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弟子屈てしかが地震じしん

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

弟子屈てしかが地震じしん(てしかがじしん)では、北海道ほっかいどう東部とうぶ弟子屈てしかが付近ふきんおよびその周辺しゅうへん阿寒あかん摩周ましゅう)で発生はっせいしたおも地震じしん活動かつどう(Mj5.0以上いじょう)について記述きじゅつする。

1938ねん屈斜路くっしゃろ地震じしん

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1938ねん屈斜路くっしゃろ地震じしん
弟子屈地震の位置(北海道内)
弟子屈地震
弟子屈てしかが地震じしん (北海道ほっかいどう)
地震じしん震央しんおう位置いちしめした地図ちず
本震ほんしん
発生はっせい 1938ねん昭和しょうわ13ねん5月29にち
発生はっせい時刻じこく 0142ふん01.5びょうJST
震央しんおう 日本の旗 日本にっぽん 北海道ほっかいどう川上かわかみぐん弟子屈てしかがむら
北緯ほくい4331ふん18びょう 東経とうけい14426ふん42びょう / 北緯ほくい43.52167 東経とうけい144.44500 / 43.52167; 144.44500
震源しんげんふか 0 km
規模きぼ    気象庁きしょうちょうマグニチュード(Mj)6.1
最大さいだい震度しんど    震度しんど3:北海道ほっかいどう釧路くしろ根室ねむろ
津波つなみ やく90cm(和琴半島わことはんとう頸部東岸とうがん[1]
前震ぜんしん
最大さいだい前震ぜんしん 5月23にち 2030ふん
被害ひがい
死傷ししょうしゃすう 死者ししゃ 1にん[1]
被害ひがい地域ちいき 北海道ほっかいどう東部とうぶ
出典しゅってんとく注記ちゅうきがない場合ばあい気象庁きしょうちょう[JMA 1]による。
プロジェクト:地球ちきゅう科学かがく
プロジェクト:災害さいがい
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1938ねん昭和しょうわ13ねん5月29にち0142ふんごろ、弟子屈てしかがむら付近ふきん震央しんおうとするMj6.1の地震じしん発生はっせいし、釧路くしろ根室ねむろ最大さいだい震度しんど3を観測かんそくした。この地震じしんによって、屈斜路湖くっしゃろこ南岸なんがんのサッテキナイ付近ふきん中心ちゅうしんとして、死者ししゃ1にん家屋かおく倒潰とうかい5むねはんくずし2むね破損はそん36むね道路どうろ破損はそんそう延長えんちょう5,010m、橋梁きょうりょう破損はそん2箇所かしょふるえがい発生はっせいした。本震ほんしんの10ふんまえには地表ちひょう急激きゅうげき隆起りゅうきがあったという。屈斜路湖くっしゃろこ南岸なんがんでは津波つなみ発生はっせいし、和琴半島わことはんとう頸部東岸とうがんでは最大さいだいやく90cmの津波つなみ報告ほうこくされている[1]。この津波つなみ原因げんいんとして、湖底こていすべりが指摘してきされている[2]和琴半島わことはんとうから札友内さつともないにかけて集中しゅうちゅうてき地表ちひょう亀裂きれつしょうじた。地震じしん規模きぼわりには地殻ちかく変動へんどうおおきく、サッテキナイでは2.3mの水平すいへいずれが出現しゅつげんしたほか和琴半島わことはんとう東岸とうがん地盤じばん沈下ちんか温泉おんせん噴出ふんしゅつなどが発生はっせいした。 余震よしん当日とうじつは100かいほど体感たいかんしたが、10日とおかあいだほどで急激きゅうげき減少げんしょうした。

1949ねん

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1949ねん昭和しょうわ24ねん)6がつ6にち1734ふんごろ、弟子屈てしかがむらサマッケヌプリ付近ふきん北緯ほくい4331.6分秒ふんびょう 東経とうけい14414.7分秒ふんびょう)を震央しんおうとするMj5.1、ふかさ24kmの地震じしん発生はっせいし、釧路くしろ最大さいだい震度しんど2を観測かんそくした[JMA 2]

1959ねん弟子屈てしかが地震じしん

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1959ねん弟子屈てしかが地震じしん
弟子屈地震の位置(北海道内)
弟子屈地震
弟子屈てしかが地震じしん (北海道ほっかいどう)
地震じしん震央しんおう位置いちしめした地図ちず
本震ほんしん
発生はっせい 1959ねん昭和しょうわ34ねん1がつ31にち
発生はっせい時刻じこく 0538ふん59.8びょうJST
震央しんおう 日本の旗 日本にっぽん 北海道ほっかいどう川上かわかみぐん
北緯ほくい4322ふん54びょう 東経とうけい14422ふん12びょう / 北緯ほくい43.38167 東経とうけい144.37000 / 43.38167; 144.37000
震源しんげんふか 0 km
規模きぼ    気象庁きしょうちょうマグニチュード(Mj)6.3/モーメントマグニチュード(Mw)6.4[USGS 1]
最大さいだい震度しんど    震度しんど4:北海道ほっかいどう釧路くしろ
津波つなみ なし
前震ぜんしん
最大さいだい前震ぜんしん Mj5.6 Mw6.2[USGS 2] 1がつ22にち 1633ふん 最大さいだい震度しんど3 北緯ほくい4326.4分秒ふんびょう 東経とうけい14416.2分秒ふんびょう[JMA 3]
余震よしん
最大さいだい余震よしん Mj6.1 Mw6.4[USGS 3] 1がつ31にち 0717ふん 最大さいだい震度しんど4 北緯ほくい4328.7分秒ふんびょう 東経とうけい14429.2分秒ふんびょう[JMA 4]
被害ひがい
被害ひがい地域ちいき 北海道ほっかいどう東部とうぶ
出典しゅってんとく注記ちゅうきがない場合ばあい気象庁きしょうちょう[JMA 5]による。
プロジェクト:地球ちきゅう科学かがく
プロジェクト:災害さいがい
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1959ねん昭和しょうわ34ねん)1がつ22にち1633ふんごろ、弟子屈てしかが標茶しべちゃ阿寒あかん境界きょうかい付近ふきんでMj5.6、ふかさ15kmの地震じしん発生はっせいし、釧路くしろ最大さいだい震度しんど3を観測かんそくした。つづけて9にち1がつ31にち0538ふんにMj6.3、ふかさ0kmの本震ほんしんさら本震ほんしんからやく2あいだの0717ふんにもMj6.1という本震ほんしん匹敵ひってきする規模きぼ地震じしん発生はっせいした。

これらの地震じしんによって弟子屈てしかがまち奥春別おくしゅんべつ付近ふきん中心ちゅうしんとして被害ひがいしょうじた。また、奥春別おくしゅんべつからペレケさん南東なんとう山麓さんろくながさ2kmにわたって地割じわれが発生はっせいし、変位へんいおおきな箇所かしょでははば25-30cm、ふかさ40cm、垂直すいちょくずれ10cmにおよんだ[3]

1963ねん

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1963ねん昭和しょうわ38ねん)1がつ28にち1305ふんごろ、中標津なかしべつまち養老牛ようろううし北緯ほくい4335.2分秒ふんびょう 東経とうけい14442.9分秒ふんびょう震央しんおうとするMj5.3、ふかさ10kmの地震じしん発生はっせいし、釧路くしろ最大さいだい震度しんど3を観測かんそくした[JMA 6]。この地震じしんにより、震央しんおう中標津なかしべつまち養老牛ようろううし付近ふきんではかべのひびれ・剥離はくり、サイロのひびれ、水道すいどうかん一部いちぶ破損はそんなどのしょう被害ひがい発生はっせいした。余震よしん活動かつどう活発かっぱつで、2がつ13にち地震じしん最大さいだいとして3がついっぱいまでつづいた[1]

1965ねん

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1965ねん昭和しょうわ40ねん) 8がつ31にち1649ふんごろ、弟子屈てしかがまち付近ふきんにMj5.1の地震じしん発生はっせいし、つづいて1704ふんごろどう地域ちいきにMj5.0の地震じしん発生はっせいした。以後いご地震じしん活動かつどう活発かっぱつし、9月9にち1339ふんごろにもMj5.1の地震じしん発生はっせいしたが、9月18にちごろにはほぼ終息しゅうそくした。これらの地震じしん活動かつどうによって、札友内さつともないでは集合しゅうごう煙突えんとつしょう被害ひがい9、びるわ地区ちくでブロック2使用しよう不能ふのうになった。そのサイロ亀裂きれつ4かべ亀裂きれつなどがあった[1]

Mj5.0以上いじょう地震じしん

発生はっせい日時にちじ 震央しんおう 規模きぼ(Mj) 最大さいだい震度しんど 最大さいだい震度しんど観測かんそくてん 出典しゅってん
8がつ31にち 1648ふん 北緯ほくい4331.3ふん 東経とうけい14427.3ふん / 北緯ほくい43.5217 東経とうけい144.4550 / 43.5217; 144.4550 5.1 2 釧路くしろ根室ねむろ [JMA 7]
8がつ31にち 1704ふん 北緯ほくい4330.2ふん 東経とうけい14426.8ふん / 北緯ほくい43.5033 東経とうけい144.4467 / 43.5033; 144.4467 5.0 2 釧路くしろ根室ねむろ [JMA 8]
9月09にち 1339ふん 北緯ほくい4330.1ふん 東経とうけい14419.3ふん / 北緯ほくい43.5017 東経とうけい144.3217 / 43.5017; 144.3217 5.1 2 網走あばしり女満別めまんべつまち紋別もんべつ釧路くしろ [JMA 9]

1967ねん弟子屈てしかが地震じしん

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1967ねん弟子屈てしかが地震じしん
弟子屈地震の位置(北海道内)
弟子屈地震
弟子屈てしかが地震じしん (北海道ほっかいどう)
地震じしん震央しんおう位置いちしめした地図ちず
本震ほんしん
発生はっせい 1967ねん昭和しょうわ42ねん11月4にち
発生はっせい時刻じこく 2330ふん36.0びょうJST
震央しんおう 日本の旗 日本にっぽん 北海道ほっかいどう川上かわかみぐん弟子屈てしかがまち
北緯ほくい4331ふん48びょう 東経とうけい14419ふん36びょう / 北緯ほくい43.53000 東経とうけい144.32667 / 43.53000; 144.32667
震源しんげんふか 12 km
規模きぼ    気象庁きしょうちょうマグニチュード(Mj)6.5/モーメントマグニチュード(Mw)6.7[USGS 4]
最大さいだい震度しんど    震度しんど4:北海道ほっかいどう網走あばしり北見きたみ釧路くしろ
津波つなみ なし
余震よしん
最大さいだい余震よしん Mj5.7 Mw5.6[USGS 5] 11月4にち 2346ふん 最大さいだい震度しんど3 北緯ほくい4330.6分秒ふんびょう 東経とうけい14407.9分秒ふんびょう[JMA 10]
被害ひがい
被害ひがい地域ちいき 北海道ほっかいどう東部とうぶ
出典しゅってんとく注記ちゅうきがない場合ばあい気象庁きしょうちょう[JMA 11]による。
プロジェクト:地球ちきゅう科学かがく
プロジェクト:災害さいがい
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1967ねん昭和しょうわ42ねん)11月4にち2330ふんごろ、弟子屈てしかが付近ふきん震央しんおうとするMj6.5の地震じしん発生はっせいし、つづけて16ふんの2346ふんには阿寒あかん付近ふきんでMj5.7の最大さいだい余震よしん発生はっせいした。これらの地震じしんによって、負傷ふしょうしゃ2めい家屋かおく半壊はんかい1むね一部いちぶ破損はそん8むね道路どうろのひびれ、落石らくせきとう被害ひがいしょうじた[1]

2015ねん

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2015ねん平成へいせい27ねん)6がつ4にち0434ふんごろ、津別つべつまち相生あいおい阿寒湖あかんこ北西ほくせいやく4km北緯ほくい4329.5分秒ふんびょう 東経とうけい14403.6分秒ふんびょう)を震央しんおうとするMj5.0(Mw4.8[JMA 12])、ふかさ0kmの地震じしん発生はっせいし、釧路くしろ阿寒あかんまち最大さいだい震度しんど5じゃく観測かんそくした[JMA 13]

はつふるえ機構きこうかい西北西せいほくせいから東南東とうなんとう圧縮あっしゅくじくぎゃく断層だんそうかたで、余震よしん分布ぶんぷから西北西せいほくせい傾斜けいしゃ推定すいていされている[4]

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ M6.1 1938/05/29 01:42”. 気象庁きしょうちょう. 2017ねん8がつ21にち閲覧えつらん
  2. ^ M5.1 1949/06/06 17:34”. 気象庁きしょうちょう. 2017ねん8がつ22にち閲覧えつらん
  3. ^ M5.6 1959/01/22 16:33”. 気象庁きしょうちょう. 2017ねん8がつ22にち閲覧えつらん
  4. ^ M6.1 1959/01/31 07:17”. 気象庁きしょうちょう. 2017ねん8がつ22にち閲覧えつらん
  5. ^ M6.3 1959/01/31 05:38”. 気象庁きしょうちょう. 2017ねん8がつ22にち閲覧えつらん
  6. ^ M5.3 1963/01/28 13:05”. 気象庁きしょうちょう. 2017ねん8がつ22にち閲覧えつらん
  7. ^ M5.1 1965/08/31 16:48”. 気象庁きしょうちょう. 2017ねん8がつ22にち閲覧えつらん
  8. ^ M5.0 1965/08/31 17:04”. 気象庁きしょうちょう. 2017ねん8がつ22にち閲覧えつらん
  9. ^ M5.1 1965/09/09 13:39”. 気象庁きしょうちょう. 2017ねん8がつ22にち閲覧えつらん
  10. ^ M5.7 1967/11/04 23:46”. 気象庁きしょうちょう. 2017ねん8がつ22にち閲覧えつらん
  11. ^ M6.5 1959/11/04 23:30”. 気象庁きしょうちょう. 2017ねん8がつ22にち閲覧えつらん
  12. ^ CMTかい 2015ねん6がつ” (PDF). 気象庁きしょうちょう. 2017ねん8がつ22にち閲覧えつらん
  13. ^ M5.0 2015/06/04 04:34”. 気象庁きしょうちょう. 2017ねん8がつ22にち閲覧えつらん
  1. ^ M 6.4 - Hokkaido, Japan region”. アメリカ地質調査所ちしつちょうさしょ. 2017ねん8がつ22にち閲覧えつらん
  2. ^ M 6.2 - Hokkaido, Japan region”. アメリカ地質調査所ちしつちょうさしょ. 2017ねん8がつ22にち閲覧えつらん
  3. ^ M 6.4 - Hokkaido, Japan region”. アメリカ地質調査所ちしつちょうさしょ. 2017ねん8がつ22にち閲覧えつらん
  4. ^ M 6.7 - Hokkaido, Japan region”. アメリカ地質調査所ちしつちょうさしょ. 2017ねん8がつ22にち閲覧えつらん
  5. ^ M 5.6 - Hokkaido, Japan region”. アメリカ地質調査所ちしつちょうさしょ. 2017ねん8がつ22にち閲覧えつらん
  1. ^ a b c d e f 宇佐美うさみ龍夫たつお石井いしい寿ひさし今村いまむら隆正たかまさ武村たけむら雅之まさゆき松浦まつうら律子りつこ日本にっぽん被害ひがい地震じしん総覧そうらん 599-2012東京大学とうきょうだいがく出版しゅっぱんかい、2013ねんISBN 978-4-13-060759-9http://www.utp.or.jp/bd/978-4-13-060759-9.html 
  2. ^ 山崎やまざきほか (2015). “1938ねん屈斜路くっしゃろ地震じしん津波つなみ発生はっせいさせたと推定すいていされる屈斜路湖くっしゃろこ湖底こていすべり”. 日本にっぽん応用地質おうようちしつ学会がっかい研究けんきゅう発表はっぴょうかい講演こうえんろん文集ぶんしゅう: 107-108. NAID 110010011827. https://ci.nii.ac.jp/naid/110010011827/ 2017ねん8がつ21にち閲覧えつらん. 
  3. ^ 松本まつもと 利松としまつ (1959). “1959ねん1がつ31にち北海道ほっかいどう弟子屈てしかが(てしかが)地震じしん余震よしん観測かんそく報告ほうこく. 東京大學とうきょうだいがく地震じしん研究所けんきゅうじょ彙報いほう 37 (3): 531-544. https://hdl.handle.net/2261/11964 2017ねん8がつ22にち閲覧えつらん. 
  4. ^ 一柳いちりゅうほか (2016). “2015ねん発生はっせいした阿寒湖あかんこ付近ふきん地震じしん(MJMA 5.0)”. 北海道大学ほっかいどうだいがく地球ちきゅう物理ぶつりがく研究けんきゅう報告ほうこく 79: 1-8. doi:10.14943/gbhu.79.1. https://hdl.handle.net/2115/60914 2017ねん8がつ22にち閲覧えつらん. 

関連かんれん項目こうもく

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