澄きよし禅ぜん

澄きよし禅ぜん（ちょうぜん、慶長けいちょう13年ねん（1608年ねん） - 延のべ宝たから8年ねん6月12日にち（1680年ねん7月がつ7日にち））は江戸えど時代じだい初期しょきの真言宗しんごんしゅうの僧そう。

慶長けいちょう18年ねん（1613年ねん）肥後ひご国こく（熊本くまもと県けん）球磨くま郡ぐんに生うまれ、延のべ宝たから8年ねん（1680年ねん）68歳さいで没ぼっした。悔焉房ぼう澄きよし禅ぜん大徳だいとくと号ごうし、20歳さいで出家しゅっけし智積ちしゃく院いんで仏道ぶつどうに励はげみ梵字ぼんじ悉曇しったん（ぼんじしったん）の大家たいかと知しられ、智積ちしゃく院いん第だい一座いちざとなった。後のちに肥後ひごに帰かえり地蔵じぞう院いんに住じゅうす。

古来こらいの朴ほお筆ひつを研究けんきゅうし工夫くふうを重かさね刷毛ばけを編あみ出だし、梵字ぼんじ悉曇しったんの刷毛はけ書がきの澄きよし禅ぜん流りゅうの流りゅう祖そとなり、多おおくの著書ちょしょを残のこした。また、承うけたまわ応おう2年ねん（1653年ねん）には、四国しこくへ渡わたり四国八十八箇所しこくはちじゅうはっかしょを巡拝じゅんぱいし、その日記にっきである『四国しこく辺べ路ろ日記にっき』を残のこした。

著作ちょさく

• 智積ちしゃく院いんの寮舎りょうしゃで十じゅう有余ゆうよ年ねん、悉曇しったんの相あい議ぎを初学しょがくの徒とに講こうじたときのことを基もとに刊行かんこうした「悉曇しったん愚ぐ鈔」（1668)。
• 刷毛はけ書がき梵字ぼんじの作品さくひん集しゅうである『梵書帖じょう』（1656）、『諸しょ尊みこと種子しゅし集しゅう』（1666）、『種子しゅし集しゅう』（1670)

ほかに、「悉曇しったん蓮はちす連声れんじょう集しゅう」（1668）、「梵文ぼんぶん」（1669）、「悉曇しったん字母じぼ表ひょう」（1669）、「悉曇しったん字じ記き」（1670）、悉曇しったん初心しょしん鈔（1671）

• 『四国しこく辺べ路ろ日記にっき』（1653年ねん)：正徳しょうとく4年ねん（1714年ねん）に徳田とくた氏しが澄きよし禅ぜんの日記にっきを書写しょしゃしたもので、近藤こんどう喜博よしひろが塩釜しおがま神社じんじゃ（宮城みやぎ県けん塩釜しおがま市し）の文庫ぶんこで昭和しょうわ39年ねん（1964年ねん）から昭和しょうわ42年ねん（1967年ねん）までの調査ちょうさで発見はっけんされた。