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ねつ貫流かんりゅうりつ

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

ねつ貫流かんりゅうりつ(ねつかんりゅうりつ)とは、かべたいなどをかいした2流体りゅうたいあいだねつ移動いどうしょうじるさい、そのねつつたえやすさをあらわ数値すうちである。 屋根やね天井てんじょう外壁がいへきまど玄関げんかんドアゆか土間どまなどの各部かくぶねつ貫流かんりゅうりつはUとしてあらわされる。 U概念がいねん一般いっぱんてきなものであるが、U様々さまざま単位たんいけいあらわされる。しかしほとんどのくにではU以下いか国際こくさい単位たんいけいあらわされる。ねつ貫流かんりゅうりつはまた、ねつ通過つうかりつ総括そうかつでんねつ係数けいすうなどとばれることもある。

定義ていぎ[編集へんしゅう]

W/(m2)(K)

例外れいがいひとつとして、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくではU以下いかイギリスねつ単位たんいあらわされる。

Btu/(hr)(ft2)(°F)

この記事きじなかではU国際こくさい単位たんいけい説明せつめいする。 建物たてもの断熱だんねつ性能せいのうたか部分ぶぶんねつ貫流かんりゅうりつひくくなり、一方いっぽう断熱だんねつ不十分ふじゅうぶんだとねつ還流かんりゅうりつたかくなる。 また、ねつ放射ほうしゃねつ伝達でんたつねつ伝導でんどうによるねつ損失そんしつがU影響えいきょうあたえる。 Uねつ伝達でんたつりつおな単位たんいけいつが、ねつ伝達でんたつりつ流体りゅうたいあいだねつ移動いどうのみに使つかわれるのにたいし、U様々さまざま物体ぶったいあいだねつ移動いどう使用しようされる。 かべたい貫流かんりゅうするねつ以下いかしきあらわされる。

Φふぁい = A × U × (T1 - T2)

Uはねつ貫流かんりゅうりつあらわし、 T1建物たてもの外部がいぶ温度おんど、 T2建物たてもの内部ないぶ温度おんどあらわす。Aは建物たてもの表面積ひょうめんせきあらわす。 ほとんどのかべ屋根やねねつ貫流かんりゅうりつはISO 6946に準拠じゅんきょして計算けいさんする。ねつきょうがない場合ばあい断熱だんねつざいはISO 10211に準拠じゅんきょして計算けいさんする。ほとんどのまどはISO 10077やISO 15099に準拠じゅんきょして計算けいさんされる。ISO 9869にはねつ貫流かんりゅうりつ経験けいけんてきにどのように計算けいさんするかがべられている。 代表だいひょうてき建築けんちく部材ぶざいねつ貫流かんりゅうりつ以下いかのようなものである。

  • たんそうガラス: 5.7 W/m²K;
  • low-eふくそうガラス: 2.2 W/m²K;
  • low-eトリプルガラス: 0.8 W/m²K;
  • 断熱だんねつ性能せいのうたか屋根やね: 0.15 W/m²·K;
  • 断熱だんねつ性能せいのうひく屋根やね: 1.0 W/m²·K;
  • 断熱だんねつ性能せいのうたかかべ: 0.25 W/m²·K;
  • 断熱だんねつ性能せいのうひくかべ: 1.5 W/m²·K;
  • 断熱だんねつ性能せいのうたかゆか: 0.2 W/m²·K;
  • 断熱だんねつ性能せいのうひくゆか: 1.0 W/m²·K;

実際じっさいにはねつ貫流かんりゅうりつ施行しこうする職人しょくにんうでによっておおきく左右さゆうされる。もししっかりと断熱だんねつされていないと、ねつ貫流かんりゅうりつおおきくたかくなる[1]

ねつ貫流かんりゅうりつ計算けいさん[編集へんしゅう]

ねつ貫流かんりゅうりつ計算けいさんするときは、建物たてもの構造こうぞうをさまざまなそうけて検討けんとうする。計算けいさんれい以下いかしめす。

あつ 材料ざいりょう ねつ伝導でんどうりつ ねつ抵抗ていこう = あつさ / ねつ伝導でんどう
- 外表そとおもてめん 23 W/m·k 0.04 K·m²/W
0.003 m アルミニウム 210 W/m·K 0.000014 K·m²/W
- 空気くうきそう 0.07 K·m²/W
0.06 m コンクリート 1.6 W/m·K 0.04 K·m²/W
0.025 m 吹付ふきつ硬質こうしつウレタンフォームAたね1 0.034 W/m·K 0.74 K·m²/W
- 空気くうきそう 0.07 K·m²/W
0.012 m 石膏せっこうボード 0.22 W/m·K 0.06 K·m²/W
- うち表面ひょうめん 9 W/m·k 0.11 K·m²/W

このれいでは、合計ごうけいねつ抵抗ていこうは1.13 K・m²/ Wとなる。ねつ貫流かんりゅうりつ合計ごうけいねつ抵抗ていこう逆数ぎゃくすうである。したがってこの構造こうぞうねつ貫流かんりゅうりつは0.89W/m²・Kとなる。[2]

ねつ貫流かんりゅうりつ測定そくてい[編集へんしゅう]

ねつ貫流かんりゅうりつ計算けいさんはISO 6946に準拠じゅんきょしたソフトウェアで簡単かんたんおこなうことができるが、測定そくていおこなうことでさらに正確せいかくもとめることが出来できる。 ISO 9869およびASTM C1155、モデルTRSYSに準拠じゅんきょしたねつ貫流かんりゅうりつ測定そくていれいとしてはねつりゅうセンサー使用しようする方法ほうほうがある。 lSO 9869は、ねつりゅうセンサーを使用しようして屋根やねまたはかべねつ貫流かんりゅうりつ測定そくていする方法ほうほう紹介しょうかいしている。ねつりゅうセンサーを測定そくていするかべ屋根やね適切てきせつ固定こていし、ねつりゅうたばのデータを十分じゅうぶん時間じかんにわたって収集しゅうしゅうすれば、ねつ貫流かんりゅうりつ平均へいきんねつりゅうたば建物たてもの内側うちがわ外側そとがわ平均へいきん温度おんどじょさんすることで計算けいさんすることができる。 この測定そくていつぎ条件下じょうけんかおこなうと精度せいどたかまる。

  • 温度おんど正確せいかく測定そくてい容易よういぐもりのおこなう。
  • 建物たてもの内部ないぶ外部がいぶ温度おんど最低さいていでも5℃ある。
  • ねつりゅうセンサーは測定そくていちゅう屋根やねまたはかべにしっかりと固定こていされ、ねつ接触せっしょく良好りょうこうである。
  • ねつりゅうたばのデータ測定そくていすくなくとも72あいだおこなう。
  • 建材けんざいことなる場所ばしょ測定そくてい箇所かしょにするか、サーモグラフィーカメラで建材けんざい均質きんしつせい確保かくほする。

対流たいりゅうねつ全体ぜんたいねつ伝達でんたつしている場合ばあい建物たてもの外側そとがわ内側うちがわ温度おんどおおきくなるとねつ貫流かんりゅうりつたかくなる。たとえば内部ないぶ温度おんどが20℃、外部がいぶ温度おんどが-20℃の場合ばあい、2じゅうガラスまどのガラスあいだ適切てきせつはばは、外部がいぶ気温きおん0℃のときよりもちいさくなる。 材料ざいりょう固有こゆうねつ貫流かんりゅうりつ温度おんどによって変化へんかする可能かのうせいがある。メカニズムは複雑ふくざつで、温度おんど上昇じょうしょうするとねつ貫流かんりゅうりつ増減ぞうげんする可能かのうせいがある。[3]

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ Field investigations of the thermal performance (U-values) of construction elements as built [1]
  2. ^ 公益社こうえきしゃだん法人ほうじん 空気くうき調和ちょうわ衛生えいせいこう学会がっかいためしてまなねつ負荷ふかHASPEE〜しん最大さいだいねつ負荷ふか計算けいさんほう〜』p.39
  3. ^ Thermal conductivity of some common materials and gases