東京大学とうきょうだいがく法学部ほうがくぶ卒業そつぎょう） 二男じなん：波多野はたの誼よしみ余あまり夫おっと（東京大学とうきょうだいがく教育きょういく学部がくぶ卒業そつぎょう） 三男さんなん：波多野はたの順治じゅんじ（東京大学とうきょうだいがく経済学部けいざいがくぶ卒業そつぎょう） 四男よつお：波多野はたの文彦ふみひこ（東京大学とうきょうだいがく文学部ぶんがくぶ卒業そつぎょう）
学問がくもん
研究けんきゅう分野ぶんや	児童じどう心理しんり学がく
研究けんきゅう機関きかん	日本女子大学にほんじょしだいがく児童じどう研究所けんきゅうじょ（1928年ねん） 東京文理科大とうきょうぶんりかだい学がく（1937年ねん） 恩賜おんし財団ざいだん愛育あいいく会かい（1948年ねん） 東洋大学とうようだいがく（1953年ねん） 日本にっぽん児童じどう研究所けんきゅうじょ（1960年ねん） 国立音楽大学くにたちおんがくだいがく（1963年ねん） 財団ざいだん法人ほうじん母親ははおや乃会（1963年ねん） 社会しゃかい福祉ふくし法人ほうじん日本にっぽん家庭かてい福祉ふくし協会きょうかい（1964年ねん）
学位がくい	日本にっぽん大学だいがく文学ぶんがく博士はかせ
主要しゅような作品さくひん	『少年しょうねん期き』（1950年ねん）
主おもな受賞じゅしょう歴れき	勲くん三さん等とう宝冠章ほうかんしょう

波多野はたの 勤つとむ子こ（はたの いそこ、1905年ねん12月26日にち - 1978年ねん9月15日にち）は、日本にっぽんの心理しんり学者がくしゃ。東京とうきょう出身しゅっしん。父ちちは畠山はたけやま健けん。

略歴りゃくれき

1927年ねん（昭和しょうわ2年ねん）日本女子大学にほんじょしだいがく英えい文学部ぶんがくぶを卒業そつぎょう、女子じょし経済けいざい専門せんもん学校がっこうの英語えいご教師きょうしとなる。

1928年ねん（昭和しょうわ3年ねん）日本女子大学にほんじょしだいがく児童じどう研究所けんきゅうじょの開設かいせつで所員しょいんになる。1930年ねん（昭和しょうわ5年ねん）波多野はたの完治かんじと結婚けっこん。

1936年ねん（昭和しょうわ11年ねん）東京文理科大とうきょうぶんりかだい学がく心理しんり学科がっか選科せんかを卒業そつぎょう。

1937年ねん（昭和しょうわ12年ねん）日本女子大学にほんじょしだいがく児童じどう研究所けんきゅうじょを辞じして東京文理科大とうきょうぶんりかだい学がく教育きょういく相談そうだん員いん兼けん心理しんり学科がっか副手ふくしゅとなる。1948年ねん（昭和しょうわ23年ねん）日本にっぽん大学だいがくの大学院だいがくいんに入学にゅうがくする一方いっぽう、恩賜おんし財団ざいだん愛育あいいく会かい愛育あいいく研究所けんきゅうじょ教育きょういく部員ぶいんとなる（1957年ねんまで）。

1950年ねん（昭和しょうわ25年ねん）に出版しゅっぱんした『少年しょうねん期き―母ははと子この四よん年間ねんかんの記録きろく』がベストセラーとなり、脚光きゃっこうを浴あびる。

1953年ねん（昭和しょうわ28年ねん）東洋大学とうようだいがく助教授じょきょうじゅ。1956年ねん（昭和しょうわ31年ねん）日本にっぽん大学だいがく文学ぶんがく博士はかせ。1960年ねん（昭和しょうわ35年ねん）日本にっぽん児童じどう研究所けんきゅうじょを創設そうせつ、所長しょちょうに就任しゅうにん。

1963年ねん（昭和しょうわ38年ねん）国立音楽大学くにたちおんがくだいがく大学だいがく教授きょうじゅ（1971年ねんまで）。同年どうねん、財団ざいだん法人ほうじん母親ははおや乃学園えんを創設そうせつして理事りじ長ちょうになる（1966年ねんに「波多野はたのファミリースクール」と改称かいしょう）。1964年ねん（昭和しょうわ39年ねん）社会しゃかい福祉ふくし法人ほうじん日本にっぽん家庭かてい福祉ふくし協会きょうかいを設立せつりつして理事りじ長ちょうとなる。

1966年ねん（昭和しょうわ41年ねん）、文学ぶんがく博士はかせの学位がくいを取得しゅとく(女性じょせいとしては3人にん目め、心理しんり学がく専攻せんこうでは日本にっぽん初はつ)。

1978年ねん（昭和しょうわ53年ねん）9月がつ15日にち 、癌がん性せい腹膜炎ふくまくえんで逝去せいきょ。享年きょうねん72。

人物じんぶつ

1967年ねんに森田もりたたまに伴ともなわれた波多野はたのの訪問ほうもんを受うけた佐藤さとう栄作えいさく首相しゅしょうは、「立派りっぱな夫人ふじんで、もっとゆっくり話はなして見み渡わたい」と日記にっきに綴つづっている。

受賞じゅしょう歴れき

• 1954年ねん 『幼児ようじの心理しんり―あなたのお子こさんはすばらしくなる』で毎日まいにち出版しゅっぱん文化ぶんか賞しょう
• 1972年ねん 教育きょういく功労賞こうろうしょう
• 1976年ねん 勲くん三さん等とう宝冠章ほうかんしょう
• 1977年ねん 児童じどう福祉ふくし事業じぎょう功労賞こうろうしょう

著書ちょしょ

• 『波多野はたの勤つとむ子こ著作ちょさく集しゅう』全ぜん8巻かん 小学館しょうがくかん 1982年ねん - 1983年ねん
• 『少年しょうねん期き』 光文社こうぶんしゃ 1950年ねん

  少年しょうねん期きの長男ちょうなん・里さと望もちとの間あいだの往復おうふく書簡しょかん集しゅう。

  木下きのした惠めぐみ介かい監督かんとくで映画えいが化かされた。

• 『幼児ようじの心理しんり』 光文社こうぶんしゃ
• 『小学生しょうがくせいの心理しんり』 光文社こうぶんしゃ
• 『中学生ちゅうがくせいの心理しんり』 光文社こうぶんしゃ
• 『わが子この生長せいちょうと心理しんり』 厚生こうせい閣かく 1931年ねん
• 『子供こどもの発達はったつ心理しんり』 刀かたな江こう書院しょいん 1936年ねん 再刊さいかん・小学館しょうがくかん 1984年ねん 復刻ふっこく・クレス出版しゅっぱん 1997年ねん
• 『母ははの子供こども・国くにの子供こども』 西村書店にしむらしょてん 1941年ねん
• 『おさかなのうんどうくわい』 国民こくみん図書としょ刊行かんこう会かい 1946年ねん
• 『わが子この成長せいちょうと躾しつけけ』 真光しんこう社しゃ 1948年ねん
• 『少年しょうねん期き―母ははと子この四よん年間ねんかんの記録きろく』 光文社こうぶんしゃ 1950年ねん、光文社こうぶんしゃ文庫ぶんこ 1986年ねん、学陽書房がくようしょぼう 1996年ねん
• 『幼年ようねん期き―発達はったつにはいろいろな型かたがある』光文社こうぶんしゃ 1951年ねん
• 『小学生しょうがくせいの心理しんり―あなたのお子こさんはすばらしくなる』 光文社こうぶんしゃ 1954年ねん、カッパブックス 1963年ねん、改訂かいてい版ばん 1977年ねん
• 『青年せいねん期き 第だい一部いちぶ』 大だい日本にっぽん雄弁ゆうべん会かい講談社こうだんしゃ 1954年ねん
• 『幼児ようじの心理しんり―あなたのお子こさんはすばらしくなる』 光文社こうぶんしゃ 1954年ねん、カッパブックス 1963年ねん、改訂かいてい版ばん 1974年ねん
• 『赤あかちゃんの心理しんり―あなたのお子こさんはすばらしくなる』 光文社こうぶんしゃ 1955年ねん
• 『幼児ようじのしつけ』 牧まき書店しょてん 1955年ねん
• 『娘むすめは娘むすめ、母ははは母はは』 文藝春秋ぶんげいしゅんじゅう 1957年ねん
• 『中学生ちゅうがくせいの心理しんり―目めざめゆく心しんとからだ』 光文社こうぶんしゃ 1958年ねん、カッパブックス 1964年ねん
• 『道みち―愛情あいじょうの記録きろく』文藝春秋ぶんげいしゅんじゅう 1958年ねん
• 『三さん役やく女房にょうぼう―私わたしの夫婦ふうふ心理しんり学がく』 中央公論社ちゅうおうこうろんしゃ 1959年ねん
• 『幼児ようじの心理しんりとしつけ』 牧まき書店しょてん 1964年ねん
• 『青春せいしゅんをどう生いきるか―青年せいねんたちと膝ひざを交まじえて』 東都とうと書房しょぼう 1966年ねん
• 『赤あかちゃんの心しんとからだの本ほん―おかあさんがつくりあげる赤あかちゃんの一生いっしょう』 光文社こうぶんしゃ 1967年ねん
• 『イソップ童話どうわ』 小学館しょうがくかん 1968年ねん
• 『幼児ようじのこころとからだ―0歳さいから5歳さいまで』 三さん晃あきら書房しょぼう 1973年ねん
• 『若わかき母ははに語かたる―私わたしの子育こそだて実践じっせん記き』 光文社こうぶんしゃ 1977年ねん
• 『妻つまとして母ははとして女おんなとして』 小学館しょうがくかん 1979年ねん

共著きょうちょ

• 鈴木すずき清きよしと共著きょうちょ 『小学校しょうがっこうの指導しどう12ケ月かげつ』 志摩しま書房しょぼう 1951年ねん
• 波多野はたの文彦ふみひこと共著きょうちょ 『受験じゅけん期き』 文藝春秋ぶんげいしゅんじゅう 1965年ねん

編著へんちょ

• 与田よだ準一じゅんいちと共編きょうへん 『幼児ようじに聴きかせるたのしい話はなし』 中央公論社ちゅうおうこうろんしゃ 1949年ねん
• 編著へんちょ 『新しん家庭かてい読本とくほん』 金子かねこ書房しょぼう 1964年ねん
• 編著へんちょ 『子こどもの能力のうりょくを生いかす方かた―能力のうりょくをフルに発揮はっきするために』 三さん晃あきら書房しょぼう 1973年ねん
• 編著へんちょ 『子こどもを伸のばす条件じょうけん―効果こうかのあがる家庭かてい教育きょういく』 三さん晃あきら書房しょぼう 1974年ねん

翻訳ほんやく

• ディケンズ 『二に都と物語ものがたり』 内田うちだ書店しょてん 1946年ねん
• ルイス・ウィルソン 『トニーよ、二人ふたりして歩あるこう―ある母ははの記録きろく』 タイムライフインターナショナル 1968年ねん
• ハイム・G・ジノー 『青年せいねん期きとの対決たいけつ』 タイムライフインターナショナル 1970年ねん

論文ろんぶん

• 「児童じどうの夢ゆめの絵え (1) 形態けいたい的てき研究けんきゅう」『心理しんり学がく研究けんきゅう』第だい7巻かん第だい1号ごう、1932年ねん、67-101頁ぺーじ。 
• 「図式ずしき段階だんかいに於おける児童じどう画がの一いち考察こうさつ」 『教育きょういく心理しんり研究けんきゅう』第だい9巻かん 5号ごう（1934年ねん）
• 「一いち幼児ようじの発達はったつに於おける或あるる段階だんかい 上下じょうげ」 『教育きょういく心理しんり研究けんきゅう』第だい11巻かん 2号ごう - 3号ごう（1934年ねん）
• 「一いち幼児ようじの初期しょきの文章ぶんしょう」 『教育きょういく心理しんり研究けんきゅう』第だい11巻かん 5号ごう（1936年ねん）
• 「五ご歳児さいじの精神せいしん発達はったつとその教育きょういく記録きろく」 『教育きょういく心理しんり研究けんきゅう』第だい13巻かん 12号ごう（1938年ねん）
• 「図画ずが教育きょういくとしての絵え物語ものがたり」 『児童じどう研究所けんきゅうじょ紀要きよう』第だい16巻かん（1934年ねん）
• 「家庭かていに於おけるしつけ」 『児童じどう問題もんだい新書しんしょ13 新あたらしいしつけ』金子かねこ書房しょぼう（1951年ねん）

親族しんぞく

息子むすこに国際こくさい法学ほうがく者しゃの波多はた野里のざと望のぞむ、心理しんり学者がくしゃの波多野はたの誼よしみ余あまり夫おっと。小説しょうせつ家かの波多野はたの鷹たかは孫まごにあたる。

参考さんこう資料しりょう

• 『邦文ほうぶん心理しんり学がく文献ぶんけん目録もくろく稿こう』国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかん支部しぶ上野うえの図書館としょかん 1953年ねん
• 大泉おおいずみ溥 編へん「日本にっぽん心理しんり学者がくしゃ事典じてん」クレス出版しゅっぱん 2003年ねん ISBN 4-87733-171-9