炸薬さくやく

炸薬さくやく（さくやく、英えい：explosive エクスプローシヴ）は、爆ばく弾だんなどに詰つめて、爆発ばくはつ（炸裂さくれつ）させるのに用もちいるもの。火薬かやくの一種いっしゅ。命中めいちゅうした時ときに爆発ばくはつして破壊はかい効果こうかを発揮はっきするための爆発ばくはつ物ぶつのことをいう。主おもに日本にっぽん海軍かいぐんで用もちいられた用語ようご。

地雷じらいや砲弾ほうだん、魚雷ぎょらいなどに用もちいられる。これらの爆発ばくはつの威力いりょくは炸薬さくやくがいかに速はやく燃焼ねんしょうするかにかかっており、性能せいのうを維持いじ・向上こうじょうさせるために不可欠ふかけつな要素ようそとなる反面はんめん、取とり扱あつかいや保管ほかんにおいても安全あんぜん性せいを高たかめるため、火薬かやくの中なかでも信管しんかん以外いがいによるいかなる衝撃しょうげきや加熱かねつによっても爆発ばくはつしない鈍感どんかんな性質せいしつのものが理想りそうとされる。

創作そうさく上じょうでは装そう薬やく(ガンパウダー)と炸薬さくやく(爆薬ばくやく)の混同こんどうが時折ときおり見みられる事ことがあるが、 軍事ぐんじにおいて火薬かやくは装そう薬やく（＝発射はっしゃ薬やく）を指さし、破壊はかい用ようの火薬かやく類るいは爆薬ばくやくもしくは炸薬さくやくと呼よばれるため、これを発射はっしゃ薬やくとするのは基本きほん的てきに間違まちがいである。

概要がいよう

日本にっぽんの火薬かやく取締とりしまり法ほうにおいては炸薬さくやくは爆薬ばくやくとして定義ていぎされ、主おもに以下いかの分類ぶんるいされる。

• 雷かみなり汞、アジ化か鉛なまり、その他たの起爆きばく薬やく
• 硝安爆薬ばくやく、塩素えんそ酸さんカリ爆薬ばくやく、カーリツトその他た硝酸塩しょうさんえん、塩素えんそ酸さん塩しお又または過か塩素えんそ酸さん塩しおを主おもとする爆薬ばくやく
• ニトログリセリン、ニトログリコール及および爆ばく発はつの用途ようとに供きょうせられるその他たの硝酸しょうさんエステル
• ダイナマイトその他たの硝酸しょうさんエステルを主おもとする爆薬ばくやく
• 爆発ばくはつの用途ようとに供きょうせられるトリニトロベンゼン、トリニトロトルエン、ピクリン酸さん、トリニトロクロルベンゼン、テトリル、トリニトロアニソール、ヘキサニトロジフエニルアミン、トリメチレントリニトロアミン、ニトロ基もとを三さん以上いじょう含ふくむその他たのニトロ化合かごう物ぶつ及およびこれらを主おもとする爆薬ばくやく
• 液体えきたい酸素さんそ爆薬ばくやくその他たの液体えきたい爆薬ばくやく
• 上記じょうきの他ほかに爆薬ばくやくと同等どうとうに破壊はかい的てき爆発ばくはつの用途ようとに供きょうせられる爆薬ばくやくで経済けいざい産業さんぎょう省令しょうれいで定さだめるもの

砲弾ほうだん・爆ばく弾だん等とうに使つかわれる炸薬さくやくの種類しゅるい

発射はっしゃ薬やく（推進すいしん薬やく）

• 黒色こくしょく火薬かやく
• 無煙むえん火薬かやく

炸薬さくやく類るい

• 下瀬したせ火薬かやく（ピクリン酸さん）：当時とうじの日本にっぽん軍ぐんの炸薬さくやくの主力しゅりょくであった。
• TNT：第だい二に次じ世界せかい大戦たいせんでは各国かっこくで多用たようされた。
• RDK（ヘキソーゲン）：第だい二に次じ世界せかい大戦たいせんで使つかわれた可塑かそ性せいの炸薬さくやく
• HBX爆薬ばくやく
• PBX爆薬ばくやく
• 可塑かそ性せい爆薬ばくやく

関連かんれん項目こうもく

• 火薬かやく
• 爆薬ばくやく
• 火薬かやく類るい取締とりしまり法ほう
• 魚雷ぎょらい
• 手榴弾しゅりゅうだん