福厳寺ふくげんじ (柳川やないご市し)

福厳寺ふくげんじ
所在地しょざいち	福岡ふくおか県けん柳川やないご市し奥州おうしゅう町まち
位置いち	北緯ほくい33度ど09分ふん31.4秒びょう 東経とうけい130度ど24分ふん19.7秒びょう
山号さんごう	梅うめ岳山たけやま
宗旨しゅうし	黄檗宗おうばくしゅう
寺格じかく	開ひらき堂地どうち
創建そうけん年ねん	天正てんしょう3年ねん（1575年ねん、但ただし黄檗宗おうばくしゅう改宗かいしゅうをもって創建そうけんとする見方みかたがある）
開山かいさん	緒いとぐち庵あん禅師ぜんじ
開基かいき	戸次とつぎ鑑かん連れん
中興ちゅうこう年ねん	延のべ宝たから2年ねん（1674年ねん、創建そうけんとする見方みかたもある）
中興ちゅうこう	立花たちばな忠ただし茂しげる（中興ちゅうこう開基かいき）、鉄てつ文ぶん道どう智さとし（中興ちゅうこう開山かいさん）
正式せいしき名めい	梅うめ嶽山たけやま福ぶく嚴げん禪ぜん寺てら
法人ほうじん番号ばんごう	2290005011623
福厳寺ふくげんじ 福厳寺ふくげんじ (福岡ふくおか県けん)

福厳寺ふくげんじ（ふくごんじ）は、福岡ふくおか県けん柳川やないご市し奥州おうしゅう町まちにある黄檗宗おうばくしゅうの寺院じいん。江戸えど時代じだいの柳川やながわ藩はん主家しゅか立花たちばな氏しの国元くにもとの菩提寺ぼだいじであった。山号さんごうは梅うめ岳山たけやま。等級とうきゅうは別格べっかく。寺格じかくは開ひらけ堂地どうち。本尊ほんぞんは釈迦如来しゃかにょらい。梅うめ岳たけし寺てら（現在げんざいの福岡ふくおか県けん新宮しんぐう町まちにある寺院じいん）が立花たちばな氏しの柳川やながわ移転いてんに随伴ずいはんして移うつり、改名かいめい・改宗かいしゅうした寺院じいんである。江戸えど時代じだいは柳川やながわ藩はんの寺院じいん筆頭ひっとうであった。黄檗宗おうばくしゅう改宗かいしゅう前まえの名称めいしょうは花はな谷山たにやま神宮寺じんぐうじ、梅うめ岳たけし寺てら孝養こうよう院いん。

歴史れきし

『大だい日本にっぽん寺院じいん総覧そうらん』では「延のべ宝たから2年ねん（1674年ねん）創建そうけん、立花たちばな忠ただし茂しげる開基かいき、鐵てつ文ぶん和尚おしょう開山かいさん」となっており、黄檗宗おうばくしゅうへの改宗かいしゅう年ねんをもって創建そうけん年ねんとしている。『日本にっぽん歴史れきし地名ちめい大系たいけい41』では黄檗宗おうばくしゅう改宗かいしゅうをもって中興ちゅうこう、戸次とつぎ鑑かん連れんが梅うめ岳だけ寺てら孝養こうよう院いんと改名かいめいさせたのを創建そうけんとしている。

『大だい日本にっぽん寺院じいん総覧そうらん』の梅うめ岳たけし寺てらの項目こうもくによると、元もと中なか2年ねん（1385年ねん）に花はな谷山たにやま神宮寺じんぐうじとして立花たちばな村むらに創建そうけんされ、天正てんしょう3年ねん（1575年ねん）にの継母けいぼである養よう孝こう院いんが埋葬まいそうされると立花山たちばなやま養やしなえ孝こう院いんと改称かいしょうして戸次とつぎ鑑かん連れんが開基かいき、医王寺いおうじ（現在げんざいの福岡ふくおか県けん古賀こが市しにあった寺院じいん）緒いとぐち庵あん禅師ぜんじが開山かいさんとなる。立花たちばな宗茂むねしげが柳川やながわに転てん封ふうされると一緒いっしょに柳河やなかわに移うつった立花山たちばなやま養やしなえ孝こう院いんが改称かいしょうしたものが福厳寺ふくげんじであるとし、立花たちばな村むらの立花山たちばなやま養やしなえ孝こう院いん旧跡きゅうせきに黒田くろだ綱つな政せいの正室せいしつで立花たちばな忠ただし茂しげるの娘むすめである心こころ空そら院いんが再建さいけんさせた寺てらが現在げんざいの梅うめ岳だけ寺てらであるとしている。なお、当初とうしょは曹洞宗そうとうしゅう寺院じいんであった。天正てんしょう15年ねん（1587年ねん）柳川やながわに移うつる。

田中たなか氏しによる破やぶ却と再興さいこう

慶長けいちょう5年ねん（1603年ねん）の関ヶ原せきがはらの戦たたかいで立花たちばな氏しが改易かいえきとなり、代かわって田中たなか吉政よしまさが藩主はんしゅとなると福厳寺ふくげんじは破やぶ却され、家臣かしんの屋敷やしきとなる。

その後ご、田中たなか氏しが無む嗣断絶だんぜつで改易かいえきとなり、元和がんわ6年ねん（1620年ねん）に宗そう茂しげるが柳川やながわ藩はんに復帰ふっきすると再建さいけんされ、柳川やながわ藩主はんしゅ家か立花りっか家かの菩提寺ぼだいじに定さだめられる。現在げんざいも宗そう茂しげると正室せいしつ・立花たちばな誾千せん代だいの墓はかが同どう寺てらに建たてられている。

万治まんじ3年ねん（1660年ねん）の内容ないようとされる『忠ただし茂しげ公こう御代みよ之の分限ぶげん帳ちょう』に「高こう百ひゃく石せき　下しも棚たな町村ちょうそん　梅うめ岳たけし寺てら」とあり、この梅うめ岳だけ寺てらは後ごの福厳寺ふくげんじを指さす。

黄檗宗おうばくしゅうに改宗かいしゅう

寛文ひろふみ9年ねん（1669年ねん）に藩主はんしゅ立花たちばな忠ただし茂しげるは黄檗宗おうばくしゅう本山ほんざん萬福寺まんぷくじの2世せい住持じゅうじ木き庵あん性せい瑫の法弟ほうていである鉄てつ文ぶん道どう智さとしを招まねき、梅うめ岳たけし山さん福厳寺ふくげんじと改称かいしょうの上うえ、曹洞宗そうとうしゅうから黄檗宗おうばくしゅうに改宗かいしゅうさせる。以降いこう、柳川やながわ藩主はんしゅ家か立花たちばな氏しの菩提寺ぼだいじとして、代々だいだいの藩主はんしゅ及およびその一族いちぞくが埋葬まいそうまたはその位牌いはい安置あんちされる寺院じいんとなる。

延のべ宝たから2年ねん（1674年ねん）に黄檗宗おうばくしゅうとして開山かいさん。

『延のべ宝たから九年酉年知行取無足扶持方共』（1681年ねん）に「高こう百ひゃく石せき御ご合力ごうりょく米まい七なな十じゅう九きゅう石せき二に斗と　福厳寺ふくげんじ」とある。また、「南みなみ筑明覧らん」に寺領じりょう300石せきとある。

主おもな著名ちょめい人じんの墓はか

• 長谷ながたに健けん（作家さっか）
• 檀だん一雄かずお（作家さっか）

交通こうつうアクセス

• 西鉄にしてつ天神てんじん大牟田線おおむたせん西鉄にしてつ柳川やないご駅えきより堀川ほりかわバス「布ぬの橋きょう」バス停ばすてい下車げしゃ

参考さんこう文献ぶんけん

• 堀ほり由蔵よしぞう『大だい日本にっぽん寺院じいん総覧そうらん』 下巻げかん（初版しょはん）、名著めいちょ刊行かんこう、1974年ねん2月がつ10日とおか。 NCID BN11154318。 
• 角川かどかわ日本にっぽん地名ちめい大だい辞典じてん編纂へんさん委員いいん会かい編へん 編へん『角川かどかわ日本にっぽん地名ちめい大だい辞典じてん40・福岡ふくおか県けん』（初版しょはん）角川書店かどかわしょてん、1988年ねん3月がつ8日にち。ISBN 4-04-001400-6。 NCID BN00734098。 
• 平凡社へいぼんしゃ地方ちほう資料しりょうセンター編へん 編へん『日本にっぽん歴史れきし地名ちめい大系たいけい41・福岡ふくおか県けんの地名ちめい』平凡社へいぼんしゃ、2004年ねん10月がつ。ISBN 4-582-49041-7。 
• 柳川やないご市し史し編集へんしゅう委員いいん会かい編集へんしゅう 編へん『柳河やなかわ藩はん立花りっか家か分限ぶげん帳ちょう』柳川やないご市し〈柳川やながわ歴史れきし資料しりょう集成しゅうせい第だい3集しゅう〉、1998年ねん3月がつ。 NCID BA38049764。