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つむぎ

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オレンジのつむぎいちじゅうしょく無地むじ

つむぎ(つむぎ)とは、紬糸つむぎいとられた絹織物きぬおりものかいこまゆからつむいで、ひね(よ)りをかけて丈夫じょうぶいと仕上しあげてったもので、例外れいがいてき木綿こわた素材そざいとするものをしょうすることがある。つむぎ生地きじ縫製ほうせいした和服わふく場合ばあいもある。

概要がいよう

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通常つうじょうきぬいとまゆ繊維せんいしてつくられるが、生糸きいとせない品質ひんしつのくずまゆ綿めんじょうにしていとつむぎだしたものが紬糸つむぎいとである[1]。くずまゆには、玉繭たままゆあなあきまゆ汚染おせんまゆふくまれ、玉繭たままゆとは、2とう以上いじょうかいこひとつのまゆつくったものをいう[2]紬糸つむぎいとひねりをかけるためふとさが均一きんいつではなく、玉繭たままゆからつくられるいとは2ほんいと複雑ふくざつからまっており、ふしおおいとになる。これを玉糸たまいと節糸ふしいとともいう。また、紬糸つむぎいとには綿めんいてつむいだいわゆる木綿こわたいともある。

これらのいと平織ひらおしたぬのつむぎ生地きじである。紬糸つむぎいと緯線いせん経線けいせん両方りょうほう使用しようする場合ばあいと、片方かたがた使用しようする場合ばあいがある。ほんまゆからつく絹糸けんしもちいたぬの表面ひょうめんきぬ独特どくとく光沢こうたくびるのにたいし、つむぎにぶ光沢こうたくはな表面ひょうめんちいさなこぶがしょうじ、独特どくとく風合ふうあいをつ。

耐久たいきゅうせい非常ひじょうすぐれ、ふるくから日常にちじょう衣料いりょう野良のらとしてもちいられ、ちちからへとすうだいわたってつながれた。しかし、りたてでは生地きじかた着心地きごこちがよくないため、裕福ゆうふく商人しょうにん番頭ばんがしらなどに自分じぶんつむぎせてやわらかくなったところ自分じぶん着用ちゃくようしたというはなしもある。 

江戸えど時代じだい贅沢ぜいたく禁止きんしれいされたおり高価こうか絹物きぬものることが禁止きんしされた。しかし富裕ふゆう町人ちょうにんたちはきぬることをあきらめずに「遠目とおめからは木綿もめんえる」ということで工夫くふうされ、きぬであるのに木綿もめんれるようにとこのんでるようになったとするせつもある。

色合いろあいがしぶく、きぬなのにきぬらしい光沢こうたくたない、さりげなく趣味しゅみさを主張しゅちょうできるいき織物おりものとして人気にんきはくした。そのため農村のうそんわか女性じょせいにとっては大切たいせつ収入しゅうにゅうげんとなり、つむぎ名産めいさんである米沢よねざわ女性じょせいたちは丹念たんねんげたきれ出荷しゅっかするよるにはわかれをしみ「米沢よねざわおんなつむぎいてる」ともわれた。

るのに手間てまがかかることもあって現代げんだいでは着物きものきのひと趣味しゅみてき着用ちゃくようする衣装いしょうとして高額こうがく取引とりひきされている。

野良のらであったことから材質ざいしつきぬであっても正装せいそうもちいてはならないとされ、外出がいしゅつもしくはお洒落しゃれとしてもちいられることがおおいが、近年きんねんではりゃく正装せいそう程度ていどであればもちいる場合ばあいがある。

なまつむぎ

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かいこ最初さいしょ不揃ふぞろいのいとや、玉繭たままゆ(2とう以上いじょうかいこつくったまゆ)など、本来ほんらいはくずいととされていた規格きかくがいまゆからいとき、精練せいれん加工かこうせずにった絹織物きぬおりものである。京都きょうと存在そんざいした「株式会社かぶしきがいしゃしょう松屋まつや」の創立そうりつしゃである弓削ゆげ徳明のりあき昭和しょうわ40年代ねんだい開発かいはつ命名めいめいした[3]。そのおおくのメーカーで制作せいさくされるようになり、1995ねん平成へいせい7ねん)には「株式会社かぶしきがいしゃしょうざん」が商標しょうひょう登録とうろくしている[4]

各地かくちおもつむぎ

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女性じょせいめい

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脚注きゃくちゅう

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  1. ^ 橋本はしもと澄子すみこへん図説ずせつ 着物きもの歴史れきし』(2005)p.99
  2. ^ まゆ生産せいさん統計とうけい調査ちょうさ概要がいよう”. 農林水産省のうりんすいさんしょう(2012ねん07がつ6にち). 2013ねん6がつ25にち閲覧えつらん
  3. ^ ここからはじまったんです。「なまつむぎ」と命名めいめいみのおや弓削ゆげ徳明のりあきなまつむぎ」の追憶ついおく”. 佐々木ささき呉服ごふく. 2020ねん12がつ10日とおか閲覧えつらん
  4. ^ 登録とうろく3227961(しょうねがいたいら05-126015)”. 独立どくりつ行政ぎょうせい法人ほうじん 工業こうぎょう所有しょゆうけん情報じょうほう研修けんしゅうかん. 2020ねん12がつ10日とおか閲覧えつらん

参考さんこう文献ぶんけん

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  • 河出書房新社かわでしょぼうしんしゃ 橋本はしもと澄子すみこへん図説ずせつ 着物きもの歴史れきし』2005ねん

関連かんれん項目こうもく

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