結束けっそくバンド

結束けっそくバンド（けっそくバンド、cable tie）は、電線でんせんなどを結束けっそく・固定こていするための資材しざい。

概要がいよう

電線でんせん・ケーブル類るいやワイヤーハーネスの結束けっそくや固定こていなどに用もちいるもので、電気でんき工事こうじの他ほかパソコンなど電子でんし機器きき内ないのケーブルの結束けっそくにも使用しようされる。

1956年ねん、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくのロバート・ローガンがボーイングの航空機こうくうき製造せいぞう施設しせつを見学けんがくしている時ときに考かんがえ付ついたもので、1958年ねんにナイロン製せいの結束けっそくバンドTy-Rap（タイラップ）の特許とっきょが申請しんせいされた。

このタイラップのブランドで販売はんばいされたものの他ほかにも、イギリスのインシュロイド社しゃ（現げん・ヘラマンタイトン社しゃ）がインシュロック（INSULOK）のブランドで製造せいぞう・販売はんばいしたものが日本にっぽんへと輸入ゆにゅう・販売はんばいされ、さらに日本にっぽん国内こくないで製造せいぞうされた際さいにもブランド名めいをそのまま使用しようしたことから、こうしたブランド名めいが一般いっぱん名称めいしょう化かして広ひろく使つかわれており、他たには英語えいごの一いち版はん名称めいしょうである"Cable Tie"に由来ゆらいする「ケーブルタイ」や「結束けっそく帯たい」「配線はいせんバンド」などと呼よばれることもある。

バンドの片端かたはしにロック用よう部品ぶひんがついており（写真しゃしん1）、これに反対はんたい側がわの端はしを通とおして結束けっそくする。バンドには歯は状じょうのノッチがついているため、一度いちどロック用よう部品ぶひんを通とおした部分ぶぶんは逆ぎゃくには戻もどらず、緩ゆるまない。結束けっそくした後のち余あまった部分ぶぶんをニッパーなどで切断せつだんする。また構造こうぞう上じょうロック部ぶとバンド部ぶは同おなじ型がたの製品せいひんであれば繋つなぐことができる。

なお、一般いっぱん的てきな製品せいひんの場合ばあいには一旦いったん結束けっそくすると取とり外はずせないが、ロックを外はずして繰くり返かえし使用しようできるものもある。

日本にっぽんにおいては1969年ねん（昭和しょうわ44年ねん）頃ごろから普及ふきゅうし始はじめたが、広ひろく使つかわれるようになると電気でんき工事こうじにおいて破断はだんなどのトラブルが増加ぞうか。調査ちょうさによって製品せいひんそのもののほか施工しこう方法ほうほうなどの問題もんだいが判明はんめいしたため、電気でんき設備せつび学会がっかいによって製品せいひんと施工しこう方法ほうほうについて規格きかく化かされている。

その他たの利用りよう

結束けっそくバンドを用もちいた手錠てじょうプラスティック・ハンドカフ

結束けっそくしたら元もとに戻もどらないという性質せいしつを利用りようして、手錠てじょうのような拘束こうそく具ぐの代だい用品ようひんとしても利用りようされる。兵士へいしや警察官けいさつかんがベルト回まわりに複数ふくすうのケーブルタイをぶら下さげていることがある。これは金属きんぞく製せいのものよりも安価あんかで軽かるく何なん本ほんも携帯けいたいでき、暴動ぼうどうやテロリストによる立たてこもり事件じけんなどで複数ふくすう人じんを拘束こうそくする際さいに便利べんりなためである。ただし結束けっそくバンドは材質ざいしつ全体ぜんたいがポリマーからできているので工夫くふうして壊こわれやすいロック機構きこうに集中しゅうちゅうして力ちからを加くわえることで簡単かんたんに外はずすことが可能かのうである。

また、装具そうぐの仮かり固定こていといった他ほかの用途ようとにも使つかうことができる。拘束こうそくを解とく場合ばあいはナイフなどで切断せつだんする。

関連かんれん項目こうもく

• 結束けっそく機き