甘あま乃光

甘あま乃光
Who's Who in China 5th ed. (1936)
プロフィール
出生しゅっしょう：	1897年ねん（光ひかり緒いとぐち23年ねん）
死去しきょ：	1956年ねん9月30日にち オーストラリア シドニー
出身しゅっしん地ち：	清きよし 広西ひろせ省しょう梧州府ふ岑渓県けん （現げん：梧州市し岑渓市し）
職業しょくぎょう：	政治せいじ家か・政治せいじ学者がくしゃ・外交がいこう官かん
各種かくしゅ表記ひょうき
繁体字はんたいじ：	甘あま乃光
簡体字かんたいじ：	甘あま乃光
拼音：	Gān Nǎiguāng
ラテン字じ：	Kan Nai-kuang
和名わみょう表記ひょうき：	かん だいこう かん ないこう
発音はつおん転記てんき：	ガン ナイグワン

甘あま 乃光（かん だいこう/かん ないこう）は中華民国ちゅうかみんこくの政治せいじ家か・政治せいじ学者がくしゃ・外交がいこう官かん。廖仲愷側近そっきんと目めされる中国ちゅうごく国民党こくみんとう左派さはの人物じんぶつである。字じは自明じめい。

事績じせき

国民党こくみんとう左派さはとして

1922年ねん（民みん国こく11年ねん）、私立しりつ嶺みね南みなみ大学だいがく経済けいざい系けいを卒業そつぎょうし、同どう大学だいがく附属ふぞく中学ちゅうがくで教師きょうしになった。このとき、廖仲愷の娘むすめ・廖夢醒の担任たんにんとなり、その伝手つてで廖仲愷と面識めんしきを持もった。1924年ねん（民みん国こく13年ねん）、甘あま乃光は中国ちゅうごく国民党こくみんとうに加入かにゅうし、党とう中央ちゅうおう商しょう民みん部ぶ秘書ひしょとなる。同年どうねん7月がつ、黄埔軍こうほぐん官かん学校がっこうで英文えいぶん秘書ひしょ兼けん政治せいじ教官きょうかんに任にんぜられた。

翌よく1925年ねん（民みん国こく14年ねん）、甘あま乃光は国民こくみん政府せいふ監察かんさつ院いん監察かんさつ委員いいんとなる。同年どうねん8月がつ、廖仲愷が暗殺あんさつされると、同どう事件じけんの検察けんさつ委員いいん会かい委員いいんをつとめた。これ以降いこうは、国民党こくみんとう左派さはの重鎮じゅうちんであった汪ひろし兆ちょう銘めいの引ひき立たてを受うけることになる。同年どうねん9月がつに査弁電報でんぽう局きょく委員いいん会かい兼けん査弁粤漢鉄路てつろ委員いいん会かい委員いいん、10月に予算よさん委員いいん会かい委員いいん兼けん調査ちょうさ国立こくりつ広東かんとん大学だいがく委員いいん会かい委員いいん兼けん主任しゅにん、11月に広こう東南とうなん路ろ各かく属ぞく行政ぎょうせい委員いいん兼広かねひろ三さん鉄路てつろ査弁委員いいん会かい委員いいんを歴任れきにんした。また、『国民こくみん新聞しんぶん』、『民みん国こく日報にっぽう』などの機関きかん紙しの運営うんえいにも従事じゅうじしている。

1926年ねん（民みん国こく15年ねん）1月がつ、中国ちゅうごく国民党こくみんとう第だい2期き全国ぜんこく代表だいひょう大会たいかいで中央ちゅうおう執行しっこう委員いいん・中央ちゅうおう常務じょうむ委員いいん・青年せいねん部長ぶちょうに選出せんしゅつされ、後のちに政治せいじ委員いいん会かい委員いいんとなっている。5月に党とう中央ちゅうおう農民のうみん部ぶ部長ぶちょう、10月に広東かんとん省しょう党とう部ぶ執行しっこう委員いいんとなった。11月に広東かんとん省しょう政府せいふ委員いいん、12月に広州こうしゅう政治せいじ分会ぶんかい委員いいんをつとめている。1927年ねん（民みん国こく16年ねん）4月がつ、江蘇ちぁんすー省しょう政務せいむ委員いいん会かい兼けん農工のうこう庁ちょう庁ちょう長ちょうに異動いどうしたが、6月がつに早はやくも辞任じにんする。9月、国民党こくみんとう中央ちゅうおう特別とくべつ委員いいん会かい候補こうほ委員いいんとなり、さらに10月がつ、国民党こくみんとう広東かんとん省しょう党とう部ぶ改組かいそ委員いいんをつとめる。同年どうねん末まつに広州こうしゅう市し市政しせい委員いいん長ちょう代理だいりに転てんじた。しかしまもなく中国共産党ちゅうごくきょうさんとうの広州こうしゅう起おこり義ぎに遭遇そうぐうし、対処たいしょできなかったために罷免ひめんされてしまった。

政界せいかい復帰ふっき後ごの活動かつどう

甘あま乃光別べつ影かげ（『最新さいしん支ささえ那な要人ようじん伝でん』1941年ねん）

1928年ねん（民みん国こく17年ねん）、アメリカに留学りゅうがくしてシカゴ大学だいがくで研究けんきゅうに従事じゅうじし、政治せいじ学修がくしゅう士しの学位がくいを取得しゅとくした。帰国きこく後ごの1931年ねん（民みん国こく20年ねん）1月がつ、国民党こくみんとう第だい4期き中央ちゅうおう執行しっこう委員いいんに選出せんしゅつされ、同年どうねん5月がつ、国民こくみん政府せいふ内政ないせい部ぶ政務せいむ次長じちょうに任命にんめいされている。1934年ねん（民みん国こく23年ねん）12月、内政ないせい部長ぶちょうを暫時ざんじ代理だいりした。翌年よくねん2月がつ、軍事ぐんじ委員いいん会かい委員いいん長行おさゆき営第五ご処処しょしょ長ちょうに任にんぜられ、11月、党とう第だい5期き中央ちゅうおう執行しっこう委員いいんに選出せんしゅつされる。

日にち中ちゅう戦争せんそう勃発ぼっぱつ後ごの1938年ねん（民みん国こく27年ねん）3月がつ、内政ないせい部ぶ禁煙きんえん委員いいん会かい常務じょうむ委員いいんに任にんぜられ、翌月よくげつ、党とう中央ちゅうおう党とう部ぶ副ふく秘書ひしょ長ちょうとなった。また康かん沢さわとともに三さん民主みんしゅ義ぎ青年せいねん団だんの結成けっせい準備じゅんびを進すすめ、同年どうねん7月がつ、臨時りんじ中央ちゅうおう幹事かんじ会かい幹事かんじに任にんぜられている。翌年よくねん3月がつ、軍事ぐんじ委員いいん会戦かいせん地ち党とう政せい委員いいん会かい委員いいんに任にんぜられ、後のちにも国防こくぼう最高さいこう委員いいん会かい副ふく秘書ひしょ長ちょう、中央ちゅうおう設計せっけい局きょく副ふく秘書ひしょ長ちょうとなって、戦時せんじ体制たいせいの整備せいびに従事じゅうじしている。1945年ねん（民みん国こく34年ねん）5月がつ、党とう第だい6期き中央ちゅうおう執行しっこう委員いいんに選出せんしゅつされ、8月がつ、外交がいこう部ぶ政務せいむ次長じちょうに起用きようされた。

戦後せんごの1947年ねん（民みん国こく36年ねん）4月がつ、行政ぎょうせい院いん秘書ひしょ長ちょうに異動いどうする。同年どうねん冬ふゆに、行くだり憲けん国民こくみん大会たいかい代表だいひょうにも当選とうせんした。翌よく1948年ねん（民みん国こく37年ねん）5月がつ、駐ちゅうオーストラリア大使たいしに任命にんめいされ、赴任ふにんする。1951年ねんに同職どうしょくを辞任じにんし、そのままオーストラリアに留とどまった。1956年ねん9月30日にち、シドニーで病没びょうぼつ。享年きょうねん60。

著作ちょさく

• 『先さき秦しん經濟けいざい思想しそう史し』
• 『中國ちゅうごく國民黨こくみんとう幾いく個こ根本こんぽん問題もんだい』
• 『美國びくに政黨せいとう史し』
• 『孫まご文ぶん主義しゅぎ大綱たいこう』
• 『英國えいこく勞ろう動どう黨とう真相しんそう』
• 『中國ちゅうごく行政ぎょうせい新しん論ろん』

参考さんこう文献ぶんけん

• 徐じょ友とも春はる主ぬし編へん『民みん国こく人物じんぶつ大だい辞典じてん 増ぞう訂てい版ばん』河北かわきた人民じんみん出版しゅっぱん社しゃ、2007年ねん。ISBN 978-7-202-03014-1。 
• 劉りゅう国こく銘めい主ぬし編へん『中国ちゅうごく国民党こくみんとう百ひゃく年ねん人物じんぶつ全書ぜんしょ』団結だんけつ出版しゅっぱん社しゃ、2005年ねん。ISBN 7-80214-039-0。 
• 東亜とうあ問題もんだい調査ちょうさ会かい『最新さいしん支ささえ那な要人ようじん伝でん』朝日新聞社あさひしんぶんしゃ、1941年ねん。