藤波ふじなみ竜之介りゅうのすけ

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藤波ふじなみ竜之介りゅうのすけ（ふじなみ りゅうのすけ）は、高橋たかはし留美子るみこの漫画まんがおよびそれを原作げんさくとしたアニメ『うる星せいやつら』に登場とうじょうする架空かくうの人物じんぶつ。

担当たんとう声優せいゆうは、アニメ版ばんでは田中たなか真弓まゆみ（1981年ねん版はん）/高垣たかがき彩あや陽ひ（2022年ねん版はん）、パチスロ版ばんではくまいもとこ。

設定せってい

友引ともびき高校こうこう2年ねん4組くみへの転入生てんにゅうせい。一人称いちにんしょうは「おれ」。女性じょせいではあるが、竜之介りゅうのすけの父ちちは、浜はま茶屋ちゃや の跡取あととりが男おとこでなければならないと決きめ付づけているため、一人ひとりっ子この竜之介りゅうのすけを「一人ひとり息子むすこ」だと断固だんこ主張しゅちょうする。

浜はま茶屋ちゃやを経営けいえいする変かわり者ものの父ちちに男おとことして育そだてられた為ため、行動こうどうが男おとこっぽく荒々あらあらしい。一方いっぽうで女おんなとしての自覚じかくはあるので、男おとこ扱あつかいされるのを嫌きらう。男おとこと間違まちがわれたり、父親ちちおやにからかわれたりすると激高げっこうして「おれは女おんなだ～！」と叫さけんで殴なぐり飛とばすシーンが定番ていばんとなっている。いつも男おとこの格好かっこうをしているが、竜之介りゅうのすけが女おんなの格好かっこうをしようと画策かくさくしても、必かならず父ちちに妨害ぼうがいされ失敗しっぱいに終おわっている。あたる達たちが竜之介りゅうのすけの夢ゆめであるセせーラらー服ふくを父親ちちおやから強奪ごうだつして渡わたしたこともあったが、必かならず実力じつりょくで手てに入いれると受うけ取とらないと意志いしが強つよく男おとこらしい。面めん堂どう終おわり太郎たろうと同等どうとう、またはそれ以上いじょうに女子じょし生徒せいとにモテるのが悩なやみの種たね。バレンタインデー、ラブレターなど面めん堂どうの3倍ばいは貰もらっている。ミス友引ともびきの投票とうひょう者しゃはほぼ大半たいはんが女性じょせいで、特とくに下級生かきゅうせいの女子じょし生徒せいとからの支持しじは絶大ぜつだいである。初恋はつこいの相手あいては小学校しょうがっこう時代じだいの先生せんせい（女性じょせい）で、回想かいそうしてみると生うまれてこの方ほう好すきになった相手あいてが全すべて女性じょせいだったことに気きづいて愕然がくぜんとするシーンもある。その時ときに今いまはしのぶが好すきと答こたえている。（しかも、竜之介りゅうのすけの父親ちちおやは女性じょせいと交際こうさいする事ことを積極せっきょく的てきに奨励しょうれいしている有様ありさまである）。学校がっこうでも体育たいいくの授業じゅぎょうは男子だんし生徒せいとと一緒いっしょ（着替きがえは女子じょし更衣ころもがえ室しつ）だが、運動うんどう神経しんけいが良よいため男子だんし生徒せいととも対等たいとうに渡わたり合あう。

また、男おとこと勘違かんちがいした女性じょせいも多おおく、クラマは自分じぶんの「婿むこ」にしようと追おい掛かけ回まわし、ランに至いたってはラムから竜之介りゅうのすけが女性じょせいだと聞きかされても（元々もともとランはラムを敵視てきししており、更さらに被害ひがい妄想もうそう癖へきもある）、ラムの嫌いやがらせだと端はしから決きめつけ、忠告ちゅうこくを全まったく信しんじずにデートまでしている。基本きほん的てきに自分じぶんよりも強つよくなければ相手あいてを男おとことして見みなせない傾向けいこうがあるため（理想りそうのタイプは海うみのように荒々あらあらしく逞たくましくて自分じぶんより強つよい男おとこ）、物語ものがたりの終盤しゅうばんまで男性だんせいを恋愛れんあい対象たいしょうとして意識いしきした描写びょうしゃは見みられなかった。同おなじクラスの女子じょしよりもやや背せが高たかく（男子だんしよりは小ちいさい）、服ふくを着きているときは引ひき締しまったスポーティな体からだだが、銭湯せんとうや体育たいいくなどでの着替きがえの時ときは、胸むねがかなり大おおきく、非常ひじょうに魅力みりょく的てきなメリハリのあるプロポーションで描写びょうしゃされる。しかし、ブラジャーを身みに着つけたことがなく（父ちちの妨害ぼうがいで買かわせて貰もらえないため）、サラシを巻まいて胸むねを押おさえている。ランやしのぶなど、他たの女子じょしから女おんならしさを吸収きゅうしゅうしようとするが、男おとこらしい立たち居振いふる舞まいが身みに付つけいてしまっているため、一人称いちにんしょうを「あたし」と言いえない（本人ほんにん曰いわく「そんなオカマ（アニメではニューハーフに変更へんこうされた）みたいな言葉ことば使つかえるか！」）など、結局けっきょく毎回まいかい改善かいぜんできずに終おわる。

学力がくりょくはあまり高たかくないらしく、痴話喧嘩ちわげんかや是正ぜせいの意味いみが分わからなかったり、サクラに竜之介りゅうのすけが父ちちに勝かてない原因げんいんが奸知（かんち）が欠落けつらくしているからと指摘してきされても、「奸知」の意味いみが分わからず、あたるに教おしえてもらっている。

暴力ぼうりょくや争あらそいごとが好すきなわけではないが、日々ひび、父ちちと鍛練たんれんを積つみ、その父ちちと何なにかと諍いさかいを起おこしては殴なぐり合あいをしているため否応いやおうなしに実践じっせん的てきな喧嘩けんかに慣なれてしまった。性格せいかくは非常ひじょうに純粋じゅんすいで素直すなおであり、困こまっている者ものや弱よわい者ものには躊躇ちゅうちょなく手てを差さし伸のべる、心根こころねの優やさしく、曲まがったことが大嫌だいきらいな性格せいかく。しかし、一方いっぽうで子こどもの頃ころから父親ちちおやの発はっするデタラメな知識ちしきや発言はつげんをなんの疑うたがいもなく信しんじて鵜呑うのみにして成長せいちょうしてしまったため、常識じょうしき外はずれな所ところが見受みうけられる。浜はま茶屋ちゃや再建さいけんの資金しきんを稼かせぐため友引ともびき高校こうこうの購買こうばい部ぶに親子おやこで住すみ込こんでいるが、浜はま茶屋ちゃや時代じだいと変かわらず父ちちとは喧嘩けんか三昧ざんまいの日々ひびである。

顔かおだけ見みればボーイッシュな美少女びしょうじょなので諸星もろぼしあたると面めん堂どうは彼女かのじょを「女おんな」として扱あつかっている。ただ、面めん堂どうは時折ときおり竜之介りゅうのすけを女おんなと認識にんしきしていないことがあるらしく、暗くら所しょ（おばけ屋敷やしき内ない・映画えいがでは戦車せんしゃの中なか）であたる・面めん堂どう・竜之介りゅうのすけの3人にんになった時ときには、女おんなの前まえでは平気へいきなはずの暗くら所ところ恐怖症きょうふしょうを露あらわにし、竜之介りゅうのすけが女おんなであると主張しゅちょうしても耐たえられずにいた。また、白井しらいコースケら同級生どうきゅうせいたちも普段ふだんはあまり彼女かのじょを女子じょしとして意識いしきはしていないが、胸むねが大おおきくプロポーションは良よいので、サラシがない状態じょうたい（ノーブラ）でのラグビーの授業じゅぎょうの際さいには抱だきつこうと必死ひっしになっていた。その際さいにあたるには背後はいごから両手りょうてで胸むねを鷲掴わしづかみされた。 父ちちも口くちでは「息子むすこ」と言いうものの、彼女かのじょが女性じょせいだと言いう認識にんしきはあるらしく彼女かのじょの胸むねを「腫はれ物もの」と断言だんげんし、彼女かのじょの憧あこがれる女性じょせい服ふくを餌えさに難題なんだいを課かしたり、セクハラめいた行動こうどうに出でることもある（大抵たいていは竜之介りゅうのすけ自身じしんや周囲しゅういの女性じょせいにより阻止そしされる）。

あたるからは「竜りゅうちゃん」もしくは「竜之介りゅうのすけちゃん」、ラムやサクラ、自分じぶんの父親ちちおややクラスの男子だんしたちからは「竜之介りゅうのすけ」、しのぶたち同級生どうきゅうせいの女子じょしからは「竜之介りゅうのすけくん」、下級生かきゅうせいの女子じょしからは「竜之介りゅうのすけさま」、面めん堂どうからは「竜之介りゅうのすけさん」、温泉おんせんマークからは「藤波ふじなみ」など、作中さくちゅうで呼よばれ方かたが最もっとも多様たようなキャラクターの一人ひとりである。

母親ははおやの記憶きおくが無なく、竜之介りゅうのすけが赤あかん坊ぼうの頃ころ亡なくなったと父ちちに聞きかされていたが、実際じっさいには死しんだのではなく逃にげられたらしい。父ちち以外いがいの近親きんしん者しゃが登場とうじょうせず、母ははの容姿ようしや本名ほんみょうに関かんする情報じょうほうは父ちちから聞きくしかないので、問とい詰つめてき出きだそうとするが、その都度つどデタラメを教おしえられるなど毎回まいかいはぐらかされてきた。辛かろうじて「真砂子まさこ」という名前なまえと、両親りょうしんの出会であいが、遊ゆう園地えんちの特撮とくさつヒーローショーの主人公しゅじんこう役やく（母親ははおや）と怪人かいじん役やく（父親ちちおや）をしていた時ときらしいことまでは判明はんめいしている。出でてくる母親ははおやの写真しゃしんも毎回まいかい違ちがう女性じょせいだったが、両親りょうしんの出会であいのエピソードが判明はんめいして以降いこうは母ははが演えんじた特撮とくさつヒーローのマスクに統一とういつされた（素顔すがおは不明ふめいなままで、父ちちも完璧かんぺきに妻つまの素顔すがおを忘わすれている）。両親りょうしんの職業しょくぎょう柄がらの影響えいきょうか竜之介りゅうのすけは普通ふつうの人間にんげんならめったにかかることのない（サクラ談だん）催眠さいみん術じゅつにかかる。

家いえが非常ひじょうに貧乏びんぼうなため金銭きんせんの感覚かんかくが他人たにんとずれていて、100円えん貯ためることに唖然あぜんとしたり、父ちちが300円えんで島しま一ひとつ買かったことに対たいしては、「300円えんもの大金たいきんをこんなつまんないことに使つかったのか！」と激怒げきどしていた。夜店よみせに対たいして独特どくとくなイメージを持もっている。

作中さくちゅうでの活躍かつやく

初はつ登場とうじょう時じは夏なつ以外いがいに浜はま茶屋ちゃやへ客きゃくが来こない怒いかりを海うみにぶつけ叫さけんでいた。浜はま茶屋ちゃやは親子おやこ喧嘩けんかで崩壊ほうかい、再建さいけん資金しきんの調達ちょうたつのため友引ともびき高校こうこう購買こうばい部ぶに住すみ込こみとなった。親父おやじに偏見へんけん的てきな隔離かくりされた生活せいかつをしているため、多少たしょう世間せけん知しらずなところもある（喫茶店きっさてんですら見慣みなれないパフェに大騒おおさわぎをするほど）。

普段ふだんから学がくランとさらしを着用ちゃくよう。また、夏なつ用ようのワイシャツの背中せなかには父ちちの手てによって「男おとこ」という字じが刺繍ししゅうされている。転入てんにゅうの際さいに、父ちちと勝負しょうぶして勝かったらセせーラらー服ふくを着きられると言いわれ戦たたかうが敗やぶれ、男子だんし生徒せいととして学がくラン姿すがたで転入てんにゅうしてくる。

女おんならしい格好かっこうに憧あこがれており、ブラジャーとセせーラらー服ふくを手てに入いれるため、へそくりを貯ためている（パンティーは着用ちゃくようしている）。女性じょせい用よう水着みずぎも父ちちの邪魔じゃまで着きれていない（上半身じょうはんしんはさらしを巻まいている）。へそくりで400円えんでブラを買かおうとしたが足たりずしのぶから「もう100円えんあればバーゲンのブラくらい…」と突つっ込こまれている。

あたるや面めん堂どうらの協力きょうりょくによりセせーラらー服ふくを一いち度ど手しゅに入いれたが、父ちちを倒たおしてから着きると誓ちかっている（結局けっきょく1度ども着きることはなかった）。ブラジャーは三宅みやけしのぶとの取引とりひきで、仏滅ぶつめつ高校こうこうの総そう番ばんにしのぶを諦あきらめさせるためカップルの振ふりをするという条件じょうけんで手てに入はいりそうになったが、父ちちや総そう番ばんの妨害ぼうがいにより結局けっきょく入手にゅうしゅできなかった（アニメではあたるからフロントホックブラを渡わたされそうになったが、結局けっきょく父ちちに奪うばわれ燃もやされてしまった）。

ブラジャーを所持しょじしておらずさらしを巻まいているのに反はんし、他たの女おんな生徒せいとから羨望せんぼうの眼差まなざしを浴あびる程ほどのグラマーな巨乳きょにゅう。

劇場げきじょう版ばん作品さくひんでは、『ビューティフル・ドリーマー』以降いこう全すべてに登場とうじょうしたがストーリー展開てんかい上じょう、影かげが薄うすく『ビューティフル・ドリーマー』ではあまり活躍かつやくする場面ばめんがないまま、いつの間まにか消滅しょうめつさせられるという展開てんかいになっている、なお夢ゆめ邪よこしま鬼おにが彼女かのじょに見みせたお好このみの夢ゆめの中なかではセせーラらー服ふくに埋うずもれて喜よろこんでいた。『ラム・ザ・フォーエバー』では台詞せりふが寝息ねいきのみでクレジットされていない。

初はつ登場とうじょう時じは圧倒的あっとうてきな力ちからを見みせつけていたが、その後ご力りょくのインフレーションで次々つぎつぎ登場とうじょうする準じゅんレギュラー陣じん（飛鳥あすか、渚なぎさ、父ちち）にことごとく敗北はいぼくしている。なおコタツネコにも一いち撃げきで敗やぶれている。

その他た

• 作者さくしゃの高橋たかはし留美子るみこは、竜之介りゅうのすけ親子おやこについて「二人ふたりが出でなかったら、あと一いち年ねんぐらいで終了しゅうりょうしてたかもしれない」と語かたっている｡連載れんさい当時とうじのインタビューなどで作品さくひん中ちゅう一番いちばんのお気きに入いりキャラと話はなしている。テレビアニメでは竜之介りゅうのすけ親子おやこ初はつ登場とうじょうの回かいが番組ばんぐみ中ちゅう最高さいこう視聴しちょう率りつを獲得かくとくしているが、宮崎駿みやざきはやおは当時とうじのアニメ版ばんチーフディレクターであった押井おしい守まもるとの対談たいだんでこの回かいを賞賛しょうさんしている。
• 名前なまえはプロレスラー藤波ふじなみ辰たつ爾なんじに由来ゆらいする。ちなみに同どう作者さくしゃの読よみ切きり『戦国せんごく生徒せいと会かい』にも「藤波ふじなみ竜子りゅうこ」という名前なまえのキャラクターが登場とうじょうしている。
• 放送ほうそう当時とうじからフィギュアが出でていた『うる星せい』女性じょせいキャラ陣じんでレギュラーにもかかわらず、1990年代ねんだいにガチャポンのミニフィギュアが出でるまで、フィギュア化かされなかった。ただし、その少すこし前まえにプライズゲームの縫ぬいぐるみとして商品しょうひん化かされている。美形びけい女性じょせいキャラクターは端役はやくですらフィギュアが商品しょうひん化かされており、ラムが数かぞえきれない程ほどフィギュア化かされたのとは対照たいしょう的てきである。
• アニメ第だい1作さくのエンディングでは、「竜りゅうノ介かい」「竜りゅうノ介かいの父ちち」の表記ひょうきが数すう回かい（本編ほんぺんの題名だいめいに「竜りゅう之これ介かい」を含ふくむ場合ばあいも）見みられる。