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せつえん

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せつえん』(ぜいえん)は、前漢ぜんかんりゅうむかいえらべないしへんによる故事こじ説話せつわしゅうである。

成立せいりつ

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漢書かんしょすわえもとおうつてちゅうりゅうこうつてによれば、けん貞婦ていふおよびくにみだした寵妾ちょうしょうはなしあつめた『れつおんなでん』は「もっ天子てんしを戒む」ためのものであり、さらに「伝記でんき行事ぎょうじりて『しんじょ』『せつえん』をちょ」し、「これをそう」したとある。つまり『せつえん』は、上古じょうこからかんだいいたるまでのおおくの書物しょもつから天子てんしいましめるに逸話いつわ採録さいろくし、ときなりみかどを諫めるべく上奏じょうそうされたものである。

漢書かんしょ芸文げいぶんこころざしおよびりゅうこうつてでは『せつえん』の巻数かんすう不明ふめいだが、りゅうむかい逸文いつぶん「『せつえんじょろく」には「じゅうへんななひゃくはちじゅうよんしょう」とあり、また『ずいしょ経籍けいせきでもじゅうかんしるされている。しかしとうすえからの動乱どうらん散逸さんいつし、きたそうの『たかしぶんそう』によれば、たかしぶんいんぞうする『せつえん』はわずかんのみであったという。からそうはち大家たいかのひとり曾鞏大夫たいふあいだから蔵書ぞうしょて、ほぼもとかたち復元ふくげんした。はんしつへんだけは発見はっけんできなかったが、こううららからの献本けんぽんてようやく復元ふくげんされたという[1]。なお、敦煌とんこうから唐本とうほんせつえんはんしつへんざんまき出土しゅつどしているが、現行げんこうほん基本きほんてき一致いっちしている。この再編さいへんされたじゅうかんほんに曾鞏の序文じょぶんしたものが現行げんこうテクストである。ただし、巻数かんすうそろったもののあきらすうななひゃくたないため、逸文いつぶんくわえる場合ばあいおお[2]

さきげた逸文いつぶん「『せつえんじょろく」においてりゅうむかいは、「『せつえん雑事ざつじ』なる宮中きゅうちゅう書物しょもつ校勘こうかんくわえて『しんえん』(=『せつえん』)と名付なづけた」とみずかいている。これにしたがえば、りゅうむかいは『せつえん』の撰者せんじゃ著者ちょしゃ)ではなく、校訂こうていしゃないし編者へんしゃということになる。(『れつおんなでん』についても「『れつおんなでんじょろく」に同様どうよう記述きじゅつがある)[3] しかし、「『せつえんじょろく」と「『れつおんなでんじょろく」は『かん』『晏子とうりゅうむかいによるじょろく形式けいしき内容ないようことなっているため、後世こうせい仮託かたくなし、『しんじょ』『せつえん』『れつおんなでん』をりゅうむかい著作ちょさくとする『漢書かんしょ芸文げいぶんこころざし確実かくじつせいおもんじるせつもある[4]

内容ないよう

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せつえん』の内容ないようは、様々さまざま書物しょもつから天子てんしいましめるための逸話いつわあつめたものである。その性質せいしつじょう現存げんそんする諸子しょしひゃくいえ著述ちょじゅつ一致いっちするはなしおおいが、原書げんしょ散逸さんいつのため本書ほんしょでしかないものもすくなからずある。 また、あきらかに歴史れきしてき事実じじつとはなしないはなししょ記述きじゅつ矛盾むじゅんするはなしおおふくまれているが、そのことがぎゃくに、当時とうじつて異聞いぶん記録きろくした貴重きちょう説話せつわしゅうとしての側面そくめんしている。

構成こうせい

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  • 巻一けんいち くんどう
  • まき しんじゅつ
  • まきさん けんほん
  • まきよん だてぶし
  • まき 貴徳たかのり
  • まきろく ふくおん
  • まきなな せい
  • まきはち みことけん
  • まききゅう せい
  • まきじゅういち けいまき
  • まきじゅういち ぜんせつ
  • まきじゅう たてまつ使つかい
  • まきじゅうさん 権謀けんぼう
  • まきじゅうよん いたりこう
  • まきじゅう ゆびたけし
  • まきじゅうろく だんくさむら
  • まきじゅうなな 雑言ぞうごん
  • まきじゅうはち べんぶつ
  • まきじゅうきゅう おさむぶん
  • まきじゅう はんしつ

ちゅう

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  1. ^ りくゆうおう題跋だいばつまき2・ばつせつえんhttp://ctext.org/library.pl?file=85285&page=76。「いさお芻曰:たてちゅうせつえんじゅうかん、而闕はんしついちかん。曾鞏乃分おさむぶんため上下じょうげ、以足じゅうかんこうだかうららしんいちかんとげあし。」 
  2. ^ きむよしみすずせつえん補正ほせい
  3. ^ さわ諸子しょし考察こうさつ』「『しんじょ』『せつえん』『れつおんなでん不作ふさくはじめ於劉こうこう
  4. ^ 野間のまぶんしんじょせつえんこう

参考さんこう文献ぶんけん

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原文げんぶん

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日本語にほんごやく

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