延のべ宝たから

延のべ寳たから二に甲きのえ寅とら年ねん (1674)

延のべ宝たから（えんぽう、（旧きゅう字体じたい：延のべ󠄂寶たから）は、日本にっぽんの元号げんごうの一ひとつ。寛文ひろふみの後のち、天和てんわの前まえ。1673年ねんから1681年ねんまでの期間きかんを指さす。この時代じだいの天皇てんのうは霊れい元もと天皇てんのう。江戸えど幕府ばくふ将軍しょうぐんは徳川とくがわ家綱いえつな、徳川とくがわ綱吉つなよし。　

改元かいげん

• 寛文ひろふみ13年ねん9月21日にち（グレゴリオ暦れき1673年ねん10月30日にち） 京都大きょうとだい火ひなどの災わざわい異ことのため改元かいげん
• 延のべ宝たから9年ねん9月29日にち（グレゴリオ暦れき1681年ねん11月9日にち） 天和てんわに改元かいげん

前回ぜんかいの寛文ひろふみ改元かいげんと同様どうよう、京都きょうとでの大火たいかとそれによる内裏だいりの焼失しょうしつを理由りゆうとして改元かいげんが実施じっしされた。五条ごじょう為ため庸いさお・為ため到いた父子ふし、東坊城ひがしぼうじょう知ち長ちょう・長ちょう詮かい父子ふし、高辻たかつじ豊ゆたか長ちょうの5名めいが17の案あんを出だしたが、最終さいしゅう的てきに「宝永ほうえい・延のべ宝たから・天てん亀かめ・享とおる延のべ・建たて禄ろく・弘ひろ徳とく・至いたり元もと・嘉よしみ永ひさし」に絞しぼって幕府ばくふに提出ていしゅつした。幕府ばくふから諮問しもんを受うけた林はやし鵞峰が8案あんを上中かみなか下かに分類ぶんるいした上うえで、延のべ宝たからを最良さいりょうで望のぞましいと幕府ばくふに回答かいとうし、これが幕府ばくふ側がわの意見いけんとして採用さいようされたという。

出典しゅってん

『隋ずい書しょ』音楽おんがく志こころざしの「分ぶん四よん序じょ、綴つづり、三光さんこう、延のべ寳たから祚、渺びょう無む疆」から。

延のべ宝たから年間ねんかんの出来事できごと

• 延のべ宝たからの飢饉ききん
• 延のべ宝たから八戸はちのへ沖おき地震じしん、M 7.2〜7.5。
• 延のべ宝たから房総ぼうそう沖おき地震じしん、M 8.0 、死者ししゃ500〜600人にん。
• 現在げんざいの宮城みやぎ県けん北部ほくぶ沖おきで地震じしん、M 7.5。

誕生たんじょう

• 3年ねん 東山ひがしやま天皇てんのう（第だい113代だい天皇てんのう）
• 5年ねん 大岡おおおか忠相ただすけ（江戸えど幕府ばくふ町奉行まちぶぎょう）
• 8年ねん 太宰だざい春台しゅんだい（儒学じゅがく者しゃ）

死去しきょ

• 3年ねん 阿部あべ忠秋ただあき（江戸えど幕府ばくふ老中ろうじゅう）
• 4年ねん 井伊いい直ただし澄きよし（江戸えど幕府ばくふ大老たいろう）
• 8年ねん 徳川とくがわ家綱いえつな（江戸えど幕府ばくふ第だい4代だい将軍しょうぐん 享年きょうねん40）、後水尾天皇ごみずのおてんのう（第だい108代だい天皇てんのう）

西暦せいれきとの対照たいしょう表ひょう

※は小しょうの月つきを示しめす。

延のべ宝たから元年がんねん（癸みずのと丑うし）	一いち月がつ	二に月がつ※	三さん月がつ	四よん月がつ※	五月ごがつ※	六月ろくがつ※	七なな月がつ	八はち月がつ※	九きゅう月がつ	十じゅう月がつ※	十一月じゅういちがつ	十二月じゅうにがつ
グレゴリオ暦れき	1673/2/17	3/19	4/17	5/17	6/15	7/14	8/12	9/11	10/10	11/9	12/8	1674/1/7
ユリウス暦れき	1673/2/7	3/9	4/7	5/7	6/5	7/4	8/2	9/1	9/30	10/30	11/28	12/28
延のべ宝たから二に年ねん（甲きのえ寅とら）	一いち月がつ	二に月がつ※	三さん月がつ	四よん月がつ※	五月ごがつ	六月ろくがつ※	七なな月がつ※	八はち月がつ	九きゅう月がつ※	十じゅう月がつ	十一月じゅういちがつ※	十二月じゅうにがつ
グレゴリオ暦れき	1674/2/6	3/8	4/6	5/6	6/4	7/4	8/2	8/31	9/30	10/29	11/28	12/27
ユリウス暦れき	1674/1/27	2/26	3/27	4/26	5/25	6/24	7/23	8/21	9/20	10/19	11/18	12/17
延のべ宝たから三さん年ねん（乙おつ卯う）	一いち月がつ	二に月がつ※	三さん月がつ	四よん月がつ	閏うるう四よん月がつ※	五月ごがつ	六月ろくがつ※	七なな月がつ	八はち月がつ※	九きゅう月がつ※	十じゅう月がつ	十一月じゅういちがつ※	十二月じゅうにがつ
グレゴリオ暦れき	1675/1/26	2/25	3/26	4/25	5/25	6/23	7/23	8/21	9/20	10/19	11/17	12/17	1676/1/15
ユリウス暦れき	1675/1/16	2/15	3/16	4/15	5/15	6/13	7/13	8/11	9/10	10/9	11/7	12/7	1676/1/5
延のべ宝たから四よん年ねん（丙へい辰たつ）	一いち月がつ	二に月がつ※	三さん月がつ	四よん月がつ	五月ごがつ※	六ろく月がつ	七なな月がつ※	八はち月がつ	九きゅう月がつ※	十じゅう月がつ※	十一月じゅういちがつ	十二月じゅうにがつ※
グレゴリオ暦れき	1676/2/14	3/15	4/13	5/13	6/12	7/11	8/10	9/8	10/8	11/6	12/5	1677/1/4
ユリウス暦れき	1676/2/4	3/5	4/3	5/3	6/2	7/1	7/31	8/29	9/28	10/27	11/25	12/25
延のべ宝たから五ご年ねん（丁ちょう巳み）	一いち月がつ	二に月がつ※	三さん月がつ	四よん月がつ	五月ごがつ※	六ろく月がつ	七なな月がつ※	八はち月がつ	九きゅう月がつ	十じゅう月がつ※	十一月じゅういちがつ	十二月じゅうにがつ※	閏うるう十じゅう二に月がつ※
グレゴリオ暦れき	1677/2/2	3/4	4/2	5/2	6/1	6/30	7/30	8/28	9/27	10/27	11/25	12/25	1678/1/23
ユリウス暦れき	1677/1/23	2/22	3/23	4/22	5/22	6/20	7/20	8/18	9/17	10/17	11/15	12/15	1678/1/13
延のべ宝たから六ろく年ねん（戊つちのえ午うま）	一いち月がつ	二に月がつ※	三さん月がつ	四よん月がつ※	五月ごがつ	六月ろくがつ※	七なな月がつ	八はち月がつ	九きゅう月がつ※	十じゅう月がつ	十一月じゅういちがつ	十二月じゅうにがつ※
グレゴリオ暦れき	1678/2/21	3/23	4/21	5/21	6/19	7/19	8/17	9/16	10/16	11/14	12/14	1679/1/13
ユリウス暦れき	1678/2/11	3/13	4/11	5/11	6/9	7/9	8/7	9/6	10/6	11/4	12/4	1679/1/3
延のべ宝たから七なな年ねん（己おのれ未み）	一いち月がつ※	二に月がつ	三さん月がつ※	四よん月がつ	五月ごがつ※	六ろく月がつ	七なな月がつ※	八はち月がつ	九きゅう月がつ	十じゅう月がつ※	十一月じゅういちがつ	十二月じゅうにがつ
グレゴリオ暦れき	1679/2/11	3/12	4/11	5/10	6/9	7/8	8/7	9/5	10/5	11/4	12/3	1680/1/2
ユリウス暦れき	1679/2/1	3/2	4/1	4/30	5/30	6/28	7/28	8/26	9/25	10/25	11/23	12/23
延のべ宝たから八はち年ねん（庚申こうしん）	一いち月がつ※	二に月がつ	三さん月がつ※	四よん月がつ※	五月ごがつ※	六ろく月がつ	七なな月がつ※	八はち月がつ	閏うるう八はち月がつ	九きゅう月がつ※	十じゅう月がつ	十一月じゅういちがつ	十二月じゅうにがつ
グレゴリオ暦れき	1680/2/1	3/1	3/31	4/29	5/28	6/26	7/26	8/24	9/23	10/23	11/21	12/21	1681/1/20
ユリウス暦れき	1680/1/22	2/20	3/21	4/19	5/18	6/16	7/16	8/14	9/13	10/13	11/11	12/11	1681/1/10
延のべ宝たから九きゅう年ねん（辛からし酉とり）	一いち月がつ※	二に月がつ	三さん月がつ※	四よん月がつ※	五月ごがつ※	六ろく月がつ	七なな月がつ※	八はち月がつ	九きゅう月がつ※	十じゅう月がつ	十一月じゅういちがつ	十二月じゅうにがつ
グレゴリオ暦れき	1681/2/19	3/20	4/19	5/18	6/16	7/15	8/14	9/12	10/12	11/10	12/10	1682/1/9
ユリウス暦れき	1681/2/9	3/10	4/9	5/8	6/6	7/5	8/4	9/2	10/2	10/31	11/30	12/30

参考さんこう文献ぶんけん

• 久保くぼ貴子たかこ「江戸えど時代じだいの改元かいげん-元和げんな改元かいげんから享とおる保ほ改元かいげんまで」『民衆みんしゅう史し研究けんきゅう』38号ごう、1989年ねん。/改題かいだい所収しょしゅう:久保くぼ貴子たかこ「朝廷ちょうていの再生さいせいと朝あさ幕まく関係かんけい」『近世きんせいの朝廷ちょうてい運営うんえい』岩田いわた書院しょいん、1998年ねん、57-70頁ぺーじ。ISBN 4-87294-115-2。