箱はこぞり

箱はこぞり（はこぞり）は日本にっぽんの雪国ゆきぐにで使つかわれていた道具どうぐで、箱はこ状じょうの荷台にだいにソリが付ついたもの。北海道ほっかいどう、東北とうほく、北陸ほくりく、甲信越こうしんえつなどの雪国ゆきぐにでは、雪ゆきが降ふると箱はこぞりを出だして物ものを入いれて運はこんだ。箱はこ橇そり、箱はこゾリとも表記ひょうきする。

構造こうぞう

箱はこぞりの大おおきさは大人おとな一人ひとりが乗のれるくらいが一般いっぱん的てきだが、子供こども用よう箱ばこぞりも有あったようである。

意匠いしょう（デザイン）は地方ちほうによって違ちがうようである。秋田あきたの箱はこぞりは格子こうし模様もようの飾かざりが施ほどこされていて、地ち板ばんの色いろはあずき色しょくが多おおい。この意匠いしょうは山形やまがたにもあるようであるが、圧倒的あっとうてきに秋田あきたに多おおい。

更さらに部分ぶぶん的てきに意匠いしょうを施ほどこして、同おなじ箱ばこぞりでも、それぞれ個性こせいを主張しゅちょうしている。

利用りよう

昭和しょうわ30年代ねんだい頃ころまでは、自動車じどうしゃも余あまり普及ふきゅうしていなかったので、雪ゆきが降ふっても今いまのように十分じゅうぶん除雪じょせつしなかった。昔むかしから物ものを運はこぶ手段しゅだんとして、大おおきいものは馬ばそり（馬橇ばそり、馬うまソリ）、小ちいさいものは箱はこぞりを利用りようした。時ときには、医者いしゃに連つれて行いく病人びょうにんも運はこんだようである。

今いまでは日常にちじょう使つかうことはなく、観光かんこう用ように使つかわれたり、民みん具ぐなどの歴史れきし資料しりょう館かんに保存ほぞんされたり、個人こじん的てきに収集しゅうしゅうされたりしている程度ていどである。