田岡たおか俊次しゅんじ

田岡たおか 俊次しゅんじ（たおか しゅんじ、1941年ねん12月16日にち - ）は、日本にっぽんのジャーナリスト、軍事ぐんじ評論ひょうろん家か。元もと朝日新聞あさひしんぶん記者きしゃ。

来歴らいれき

京都きょうと府ふ京都きょうと市し左京さきょう区く出身しゅっしん。祖父そふは明治めいじ期きの漢学かんがく者しゃで民権みんけん運動うんどう家かの田岡たおか嶺雲れいうん、大叔父おおおじ（嶺雲れいうんの兄あに）は三菱みつびし総そう理事りじの木村きむら久寿弥太くすやた、父親ちちおやが国際こくさい法学ほうがく者しゃで、元もと京都大学きょうとだいがく法学部ほうがくぶ長ちょうだった田岡たおか良一りょういち。京都きょうと府立ふりつ朱雀すざく高等こうとう学校がっこう、早稲田大学わせだだいがく政治せいじ経済学部けいざいがくぶ政治せいじ学科がっか卒業そつぎょう後ご、1964年ねんに朝日新聞社あさひしんぶんしゃ入社にゅうしゃ。米国べいこくジョじょージタウン大学じたうんだいがく戦略せんりゃく国際こくさい問題もんだい研究所けんきゅうじょ（CSIS）主任しゅにん研究けんきゅう員いん兼けん同どう大学だいがく外交がいこう学部がくぶ講師こうし、朝日新聞あさひしんぶん編集へんしゅう委員いいん（防衛ぼうえい担当たんとう）、ストックホルム国際こくさい平和へいわ研究所けんきゅうじょ（SIPRI）客員きゃくいん研究けんきゅう員いん、「AERA」副ふく編集へんしゅう長ちょう兼けんシニアスタッフライターを歴任れきにん。

湾岸わんがん戦争せんそう時ときに再ふたたび朝日新聞あさひしんぶん編集へんしゅう委員いいんも兼かねるようになり、テレビ朝日てれびあさひ系列けいれつの番組ばんぐみに登場とうじょうした。CS放送ほうそう 朝日あさひニュースターにおいても解説かいせつ委員いいん、看板かんばん番組ばんぐみであったパックインジャーナルのレギュラー・コメンテーターなどを務つとめた。1999年ねんに筑波大学つくばだいがく客員きゃくいん教授きょうじゅ。現在げんざいはフリーの軍事ぐんじジャーナリスト。軍事ぐんじ記事きじ以外いがいでも「公費こうひ天国てんごく」キャンペーンや情報じょうほう公開こうかい制度せいどの紹介しょうかいなどに関かかわっている。1982年ねんには「建設けんせつ談合だんごう問題もんだい」で日本にっぽん新聞しんぶん協会きょうかい賞しょうを受賞じゅしょうしている。元もと同級生どうきゅうせいの山形やまがた県けん金山かなやま町まち町長ちょうちょう・岸きし宏一こういち（のちに参議院さんぎいん議員ぎいん）に制度せいどの利点りてんや各種かくしゅの資料しりょうを紹介しょうかい、同町どうちょうが国くにや県けんに先駆さきがけて、初はじめて情報じょうほう公開こうかい条例じょうれいを作成さくせいに乗のり出だすきっかけを作つくった。

近年きんねんはYouTube番組ばんぐみであるデモクラシータイムスに出演しゅつえんしており、『田岡たおか俊次しゅんじの徹底てってい解説かいせつ』が配信はいしんされている。

主張しゅちょう

• 1985年ねん、自民党じみんとうによるスパイ防止ぼうし法ほう制定せいていの動うごきに「取とり締しまり法制ほうせいのない天国てんごくの流言りゅうげんに血迷ちまよった自民党じみんとう」として、スパイ防止ぼうし法ほう制定せいていに反対はんたいした。
• 2008年ねん7月がつ12日にち放送ほうそうのパックインジャーナルでは、同年どうねん6月がつ23日にちに千葉ちば県けん銚子ちょうし市し沖おきでの「第だい58寿和としかず丸まる」転覆てんぷくについて、潜水せんすい艦かんとの接触せっしょくが原因げんいんである可能かのう性せいとし、AERAにて同様どうようの記事きじが掲載けいさいされた。しかし、その後ごはこの事実じじつは一切いっさい確認かくにんされておらず、記事きじでは、生存せいぞん者しゃの「右みぎ方向ほうこうから波なみを受うけ、同おなじ右みぎ方向ほうこうに転覆てんぷくした」との目撃もくげき証言しょうげんには触ふれていない。2009年ねん7月がつ31日にち、運輸うんゆ安全あんぜん委員いいん会かいは調査ちょうさの経過けいかを公表こうひょうし、油あぶらの流出りゅうしゅつ量りょうが少すくないことなどから「突発とっぱつ的てきな大波おおなみで転覆てんぷくして沈しずんだ可能かのう性せいが高たかい」との見方みかたを示しめした。 安全あんぜん委いが現場げんば海域かいいきを調しらべたところ、油あぶらの流出りゅうしゅつ量りょうは15 - 23リットルだった。何なんらかの原因げんいんで船底ふなそこに穴あながあいた場合ばあい、数すうトンから数すう十じゅうトンの燃料ねんりょうが漏もれるはずで、調査ちょうさ関係かんけい者しゃは「船体せんたいの破損はそんは考かんがえにくい」としている。 当初とうしょは複数ふくすうの方向ほうこうからの波なみや風ふうがぶつかって大おおきな波なみになる「三角波さんかくなみ」の影響えいきょうが指摘してきされていたが、調査ちょうさの結果けっか、現場げんばの波なみの向むきと風ふうの方向ほうこうがほぼ一致いっちしており、一定いっていの周期しゅうきで突発とっぱつ的てきに大おおきな波なみが発生はっせいする「一発いっぱつ大波おおなみ」が影響えいきょうした可能かのう性せいが高たかいという。
• 朝日新聞あさひしんぶんの編集へんしゅう局長きょくちょうを務つとめた外岡とのおか秀俊ひでとしは2006年ねんの著書ちょしょにて、「『分析ぶんせきの精度せいどをあげるには、ともかく結論けつろんを出しゅっせ』と田岡たおかに教おしえられた」と回想かいそうしている。同書どうしょによると田岡たおか自身じしんも情勢じょうせい分析ぶんせきの際さいは「最終さいしゅう的てきに黒白くろしろの結論けつろんを出だすことを自分じぶんに課かしている」としており、その理由りゆうとして「日本人にっぽんじんの情勢じょうせい分析ぶんせきは、後あとで責任せきにんを問とわれないよう、どうしてもあいまいで、どう転ころんでもいい結果けっかしか出ださない傾向けいこうがある。しかしそれでは、どこで情報じょうほう評価ひょうかを誤あやまったのか、自分じぶんでもわからないことになる。次つぎの分析ぶんせきで精度せいどを高たかめるには、自分じぶんの情報じょうほう分析ぶんせき力りょくの欠点けってんを自覚じかくする必要ひつようがある。そのためには無理むりとわかっても、自分じぶんで一定いっていの結論けつろんをだしたほうがいい」と述のべている。
• Jアラートや日本にっぽんのミサイル防衛ぼうえいには懐疑かいぎ的てきで、北朝鮮きたちょうせんが事前じぜん通告つうこくせずミサイル発射はっしゃしたことに対たいし警報けいほうがなかったことや、発射はっしゃから日本にっぽんまでの到達とうたつ時間じかんなどを考かんがえると役やくにたないと主張しゅちょうしている。

著書ちょしょ

単たん著ちょ

• 『アメリカ海軍かいぐん――戦略せんりゃくと戦力せんりょくの全貌ぜんぼう』（教育きょういく社しゃ［入門にゅうもん新書しんしょ］、1978年ねん）
• 『アメリカ海軍かいぐんの全貌ぜんぼう――米べいソの実力じつりょく全ぜん比較ひかく』（教育きょういく社しゃ［入門にゅうもん新書しんしょ］、1985年ねん）
• 『戦略せんりゃくの条件じょうけん――激変げきへんする極東きょくとうの軍事ぐんじ情勢じょうせい』（悠ゆう飛ひ社しゃ、1994年ねん）
• 『2時じ間あいだでわかる図解ずかい 日本にっぽんを囲かこむ軍事ぐんじ力りょくの構図こうず――北朝鮮きたちょうせん、中国ちゅうごく、その脅威きょういの実態じったい』（中ちゅう経けい出版しゅっぱん、2003年ねん）
• 『北朝鮮きたちょうせん・中国ちゅうごくはどれだけ恐こわいか』（朝日新聞社あさひしんぶんしゃ［朝日あさひ新書しんしょ］、2007年ねん）
• 『日本にっぽんの安全あんぜん保障ほしょうはここが間違まちがっている! 』（朝日新聞あさひしんぶん出版しゅっぱん、2014年ねん）

共著きょうちょ

• （木下きのした和寛かずひろ）『自衛隊じえいたいの戦力せんりょく――GNP1％の実像じつぞう』（教育きょういく社しゃ［入門にゅうもん新書しんしょ］、1986年ねん）
• Superpowers at Sea: An Assessment of the Naval Arms Race, with Richard W. Fieldhouse, (Oxford University Press, 1989).
• （田原たはら総一朗そういちろう）『決断けつだん――日本にっぽんの防衛ぼうえいと対たい米べい戦略せんりゃく』（リブロポート、1992年ねん）
• （三野みの正洋まさひろ、深川ふかがわ孝行たかゆき）『20世紀せいきの戦争せんそう』（朝日あさひソノラマ、1995年ねん）
• （川村かわむら晃司こうじ）『伝つたえきれなかった真実しんじつ　映画えいがが語かたる世界せかいの裏側うらがわ』（宝島社たからじましゃ新書しんしょ、2007年ねん）

参考さんこう文献ぶんけん

• 外岡とのおか 秀俊ひでとし(著ちょ). 発行はっこう：朝日新聞社あさひしんぶんしゃ. 縦たて180mm. 245ページ. 『情報じょうほうのさばき方かた―新聞しんぶん記者きしゃの実戦じっせんヒント』ISBN 978-4-02273-1-104

外部がいぶリンク

• 田岡たおか俊次しゅんじの徹底てってい解説かいせつ - YouTubeプレイリスト
• 田岡たおか俊次しゅんじ - 日本にっぽん財団ざいだん図書館としょかん 私わたしはこう考かんがえる【自衛隊じえいたいについて】