珂碩

珂碩（かせき、元和がんわ4年ねん1月がつ1日にち（1618年ねん1月がつ27日にち） - 元禄げんろく7年ねん10月7日にち（1694年ねん11月23日にち））は江戸えど時代じだいの僧そう。東京とうきょう都と世田谷せたがや区く奥沢おくさわの浄真寺じょうしんじ（通称つうしょう「九品仏くほんぶつ」）を開山かいさんした。姓せいは野村のむら。号ごうは松露しょうろ。

生涯しょうがい

珂碩は武蔵むさし国こくの生うまれ。もと町役人まちやくにんであったが非道ひどうな上司じょうしを斬きり出家しゅっけしたという伝承でんしょうがある。江戸えど霊れい岸がん寺てら大島おおしま村むら念仏ねんぶつ堂どうに移うつり住すんでから、弟子でし珂憶（浄真寺じょうしんじ2世せい）とともに寛文ひろふみ7年ねん（1667年ねん）に9躯くの阿弥陀如来あみだにょらい坐像ざぞうを完成かんせいさせた。しかしこの地ちが洪水こうずいの被害ひがいにあったため、延のべ宝たから6年ねん（1678年ねん）、江戸えど幕府ばくふ4代だい将軍しょうぐん徳川とくがわ家綱いえつなから奥沢おくさわ城じょう跡あとのこの地ちを賜たまわり浄真寺じょうしんじを創建そうけんすると、阿弥陀如来あみだにょらい像ぞうはそこに移うつされた。

9体たいの阿弥陀如来あみだにょらい像ぞうは九品仏くほんぶつと称しょうされ、それぞれ手しゅの位置いちや印形いんぎょうが異ことなり、3体たいずつ上品じょうひん（じょうぼん）堂どう・中ちゅう品ひん堂どう・下品げひん堂どうに安置あんちされている。また本尊ほんぞんの釈迦牟尼しゃかむに如来にょらいも珂碩の作さくである。これらの阿弥陀あみだ像ぞうは、いずれも正統せいとうな寄よせ木造もくぞうの手法しゅほう、定てい朝あさ以来いらいの伝統でんとう的てき技法ぎほうによって造みやつこ像ぞうされていることが知しられ古いにしえ様さまを踏襲とうしゅうした本格ほんかく的てきな像ぞうである。

関連かんれん項目こうもく

• 九品仏くほんぶつ浄真寺じょうしんじ