(Translated by https://www.hiragana.jp/)
宮城県沖地震 - Wikipedia コンテンツにスキップ

宮城みやぎけんおき地震じしん

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
地震じしん調査ちょうさ委員いいんかいによる分類ぶんるい地図ちず宮城みやぎけんおき位置いち

宮城みやぎけんおき地震じしん(みやぎけんおきじしん)は、日本にっぽん宮城みやぎけん東方とうほうおき震源しんげんとする地震じしんとく日本にっぽん海溝かいこう海洋かいようプレート大陸たいりくプレートの境界きょうかい部分ぶぶん)の大陸たいりくプレートがわ震源しんげんとして周期しゅうきてき発生はっせいするマグニチュード M 7.5前後ぜんこう地震じしんす。

概要がいよう

[編集へんしゅう]

東北とうほく地方ちほうなどがのるきたアメリカプレートしたに、どう地方ちほう東方とうほうおき海洋かいようプレートの太平洋たいへいようプレートしずんでいる(東北とうほく地方ちほうがのるプレートはアリューシャンプレートまたはオホーツクプレートとするせつもあるが、いずれもきたアメリカプレートとどう系列けいれつ、あるいは広義こうぎにはおなじとみなせる)。

このりょうプレートあいだ両側りょうがわのプレートから圧縮あっしゅくけてゆがみがしょうじ、プレートあいだ存在そんざいするかつ断層だんそう活動かつどうすることによって発生はっせいする地震じしんうち牡鹿半島おしかはんとうおき震源しんげんとするマグニチュード M 7.1-7.4 前後ぜんこう地震じしんかえ発生はっせいしている。平均へいきん発生はっせい間隔かんかくやく38ねんである。また、りくよりと海溝かいこうよりの2つのアスペリティがあるとかんがえられていて、宮城みやぎけんおき地震じしんには1930年代ねんだい地震じしんのように時間じかんをおいて複数ふくすうアスペリティ別々べつべつにすべる場合ばあいと、1978ねん地震じしんのように同時どうじにすべる場合ばあいがあるとかんがえられている。過去かこ地震じしん規模きぼから別々べつべつにすべった場合ばあいは M 7.1-7.4、同時どうじにすべった場合ばあいはM 7.4前後ぜんこうになるとみられる[1]。なお、宮城みやぎけんおき地震じしん想定そうてい震源しんげんいきのプレートめんでは毎日まいにちなん地震じしん発生はっせいしているが、ほとんどがかん地震じしん震度しんど0)である[2]東北大学とうほくだいがく解析かいせきによると、2011ねん東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさい以降いこうのプレートない地震じしん調しらべた結果けっか宮城みやぎけんおきに「破壊はかいいき」とばれる地震じしんきていないところがあり、この部分ぶぶんにはひずみがたまっているとみられ、地震じしんこりやすい可能かのうせいがあるとしている。

宮城みやぎけんおき地震じしんは、これまで25-40ねんという比較的ひかくてきみじか間隔かんかく周期しゅうきてき発生はっせいしている。また三陸さんりくおき南部なんぶ海溝かいこうりの地震じしん連動れんどうした場合ばあい、M8.0前後ぜんこう地震じしんになるといわれる。このタイプの地震じしんは、過去かこ記録きろくなどから1793ねんきたとみられている。

一方いっぽう、2011ねん3がつ11にち発生はっせいした東北とうほく地方ちほう太平洋たいへいようおき地震じしん三陸さんりくおき震源しんげんとするものの、きた岩手いわてけんおきからみなみ茨城いばらきけんおきまで広範囲こうはんい震源しんげんいきにおける連動れんどうがた地震じしんとなっており、地震じしん予知よち連絡れんらくかいくに地震じしん調査ちょうさ研究けんきゅう推進すいしん本部ほんぶも「想定そうていされる宮城みやぎけんおき地震じしん同時どうじ発生はっせいした」との見解けんかいしめしている[3][1]地震じしん調査ちょうさ研究けんきゅう推進すいしん本部ほんぶは、このような複数ふくすう震源しんげんいき連動れんどうする地震じしんは、平均へいきんやく600ねん間隔かんかく発生はっせいしていると推定すいていした。過去かこ地震じしん規模きぼからモーメントマグニチュード(Mw)8.4-9.0前後ぜんこう地震じしんになるとみられる[1]

なお、地震じしん保険ほけんにおいて、宮城みやぎけんは2等地とうち(4等級とうきゅうのうち、危険きけんひくほうから2番目ばんめ等級とうきゅう)となっており、さん大都市だいとしけんよりも危険きけんひくいと見積みつもられているが[4]地震じしん保険ほけん世帯せたい加入かにゅうりつ愛知あいちけん東京とうきょういで全国ぜんこくで3番目ばんめたか[5]

おも地震じしん

[編集へんしゅう]

したひょう宮城みやぎけんおき地震じしんであるとされた地震じしん、および宮城みやぎけんおき地震じしん想定そうてい震源しんげんいき震源しんげんいき連動れんどうして発生はっせいしたとかんがえられる地震じしん発生はっせい履歴りれきである[6]地震じしん詳細しょうさい下記かき参照さんしょう

発生はっせい年月日ねんがっぴ 間隔かんかく平均へいきん36.4ねん 規模きぼ 備考びこう
869ねん7がつ13にち M8.4以上いじょう 震源しんげんいき連動れんどうさだかん地震じしん
1793ねん2がつ17にち M8.2前後ぜんご 震源しんげんいき連動れんどう寛政かんせい地震じしん
1835ねん7がつ20日はつか まえ地震じしんから42.4ねん M7.0前後ぜんご
1861ねん10がつ21にち まえ地震じしんから26.3ねん M7.3
1897ねん2がつ20日はつか まえ地震じしんから35.3ねん M7.4
1933ねん6がつ19にち まえ地震じしんから36.3ねん M7.1 複数ふくすうのアスペリティが別々べつべつにすべるタイプ。あさ地震じしん
1936ねん11月3にち まえ地震じしんから6.4ねん M7.4 複数ふくすうのアスペリティが別々べつべつにすべるタイプ
1937ねん7がつ27にち まえ地震じしんから0.7ねん M7.1 複数ふくすうのアスペリティが別々べつべつにすべるタイプ。ふか地震じしん
1978ねん6がつ12にち まえ地震じしんから41.6ねん M7.4
2005ねん8がつ16にち まえ地震じしんから27.2ねん M7.2 複数ふくすうのアスペリティが別々べつべつにすべるタイプ
2011ねん3がつ11にち まえ地震じしんから5.6ねん M9.0 震源しんげんいき連動れんどう東北とうほく地方ちほう太平洋たいへいようおき地震じしん[3]

1793ねん2がつ17にち

[編集へんしゅう]
寛政かんせい地震じしん(1793ねん)の震度しんど分布ぶんぷ

1793ねん2がつ17にち寛政かんせい5ねん1がつ7にち)14ごろ北緯ほくい38.5東経とうけい144.5付近ふきん震源しんげんとするM8.0-8.4程度ていど地震じしん発生はっせいした。震源しんげんいき連動れんどうして宮城みやぎけんおき地震じしん発生はっせいしたとみられる。

死者ししゃ100にん程度ていど損壊そんかい家屋かおく1,000以上いじょう津波つなみあり。

1835ねん7がつ20日はつか

[編集へんしゅう]

1835ねん7がつ20日はつか天保てんぽう6ねん6月25にち)14ごろ北緯ほくい38.5東経とうけい142.5付近ふきん震源しんげんとするM7.0前後ぜんこう地震じしん発生はっせいした[7]

死者ししゃ多数たすう仙台せんだいじょう損壊そんかいした。津波つなみありとするもべつ地震じしん混同こんどうしたうたがいあり[8][9]

1861ねん10がつ21にち

[編集へんしゅう]

1861ねん10月21にち文久ぶんきゅう元年がんねん9月18にち)4ごろ北緯ほくい38.5東経とうけい142.0付近ふきん震源しんげんとするM7.3の地震じしん発生はっせいした。

死傷ししょうしゃあり。北海道ほっかいどう太平洋たいへいようがわから三陸さんりく津波つなみあり[10]江戸えどれをかんじた。

1897ねん2がつ20日はつか

[編集へんしゅう]

1897ねん明治めいじ30ねん2がつ20日はつか550ふんごろ北緯ほくい38.1東経とうけい141.9付近ふきん震源しんげんとするM7.4の地震じしん発生はっせいした。「仙台せんだいおき地震じしん」ともいう[11]

家屋かおく損壊そんかいあり。同日どうじつ847ふんごろにもつよ余震よしん

8かげつまえ発生はっせいした明治めいじ三陸さんりく地震じしん誘発ゆうはつ地震じしんかんがえられている。また、この地震じしんからやく5ヶ月かげつはん同年どうねん8がつ5にち三陸さんりくおきでM7.7の地震じしん発生はっせいした[12]

1933ねん6がつ19にち

[編集へんしゅう]
宮城みやぎけんおき地震じしん(1933ねん
宮城県沖地震の位置(日本内)
宮城県沖地震
地震じしん震央しんおう位置いちしめした地図ちず
本震ほんしん
発生はっせい 1933ねん昭和しょうわ8ねん6月19にち
発生はっせい時刻じこく 637ふん34びょう
震央しんおう 日本の旗 日本にっぽん 宮城みやぎけんおき
北緯ほくい386.5ふん
東経とうけい14219.4ふん北緯ほくい386.5ふん 東経とうけい14219.4ふん / 北緯ほくい38.1083 東経とうけい142.3233 / 38.1083; 142.3233
震源しんげんふか 12 km
規模きぼ    マグニチュード(M)7.1
最大さいだい震度しんど    震度しんど4:岩手いわてけん水沢すいざわなど
津波つなみ 小規模しょうきぼ津波つなみ
プロジェクト:地球ちきゅう科学かがく
プロジェクト:災害さいがい
テンプレートを表示ひょうじ

1933ねん昭和しょうわ8ねん6月19にち637ふんごろ北緯ほくい38.1東経とうけい142.5付近ふきん震源しんげんとするM7.1の地震じしん発生はっせいした。

現在げんざい岩手いわてけん宮古みやふる宮城みやぎけん仙台せんだい宮城野みやぎのなどで最大さいだい震度しんど4を観測かんそくした。小規模しょうきぼ津波つなみあり。

各地かくち震度しんど

[編集へんしゅう]

震度しんど4以上いじょうれを観測かんそくした地点ちてん以下いかとおり。

震度しんど 都道府県とどうふけん 観測かんそくしょ
4 岩手いわてけん 水沢みずさわ宮古みやこ盛岡もりおか
宮城みやぎけん 仙台せんだい石巻いしのまき

1936ねん11月3にち

[編集へんしゅう]
宮城みやぎけんおき地震じしん(1936ねん
宮城県沖地震の位置(日本内)
宮城県沖地震
地震じしん震央しんおう位置いちしめした地図ちず
本震ほんしん
発生はっせい 1936ねん昭和しょうわ11ねん11月3にち
発生はっせい時刻じこく 545ふん57びょう
震央しんおう 日本の旗 日本にっぽん 宮城みやぎけんおき
北緯ほくい3815.7ふん
東経とうけい1423.7ふん北緯ほくい3815.7ふん 東経とうけい1423.7ふん / 北緯ほくい38.2617 東経とうけい142.0617 / 38.2617; 142.0617
震源しんげんふか 61 km
規模きぼ    マグニチュード(M)7.4
最大さいだい震度しんど    震度しんど5:宮城みやぎけん石巻いしのまき仙台せんだい福島ふくしまけんいわき
津波つなみ 小規模しょうきぼ津波つなみ
被害ひがい
死傷ししょうしゃすう 負傷ふしょうしゃ 4にん
プロジェクト:地球ちきゅう科学かがく
プロジェクト:災害さいがい
テンプレートを表示ひょうじ

1936ねん昭和しょうわ11ねん11月3にち545ふん57びょう北緯ほくい3815.7ふん東経とうけい1423.7ぶん宮城みやぎけんおき震源しんげんとするM7.4(Mw7.2)の地震じしん発生はっせいした。「金華山きんかさんおき地震じしん」ともいう[13]

現在げんざい宮城みやぎけん石巻いしのまき仙台せんだい福島ふくしまけんいわき最大さいだい震度しんど5を観測かんそくした。死者ししゃはなく、負傷ふしょうしゃ4にん家屋かおく被害ひがい全壊ぜんかい3半壊はんかい2にとどまり、おな規模きぼの1978ねん宮城みやぎけんおき地震じしんくらべて被害ひがいきわめて小規模しょうきぼだった。

各地かくち震度しんど

[編集へんしゅう]

震度しんど4以上いじょうれを観測かんそくした地点ちてん以下いかとおり。

震度しんど 都道府県とどうふけん 観測かんそくしょ
5 宮城みやぎけん 石巻いしのまき仙台せんだい
福島ふくしまけん 小名浜おなはま
4 岩手いわてけん 水沢みずさわ盛岡もりおか
福島ふくしまけん 猪苗代いなわしろ福島ふくしま
茨城いばらきけん 筑波山つくばさん柿岡かきおか
栃木とちぎけん 宇都宮うつのみや
群馬ぐんまけん 前橋まえばし
埼玉さいたまけん 熊谷くまがい
山梨やまなしけん 甲府こうふ
静岡しずおかけん 富士山ふじさん伊東いとう

1937ねん7がつ27にち

[編集へんしゅう]
宮城みやぎけんおき地震じしん(1937ねん
宮城県沖地震の位置(日本内)
宮城県沖地震
地震じしん震央しんおう位置いちしめした地図ちず
本震ほんしん
発生はっせい 1937ねん昭和しょうわ12ねん7がつ27にち
発生はっせい時刻じこく 456ふん32びょう
震央しんおう 日本の旗 日本にっぽん 宮城みやぎけんおき
北緯ほくい387.3ふん 東経とうけい1420.0ふん北緯ほくい387.3ふん 東経とうけい1420.0ふん / 北緯ほくい38.1217 東経とうけい142.0000 / 38.1217; 142.0000
震源しんげんふか 56 km
規模きぼ    マグニチュード(M)7.1
最大さいだい震度しんど    震度しんど5:宮城みやぎけん石巻いしのまき
プロジェクト:地球ちきゅう科学かがく
プロジェクト:災害さいがい
テンプレートを表示ひょうじ

1937ねん昭和しょうわ12ねん7がつ27にち456ふん32びょう北緯ほくい387.3ふん東経とうけい1420.0ぶん宮城みやぎけんおき震源しんげんとするM7.1(Mw7.2)の地震じしん発生はっせいした。

各地かくち震度しんど

[編集へんしゅう]

震度しんど4以上いじょうれを観測かんそくした地点ちてん以下いかとおり。

震度しんど 都道府県とどうふけん 観測かんそくしょ
5 宮城みやぎけん 石巻いしのまき
4 岩手いわてけん 水沢みずさわ
宮城みやぎけん 仙台せんだい
福島ふくしまけん 福島ふくしま
茨城いばらきけん 筑波山つくばさん水戸みと

1978ねん6がつ12にち

[編集へんしゅう]

1978ねん昭和しょうわ53ねん6月12にち1714ふん25びょう北緯ほくい389.0ふん東経とうけい14210.0ぶん宮城みやぎけんおき震源しんげんとするM7.4の地震じしん発生はっせいした。 (りくがわのアスペリティを破壊はかい[14]

2005ねん8がつ16にち

[編集へんしゅう]
宮城みやぎけんおき地震じしん(2005ねん
宮城県沖地震の位置(日本内)
宮城県沖地震
地震じしん震央しんおう位置いちしめした地図ちず
本震ほんしん
発生はっせい 2005ねん平成へいせい17ねん8がつ16にち
発生はっせい時刻じこく 1146ふん25びょう
震央しんおう 日本の旗 日本にっぽん 宮城みやぎけんおき
北緯ほくい388.9ふん
東経とうけい14216.6ふん北緯ほくい388.9ふん 東経とうけい14216.6ふん / 北緯ほくい38.1483 東経とうけい142.2767 / 38.1483; 142.2767
震源しんげんふか 42 km
規模きぼ    マグニチュード(M)7.2
最大さいだい震度しんど    震度しんど6じゃく宮城みやぎけん川崎かわさきまち
津波つなみ 40cm: 志津川しづがわまちげんみなみ三陸さんりくまち
被害ひがい
死傷ししょうしゃすう 負傷ふしょうしゃ 100にん
プロジェクト:地球ちきゅう科学かがく
プロジェクト:災害さいがい
テンプレートを表示ひょうじ
震度しんど分布ぶんぷ

2005ねん平成へいせい17ねん8がつ16にち1146ふん25びょう北緯ほくい388.9ふん東経とうけい14216.6ぶん宮城みやぎけんおき震源しんげんとするM7.2(Mw7.1)の地震じしん発生はっせいした。宮城みやぎけん国土こくど交通省こうつうしょうはこの地震じしん8・16宮城みやぎ地震じしん呼称こしょうしている[15][16]

宮城みやぎけん川崎かわさきまち最大さいだい震度しんど6じゃく観測かんそくした。地震じしんによるれは、きた北海道ほっかいどうから西にし徳島とくしまけんまでのひろ範囲はんいゆうかん震度しんど1以上いじょう)となった。志津川しづがわまちげんみなみ三陸さんりくまち)で40cmの津波つなみ観測かんそくした[16]

この地震じしんにより100めい重軽傷じゅうけいしょうったものの、死者ししゃていない[16]仙台せんだいのスポーツ施設しせつスポパーク松森まつもり」の屋内おくないプールで天井てんじょうが9わりかた崩落ほうらく、20にん以上いじょう負傷ふしょう[16]。また、震度しんど4を観測かんそくした埼玉さいたまけん加須かぞ民家みんか1むね全壊ぜんかいした。福島ふくしま宮城みやぎなど4けん住宅じゅうたく一部いちぶ破損はそん984むね被害ひがい[17]仙台せんだい地下鉄ちかてつ東北新幹線とうほくしんかんせん秋田あきた新幹線しんかんせん山形やまがた新幹線しんかんせん全線ぜんせん運行うんこう停止ていしした(このうち東北新幹線とうほくしんかんせん秋田あきた新幹線しんかんせん山形やまがた新幹線しんかんせん終電しゅうでんまでダイヤがみだれおぼんUターンラッシュ影響えいきょうおよぼした)。

この地震じしんについて、当時とうじ政府せいふ地震じしん調査ちょうさ委員いいんかいは、想定そうていされていた宮城みやぎけんおき地震じしんではないという見解けんかいしめしたが、2011ねん評価ひょうかでは宮城みやぎけんおき地震じしんひとつであるとした[1]。これは、調査ちょうさ宮城みやぎけんおき地震じしんの3つほどアスペリティのうち南側みなみがわの1つがすべったもので、宮城みやぎけんおき地震じしん部分ぶぶんてき再来さいらいであったとする研究けんきゅう反映はんえいしたものである[18]ただし、想定そうていされていたアスペリティの一部いちぶのみを破壊はかいしただけで、すべのこしがるとされていた[19]

この地震じしんでは緊急きんきゅう地震じしん速報そくほう作動さどうし、仙台せんだいではれのる14びょうまえ震度しんど3を観測かんそくした東京とうきょう千代田ちよだ大手町おおてまちでは70びょうまえ情報じょうほうながれたとされる[20]

NHK地震じしん発生はっせいの1149ふんぜん放送ほうそう通常つうじょう放送ほうそう強制きょうせいりにさせたうえで(はち全中ぜんちゅう)、地震じしん関連かんれんのニュースに[21]、ニュースセンターから武田たけだ真一しんいちアナウンサーが地震じしん第一報だいいっぽうつたえた。また、テレビ東京てれびとうきょうけいのぞ民放みんぽう各局かくきょく番組ばんぐみ途中とちゅう地震じしん関連かんれんのニュースを臨時りんじ放送ほうそうした。

余震よしん活動かつどう年内ねんないいっぱいつづき、12月にはM6クラスの余震よしん発生はっせいしている。この余震よしんではシステム障害しょうがい震度しんど入電にゅうでんおくれるトラブルがあった[22]

各地かくち震度しんど

[編集へんしゅう]

震度しんど5じゃく以上いじょうれを観測かんそくした地点ちてん以下いかとお[23]

震度しんど5じゃく以上いじょう観測かんそくされた気象庁きしょうちょう発表はっぴょう地点ちてん
震度しんど 都道府県とどうふけん 観測かんそくてんめい
6じゃく 宮城みやぎけん 宮城みやぎ川崎かわさきまち前川まえかわ
5きょう 岩手いわてけん 藤沢ふじさわまち藤沢ふじさわ
宮城みやぎけん 蔵王ざおうまち円田えんだ名取なとり増田ますだ仙台せんだいいずみはたかん仙台せんだい宮城野みやぎの苦竹にがたけ東松島ひがしまつしま矢本やもと登米とよねはさままち栗原くりはら築館つきだて宮城みやぎ田尻たじりまち沼部ぬまべ小牛田こごたまち北浦きたうら涌谷わくやまち新町しんまち石巻いしのまき桃生ものうまち石巻いしのまき門脇かどわき
福島ふくしまけん 福島ふくしま鹿島かしままち西町にしまち新地しんじまち谷地小屋やちごや相馬そうま中村なかむら川俣かわまたまち五百田ごひゃくだ福島ふくしま国見くにみまち藤田ふじた
5じゃく 岩手いわてけん 室根むろねむら役場やくば千厩せんまやまち千厩せんまや平泉ひらいずみまち平泉ひらいずみ花泉はないずみまち涌津わくつ衣川きぬがわむら古戸こど岩手いわて胆沢いさわまち南都田なつた前沢まえさわまち七日なのかまち金ケ崎かねがさきまち西根にしね岩手いわて東和とうわまち土沢つちさわ矢巾やはばまち南矢幅みなみやはば江刺えさし大通おおどおり・一関いちのせき山目やまのめ一関いちのせき舞川まいかわ北上ほくじょう柳原やぎわらまち花巻はなまき材木ざいもくまち二戸ふたど福岡ふくおか陸前高田りくぜんたかた高田たかだまち
宮城みやぎけん 石巻いしのまきいずみまち石巻いしのまき北上ほくじょうまち石巻いしのまき鮎川浜あゆかわはま石巻いしのまき相野谷あいのや石巻いしのまき前谷地まえやち栗原くりはら金成かねなり石巻いしのまき雄勝おがつまち登米とよね南方なんぽうまち登米とよね中田なかだまち登米とよね米山よねやままち登米とよね登米とよねまち登米とよね東和とうわまち東松島ひがしまつしま小野おの栗原くりはら若柳わかやなぎ栗原くりはら高清水たかしみず栗原くりはら志波姫しわひめ栗原くりはら栗駒くりごま栗原くりはら瀬峰せみね栗原くりはら一迫いちはさま山元やまもとまち浅生あそうげん亘理わたりまち下小路したこうじ柴田しばたまち船岡ふなおか村田むらたまち村田むらた大河原おおがわらまち新南しんなん岩沼いわぬまさくら角田つのだ角田つのだ白石しらいし亘理わたりまち塩竈しおがまあさひまち仙台せんだい宮城野みやぎの五輪ごりん仙台せんだい若林わかばやし遠見塚とおみづか歌津うたつまち吉野沢よしのさわ志津川しづがわまち塩入しおいり女川おながわまち女川浜おながわはま鹿島台かしまだいまち平渡ひらわた宮城みやぎ松山まつやままちせんせき宮城みやぎ加美かみまち中新田なかにいだ宮城みやぎ南郷なんごうまち木間塚きまつか大衡おおひらむら大衡おおひら大郷おおさとまち粕川かすかわ気仙沼けせんぬま赤岩あかいわ古川ふるかわ三日みっかまち
福島ふくしまけん 飯舘いいたてむら伊丹沢いたみざわ小高おたかまち本町ほんまち原町はらまち三島みしままち田村たむら大越おおごえまち田村たむら都路みやこじまち中島なかじまむら滑津なめつ福島ふくしま東和とうわまち針道はりみち霊山りょうぜんまち掛田かけだ保原ほばらまち舟橋ふなばし梁川やながわまち青葉あおばまち桑折こおりまち東大とうだいすみ福島ふくしま五老内ごろううちまち
茨城いばらきけん 日立ひたち助川すけかわまち

2011ねん3がつ11にち

[編集へんしゅう]

2011ねん平成へいせい23ねん3月11にち1446ふん18びょう北緯ほくい386.2ふん東経とうけい14251.6ぶん三陸さんりくおき震源しんげんとするMw9.0の東北とうほく地方ちほう太平洋たいへいようおき地震じしん発生はっせいした。震源しんげんいき宮城みやぎけんおきふくみ、岩手いわてけんおきから茨城いばらきけんおきまで広範囲こうはんいおよんでいる。地震じしん予知よち連絡れんらくかい同年どうねん4がつ26にち、「3がつ11にち本震ほんしん発生はっせいには想定そうていされている宮城みやぎけんおき地震じしんきていた」との見解けんかいしめした[3]

また宮城みやぎけんおき区分くぶんされる範囲はんいでは、本震ほんしん発生はっせいにも後述こうじゅつ余震よしんはじめ、多数たすう余震よしん発生はっせいしている。

その宮城みやぎけんおき震源しんげんとする地震じしん

[編集へんしゅう]

以下いか地震じしんは、宮城みやぎけんおき震源しんげんとするものの、地震じしん規模きぼ種類しゅるいにより宮城みやぎけんおき地震じしん分類ぶんるいされない地震じしんである。

1855ねん

[編集へんしゅう]

1855ねん9月13にち安政あんせい2ねん8がつ3にち)、北緯ほくい38.1東経とうけい142.0付近ふきん震源しんげんとするM7.3前後ぜんこう地震じしん発生はっせいした。

負傷ふしょうしゃあり。

1898ねん

[編集へんしゅう]

1898ねん明治めいじ31ねん4がつ23にち837ふんごろ北緯ほくい38.6東経とうけい142.0付近ふきん震源しんげんとするM7.2の地震じしん発生はっせいした。

小規模しょうきぼ津波つなみあり。

1915ねん

[編集へんしゅう]

1915ねん大正たいしょう4ねん11月1にち1624ふんごろ北緯ほくい38.3東経とうけい142.9付近ふきん震源しんげんとするM7.5の地震じしん発生はっせいした。

津波つなみあり。

2003ねん

[編集へんしゅう]

2003ねん平成へいせい15ねん5月26にち1824ふん33びょう北緯ほくい3849.2ふん東経とうけい14139.0ぶん宮城みやぎけんおき震源しんげんとするM7.1の地震じしん発生はっせいした。

2011ねん

[編集へんしゅう]

2011ねん平成へいせい23ねん4がつ7にち2332ふん43びょう宮城みやぎけんおき震源しんげんとするM7.2の地震じしん発生はっせいし、宮城みやぎけん震度しんど6きょう観測かんそくした。この地震じしんは、同年どうねん3がつ11にち発生はっせいした東北とうほく地方ちほう太平洋たいへいようおき地震じしん余震よしんとみられる。

2021ねん

[編集へんしゅう]

2021ねんれい3ねん3がつ20日はつか189ふんごろに、宮城みやぎけんおき震源しんげんとするM6.9の地震じしん発生はっせいし、宮城みやぎけん震度しんど5きょう観測かんそくした。この地震じしんは、東北とうほく地方ちほう太平洋たいへいようおき地震じしん余震よしんとみられる。

同年どうねん5月1にち1027ふんごろにも、宮城みやぎけんおき震源しんげんとするM6.8の地震じしん発生はっせいし、宮城みやぎけん震度しんど5きょう観測かんそくした。気象庁きしょうちょうは3月の地震じしんとの関連かんれんについて、震源しんげん位置いちやく40 kmはなれていることから関連かんれん不明ふめいとしている[24]一方いっぽう東京大学とうきょうだいがく地震じしん研究所けんきゅうじょ教授きょうじゅ古村こむら孝志たかしは、3月に発生はっせいした地震じしん余震よしんることもできると分析ぶんせきしている[25]

脚注きゃくちゅう

[編集へんしゅう]
  1. ^ a b c d 三陸さんりくおきから房総ぼうそうおきにかけての地震じしん活動かつどう長期ちょうき評価ひょうかだいはん地震じしん調査ちょうさ研究けんきゅう推進すいしん本部ほんぶ
  2. ^ NHK仙台放送局せんだいほうそうきょくてれまさむね」で、毎週まいしゅう金曜日きんようびCGもちいて1週間しゅうかんぶん地震じしん解説かいせつしている。
  3. ^ a b c 地震予知連じしんよちれん宮城みやぎおき地震じしんきていた」長期ちょうき予測よそく影響えいきょうも(2011ねん4がつ26にちづけ日本経済新聞にほんけいざいしんぶん(2011ねん5がつ5にち閲覧えつらん
  4. ^ 地震じしん保険ほけんとう地図ちず (PDF) 損害そんがい保険ほけん料率りょうりつ算出さんしゅつ機構きこう統計とうけいしゅう平成へいせい18年度ねんどだい2 地震じしん保険ほけん p.17
  5. ^ だい6ひょう 地震じしん保険ほけん 都道府県とどうふけんべつ付帯ふたいりつ推移すいい (PDF) 損害そんがい保険ほけん料率りょうりつ算出さんしゅつ機構きこう統計とうけいしゅう平成へいせい18年度ねんどだい2 地震じしん保険ほけん p.16
  6. ^ 宮城みやぎけんおき地震じしん長期ちょうき評価ひょうか - 地震じしん調査ちょうさ研究けんきゅう推進すいしん本部ほんぶ
  7. ^ 宇佐美うさみ竜夫たつお 1967, p. 1591.
  8. ^ 宇津うつ徳治とくじしま悦三えつぞう吉井よしいさとし尅、山科やましな健一郎けんいちろう地震じしん事典じてん朝倉書店あさくらしょてん、2001ねんだい2はんISBN 978-4-2541-6039-0
  9. ^ 天保てんぽう6ねん6がつ25にち(1835.7.20)地震じしん津波つなみをともなったか”. 歴史れきし地震じしん研究けんきゅうかい. 4/18/2022閲覧えつらん
  10. ^ 宇佐美うさみ竜夫たつお 1967, p. 1593.
  11. ^ 長野ながの地方ちほう気象台きしょうだいつかった明治めいじ時代じだい地震じしん波形はけい記録きろく 日本にっぽん地震じしん学会がっかい
  12. ^ 宇佐美うさみ竜夫たつお 1967, p. 1596.
  13. ^ 中央ちゅうおう防災ぼうさい会議かいぎ専門せんもん調査ちょうさかいにおける想定そうてい地震じしん (PDF) 内閣ないかく 東北とうほく地方ちほう太平洋たいへいようおき地震じしん教訓きょうくんとした地震じしん津波つなみ対策たいさくかんする専門せんもん調査ちょうさかい(だい1かい) 資料しりょう3-3
  14. ^ 2005ねん8がつ16にち宮城みやぎけんおき地震じしん(M7.2)およびそれと想定そうてい宮城みやぎけんおき地震じしんとの関係かんけい 地震予知連じしんよちれん会報かいほう だい75かん
  15. ^ 「8・16宮城みやぎ地震じしん」の被害ひがいおよけん対応たいおうについて”. Miyagi Prefectural Government. 2011ねん3がつ16にち時点じてんオリジナルよりアーカイブ。2011ねん6がつ14にち閲覧えつらん
  16. ^ a b c d 地震じしん災害さいがい 8・16宮城みやぎ地震じしん” (PDF). 国土こくど交通省こうつうしょうすい管理かんり国土こくど保全ほぜんきょく. 国土こくど交通こうつうしょう (mlit.go.jp). 2022ねん8がつ16にち時点じてんオリジナルよりアーカイブ。2022ねん8がつ16にち閲覧えつらん
  17. ^ 宮城みやぎけんおき震源しんげんとする地震じしん確定かくていほう” (PDF). 消防庁しょうぼうちょう. p. 2 (2006ねん2がつ3にち). 2013ねん2がつ18にち時点じてんオリジナルよりアーカイブ。2022ねん8がつ16にち閲覧えつらん
  18. ^ 地震じしん本部ほんぶニュース」平成へいせい22ねん2がつごう (PDF)
  19. ^ 飯尾いいお能久よしひさ, 松澤まつざわとおる東北とうほく地方ちほう太平洋たいへいようおき地震じしん発生はっせい過程かてい:なぜM 9が発生はっせいしたのか?地質ちしつがく雑誌ざっし} 2012ねん 118かん 5ごう p.248-277, doi:10.5575/geosoc.2012.0023
  20. ^ だいれ14びょうまえに「警報けいほう」 宮城みやぎおき地震じしん気象庁きしょうちょうシステム”. 朝日新聞あさひしんぶん. 朝日新聞社あさひしんぶんしゃ (2005ねん8がつ18にち). 2007ねん12月23にち時点じてんオリジナルよりアーカイブ。2022ねん8がつ16にち閲覧えつらん
  21. ^ ぜん13臨時りんじニュース <チャイムQFき> 「東北とうほく地方ちほう震度しんどじゃく 宮城みやぎけん津波つなみ注意報ちゅういほう発令はつれい関連かんれん - NHKクロニクル
  22. ^ 気象庁きしょうちょう発表はっぴょう資料しりょう
  23. ^ 各地かくち震度しんど気象庁きしょうちょう
  24. ^ 「1週間しゅうかん程度ていどつよ地震じしん警戒けいかい」 気象庁きしょうちょう宮城みやぎ地震じしん”. 朝日新聞あさひしんぶんデジタル (2021ねん5がつ1にち). 2021ねん5がつ1にち閲覧えつらん
  25. ^ 気象庁きしょうちょう津波つなみはギリギリきなかった」…3月さんがつ余震よしん”. 読売新聞よみうりしんぶんオンライン (2021ねん5がつ1にち). 2021ねん5がつ1にち閲覧えつらん

参考さんこう文献ぶんけん

[編集へんしゅう]
  • 宇佐美うさみ竜夫たつお日本にっぽん付近ふきんのおもな被害ひがい地震じしんひょう」『東京大学とうきょうだいがく地震じしん研究所けんきゅうじょ彙報いほうだい44かんだい4ごう東京大学とうきょうだいがく地震じしん研究所けんきゅうじょ、1967ねん3がつ、1571-1622ぺーじISSN 00408972NAID 120006912404 

関連かんれん項目こうもく

[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク

[編集へんしゅう]
1793ねん