硝酸しょうさんウラニル(VI)

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硝酸しょうさんウラニル(VI)
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識別しきべつ情報じょうほう
CAS登録とうろく番号ばんごう 10102-06-4 チェック
ChemSpider 22177973 チェック
特性とくせい
化学かがくしき UO2(NO3)2
モル質量しつりょう 394.04 g/mol
外観がいかん 吸湿きゅうしつせい緑色みどりいろ固体こたい
密度みつど 2.81 g/cm3
融点ゆうてん

60 °C

沸点ふってん

118 °C分解ぶんかい

みずへの溶解ようかい ~66 g/100 mL
リンさんトリブチルへの溶解ようかい
危険きけんせい
安全あんぜんデータシート(外部がいぶリンク) External MSDS
EU分類ぶんるい 猛毒もうどく (T+)
環境かんきょうへの危険きけんせい (N)
EU Index 092-002-00-3
Rフレーズ R26/28 R33 R51/53
Sフレーズ S1/2 S20/21 S45 S61
引火いんかてん 不燃ふねんせい
関連かんれんする物質ぶっしつ
そのかげイオン 塩化えんかウラニル(VI)
硫酸りゅうさんウラニル(VI)
特記とっきなき場合ばあい、データは常温じょうおん (25 °C)・つねあつ (100 kPa) におけるものである。

硝酸しょうさんウラニル(VI)(しょうさんウラニル ろく、えい: uranyl(VI) nitrate)は、化学かがくしき UO2(NO3)2あらわされるウラニル硝酸しょうさんしおである。ウランは重金属じゅうきんぞくなので、硝酸しょうさんウラニル(VI)はひとたいして重金属じゅうきんぞく一般いっぱん毒性どくせいしめす。また、窯業ようぎょう、ガラス工業こうぎょう顔料がんりょう写真しゃしんぞうかんざいなどにも利用りようされる。

みず和物あえもの[編集へんしゅう]

無水むすい和物あえもの、1、2、3、6みず和物あえものられているが、ふうかいないしは潮解ちょうかいせいしめし、6みず和物あえもの比較的ひかくてき安定あんていである。無水むすい和物あえもの黄色おうしょく無定形むていけい粉末ふんまつであり、2、3みず和物あえもの黄色おうしょく結晶けっしょうで,緑色みどりいろ蛍光けいこうはっする。

6みず和物あえものは UO3 または U3O8硝酸しょうさんかして濃縮のうしゅくすると,黄色おうしょくはすかたあきらけい柱状ちゅうじょうまたはいたじょうあきらとしてられ、緑色みどりいろつよ蛍光けいこうはっする。みずたいする溶解ようかいは52.0 g (15 °C) で、エタノールジエチルエーテルアセトンなどにけ、二硫化炭素にりゅうかたんそベンゼンリグロインなどにはけない。

放射ほうしゃせい[編集へんしゅう]

消防しょうぼうほう危険きけんぶつだい1るい酸化さんかせい固体こたいとして規制きせいける。また原子力げんしりょく基本きほんほうかく原料げんりょう物質ぶっしつとしてさだめられている。またウランの同位どういたいはいずれも放射線ほうしゃせんはっするので放射ほうしゃせい同位どうい元素げんそとうによる放射線ほうしゃせん障害しょうがい防止ぼうしかんする法律ほうりつ放射ほうしゃせい同位どうい元素げんそとう規制きせいける。

また、235U とう天然てんねん存在そんざい以上いじょうこう濃度のうどふく場合ばあいは、かく原料げんりょう物質ぶっしつかく燃料ねんりょう物質ぶっしつおよ原子げんし規制きせいかんする法律ほうりつかく燃料ねんりょう物質ぶっしつとしての規制きせいける。

硝酸しょうさんウラニル(VI)はαあるふぁ崩壊ほうかいするので、きりばこなどでα線あるふぁせん観測かんそく出来できるとされている。また、α線あるふぁせん蛍光けいこう物質ぶっしつ励起れいきしたり(カナリーガラス)、イオン化いおんかによりほのお安定あんていする機能きのうがあるが、今日きょうでは硝酸しょうさんウラニル(VI)をその目的もくてき使用しようすることはすくない。

硝酸しょうさんウラニル(VI)はのウラン化合かごうぶつくら水溶すいようせいたか特徴とくちょうつため、かく燃料ねんりょう精錬せいれんさい処理しょりでの抽出ちゅうしゅつプロセスにおいてこの物質ぶっしつ変換へんかんして化学かがくてき精製せいせいおこなうことがおおい。また、1999ねん東海とうかいむらJCO臨界りんかい事故じこ原因げんいんとなったのはこの物質ぶっしつである。

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]