縦たて波は(たてなみ, 英えい: longitudinal wave)と横波よこなみ(よこなみ, 英語えいご: transverse wave)は、それぞれ波動はどうの一種いっしゅで、媒質ばいしつの振動しんどう方向ほうこうが波なみの振動しんどう方向ほうこうに平行へいこうのものを縦たて波はといい、垂直すいちょくであるものを横波よこなみという。
横波よこなみでは媒質ばいしつの振動しんどう方向ほうこうが波なみの振動しんどう方向ほうこうに直角ちょっかくであるから、波なみを容易よういに観察かんさつすることができる[疑問ぎもん点てん – ノート]し、正弦せいげん波はとして表示ひょうじできるのに対たいし、縦たて波はは、媒質ばいしつの振動しんどう方向ほうこうと波なみの振動しんどう方向ほうこうが一致いっちしているので波なみを見みることができない。 そのため、グラフ( y {\displaystyle y} - x {\displaystyle x} 図ず)に表あらわす際さいに各かく点てんの x {\displaystyle x} 軸じくの正せいの変位へんいを x {\displaystyle x} 軸じくの正せいの向むきへ、 x {\displaystyle x} 軸じくの負まけの変位へんいを y {\displaystyle y} 軸じくの正せいの向むきへ90度ど回転かいてんさせることで、その波形はけいを正弦せいげん波はとして表示ひょうじすることができる(縦たて波はの横波よこなみ表示ひょうじ)。
縦たて波はの横波よこなみ表示ひょうじにおいては、山やまから谷たにに移うつる点てん ( y = 0 {\displaystyle y=0} ) を密みつ部ぶ、谷たにから山やまに移うつる点てん ( y = 0 {\displaystyle y=0} ) を疎うと部ぶと呼よぶ。縦たて波はでは媒質ばいしつの疎密そみつの状態じょうたいが伝播でんぱするので、疎密そみつ波はや圧縮あっしゅく波はともいう[1]。
例たとえば、空気くうきを媒質ばいしつとする音波おんぱは、空気くうきの密度みつどの振動しんどうが伝播でんぱするもの(疎密そみつ波は)であり、縦たて波はである。対たいして電磁波でんじはは横波よこなみである。電磁波でんじはが横波よこなみであることはマクスウェルの方程式ほうていしきにより導みちびかれる。また、弾性だんせい体たいを媒質ばいしつとする弾性だんせい波は(広義こうぎの音波おんぱ)には縦たて波はと横波よこなみの両方りょうほうが存在そんざいする。実際じっさい、地震じしん波はには縦たて波はであるP波なみと横波よこなみであるS波なみが存在そんざいする。
横波よこなみの自由じゆう度どは2であるから、スカラー波はまたはベクトル波はであり、ベクトル波はには偏へん極きょくが存在そんざいする。偏へん極きょくの例れいとして偏へん光こうがある。一方いっぽう、縦たて波はの自由じゆう度どは1であるので、スカラー波はであり、偏へん極きょくは存在そんざいしない。