資本しほん蓄積ちくせき

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

資本しほん蓄積ちくせき(しほんちくせき、えい: Capital accumulation)とは、

  1. 現代げんだい経済けいざいがくにおいては、資本しほん形成けいせいのこと。
  2. マルクス経済けいざいがくにおいては、資本しほんせいさい生産せいさんにおいて、剰余じょうよ価値かち一部いちぶふたた資本しほん充当じゅうとうされることをう。

概説がいせつ[編集へんしゅう]

現代げんだい経済けいざいがくにおいて、民間みんかん政府せいふ部門ぶもんでの在庫ざいこひん固定こてい資本しほんなどの資本しほん増加ぞうかし、資本しほん形成けいせい同義語どうぎごもちいられる。

マルクス経済けいざいがくにおいては、生産せいさん過程かていにおいてされる剰余じょうよ価値かちは、単純たんじゅんさい生産せいさんられるように資本しほん消費しょうひすべてが支出ししゅつされるのではなく、一部いちぶあたらしい追加ついかてき資本しほん転用てんようされる。その結果けっかとして資本しほん蓄積ちくせきこり、これを資本しほん蓄積ちくせきぶ。この資本しほん蓄積ちくせき基盤きばんとしてさらに生産せいさん規模きぼ拡大かくだいされ、経済けいざい成長せいちょうとなる。

マルクス経済けいざいがく資本しほん蓄積ちくせき理論りろん[編集へんしゅう]

資本しほん蓄積ちくせき理論りろん[編集へんしゅう]

資本しほん運動うんどう法則ほうそく   において、過程かていされる剰余じょうよ価値かちがすべて資本しほんはいれば単純たんじゅんさい生産せいさんかえされるが、通常つうじょうはそれ以外いがい資本しほんへの充当じゅうとうおこなわれるはずである。このことによって資本しほん蓄積ちくせきおこなわれる。蓄積ちくせき部分ぶぶんはさらに可変かへん資本しほんへの充当じゅうとう部分ぶぶん不変資本ふへんしほんへの充当じゅうとう部分ぶぶんけられ、拡大かくだいさい生産せいさん発展はってんさせる。

資本しほん蓄積ちくせき拡大かくだいさい生産せいさんにより結果けっかてき資本しほん有機ゆうきてき構成こうせいたかめ、相対そうたいてき過剰かじょう人口じんこうす。相対そうたいてき過剰かじょう人口じんこう恐慌きょうこうときには失業しつぎょうし、最下さいかそうルンペンプロレタリアートとなる。

蓄積ちくせきりつ[編集へんしゅう]

剰余じょうよ価値かち資本しほん蓄積ちくせきする割合わりあい蓄積ちくせきりつび、個別こべつ資本しほんはこれを決定けっていしている。これがおおきければ資本しほん蓄積ちくせき拡大かくだいさい生産せいさん速度そくどはやくなる。

これはぜんかし資本しほん総額そうがく不変資本ふへんしほん可変かへん資本しほん剰余じょうよ価値かち価値かち増殖ぞうしょくぶんあらわすと、つぎのとおりになる。

反論はんろん[編集へんしゅう]

ジャン=シャルル=レオナール・シモンド・ド・シスモンディやジャン=バティスト・セイのセイの法則ほうそくなどは、労働ろうどうしゃ所得しょとくすくないために需要じゅようすくなく、資本しほん消費しょうひすくないために需要じゅようすくなく、資本しほん蓄積ちくせき不可能ふかのうであるとした。これらのせつのちに、カール・マルクスの『資本しほんろん』において拡大かくだいさい生産せいさん需要じゅようちがえているというてん否定ひていされることとなる。ローザ・ルクセンブルク主著しゅちょの『資本しほん蓄積ちくせきろん[1]において、こうした資本しほん蓄積ちくせき国際こくさい債務さいむ帝国ていこく主義しゅぎむとろんじた。

文献ぶんけん[編集へんしゅう]

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]