うる星せいやつら2 ビューティフル・ドリーマー

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うる星せいやつら2 ビューティフル・ドリーマー
監督かんとく	押井おしい守まもる
脚本きゃくほん	押井おしい守まもる
原作げんさく	高橋たかはし留美子るみこ
製作せいさく	多賀たが英典ひでのり
出演しゅつえん者しゃ	古川ふるかわ登志夫としお 平野ひらの文あや 鷲尾わしお真知子まちこ 藤岡ふじおか琢也たくや
音楽おんがく	星ほし勝まさる
主題歌しゅだいか	松谷まつや祐子ゆうこ「愛あいはブーメラン」
撮影さつえい	若菜わかな章夫あきお
編集へんしゅう	森田もりた清次せいじ 坂本さかもと雅紀まさのり 宮内みやうち季き美子よしこ 河野こうの淳子じゅんこ
制作せいさく会社かいしゃ	スタジオぴえろ（※製作せいさく協力きょうりょく）
製作せいさく会社かいしゃ	キティ・フィルム 東宝とうほう
配給はいきゅう	東宝とうほう
公開こうかい	1984年ねん2月がつ11日にち
上映じょうえい時間じかん	97分ふん
製作せいさく国こく	日本にっぽん
言語げんご	日本語にほんご
製作せいさく費ひ	約やく8000万まん円えん
前作ぜんさく	うる星せいやつら オンリー・ユー
次つぎ作さく	うる星せいやつら3 リメンバー・マイ・ラヴ

『うる星せいやつら2 ビューティフル・ドリーマー』（うるせいやつら2 ビューティフル・ドリーマー）は、1984年ねん2月がつ11日にちより東宝とうほう系けいで公開こうかいされた、日本にっぽんの長編ちょうへんアニメーション映画えいが。高橋たかはし留美子るみこ原作げんさくのテレビアニメ『うる星せいやつら』（1981年版ねんばん）の劇場げきじょう版ばんアニメシリーズ第だい2作さくである。

概要がいよう

『うる星せいやつら』劇場げきじょう版ばんアニメシリーズの2作さく目めで、1981年版ねんばんテレビアニメのチーフディレクターであった押井おしい守まもるが、前作ぜんさく『うる星せいやつら オンリー・ユー』に続つづき監督かんとくを務つとめた。押井おしい作品さくひんの原点げんてんであり出世しゅっせ作さくでもある。本ほん作品さくひんもオリジナルストーリーで制作せいさくされた。興行こうぎょう収入しゅうにゅうは前作ぜんさくを下回したまわったが、1984年ねんのビデオソフト売上うりあげでは『スリラー』『レイダース/失うしなわれたアーク《聖せい櫃ひつ》』『風ふうの谷たにのナウシカ』に次つぐ売上うりあげを記録きろくし、当時とうじの『キネマ旬報きねまじゅんぽう』において、読者どくしゃ選出せんしゅつベスト・テンで第だい7位い（邦画ほうが）に選えらばれるなど評価ひょうかは高たかかった。2019年ねんに放送ほうそうされた『発表はっぴょう!全ぜんるーみっくアニメ大だい投票とうひょう 高橋たかはし留美子るみこだっちゃ』作品さくひん部門ぶもんでは第だい5位いにランクインした。

本ほん作さくは「アニメーション製作せいさく協力きょうりょく」として一番いちばん最初さいしょにクレジットされているスタジオディーンが実際じっさいの制作せいさくを行おこなっており、同社どうしゃにとっても制作せいさくスタジオとして一本立いっぽんだちするきっかけとなった重要じゅうような立たち位置いちの作品さくひんになっている。

同時どうじ上映じょうえい作品さくひんは、『すかんぴんウォーク』（監督かんとく - 大森おおもり一樹かずき、主演しゅえん - 吉川よしかわ晃司こうじ）である。

あらすじ

廃墟はいきょと化かした友引ともびき町まちと荒廃こうはいした友引ともびき高校こうこう。ラム達いたるは、池いけと化かした運動うんどう場じょうでウォーターバイクに興きょうじ、サクラは日光浴にっこうよくをしている。そして諸星もろぼしあたるは池いけのほとりで呆ほけていた。いったい友引ともびき高校こうこうに何なにが起おきたというのか――。

学園がくえん祭さいを明日あしたに控ひかえた友引ともびき高校こうこう。生徒せいと達たちは連日れんじつ泊とまり込こみで準備じゅんびを行おこなっており、校内こうないは行いき交かう生徒せいとでごった返がえしていた。あたるやラム達たちの所属しょぞくする2年ねん4組くみも例外れいがいではなくお祭まつり騒さわぎの真まっただ中なか。夜食やしょくの買かい出だしにあたると面めん堂どう終おわり太郎たろうが街まちへ出でかけると、人ひとどおりが絶たえ明あかりも消きえた街まちにチンドン屋やと白しろい服ふくを着きた少女しょうじょが歩あるいていくのに出でくわす。夜よるが明あけ、2年ねん4組くみの担任たんにん教師きょうしの温泉おんせんマークは生徒せいと指導しどうに疲つかれてノイローゼを罹かかい、保健ほけん医いのサクラから薬くすりをもらって自宅じたくのアパートへ帰かえる。誤あやまって強力きょうりょく下剤げざいを渡わたしたことに気きづいたサクラが温泉おんせんマークの自宅じたくアパートを訪たずねると、温泉おんせんマークの部屋へやの中なかはカビやキノコが繁殖はんしょくし、目めも当あてられない状態じょうたいになっていた。温泉おんせんマークはサクラに、時間じかんの感覚かんかくが狂くるっており、「学園がくえん祭さいの前日ぜんじつ」が果はてしなく繰くり返かえされていることを指摘してきする。にわかに信しんじられない話はなしであったが、次第しだいにさくらも温泉おんせんマークの意見いけんに共感きょうかんし、温泉おんせんマークと共ともに解決かいけつの糸口いとぐちを探さがし出だそうとする。二人ふたりはまず、現状げんじょうに何なんらかの変化へんかを与あたえるために友引ともびき高校こうこうを一旦いったん閉鎖へいさし、準備じゅんびにあたっていた生徒せいと達たちを強制きょうせい的てきに自宅じたくへと追おい返かえす行動こうどうに出でた。

学校がっこうを追おい出だされたあたる、ラム、面めん堂どう、しのぶ、メガネらは雨あめの降ふる中なか、各々おのおの帰宅きたくしようとするが、徒歩とほで帰宅きたくしたあたるとラム以外いがいの全員ぜんいんが友引ともびき高校こうこうの前まえへと戻もどってきてしまう。その頃ころ、サクラは錯乱さくらん坊ぼうがいるはずの空地くうちに向むかうが、錯乱さくらん坊ぼうの姿すがたは見当みあたらず、学校がっこうに残のこって連絡れんらくを待まつはずの温泉おんせんマークも電話でんわに出でないまま消息しょうそくを絶たつ。友引ともびき高校こうこうに戻もどるためにタクシーを拾ひろったサクラは、運転うんてん手しゅから浦島うらしま太郎たろうをモチーフにした奇妙きみょうな話はなしを聞きかされる。運転うんてん手しゅからただならぬ妖気ようきを感かんじたサクラは御幣ごへいを振ふるって危機ききを逃のがれた。結局けっきょく、ラムとあたる以外いがいは帰宅きたくできず、仕方しかたなく諸星もろぼし家かに一いち晩ばん泊とまることになったが、翌朝よくあさ、結局けっきょく登校とうこうして学園がくえん祭さい前日ぜんじつのドタバタを繰くり返かえす。面めん堂どうは「原因げんいんは友引ともびき高校こうこうにあり」と結論けつろん付づけ、あたるらとともに夜よるの友引ともびき高校こうこうに乗のり込こむが、校内こうないで不可思議ふかしぎな現象げんしょうに襲おそわれ、一時いちじ退却たいきゃくを余儀よぎなくされた。一同いちどうは面めん堂どうが町内ちょうないに隠かくしていたハリアー戦闘せんとう機きを使つかい、友引ともびき町まちからの脱出だっしゅつを試こころみる。遥はるか上空じょうくうへ舞まい上あがった一同いちどうが見みたのは、直径ちょっけい数すうキロの円卓えんたく状じょうに切きり取とられた友引ともびき町まちが、巨大きょだいな亀かめの石像せきぞうの背中せなかに載のせられて宇宙うちゅう空間くうかんを進すすんでいるという驚おどろくべき光景こうけいだった。さらに彼かれらが友引ともびき町まちの下したの空間くうかんに回まわり込こむと、そこでは前夜ぜんや姿すがたを消けした錯乱さくらん坊ぼうと温泉おんせんマークが巨大きょだいな石像せきぞうと化かして、亀かめの背中せなかの上うえに立たって下したから友引ともびき町まちを支ささえていたのである。唖然あぜんとしながらも、ハリアーの燃料ねんりょうの不自然ふしぜんな減少げんしょうもあり、結局けっきょく逃にげられないことを悟さとった一同いちどうは友引ともびき町まちに帰還きかんし、あたるの自宅じたくの庭にわに強行きょうこう着陸ちゃくりくする。

次つぎの日ひから友引ともびき町まちは廃墟はいきょと化かす。友引ともびき高校こうこうは一部いちぶ校舎こうしゃを残のこして水没すいぼつし、あたるやラム、あたるの父母ちちはは、テン、面めん堂どう、しのぶ、サクラ、ラム親衛隊しんえいたいの4名めい、藤波ふじなみ親子ちかこらを除のぞく町まちの住人じゅうにんたちも全すべて姿すがたを消けした。しかし、なぜか諸星もろぼし家かにのみ電気でんき、ガス、水道すいどうと新聞しんぶんなどのメディアが供給きょうきゅうされ続つづけ、いくら取とっても商品しょうひんがいつの間まにか補給ほきゅうされて絶対ぜったいに尽つきないコンビニエンスストアが近ちかくに建たっていた。今いまや友引ともびき町まちは、彼かれらの都合つごうの良よい様ように衣食住いしょくじゅうが保障ほしょうされた、奇き怪かいなパラダイスと化かしていた。ラムやあたる達たちは、半なかば開ひらき直なおって、この世界せかいでの生活せいかつを満喫まんきつする様ようになる。

一方いっぽう、面めん堂どうとサクラはこの世界せかいの正体しょうたいを突つき止とめようと探索たんさくを続つづけ、ある結論けつろんに達たっする。二人ふたりはそれを証明しょうめいするために夜よるの校舎こうしゃにあたるを呼よび寄よせ、自分じぶん達たちの結論けつろんを話はなし、すべての出来事できごとの原因げんいんはラムであり、この世界せかいを作つくり出だしたのは、あたる自身じしんだと語かたる。一介いっかいの高校生こうこうせいである自分じぶんにそんなことが出来できるわけがないと反論はんろんするあたるだったが、本物ほんもののあたるはとっくにその場ばにおり、見事みごとにサクラ達たちの策さくにハマった偽物にせもののあたるを結界けっかいの中なかに閉とじ込こめることに成功せいこうする。そして姿すがたを現あらわしたのが、人ひとの心しんに住すみ悪夢あくむを見みせると言いわれる妖怪ようかい・夢ゆめ邪よこしま鬼おにであった。この奇き怪かいなパラダイスは、ラムの「今いまの生活せいかつをずっと続つづけていたい」という願ねがいに応こたえて夢ゆめ邪よこしま鬼おにが創つくり出だした夢ゆめだったのだ。夢ゆめ邪よこしま鬼おには、これまでに多おおくの人ひとに夢ゆめを見みせてきたが、人間にんげんの欲望よくぼうにより、いつも道みち半なかばで失敗しっぱいし、悪夢あくむになってしまう。夢ゆめ作づくりをあきらめかけていたその時とき、偶然ぐうぜん水族館すいぞくかんでラムと出会であい、ラムの一いち点てんの穢けがれもない夢ゆめを聞きく。夢ゆめ邪よこしま鬼おには、その夢ゆめの完成かんせいを最後さいごの大だい仕事しごとに決きめたのだった。

この世界せかいの正体しょうたいを見破みやぶった面めん堂どうとサクラだが、気きを緩ゆるめた隙すきに夢ゆめ邪よこしま鬼おにによって封ふうじ込こめられ、ラムの夢ゆめから退場たいじょうさせられてしまう。しかし、残のこっていたあたるは、サクラに持もたされていた、護身ごしん用ようのお祓はらい棒ぼうで夢ゆめ邪よこしま鬼おにを脅おどし、夢ゆめ邪よこしま鬼おににハーレムの夢ゆめを作つくらせるも、あたるはそこにラムがいないことに文句もんくをつける。あたるの身勝手みがってさに激怒げきどした夢ゆめ邪よこしま鬼おには、悪夢あくむを食くう伝説でんせつの動物どうぶつ・獏ばくを呼よぶためのラッパをうっかり放ほうり出だしてしまう。その用途ようとを理解りかいしたあたるがラッパを吹ふき鳴ならすと、テンが変へんなオッサン（夢ゆめ邪よこしま鬼おにのことである）からもらったという風変ふうがわりなブタ、すなわち獏ばくの封印ふういんが解とけて空そらに飛とび立たち、巨大きょだい化かする。そして獏ばくは巨大きょだいな口くちで夢ゆめを吸すい込こみ、呑のみ込こみ始はじめた。ラムの夢ゆめの世界せかいの崩壊ほうかいが始はじまったのである。

一生懸命いっしょうけんめい作つくった夢ゆめを壊こわされてしまった夢ゆめ邪よこしま鬼おには、あたるに次々つぎつぎと悪夢あくむを見みせ、最後さいごには「夢ゆめだから何なん度どでもやり直なおしが利きく」「自分じぶんの作つくり出だす現実げんじつと何なんの違ちがいもない楽たのしい夢ゆめの世界せかいで思おもい通どおりに暮くらす方ほうが良よい」とあたるを誘惑ゆうわくする。そこへ白しろい服ふくの少女しょうじょが現あらわれ、あたるに元もとの世界せかいに帰かえりたいかと尋たずねる。少女しょうじょが言いうには、元もとの世界せかいに帰かえるには、目覚めざめたら1番ばんに会あいたい大切たいせつな人ひとの名前なまえを叫さけべばこの夢ゆめから覚さめることができるらしい。あたるはその言葉ことばを信しんじ、少女しょうじょに現実げんじつ世界せかいに戻もどる旨むねを伝つたえた。するとそれを聞きいた少女しょうじょは、帽子ぼうしのつばを上あげ、その素顔すがおを見みせ、こう言いった。

「責任せきにんとってね」

あたるが見みたその素顔すがおは少女しょうじょの姿すがたをしたラムだった。

あたるは、学園がくえん祭さいの準備じゅんびで泊とまり込こんでいた友引ともびき高校こうこうで目めを覚さます。隣となりに寝ねていたラムも目覚めざめ、終おわり太郎たろうやメガネ達たちと、ずっと一緒いっしょに楽たのしく過すごす夢ゆめを見みていたと語かたる。あたるは「それは夢ゆめだ。夢ゆめなんだよ」とラムに囁ささやき、接吻せっぷんしようとするが、目めを覚さました一同いちどうに見みとがめられ、またいつものドタバタが始はじまる。夢ゆめ邪よこしま鬼おにはそんなあたるたちの様子ようすに呆あきれながら、獏ばくとともに去さってゆく。時計とけいの針はりが動うごき、1日にちの始はじまりを告つげる友引ともびき高校こうこうの時計とけい塔とうの鐘かねが鳴なった。

本ほん作さくを特徴とくちょうづける演出えんしゅつ

日本にっぽんのアニメは過酷かこくなスケジュール等とうの影響えいきょうでアフレコの段階だんかいではまだ映像えいぞうが完成かんせいしていないということが多おおく、そういった場合ばあいは絵えコンテや原画げんがなどを撮影さつえいしたラッシュフィルムを使用しようして音声おんせいを収録しゅうろくしている（線せん撮とり）。しかし、本ほん作さくではアフレコ時じにフィルムがほぼ完成かんせいしており、『メガネ』役やくの千葉ちば繁しげる曰いわく「友引ともびき前史ぜんし」序説じょせつの朗読ろうどくなど、いつにも増まして演技えんぎにも力ちからが入はいったという。これは押井おしいの「完璧かんぺきな作画さくがを犠牲ぎせいにしてでも、音響おんきょうや声優せいゆうに良よい仕事しごとをして欲ほしい」という気持きもちと、音響おんきょうや声優せいゆうの力ちからが作品さくひんをより良よくするという信念しんねんからであった。

夢ゆめ邪よこしま鬼おにやサクラといった登場とうじょう人物じんぶつに託たくされた長ながいセリフが強調きょうちょうされた演出えんしゅつとなっている。

原作げんさくのテーマであるラブコメディは、本ほん作さくではラムの想おもいに託たくされている。

本ほん作さくでの友引ともびき町まちの舞台ぶたいは、当時とうじの押井おしいの住すんでいた（押井おしいは井い荻おぎ駅近えきちか辺べに住すんでいた）、また本ほん作さくを制作せいさくするために借かり上あげられた一軒家いっけんやのある西武新宿線せいぶしんじゅくせん沿線えんせんをモデルとしている。作中さくちゅうには西武せいぶ旧きゅう101系けい電車でんしゃを思おもわせる風体ふうたいの電車でんしゃが登場とうじょうしており、メガネとパーマの帰宅きたくシーンに出でてくる下しも友引ともびき、上うえ友引ともびきは下井草しもいぐさ駅えき、上井草かみいぐさ駅えきのもじりで、看板かんばん下かの広告こうこくの「ラブナード」は「サブナード」の言葉ことば遊あそびである。

作曲さっきょく家か・星ほし勝まさるのBGMが、作品さくひん世界せかいをより引ひきたせている。主題歌しゅだいかがエンディングで流ながれるのも特徴とくちょうである。押井おしいは、本ほん作さくにおける音楽おんがくの力ちからが大おおきいことを認みとめている。また、本ほん作さくのBGMは全すべて尺じゃくが決きまった後のちに作曲さっきょくされている。

劇げき中ちゅう、「3階かい建だての校舎こうしゃが4階かい建だてになっている」という旨むねのセリフがあるが、このセリフの直前ちょくぜんまで校舎こうしゃは2階かい建だてであり、エンディングでも2階かいに戻もどっている。これは記載きさいの間違まちがいではなく、異変いへんに気きづいた者ものもまた異変いへんの中なかにいるという「メタ虚構きょこう」の世界せかいを表現ひょうげんしている。これは、テレビ版ばんで設定せっていでは2階かいと決きまっているのに作画さくが演出えんしゅつ上じょうあらゆる階かいが存在そんざいすることを逆手さかてに取とった、「校舎こうしゃがセットである」という暗示あんじをさせる演出えんしゅつだった、と語かたられている。

エンディングにおいても、あたる達たちは夢ゆめの中なかにいて､学園がくえん祭さい前日ぜんじつは永遠えいえんに繰くり返かえされる、という解釈かいしゃくを許容きょようする演出えんしゅつとなっている。

作中さくちゅうでテンが夢ゆめ邪よこしま鬼おにから貰もらった変へんなブタ、すなわち獏ばくのマルC（©）マークは、著作ちょさく権けんの意匠いしょうである。あたるが獏ばくを呼よぶラッパを吹ふき、このマークが消失しょうしつし獏ばくが夢ゆめを食くい荒あらす、というのは著作ちょさく権けんの暴走ぼうそうを象徴しょうちょうしている、とのこと。

先行せんこう・後続こうぞく作品さくひんとのつながり

先行せんこう作品さくひんの影響えいきょう

本ほん作さくは、監督かんとくの嗜好しこう・思想しそうが随所ずいしょに散ちりばめられた内容ないようとなっている。構図こうずや構成こうせい、テーマをいくつかの作品さくひんを模倣もほうしている。これらは、DVDに収録しゅうろくされたオーディオコメンタリーにより解説かいせつされている。

• 本ほん作さくのモチーフは「生いきることの全すべては夢ゆめの世界せかいのできごと」というテーマ（夢ゆめオチ）である。「荘そう子こ」の一節いっせつ「胡蝶こちょうの夢ゆめ」からの影響えいきょうも大おおきい。喫茶店きっさてんのシーンで蝶ちょうが出でて来くるのはこれを示唆しさしているとのこと。作中さくちゅうの夢ゆめ邪よこしま鬼おにのセリフには、この説話せつわが挿入そうにゅうされている。

• フェデリコ・フェリーニや、ジャン＝リュック・ゴダールなどの映画えいが作品さくひん、マウリッツ・エッシャーの作品さくひん「3つの世界せかい」を取とり入いれている。エッシャーからは、構図こうずと作品さくひん構造こうぞうを取とり入いれている。押井おしい守まもるは『ルパン三さん世せい ルパンVS複製ふくせい人間にんげん』を例れいに挙あげ、「絵え面めんだけ引用いんようしても成立せいりつしない。構造こうぞうまで引用いんようしないと意味いみが無ない」と語かたっている。
• 「ありおり侍はべりいまそかり」の台詞せりふは、小松こまつ左京さきょうの小説しょうせつ『明日あした泥棒どろぼう』の登場とうじょう人物じんぶつ「ゴエモン」の口癖くちぐせから引用いんようしている。ただしこの言葉ことば自体じたいは、古文こぶんにおけるラ行ぎょう変格活用へんかくかつようの形式けいしきを取とる単語たんごの覚おぼえ方かたとして、古ふるくから受験生じゅけんせいの間あいだに広ひろまる語呂合ごろあわせである。
• 夢ゆめ邪よこしま鬼おにがヒトラーやシーザーの人生じんせいに関与かんよしたとするシーンの描写びょうしゃは、宮崎駿みやざきはやおの『ルパン三さん世せい カリオストロの城しろ』でゴート札さつを説明せつめいするシーンを取とり入いれている。
• 劇げき中ちゅうで上映じょうえいされる映画えいがとして、『ゴジラ』（第だい1作さく）の場面ばめんをアニメ化かしている。
• 夢ゆめ邪よこしま鬼おにがあたるに見みせた悪夢あくむの一ひとつで、テレビアニメ第だい1話わでのラムとの鬼おにごっこの終盤しゅうばんが再ふたたび描えがかれた。テレビ版ばんではあたるがマジックハンドでラムのブラジャーを掠かすめ取とり、その隙すきにラムの角かくをつかんだが、本ほん作さくでは原作げんさくと同様どうようにあらかじめ奪うばっていたブラジャーを取とり出だしてラムの気きを引ひきつけた。しかし、角かくをつかむことを逡巡しゅんじゅんしているうちに時間切じかんぎれになってしまう。
• 1981年版ねんばんテレビアニメの第だい101話わ「みじめ！愛あいとさすらいの母はは!?」は、本ほん作さくの原型げんけいともいえるエピソード。あたるの母親ははおやを主人公しゅじんこうにした、やはり同様どうように虚構きょこうと現実げんじつをテーマに描えがいた作品さくひんである。同どうシリーズのチーフディレクターを務つとめていた押井おしい守まもるは、NHK BS2の『アニメギガ』内ないでこのエピソードについて語かたっている。「あのお母かあさんは面白おもしろい女おんなだと思おもった。何なにかできないかなと思おもった」「やり過すぎたのかもしれないけど、後あとで呼よび出だされて怒おこられた。二度にどとやるなと言いわれた。何なにをやってもいいけど話はなしのつじつまだけはちゃんと合あわせろと」「これをうまくやると今いままでと全然ぜんぜん違ちがうものができるかもしれないと。それはそのまんまビューティフルドリーマーに持もち越こされた。あの時ときも表面ひょうめん上じょうは絶対ぜったいだめと言いわれていてチェックもされていた。要ようはマークされていた。テレビシリーズという枠わくの中なかではあの辺あたりが限界げんかいだろうとは分わかったので、あとは表現ひょうげんそれ自体じたいをより緻密ちみつにしていく以外いがいにインパクトの持もちようがない。やるとするなら映画えいがだろうとは思おもっていた」。

後続こうぞく作品さくひんへの影響えいきょう

本ほん作さくは、当時とうじの幅広はばひろい分野ぶんやのクリエイター達たちに影響えいきょうを与あたえた。本ほん作品さくひんは、いくつかの作品さくひんにて模倣もほうされている。

• アニメ監督かんとくの細田ほそだ守まもるとライターの小黒おぐろ祐一郎ゆういちろうは、本ほん作さくを称賛しょうさんしている。
• アニメ監督かんとくの神山かみやま健治けんじは、本ほん作さくを称賛しょうさんしている。
• キネマ旬報社きねまじゅんぽうしゃの『押井おしい守まもる全ぜん仕事しごと』で、高橋たかはし良輔りょうすけは一番いちばん好すきな押井おしい作品さくひんとして本ほん作さくを挙あげている。
• 宮崎駿みやざきはやおの長男ちょうなんの宮崎みやざき吾朗ごろうは当時とうじ、父ちちの作品さくひん『風ふうの谷たにのナウシカ』よりも本ほん作さくのほうが好すきだったと話はなしている。
• 星ほし新一しんいちは『キネマ旬報きねまじゅんぽう』の「No.1000 1989年ねん1月がつ上旬じょうじゅん号ごう 戦後せんご復刊ふっかん1000号ごう特別とくべつ記念きねん号ごう・日本にっぽん映画えいが史上しじょうベスト・テン」より本ほん作さくを選出せんしゅつしている。
• 桜坂さくらざか洋ひろしはハリウッド実写じっしゃ化かもされた『All You Need Is Kill』の執筆しっぴつにあたり、はじめに頭あたまに浮うかんだのは本ほん作さくと公言こうげんしている。
• SF作家さっかの笹本ささもと祐一ゆういちは本ほん作さくの影響えいきょうを受うけて、小説しょうせつ『妖精ようせい作戦さくせん』シリーズの第だい2巻かん「ハレーション・ゴースト」を執筆しっぴつしており、その巻末かんまつでは「ビューティフル・ドリーマー」に対たいする謝辞しゃじが述のべられている。
• 『涼りょう宮みやハルヒの憂鬱ゆううつ』の作者さくしゃ谷川たにがわ流りゅうは、本ほん作さくが好すきで押井おしい守まもるさんが無意識むいしきに出でてしまっていると話はなしている。テレビアニメ版ばん第だい12話わ「ライブアライブ」では、本ほん作さくで2年ねん4組くみの面々めんめんが行おこなった出だし物もの「純じゅん喫茶きっさ 第だい三さん帝国ていこく」が文化ぶんか祭さいのシーンの背景はいけいとして登場とうじょうする。
• 堤つつみ幸彦さちひこの『ケイゾク』劇場げきじょう版ばんタイトル『ケイゾク/映画えいが Beautiful Dreamer』は、本ほん作さくから引用いんようされている。

本ほん作さくについてのエピソード

制作せいさく中ちゅうのエピソード

押井おしいは本ほん作さくにてテレビ版ばんの主要しゅようスタッフを採用さいようし、本ほん作さくの制作せいさくに注力ちゅうりょくした。本ほん作さくの制作せいさくの前まえに、押井おしいは宮崎駿みやざきはやおと対談たいだんしている。宮崎みやざきは、「クソッという形かたちで開花かいかするから、押井おしいさんの場合ばあいでも、次つぎはもっといい条件じょうけんを取とれると思おもうんですよ。スケジュールとかスタッフとか。それはなるべくもぎ取とった方ほうがいいですね。いざとなればスタッフにも遠慮えんりょしないで、死屍しし累々るいるいでもいいから……（笑）。」と、押井おしいを励はげましている。押井おしいは、前作ぜんさくでは自分じぶんのやりたいことをやれず不満ふまんであり、本ほん作さくでは一本いっぽん目めを作つくる気持きもちでリターンマッチをする心積こころづもりを語かたっていた。

プロデューサーの落合おちあい茂一もいちと押井おしいによると、劇場げきじょう版ばん第だい2作さくの脚本きゃくほんは当初とうしょ原作げんさく者しゃである高橋たかはし留美子るみこに依頼いらいし、ストーリーが提出ていしゅつされたものの、脚本きゃくほんを起おこすまでには至いたらなかった。次つぎに首藤しゅどう剛志たけしが執筆しっぴつすることになったが、押井おしいは首藤しゅどうのシナリオに難色なんしょくを示しめし、結局けっきょく首藤しゅどうは降板こうばんした。代かわって当時とうじテレビシリーズの構成こうせいを担当たんとうしていた伊藤いとう和典かずのりが登板とうばんしたものの、落合おちあいがプロット段階だんかいで劇場げきじょう版ばんにはそぐわないと判断はんだんし、キャンセルとなった。脚本きゃくほん段階だんかいで二に転てん三さん転てんする内うちに製作せいさく時間じかんが足たりなくなり、進退しんたい窮きわまった所ところに押井おしいが提示ていじしたのが本ほん作さくの原案げんあん（ただし落合おちあいによれば実際じっさいの映画えいがとは全まったく異ことなる内容ないようだったという）であった。これは、前作ぜんさくを経験けいけんした押井おしいが、自己じこの企画きかくを通とおすために時間じかん稼かせぎをした作戦さくせんであるといわれている。

制作せいさくに入はいると、押井おしいは自室じしつにて絵えコンテ切ぎりや制作せいさく指示しじに没頭ぼっとうした（絵えコンテから開始かいしされたため、本ほん作さくには脚本きゃくほん準備じゅんび稿こうが存在そんざいしない）。並行へいこうして放映ほうえい中ちゅうだったテレビシリーズは自室じしつにて資料しりょうをチェックし、現場げんばにはほとんど顔がおを出ださなかったといわれる。落合おちあいは上あがってきたコンテが当初とうしょの説明せつめいと全まったく異ことなる点てんに驚愕きょうがくし、修正しゅうせい指示しじを掛かけたが、時間じかん的てきに間まに合あわず、映画えいがは完成かんせいに至いたった。落合おちあいは「コンテが完成かんせいした時点じてんでそれを抱かかえてキティを辞やめたくなった（笑）」と、当時とうじ置おかれていた立場たちばと心境しんきょうを回想かいそうしている。

名曲めいきょく喫茶きっさにてサクラと温泉おんせんマークが語かたるシーン（テーブルを中心ちゅうしんにカメラが回まわるパンシーン）では、2人ふたりが画面がめんから消きえた状態じょうたいでのセリフが多おおく、また徐々じょじょにカメラの動うごきが速はやくなりながら時折ときおり2人ふたりが映うつるという演出えんしゅつだったため、声こえを当あてるのが困難こんなんなシーンだったとコメントしている。また、このシーンはリテイクがなされたため、当初とうしょ予定よていしていたタイミングに若干じゃっかんのずれが生しょうじたという。

終盤しゅうばんの白しろい帽子ぼうしとワンピースを着きた少女しょうじょの声こえは、当初とうしょラムの声優せいゆうである平野ひらの文あやが演えんじていた。しかしネタばれしてしまうので、最後さいごの一言ひとことを除のぞき島本しまもと須美すみの声こえに替かえられた。なお、島本しまもとはノークレジットである。

キャラクターデザイン・作画さくが監督かんとくのやまざきかずおは、押井おしいが絵えコンテで書かき下おろした夢ゆめ邪よこしま鬼おにを採用さいようした。そのため、原作げんさくやテレビシリーズ「目覚めざめれば悪夢あくむ」に登場とうじょうする夢ゆめ邪よこしま鬼おにとは異ことなる外見がいけんとなっている。

夢ゆめ邪よこしま鬼おにを関西かんさい弁べんで演えんじたのは藤岡ふじおか琢也たくや（兵庫ひょうご県けん姫路ひめじ市し出身しゅっしんで京阪けいはん式しきアクセントには堪能たんのう）である。夢ゆめ邪よこしま鬼おにとラムが水族館すいぞくかんで初はじめて出会であい、夢ゆめ邪よこしま鬼おにから名刺めいしを貰もらったラムが「夢ゆめ邪よこしま鬼おにさん？ うちラムだっちゃ」と言いった際さい、それを聞きいた夢ゆめ邪よこしま鬼おにが「らむだっちゃさん？ ああ！ラムさんか」と答こたえる台詞せりふは、夢ゆめ邪よこしま鬼おにの声こえを演えんじた藤岡ふじおか琢也たくやのアドリブだという。

荒廃こうはい後ごの町まちをメンバーが楽たのしむシーンは、「ぎゃろっぷの巨匠きょしょう」が描えがいたと語かたられている。これは、ぎゃろっぷ所属しょぞくでスタッフロールにも名前なまえを列つらねている丹内たんない司つかさのことと思おもわれる。事実じじつ、ぎゃろっぷは本ほん作さくの制作せいさく協力きょうりょくをしており、丹内たんないはぎゃろっぷで作画さくがをしていた。

しのぶが登校とうこう途中とちゅう、無数むすうの風鈴ふうりんに囲かこまれるシーンで、しのぶをアパートの窓まどから見下みおろす男おとこは、海外かいがい版ばんDVDの押井おしいによるオーディオコメンタリーでは「この世界せかいの外側そとがわで見みてる誰だれか、つまり僕ぼくのことですけどね」とコメントしている。演出えんしゅつ担当たんとうの西村にしむら純二じゅんじは「あれは『しのぶという『観客かんきゃく』を見みている押井おしい守まもる』という感かんじで描えがいた」とコメントし、また「押井おしい監督かんとくからは『しのぶをアパートから見下みおろす男おとこがいて､キャラクター設定せっていは無ない』と伝つたえられた」とコメントした。

キティ・アニメーションからリリースされたレーザーディスク版はん『劇場げきじょう版ばんうる星せい』（5作品さくひんを収おさむむ、初はつ販1991年ねん）に、押井おしい守まもるによるインタビューと絵えコンテが収録しゅうろくされているが、それによると、タイトルは絵えコンテの段階だんかいでは「REMEMBER DREAM」であった。また押井おしい守まもるはインタビュー中ちゅうで、この映画えいがの中なかで一番いちばん気きに入いっているシーンは、ラムとしのぶとサクラが給湯きゅうとう室しつで雑談ざつだんをしているシーンだと語かたっていた。

没ぼつシーンについて

フィルム・音声おんせいとも完成かんせいしたが、没ぼつとなったシーンがある。

• 名曲めいきょく喫茶きっさからサクラと温泉おんせんマークが友引ともびき高校こうこうにつくと、レオパルトの砲塔ほうとうにつかまったカクガリが窓まどを突つき破やぶって飛とび出だしてくる。ここまでは本編ほんぺんに入いれられたが、その後ごそれにラムが電撃でんげきを加くわえようとし、それを驚愕きょうがくの表情ひょうじょうで見みつめる温泉おんせんマークとサクラのアップのシーンがある。
• サクラが錯乱さくらん坊ぼうを探さがしにいった後のち、今夜こんやはサクラと二に人にんっきりとニヤニヤしながら意気揚々いきようようと友引ともびき高校こうこうに引ひき上あげてゆく温泉おんせんマーク。
• お好このみ焼やき「じぱんぐ」で、町まちで起おきている異変いへんについて面めん堂どうが真剣しんけんに語かたるものの、あたる達たちのあまりにのんきな態度たいどにキレるしのぶ。
• 夜よるの廃墟はいきょと化かした友引ともびき町まちを戦車せんしゃで調査ちょうさする面めん堂どう。
• 夜よるの牛丼ぎゅうどん屋や「はらたま」。そこに停とめてある戦車せんしゃで、面めん堂どうの帰かえりを待まちながら売うれ残のこった牛丼ぎゅうどんを大食たいしょくいするサクラ。
• 友引ともびき高校こうこう跡地あとちの池いけでくつろぐあたる達いたる、そこであたるは竜之介りゅうのすけにちょっかいばかり出だし、怒おこったラムが電撃でんげきを加くわえようとするが、あたるは池いけのほとりに白しろい大おおきな帽子ぼうしの少女しょうじょをみつける。あたるはラムに「前まえから話はなしていた少女しょうじょがいる」と言いうものの、ラムにはその少女しょうじょの姿すがたが見みえない、そんな二人ふたりのやりとりを脇わきで聞きいていたサクラは訝いぶかしげにラムを見みる。
• 夢ゆめ邪よこしま鬼おにの手てによる悪夢あくむの内うちの一いちシーン。あたるは老人ろうじんになり、地球ちきゅうは太陽たいようが巨大きょだい化かした影響えいきょうで滅亡めつぼうの危機ききに晒さらされた。次々つぎつぎと人類じんるいが宇宙船うちゅうせんで脱出だっしゅつする中なか、夢ゆめ邪よこしま鬼おにの扮ふんするパイロットに乗のり込こむ様ように諭さとされるが、あたるは愛あいしている人ひとが待まっているから、と宇宙船うちゅうせんに乗のり込こむことを頑かたくなに拒こばむ。だがその愛あいした人ひと、すなわち「ラム」のことを何故なぜか思おもい出だすことがどうしても出来できない。
• 錯乱さくらん坊ぼうが亀かめに乗のっているシーン。

押井おしいは「長なが過すぎるから」という理由りゆうでこれらのシーンをカットしている。また、これ以外いがいにもカットされているシーンが存在そんざいしている。

制作せいさく後ごのエピソード

押井おしいは本ほん作さくの完成かんせい後ご、『うる星せいやつら』1981年版ねんばんテレビアニメのチーフディレクターを降板こうばんし、同時どうじにスタジオぴえろを退社たいしゃ。後任こうにんのチーフディレクターはやまざきかずおに、制作せいさくスタジオは本ほん作さくの実質じっしつ的てきな現場げんばであり、それまで同どうシリーズのグロス請うけも行おこなっていたスタジオディーンに託たくされた。後年こうねんのインタビューでは、『うる星せいやつら2 ビューティフル・ドリーマー』が高たかい評価ひょうかを受うけたことでイケイケになってしまい、監督かんとくとしての良よい意味いみでも悪わるい意味いみでも自信じしんがついたため独立どくりつしたと語かたっている。このあと押井おしいは自分じぶんの意見いけんばかりを主張しゅちょうするようになってしまい、新作しんさく（OVA『天使てんしのたまご』他た）は難解なんかいで、映画えいが関係かんけい者しゃは離はなれていった。その後ごもマニアックかつ独創どくそう性せいの強つよすぎる作品さくひんばかりを企画きかくするが、制作せいさくサイドが難色なんしょくを示しめして取とり合あってもらえず、苦くるしい生活せいかつは3年ねん続つづくことになる。

原作げんさく者しゃの評価ひょうか

原作げんさく者しゃの高橋たかはし留美子るみこは、本ほん作さくに関かんして平井ひらい和正かずまさとの対談たいだんで、

（『ビューティフル・ドリーマー』は）押井おしいさんの『うる星せいやつら』です。 — 高橋たかはし留美子るみこ、平井ひらい和正かずまさ『語かたり尽つくせ熱愛ねつあい時代じだい』、平井ひらい和正かずまさ『高橋たかはし留美子るみこの優やさしい世界せかい』（共ともに徳間書店とくましょてん）

と語かたっている。また「押井おしいさんは天才てんさい」、「『2』は押井おしいさんの傑作けっさくで、お客きゃくさんとして非常ひじょうに楽たのしめました」とも語かたっている。 押井おしいは、高橋たかはしによる評価ひょうかについて、

2本ほん目めは凄すごかった。『人間にんげん性せいの違ちがいです』ってその一言いちげん言いって帰かえっちゃった（笑）。これは自分じぶんの作品さくひんじゃないと言いいたかったんですね。
— 公開こうかい対談たいだん「野良犬のらいぬの塒ねぐら」

「原作げんさく者しゃは『オンリーユー』は好すきだが『2』は今いまでも一いち番ばん嫌ぎらい。」
「原作げんさく者しゃの「逆鱗げきりん」に触ふれた。」
— DVDのオーディオコメンタリーより

と語かたっている。

上記じょうきの経緯けいいから押井おしいとの関係かんけいが悪化あっかしたと噂うわさされていたが、それについては畑はた健二郎けんじろう・熊くま之の股また鍵かぎ次じとの対談たいだんで否定ひていしている。

本ほん作さくで演出えんしゅつを担当たんとうした西村にしむら純二じゅんじは「原作げんさく者しゃから「こういう『うる星せい』もありなんじゃないですか」と聞きいてます」と語かたっている。

登場とうじょう人物じんぶつ・キャスト

主要しゅよう人物じんぶつはそれぞれの項こう、それ以外いがいは「うる星せいやつらの登場とうじょう人物じんぶつ」を参照さんしょう

• 諸星もろぼしあたる - 古川ふるかわ登志夫としお
• ラム - 平野ひらの文あや
• 面めん堂どう終おわり太郎たろう - 神谷かみや明あきら
• テン - 杉山すぎやま佳寿子かずこ
• 三宅みやけしのぶ - 島津しまつ冴子さえこ
• サクラ - 鷲尾わしお真知子まちこ
• 藤波ふじなみ竜之介りゅうのすけ - 田中たなか真弓まゆみ
• メガネ - 千葉ちば繁しげる
• パーマ - 村山むらやま明あきら
• カクガリ - 野村のむら信次しんじ
• チビ - 二又ふたまた一成いっせい
• あたるの父ちち - 緒方おがた賢一けんいち
• あたるの母はは - 佐久間さくまなつみ
• ♨先生せんせい - 池水いけみず通洋みちひろ
• 竜之介りゅうのすけの父ちち - 安西あんざい正弘まさひろ
• 校長こうちょう - 西村にしむら知道ともみち
• 錯乱さくらん坊ぼう（チェリー） - 永井ながい一郎いちろう

ゲストキャラクター

夢ゆめ邪よこしま鬼おに

声こえ - 藤岡ふじおか琢也たくや

「目覚めざめれば悪夢あくむ」（原作げんさく第だい31話わ）であたるの夢ゆめに現あらわれた妖怪ようかい。バクに悪夢あくむを食くわせることを仕事しごととしている。

本ほん作さくでは事件じけんの黒幕くろまくとして登場とうじょう。人類じんるいの夢ゆめの歴史れきしと共ともに歩あゆみ続つづけ多おおくの人ひとに夢ゆめを見みせてきたが、せっかく紡つむいだ夢ゆめを人々ひとびとが暴走ぼうそうさせて悪夢あくむに変かえてしまい、その度たびにバクに夢ゆめを食たべさせ新あらたな夢ゆめを紡つむぐのを延々えんえんと繰くり返かえしてきたことに疲つかれて（バクのことを「がしんたれ＝大阪おおさか弁べんで能無のうなし、無駄飯むだめし食くらいの意い」と貶けなしている）引退いんたいしようと考かんがえていたが、偶然ぐうぜん出会であったラムが望のぞむ夢ゆめを最後さいごの大だい仕事しごとである「悪夢あくむに変かわったりしない永遠えいえんの夢ゆめの世界せかい」として実現じつげんさせようと暗躍あんやくしていた。

なお、サクラからは「夢ゆめを操あやつり、人々ひとびとに邪悪じゃあくの種たねを植うえては悦えつに入いる悪あしき鬼おに」としてアドルフ・ヒトラー、ネロ、ユダ、ゴータマ・シッダールタなどを例れいに指摘してきされるが、それに対たいし夢ゆめ邪よこしま鬼おにはサクラが例れいに挙あげた人々ひとびとの中なかには確たしかに自分じぶんが夢ゆめを見みせた人物じんぶつはいると肯定こうていしつつも、見みせるのはあくまで「その人間にんげんが望のぞむ夢ゆめ」であり、「夢ゆめが邪悪じゃあくなものになったのは、その人間にんげんが邪悪じゃあくな願望がんぼうを持もっていたから」と反論はんろんしている。

ラムの夢ゆめを叶かなえるために邪魔じゃまとなりうる登場とうじょう人物じんぶつを次々つぎつぎと友引ともびき町まちから消けし、下記かきの人物じんぶつには夢ゆめの世界せかいの友引ともびき町まちを支ささえさせていた（ただし、その礼れいとして楽たのしい夢ゆめを見みせていた）。

• 錯乱さくらん坊ぼう - 事態じたいを収束しゅうそくできる能力のうりょくを持もつために退場たいじょう。たくさんの食たべ物ものを食たべる夢ゆめを見みせられていた。
• 温泉おんせんマーク - 幾度いくども学園がくえん祭さい前日ぜんじつを繰くり返かえすループに気付きづいたために退場たいじょう。サクラと暮くらす夢ゆめを見みせられていた。
• 三宅みやけしのぶ - あたるの浮気うわきの対象たいしょうから外はずすために退場たいじょう。面めん堂どうと結婚けっこんする夢ゆめを見みせられていた。
• 藤波ふじなみ竜之介りゅうのすけ - あたるの浮気うわきの対象たいしょうから外はずすために退場たいじょう。たくさんのセせーラらー服ふくに囲かこまれる夢ゆめを見みせられていた。

テレビアニメおよび原作げんさくの「目覚めざめれば悪夢あくむ」と劇場げきじょう版ばんの夢ゆめ邪よこしま鬼おには同どう一人物いちじんぶつではあるが、服装ふくそう、角すみ、バクのデザインなど、所々しょしょ変更へんこうがある。テレビアニメ173回かいと最終さいしゅう回かいでは劇場げきじょう版ばんのデザインで登場とうじょう。

白しろい服ふくの少女しょうじょ

声こえ - 島本しまもと須美すみ、平野ひらの文ぶん（最後さいごのセリフのみ）

劇げき中ちゅう幾いく度どとなく現あらわれ消きえていく謎なぞめいたキャラクター。だが最後さいごにはあたるを現実げんじつの世界せかいへと導みちびいた。顔かおはラムそのものである。

スタッフ

• 原作げんさく - 高橋たかはし留美子るみこ
• 監督かんとく・脚本きゃくほん - 押井おしい守まもる
• 製作せいさく - 多賀たが英典ひでのり
• 企画きかく - 落合おちあい茂一もいち
• 演出えんしゅつ - 西村にしむら純二じゅんじ
• 作画さくが監督かんとく - やまざきかずお、森山もりやまゆうじ
• 音楽おんがく - 星ほし勝まさる
• 音楽おんがく監督かんとく - 早川はやかわ裕ひろし
• キャラクターデザイン - やまざきかずお
• 美術びじゅつ設定せってい - 小林こばやし七郎しちろう、森山もりやまゆうじ
• 美術びじゅつ監督かんとく - 小林こばやし七郎しちろう
• カラーデザイン - 戸と辺べ尚代ひさよ
• 撮影さつえい監督かんとく - 若菜わかな章夫あきお
• 編集へんしゅう - 森田もりた清次せいじ、坂本さかもと雅紀まさのり、宮内みやうち季き美子よしこ、河野こうの淳子じゅんこ
• 音響おんきょう監督かんとく - 斯波しば重治しげはる
• 音響おんきょう製作せいさく - オムニバスプロモーション
• アニメーション製作せいさくプロデューサー - 久保くぼ真しん
• 製作せいさく協力きょうりょく - スタジオぴえろ
• 製作せいさく - 東宝とうほう株式会社かぶしきがいしゃ、キティ・フィルム
• 配給はいきゅう - 東宝とうほう

主題歌しゅだいか・挿入歌そうにゅうか

「愛あいはブーメラン」

松谷まつや祐子ゆうこによる主題歌しゅだいか。作詞さくしは三浦みうら徳子とくこ、作曲さっきょくは松田まつだ良りょう、編曲へんきょくは清水しみず信之のぶゆき。

「ラメ色しょくドリーム」

小林こばやし泉美いずみによる挿入歌そうにゅうか。作詞さくしは宮原みやはら芽め映うつ、作曲さっきょく・編曲へんきょくは小林こばやし泉美いずみ。

「時代じだいおくれの酒場さかば」

加藤かとう登紀子ときこによる挿入歌そうにゅうか。作詞さくし・作曲さっきょくは加藤かとう登紀子ときこ、編曲へんきょくは告つげ井延いのぶ隆たかしと森下もりした登のぼり喜彦よしひこ。

本ほん楽曲がっきょくは1981年版ねんばんテレビアニメでも挿入歌そうにゅうかとして使用しようされた。

「ふたたびの」

泰やすし英二郎えいじろうによる挿入歌そうにゅうか。作詞さくしは来生きすぎえつこ、作曲さっきょくは泰たい英二郎えいじろう、編曲へんきょくは竜崎りゅうざき孝たかし路ろ。

関連かんれん商品しょうひん

映像えいぞうソフト化か

本ほん作さくは他たの『うる星せいやつら』劇場げきじょう作品さくひんと同様どうように4:3（1.33:1）のスタンダードサイズで制作せいさくされ、劇場げきじょうでは画面がめん上下じょうげの映像えいぞうを断たち切きる形かたちで16:9 （1.78:1）ビスタサイズで上映じょうえいされた（貧乏びんぼうビスタ）。DVD以前いぜんに発売はつばいされた映像えいぞうソフトでは制作せいさく時じと同おなじ4:3サイズで収録しゅうろくされていたが、LD-BOX「押井おしい守まもる監督かんとく全集ぜんしゅう 劇場げきじょう版ばんアニメ編へん THE SEVEN DOG'S WAR」版ばんのみ劇場げきじょう公開こうかい時じと同おなじ16:9サイズで収録しゅうろくされた。その後ご発売はつばいされたDVD版はん・Blu-ray Disc版はんでも同様どうようの16:9サイズで収録しゅうろくされている。海外かいがい版ばんのDVDには4：3サイズで収録しゅうろくされているものが存在そんざいする。

• 1984年ねん2月がつ11日にち、劇場げきじょう公開こうかいと同時どうじにVHSおよびベータのビデオソフトが発売はつばいされた。
• 1985年ねん6月がつ、LDが東宝とうほうレーザーディスクの第だい1弾だんとして『ゴジラ』（1954年版ねんばん）、『細雪ささめゆき』、『家族かぞくゲーム』と共ともに発売はつばいされた。その後ごVHD版はんも発売はつばいされている。
  • 本ほん作さくのレーザーディスクの音声おんせいには、劇場げきじょう公開こうかい時じにはなかったノイズや歪ゆがみがある。これはシネテープ音源おんげんでなく光学こうがく録音ろくおん音源おんげんを元もとにしたための仕様しようであり不ふ良品りょうひんではない旨むねの断ことわり書がきが外そと包装ほうそうに貼付ちょうふされていた。
• 1992年ねんに発売はつばいされた劇場げきじょう版ばん『うる星せいやつら』5作品さくひんを収録しゅうろくした10枚まい組ぐみLD-BOX「うる星せいやつら劇場げきじょう版ばんパーフェクトコレクション」に本ほん作さくも予告編よこくへんと共ともに収録しゅうろくされている（その後ご内容ないようを増補ぞうほして13枚まい組ぐみLD-BOXとして1997年ねんに再さい発売はつばいされた）。CAV収録しゅうろく。
• 1992年ねんにLDとVHSが再さい発売はつばいされた。ネガテレシネ仕様しよう、音声おんせいはシネテープから収録しゅうろくされ音質おんしつが改善かいぜんされている。
• 1996年ねんに発売はつばいされた、押井おしい守まもる劇場げきじょう作品さくひんを収録しゅうろくしたLD-BOX「押井おしい守まもる監督かんとく全集ぜんしゅう 劇場げきじょう版ばんアニメ編へん THE SEVEN DOG'S WAR」に本ほん作さくも収録しゅうろくされている。
• 2002年ねん9月がつ21日にちにDVDが発売はつばいされた。本ほん作さく以外いがいの『うる星せいやつら』劇場げきじょう版ばんアニメ作品さくひんのDVDは2000年ねんに発売はつばいされていたが、本ほん作さくのみ2年ねん遅おくれてのDVD化かとなった。音声おんせいはフィルムの光学こうがく音声おんせい、マスターテープ、5.1chサラウンドとオーディオコメンタリーが同時どうじ収録しゅうろくされた。
• 2009年ねん3月がつ20日はつかにBlu-ray Disc版ばんの発売はつばいが予定よていされていたが、直前ちょくぜんに発売はつばい中止ちゅうしになった。その後ご、2015年ねん1月がつ21日にちに発売はつばいされた。また、2015年ねん6月がつ24日にち発売はつばいのBlu-ray「劇場げきじょう版ばん『うる星せいやつら』Blu-ray BOX」に、本ほん作品さくひんのデジタルリマスター版はんが収録しゅうろくされている。

サウンドトラック

本ほん作品さくひんのサウンドトラックはすべてキティレコードより発売はつばいされた。

タイトル	規格きかく	発売はつばい日び	規格きかく品番ひんばん	備考びこう
うる星せいやつら2 ビューティフル・ドリーマー オリジナルサウンドトラック 音楽おんがく編へん（BGM）	LP	1984年ねん2月がつ	25MS0050
	CT		25CS0050
『うる星せいやつら2 ビューティフル・ドリーマー』 オリジナルサウンドトラック ドラマ編へん	LP		38MS0052/3
	CT		38CS0052
	CD	1991年ねん6月がつ25日にち	KTCR-1097/8
うる星せいやつら2 ビューティフル・ドリーマー 映画えいがBGM集しゅう Ⅱ		1986年ねん3月がつ21日にち	H30K20024
		1991年ねん6月がつ25日にち	KTCR-1091

派生はせい作品さくひん

• 2006年ねん1月がつに、じんのひろあきが率ひきいる「劇団げきだん10×50Kingdom」が本ほん作さくを原典げんてんとする戯曲ぎきょく「ビューティフルドリーマー」を上演じょうえんした。原作げんさくとして押井おしいの名前なまえがクレジットされている。キャラクターや設定せっていは『うる星せいやつら』とは関係かんけいのないオリジナルなものとなっており、プロットを使つかう形かたちで戯曲ぎきょく化かされた。
• サマータイムマシン・ブルース（2005年ねん、監督かんとく：本ほん広こう克行かつゆき） - 撮影さつえいにあたり本もと広ひろは、本ほん作さくの影響えいきょうを大おおきく受うけたと献辞けんじを送おくっている。
• ビューティフルドリーマー (2020年ねんの映画えいが)（2020年ねん、監督かんとく：本ほん広こう克行かつゆき） - 原案げんあん「夢見ゆめみる人ひと」を押井おしいが書かき下おろしており、本ほん作さくを意識いしきしたセリフもある。

参考さんこう文献ぶんけん

• 少年しょうねんサンデーグラフィック10『ビューティフル・ドリーマー』(1984年ねん3月がつ)
• 落合おちあい茂一もいち『僕ぼくのプロデューサー（秘ひ）かけだし日記にっき』（1987年ねん、樹き想そう社しゃ編集へんしゅう・トライアングル発行はっこう）
• 『ロマンアルバム 攻殻機動隊こうかくきどうたい PERSONA 押井おしい守まもるの世界せかい』（1995年ねん、徳間書店とくましょてん）

外部がいぶリンク

• うる星せいやつら2 ビューティフル・ドリーマー - ぴえろ - アニメ制作せいさく会社かいしゃ公式こうしきサイト
• 首藤しゅどう剛志たけしのふらふらファイル箱ばこ - ウェイバックマシン（2019年ねん11月1日にちアーカイブ分ぶん） - 2006年ねん6月がつ下旬げじゅんの記事きじで実現じつげんに至いたらなかった劇場げきじょう版ばん二に作さく目めのプロットが公開こうかいされている
• 首藤しゅどう剛志たけし『シナリオえーだば創作そうさく術じゅつ』WEBアニメスタイル - 上記じょうき経緯けいいの解説かいせつ（162-167,169回かい各かく後半こうはん部ぶ）。
• うる星せいやつら2 ビューティフル・ドリーマー - allcinema
• うる星せいやつら2 ビューティフル・ドリーマー - KINENOTE
• うる星せいやつら2 ビューティフル・ドリーマー - MOVIE WALKER PRESS
• うる星せいやつら2 ビューティフル・ドリーマー - 映画えいが.com
• Urusei Yatsura 2: Byûtifuru dorîmâ - IMDb（英語えいご）