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たけだい陳列ちんれつかん

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

たけだい陳列ちんれつかん(たけのだいちんれつかん)は、かつて東京とうきょう下谷しもたにげん台東たいとう)の上野公園うえのこうえんにあり、明治めいじ末期まっきから大正たいしょうにかけて美術びじゅつてん会場かいじょうになった施設しせつである。

概要がいよう

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東京とうきょう帝室ていしつ博物館はくぶつかん管理かんりする施設しせつで、美術びじゅつ関係かんけい団体だんたいされた。文部省もんぶしょう美術びじゅつ展覧てんらんかい文展ぶんてん)をはじめ、各種かくしゅ美術びじゅつてん会場かいじょうとして使用しようされ、近代きんだい日本にっぽん美術びじゅつ史上しじょうのこしている。東京とうきょう美術館びじゅつかん開館かいかんするとその役割やくわりえた。

たけだい江戸えど時代じだい寛永寺かんえいじ中堂なかどうがあったで、陳列ちんれつかん現在げんざいえば東京とうきょう国立こくりつ博物館はくぶつかん南側みなみがわ噴水ふんすい奏楽そうがくどうなかあいだ付近ふきんにあった。

沿革えんかく

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明治めいじ後期こうき当地とうちにはだい号館ごうかんっていた。だい3かい内国ないこく勧業かんぎょう博覧はくらんかい(1889ねん)のだい号館ごうかんだい2かい博覧はくらんかいよん号館ごうかん改修かいしゅう)だった施設しせつで、のう商務省しょうむしょうから(当時とうじの)帝国ていこく博物館はくぶつかんはらげられ、のち美術びじゅつてんなどの会場かいじょうされていた。

だい号館ごうかん東京とうきょう主催しゅさい東京とうきょう勧業かんぎょう博覧はくらんかい(1907ねん)にさいしてこわされ、その跡地あとちだい号館ごうかん[1]てられた。博覧はくらんかい終了しゅうりょう建物たてもの東京とうきょう帝室ていしつ博物館はくぶつかん譲渡ゆずりわたされ、たけだい陳列ちんれつかんとして美術びじゅつ関係かんけい団体だんたいされることになった[2]木造もくぞう平屋ひらやけん1248つぼだて建物たてものであった。東京とうきょう大正たいしょう博覧はくらんかい(1914ねん)にさいしては、屋根やね改修かいしゅうし、3かしょ出入でいぐちに「セセッションしき装飾そうしょくほどこし、だいさん工業こうぎょうかんとして使用しようされた[3]

もともと博覧はくらんかいよう建造けんぞうぶつで、内部ないぶ土間どまのままであり、施設しせつめんでは不備ふびおおく、雨漏あまもとう不安ふあんもあった。施設しせつ不満ふまん美術家びじゅつかたちは国立こくりつ美術館びじゅつかん建設けんせつもとめる運動うんどうこした。美術館びじゅつかん問題もんだい紆余曲折うよきょくせつて、近接きんせつした場所ばしょ東京とうきょう美術館びじゅつかんてることで決着けっちゃくした。

1925ねん東京とうきょう美術館びじゅつかん岡田おかだ信一郎しんいちろう設計せっけい)が開館かいかんすると、たけだい陳列ちんれつかんはその役割やくわりえた。

1926ねん3がつ陳列ちんれつかん建物たてもの文部省もんぶしょう譲渡ゆずりわたされた。移築いちくされ、1927ねん6がつ東京とうきょう博物館はくぶつかん上野うえの別館べっかんやく840つぼ)として開館かいかんし、各種かくしゅ展覧てんらんかい資料しりょう展示てんじ使用しようされた。隣接りんせつにRCづくり上野うえの新館しんかん現在げんざい国立こくりつ科学かがく博物館はくぶつかん本館ほんかん)が完成かんせいしたのちも、別館べっかんとして使用しようされた[4]

戦争せんそう末期まっきの1945ねん博物館はくぶつかん休館きゅうかんとなった。上野うえの別館べっかん鉄道てつどう沿線えんせんたることから建物たてもの疎開そかい対象たいしょうとなり、軍隊ぐんたいによって北側きたがわ部分ぶぶん破壊はかいされた。職員しょくいんひまもなく、陳列ちんれつされていた貴重きちょう標本ひょうほんるいおおうしなわれたという[5]終戦しゅうせんやく200つぼ建物たてもののこっていたが、そのまま放置ほうちされ、1949ねん自然しぜん倒壊とうかいした。

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ 東京とうきょう勧業かんぎょう博覧はくらんかい事務じむ報告ほうこく』p69-70。[1]
  2. ^ 東京とうきょう国立こくりつ博物館はくぶつかんひゃくねん資料しりょうへん』p786。
  3. ^ 東京とうきょう大正たいしょう博覧はくらんかい』p97。[2]
  4. ^ 国立こくりつ科学かがく博物館はくぶつかんひゃくねん』p233、297。
  5. ^ 国立こくりつ科学かがく博物館はくぶつかんひゃくねん』p551。

関連かんれん項目こうもく

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