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需要じゅよう供給きょうきゅう

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需要じゅようから転送てんそう

ミクロ経済けいざいがくにおいて需要じゅよう(じゅよう、えい: demand)と供給きょうきゅう(きょうきゅう、えい: supply)は市場いちばにおける価格かかく決定けってい説明せつめいする経済けいざいモデルである。需要じゅようおよび供給きょうきゅう定義ていぎから説明せつめいすると、 需要じゅようとは、個人こじん企業きぎょうなどの経済けいざい主体しゅたいが、市場いちばにおいて交換こうかん販売はんばい目的もくてきとして提供ていきょうされているざいサービス購入こうにゅうしようとする(消費しょうひ行為こういであり[1]供給きょうきゅうとは経済けいざい主体しゅたい市場いちば交換こうかん販売はんばい目的もくてきとし自己じこ所有しょゆうぶつ提供ていきょうする(生産せいさん行為こういである[2]。「需要じゅよう供給きょうきゅう」はわせて短縮たんしゅくして需給じゅきゅう(じゅきゅう)ともばれる。

マクロ経済けいざいがくにおいても同様どうように、そう需要じゅようそう供給きょうきゅう均衡きんこうにより物価ぶっか産出さんしゅつりょう(あるいは生産せいさんりょう、またはGDP)がまることを説明せつめいするそう需要じゅようそう供給きょうきゅうモデル使つかわれる。

概説がいせつ

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需要じゅよう

とくに貨幣かへいなどの購買こうばいりょくうらづけされた需要じゅようを「有効ゆうこう需要じゅよう」という[1]貨幣かへい経済けいざいでは、(有効ゆうこう需要じゅようりょうは、提供ていきょうされるざい・サービスの価格かかく購入こうにゅうしようとする経済けいざい主体しゅたいよく度合どあいや所得しょとく程度ていどによって決定けっていされてくる[1]一般いっぱんには(あくまで一般いっぱんろんとしてはであるが)価格かかく上昇じょうしょうすると需要じゅよう減少げんしょうする傾向けいこうがある[1]かりやすく説明せつめいすると、価格かかく上昇じょうしょうすると経済けいざい主体しゅたい購入こうにゅうがわの「購買こうばい意欲いよく」ががり、おうとする行動こうどう傾向けいこうがある。また、限定げんていひん高級こうきゅうひんなどの少数しょうすうひんなどにたいして独占どくせんよく刺激しげきされ、商品しょうひんたいして異常いじょう価格かかくいたり、転売てんばいヤーなど転売てんばい独占どくせん目的もくてきによるさらなる価格かかく加熱かねつにより、さらなる購買こうばい意欲いよく減少げんしょう需要じゅようるということである。

供給きょうきゅう

一般いっぱんてき交換こうかん経済けいざい場合ばあいは(あくまで一般いっぱんてき交換こうかん経済けいざい場合ばあい限定げんていしたはなしであるが)、取引とりひき相手あいてがわ代価だいかとして提供ていきょうするものがたか効用こうようをもつときには、供給きょうきゅうするがわ供給きょうきゅうしようとする意思いしつよくなり、結果けっかとして供給きょうきゅうりょうおおくなる[2]かりやすく説明せつめいすると、がわたか値段ねだんうとかっていると、がわ商品しょうひんやサービスを提供ていきょうするがわ)は、よりおおくの財貨ざいかられる(だろう)という期待きたいふくらみ、よりおおくの財貨ざいかられるならば、よりおおくの苦労くろうをすることも「それだけの財貨ざいかられるならば、その苦労くろうも、もっと我慢がまんでき、さらに苦労くろうすれば、それ相応そうおうられるものがある(規模きぼ拡大かくだいてき思考しこう)」や「他者たしゃ効率こうりつてき財貨ざいかているなら、自分じぶんたち真似まねしてもうけよう(新規しんき参入さんにゅうてき思考しこう)」などととかんがえる傾向けいこうがあり、結果けっかとして供給きょうきゅうへの意思いしつよくなり、結果けっかとして供給きょうきゅうしゃがわ供給きょうきゅうのための活動かつどうりょうえ、実際じっさい供給きょうきゅうりょうえる傾向けいこうがある、ということである。

競争きょうそう市場いちばでは、市場いちば価格かかく絶対ぜったいてきなものではなく、市場いちば価格かかく取引とりひき数量すうりょう需要じゅようりょうおおきさと供給きょうきゅうりょうおおきさの相対そうたいてき関係かんけいおうじて変動へんどうし、そしてまる。

以下いかしめ需要じゅよう供給きょうきゅう分析ぶんせきは、あるざい物品ぶっぴん)・サービスの市場いちば注目ちゅうもくした分析ぶんせきとなるため、部分ぶぶん均衡きんこう分析ぶんせきばれる。(すべての市場いちば同時どうじ分析ぶんせきするものを一般いっぱん均衡きんこうび、対照たいしょうてきあつかわれる。)

需要じゅよう供給きょうきゅう分析ぶんせき

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需要じゅよう曲線きょくせん供給きょうきゅう曲線きょくせん
競争きょうそう市場いちばにおいてはざい市場いちば価格かかく需要じゅよう供給きょうきゅうによって決定けっていされる[3]ざいたいする価格かかくは、需要じゅようりょう増加ぞうかすれば減少げんしょう需要じゅよう曲線きょくせんみぎがりとなり[3]供給きょうきゅうりょう増加ぞうかこう価格かかくたい(グラフ右側みぎがわ)が増加ぞうか供給きょうきゅう曲線きょくせんみぎがりとなる[3]需要じゅようりょう供給きょうきゅうりょうとが均等きんとうとなる価格かかく均衡きんこう価格かかく取引とりひき数量すうりょう均衡きんこう需給じゅきゅうりょうという[3]

グラフの見方みかた

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需要じゅよう曲線きょくせん供給きょうきゅう曲線きょくせんともに、需要じゅようりょう消費しょうひりょう)、供給きょうきゅうりょう生産せいさんりょう)の数量すうりょうよこじくがわ、Q:Quantity)はかく需要じゅようしゃかく供給きょうきゅうしゃしか把握はあくできない数量すうりょうのため、供給きょうきゅうがわ(メーカーの「メーカー希望きぼう小売こうり価格かかく」やおみせの「店頭てんとう価格かかく」の価格かかくたてじくがわ、P:Priⅽe)と、需要じゅようがわ消費しょうひしゃ)の購入こうにゅう予算よさんなどの価格かかくがわたてじく)からかく数量すうりょうよこじく)の増減ぞうげん変動へんどう)をていく。

また、一般いっぱんひと収入しゅうにゅう給与きゅうよ)より支出ししゅつ機会きかいもの)がおお需要じゅようがわかんがかたになりやすいため、供給きょうきゅう曲線きょくせんの”供給きょうきゅう数量すうりょうえると価格かかく上昇じょうしょうする”ことたいし、供給きょうきゅうりょう供給きょうきゅうしゃ増加ぞうか価格かかく競争きょうそう薄利多売はくりたばい量産りょうさん効果こうかなどによっててい価格かかくするおもいにたいして逆行ぎゃっこうしている違和感いわかんかんじるが、供給きょうきゅうしゃ立場たちばである就活しゅうかつやバイトさがしのとき想定そうていすれば、時給じきゅう供給きょうきゅう価格かかく)のたか企業きぎょう求人きゅうじん希望きぼうしゃ供給きょうきゅう数量すうりょう)が増加ぞうかするとかんがえれば把握はあくしやすい。

需給じゅきゅう曲線きょくせん一般いっぱんてきなグラフの見方みかたかんがかたでとらえると、数量すうりょう(xじく)にたいして価格かかく(yじく)がまるおもってしまうが、現代げんだい社会しゃかいにおいては、さきめた価格かかく(yじく)の商品しょうひん値段ねだん時給じきゅうによって需要じゅよう数量すうりょう求人きゅうじんしゃすう生産せいさん数量すうりょう)の数量すうりょう(xじく)が予測よそく推定すいていができる場合ばあい大半たいはんなのである。つまり、需給じゅきゅう曲線きょくせんをそのままにたてじくよこじくえると、クラフと経験けいけんそく整合せいごうせいれやすい。

需要じゅよう曲線きょくせん

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需要じゅようがわかんがかたは、出費しゅっぴするがわ立場たちばになるので、てい価格かかくひん食料しょくりょうひん安価あんか商品しょうひん百均ひゃっきん)など)の’グラフのしたがわ’にたいし、消費しょうひしゃおおくのひとしがるため、そう数量すうりょうおおくなり’曲線きょくせんはし右側みぎがわ’となる。また、こう価格かかくひんいえ宝石ほうせき自動車じどうしゃなど)の’グラフの上側うわがわ’にたいし、消費しょうひしゃ購入こうにゅう機会きかいかったり(購入こうにゅう資金しきん不足ふそく)や、購入こうにゅうたいして慎重しんちょうてきになり購買こうばい意欲いよく膠着こうちゃくし、そう数量すうりょうすくなくなり’曲線きょくせんはし左側ひだりがわ’となる。

供給きょうきゅう曲線きょくせん

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供給きょうきゅうがわかんがかたは、労働ろうどうやバイトとう労力ろうりょく支払しはらい、収入しゅうにゅうがわ立場たちばになるので、こう価格かかくひん給与きゅうよたかい)の労働ろうどうにはおおじんしがりそう数量すうりょうおおくなり’曲線きょくせんはし右側みぎがわ’となり、てい価格かかくひん(バイトやパート※労働ろうどう価格かかくひくわりに労働ろうどう時間じかん正社員せいしゃいんよりみじかいなどの利点りてんがある)の労働ろうどうは、ぜん労働ろうどうしゃたいして少数しょうすう育児いくじ世代せだい学生がくせいなどの労働ろうどう時間じかんたいして制限せいげんのある労働ろうどうしゃとし、そう数量すうりょうすくなくなり’曲線きょくせんはし左側ひだりがわ’となる。

需給じゅきゅう曲線きょくせん
数量すうりょう
供給きょうきゅう 需要じゅよう
価格かかく こう みぎ しょうひだり
ひく しょうひだり みぎ
かく曲線きょくせん


需要じゅよう供給きょうきゅう分析ぶんせき

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需要じゅよう曲線きょくせん供給きょうきゅう曲線きょくせんもちいた分析ぶんせきでは、アルフレッド・マーシャル以来いらい伝統でんとうにより価格かかくたてじくる。

価格かかく(P)と数量すうりょう(Q)の関係かんけい曲線きょくせんによって図示ずしされる。

数量すうりょう変化へんかりつ価格かかく変化へんかりつは、弾力だんりょくせいといわれる。この弾力だんりょくせいおおきいほど、価格かかく変化へんかたいする数量すうりょう変化へんかおおきくなる。

なお、2ほん需要じゅよう曲線きょくせんまじわっているような場合ばあい、その交点こうてんでは、よりかたむゆるやかな曲線きょくせんのほうが、価格かかく弾力だんりょくせいおおきい。

また、おな価格かかく対応たいおうする数量すうりょう変化へんかしたとき、曲線きょくせんそのものが移動いどうする。よりおおくの数量すうりょう対応たいおうするように変化へんかした場合ばあい曲線きょくせんみぎかた移動いどうする。

国内外こくないがい需要じゅよう

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需要じゅよう

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需要じゅよう(じゅよう)とは、ざいたいする購買こうばいりょくうらづけのあるよく消費しょうひしゃがわの「いたい」という意欲いよく価格かかく需要じゅようりょう関係かんけい図示ずししたのが需要じゅよう曲線きょくせんで、一般いっぱんみぎがりの曲線きょくせんである。これは価格かかくがるほど需要じゅようりょう減少げんしょうすることによる。これにたいし、おな価格かかく対応たいおうする需要じゅようりょう増大ぞうだいして需要じゅよう曲線きょくせんそのものがみぎかた移動いどうする(シフト)ことは、需要じゅよう需要じゅようりょう ではない)の増大ぞうだいといわれる。「人々ひとびともの価格かかくがれば、そのもの需要じゅようやす」という命題めいだいのことを需要じゅよう法則ほうそくという[4]。なお、国内こくないにおける需要じゅよう内需ないじゅ(ないじゅ)、そのくに以外いがいからの需要じゅよう外需がいじゅ(がいじゅ)とぶことがある。

供給きょうきゅう

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供給きょうきゅう(きょうきゅう)とは、ざい物品ぶっぴん)やサービス提供ていきょうしようとする経済けいざい活動かつどう生産せいさんしゃがわの「りたい」という意欲いよく価格かかく供給きょうきゅうりょう関係かんけい図示ずししたのが供給きょうきゅう曲線きょくせんで、一般いっぱんみぎがりの曲線きょくせんである。これは価格かかくがるほど供給きょうきゅうりょう増大ぞうだいすることによる。これにたいし、おな価格かかく対応たいおうする供給きょうきゅうりょう増大ぞうだいして供給きょうきゅう曲線きょくせんそのものがみぎかた移動いどうすることは、供給きょうきゅう供給きょうきゅうりょうではない)の増大ぞうだいといわれる。

均衡きんこう

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均衡きんこう

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需要じゅよう曲線きょくせん供給きょうきゅう曲線きょくせん交点こうてんまる状態じょうたい競争きょうそう均衡きんこうぶ。このとき需要じゅようりょう供給きょうきゅうりょう一致いっちし、一義的いちぎてき価格かかくさだまる。このとき価格かかく均衡きんこう価格かかく(または市場いちば価格かかく)、取引とりひきりょう数量すうりょう)を均衡きんこう取引とりひきりょうぶ。

均衡きんこう安定あんていせい

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需要じゅよう曲線きょくせん供給きょうきゅう曲線きょくせん交点こうてんまる価格かかくが「安定あんていてき」であるということは、価格かかく数量すうりょう偶発ぐうはつてき均衡きんこうてん逸脱いつだつしても市場いちばメカニズムの力学りきがくにより均衡きんこうてん自動的じどうてきもどされるということである。このような均衡きんこうを「安定あんていてき均衡きんこう」という。

ぎゃくに「不安定ふあんてい」であるという場合ばあいは、均衡きんこうてん逸脱いつだつしたとき、価格かかく数量すうりょう均衡きんこうてんからはなれていってしまうメカニズムがはたらくことであり、このような均衡きんこうを「不安定ふあんていてき均衡きんこう」という。

  • ワルラス安定あんてい - 供給きょうきゅうりょう需要じゅようりょう超過ちょうかした場合ばあいには価格かかく下落げらく需要じゅようりょう供給きょうきゅうりょう超過ちょうかした場合ばあいには価格かかく上昇じょうしょうによって、需要じゅようりょう供給きょうきゅうりょう解消かいしょうされるような関係かんけいになっていること。
  • マーシャル安定あんてい - 供給きょうきゅう価格かかく需要じゅよう価格かかく超過ちょうかした場合ばあいには数量すうりょう減少げんしょう需要じゅよう価格かかく供給きょうきゅう価格かかく超過ちょうかした場合ばあいには数量すうりょう増加ぞうかによって、需要じゅよう価格かかく供給きょうきゅう価格かかく訂正ていせいされるような関係かんけいになっていること。

価格かかく

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価格かかく統制とうせい

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政府せいふなどが上限じょうげん価格かかく下限かげん価格かかく設定せっていすることを「価格かかく統制とうせい price control」という。たとえば家賃やちん統制とうせいなどで上限じょうげん価格かかく設定せっていされている場合ばあい価格かかく上昇じょうしょうによる供給きょうきゅうりょう増加ぞうか需要じゅようりょう減少げんしょうつうじた超過ちょうか需要じゅよう解消かいしょうさまたげられる。その結果けっかによるたいするてが発生はっせいすることになる。これにたい最低さいてい賃金ちんぎんなどで下限かげん価格かかく設定せっていされている場合ばあいには、価格かかく下落げらくによる供給きょうきゅうりょう減少げんしょう需要じゅようりょう増加ぞうかつうじた超過ちょうか供給きょうきゅう解消かいしょうさまたげられる。その結果けっかのこりが発生はっせいすることになる。

また、最低さいてい賃金ちんぎん設定せっていすることは(雇用こようされているひと給与きゅうよ下限かげん保障ほしょうし、雇用こようしゃ労働ろうどうしゃ)の生活せいかつしつ改善かいぜん貢献こうけんするものであるが、一方いっぽうで)、もしも労働ろうどう市場いちば労働ろうどう供給きょうきゅう過剰かじょうになったときは雇用こようしゃがわ賃金ちんぎんげることができないので、失業しつぎょうやとわれないひと)を原因げんいんともなる。

経済けいざい学者がくしゃスティーヴン・ランズバーグは「原油げんゆ価格かかく法律ほうりつによって管理かんりされれば、末端まったんのガソリン価格かかくがるどころかがる。小売こうり価格かかく間接かんせつてき管理かんりされれば、精製せいせい業者ぎょうしゃ供給きょうきゅうするガソリンのりょう供給きょうきゅう)はるため、消費しょうひしゃうガソリン価格かかくがるのは当然とうぜんである」と指摘してきしている[5]

価格かかく硬直こうちょくせい

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需給じゅきゅう調整ちょうせいにあたって価格かかく変化へんかしないことを価格かかく硬直こうちょくせいprice rigidityという。たとえば実際じっさい価格かかく均衡きんこう価格かかく上回うわまわっているものとする。このときに価格かかく硬直こうちょくせいがあり、価格かかく下落げらくしない場合ばあい超過ちょうか供給きょうきゅう解消かいしょうは、需要じゅよう曲線きょくせんそのもののみぎかたシフトによることになる。

物価ぶっか価格かかくについて

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経済けいざい学者がくしゃクヌート・ヴィクセルは、名目めいもく価格かかく一般いっぱん物価ぶっか)の変動へんどうが、相対そうたい価格かかく変動へんどうとは根本こんぽんてき異質いしつ現象げんしょうであることを発見はっけんした[6]

ミクロ経済けいざいがくにおけるP(価格かかく)とマクロ経済けいざいがくにおけるP(物価ぶっか)は、根本こんぽんてきべつ概念がいねんである。前者ぜんしゃ個々ここざい相対そうたい価格かかくあらわすものであるのにたいし、後者こうしゃ個々ここざい価格かかく全体ぜんたいとして平均へいきんした集計しゅうけいりょうとしての物価ぶっか水準すいじゅんあらわすものである。

曲線きょくせんのシフト要因よういん

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需要じゅよう曲線きょくせん

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  • 所得しょとく変化へんか
  • 代替だいたいざい(そのざい価格かかく上昇じょうしょう他方たほうざい需要じゅようりょう増大ぞうだいさせるざい)の価格かかく変化へんか
  • 補完ほかんざい(そのざい価格かかく上昇じょうしょう他方たほうざい需要じゅようりょう減少げんしょうさせるざい)の価格かかく変化へんか
  • 年齢ねんれい構成こうせいなどの人口じんこう構成こうせい変化へんか
  • 嗜好しこう変化へんか
  • 情報じょうほう商品しょうひんたいする消費しょうひしゃ知識ちしき)の変化へんか
  • 信用しんよう入手にゅうしゅ可能かのうせい変化へんか
  • 将来しょうらい予想よそう変化へんか
  • 技術ぎじゅつ革新かくしんなどによる技術ぎじゅつ変化へんか産業さんぎょう機械きかいによる、てつ石油せきゆ需要じゅよう増大ぞうだいなど)

供給きょうきゅう曲線きょくせん

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  • ざい生産せいさんするために必要ひつようとなる投入とうにゅうぶつ価格かかく変化へんか
  • 技術ぎじゅつ革新かくしんなどによる技術ぎじゅつ変化へんか
  • 天候てんこう疫病えきびょうなどの自然しぜん環境かんきょう変化へんか
  • 信用しんよう入手にゅうしゅ可能かのうせい変化へんか
  • 将来しょうらい予想よそう変化へんか

需要じゅよう供給きょうきゅう曲線きょくせん歴史れきし

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需要じゅよう供給きょうきゅう価格かかく関数かんすうとしてグラフ表現ひょうげんされる。需要じゅよう曲線きょくせん供給きょうきゅう曲線きょくせんは、アルフレッド・マーシャルの『経済けいざいがく原理げんり』(1890ねん)で有名ゆうめいになったが、それ以前いぜんにも先駆せんくしゃがいる[7]

需要じゅよう曲線きょくせんは、オーギュスタン・クールノーが『とみ理論りろん数学すうがくてき原理げんりかんする研究けんきゅう』(1838)で最初さいしょえがいた(クールノー競争きょうそう参照さんしょう)[7]

カール・ハインリヒ・ラウドイツばんの『経済けいざいがくしょ原理げんり』(1841(1826-37))も独自どくじ関数かんすうえがいた[8][9][7]

ジュール・デュピュイ の「公共こうきょう事業じぎょう効用こうよう測定そくていについて」(1844)も独自どくじ関数かんすうえがいた[10][7]

ハンス・カール・エミル・フォン・マンゴルトドイツばん[ちゅう 1]の『国民こくみん経済けいざいがく概説がいせつ』(1863)でも独自どくじ関数かんすうえがかれた[11][7]

供給きょうきゅう曲線きょくせんは、フリーミング・ジェンキンが1870ねんえがいた[12][7]

需要じゅよう曲線きょくせん供給きょうきゅう曲線きょくせんは、アルフレッド・マーシャルの『経済けいざいがく原理げんり』(1890ねん)で有名ゆうめいになり、価格かかくたてじくあらわ習慣しゅうかんいまでも一般いっぱんてきである[7]

供給きょうきゅうまたは需要じゅよう価格かかく以外いがいほか変数へんすう関数かんすうである場合ばあい曲線きょくせんあいだのシフトを構成こうせいするほか変数へんすう変化へんかともな曲線きょくせん、または高次こうじもと空間くうかん曲面きょくめんによってあらわされる。

日本にっぽん用語ようごとしての「供給きょうきゅう

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近代きんだい以前いぜん日本にっぽんにおいて「供給きょうきゅう」という言葉ことばは、漢語かんごでは「くごう/ぐきゅう」、和訓わくんでは「たてまつりもの」[13]ばれていた。

供給きょうきゅう」という言葉ことば元々もともとずいとう律令りつりょう用語ようごで、律令りつりょうとともに日本にっぽんにもたらされた。現代げんだい経済けいざいがくにおいては、特定とくてい物資ぶっし特定とくてい多数たすう提供ていきょうすることを「供給きょうきゅう」とぶが、この場合ばあいには「食料しょくりょうおよびそれにじゅんじるもの」を特定とくてい相手あいて提供ていきょうすることをして「供給きょうきゅう」としょうした。すなわち、公的こうてき目的もくてきをもった使者ししゃやそれにじゅんじる使者ししゃ客人きゃくじん荘園しょうえん領主りょうしゅ現地げんち派遣はけんする使者ししゃなど)にたいして通過つうかする地域ちいきにおいて食料しょくりょう提供ていきょうし、付随ふずいして使者ししゃ必要ひつようとする物資ぶっしなど(休憩きゅうけい宿泊しゅくはくする宿駅しゅくえき交代こうたい馬匹ばひつなど)もわせて供給きょうきゅうした。また、こうした使者ししゃ客人きゃくじん目的もくてき到着とうちゃく(落付)したさい現地げんちひとたちが3連続れんぞく飲食いんしょく贈物おくりものなどをもって接待せったいして無事ぶじ到着とうちゃくいわさんにちくりやという行事ぎょうじおこなわれたが、そのさい提供ていきょうされた飲食いんしょく贈物おくりものおよ接待せったいそのものを「供給きょうきゅう」とんだ[14][ちゅう 2]

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ フォン・マンゴルト関数かんすうられるドイツの数学すうがくしゃハンス・カール・フリードリヒ・フォン・マンゴルト英語えいごばん息子むすこである。
  2. ^ なお、中世ちゅうせい荘園しょうえんおおやけりょうにおいては、供給きょうきゅう必要ひつよう食料しょくりょう人夫にんぷざつ公事こうじおよ夫役ぶやくとして現地げんち在地ざいち領主りょうしゅおよ名主なぬし百姓ひゃくしょう負担ふたんとされていた[15]

出典しゅってん

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  1. ^ a b c d 小学しょうがくかん日本にっぽんだい百科全書ひゃっかぜんしょ』「需要じゅよう
  2. ^ a b 小学しょうがくかん日本にっぽんだい百科全書ひゃっかぜんしょ』「供給きょうきゅう
  3. ^ a b c d 需要じゅよう供給きょうきゅう法則ほうそく』 - コトバンク
  4. ^ 岩田いわた規久男きくお経済けいざいがくてき思考しこうのすすめ』 筑摩書房ちくましょぼう、2011ねん、73ぺーじ
  5. ^ スティーヴン・ランズバーグ 『ランチタイムの経済けいざいがく-日常にちじょう生活せいかつなぞをやさしくかす』 日本経済新聞社にほんけいざいしんぶんしゃ日経にっけいビジネス人文じんぶん〉、2004ねん、196-197ぺーじ
  6. ^ 日本経済新聞社にほんけいざいしんぶんしゃへん経済けいざいがく巨人きょじん 危機ききたたかう-達人たつじん先人せんじん知恵ちえ日本経済新聞社にほんけいざいしんぶんしゃ日経にっけいビジネス人文じんぶん〉、2012ねん、35ぺーじ
  7. ^ a b c d e f g Humphrey, Thomas M. (1992). “Marshallian Cross Diagrams and their Uses before Alfred Marshall”. Economic Review (Mar/Apr): 3–23. https://www.richmondfed.org/-/media/richmondfedorg/publications/research/economic_review/1992/pdf/er780201.pdf 2022ねん10がつ29にち閲覧えつらん. 
  8. ^ Karl Heinrich Rau,Grundsätze der Volkswirthschaftslehre , 1841b., Heidelberg.
  9. ^ 池田いけだ浩太郎こうたろう「K.H.ラウの『財政ざいせいがくしょ原理げんり初版しょはん--「初期しょきドイツ財政ざいせいがく」のStandardwerkの出現しゅつげん」2003,成城大学せいじょうだいがく経済けいざい研究けんきゅう159ごう、p97~131
  10. ^ Dupuit, Arsène Jules Étienne Juvénal (1844): De la mesure de l’utilité des travaux publics, Annales des ponts et chaussées, Second series, 8.:On the measurement of the utility of public works. Trans. by R.H. Barback in Readings in Welfare Economics,ed. K.J. Arrow and T. Scitovsky. Homewood,IL: Richard D. Irwin, 1969, 255-83.
  11. ^ Grundriss der Volkswirthschaftslehre. Ein Leitfaden für Vorlesungen an Hochschulen und für das Privatstudium. Faksimile der 1863 in Stuttgart erschienenen Erstausgabe. Komm. von Peter D. Groenewegen, Karl Heinrich Kaufhold und Jochen Schumann. Wirtschaft und Finanzen, 1995, ISBN 978-3-87881-096-4. 英語えいごやく The exchange ratio of goods. E,Hendersonやく
  12. ^ 1870. " The Graphical Representation of the Laws of Supply and Demand, and their Application to Labour",in Alexander Grant, ed., Recess Studies, ch. VI, pp. 151–85.
  13. ^ 類聚るいじゅう名義めいぎしょう
  14. ^ 早川はやかわ庄八しょうはち供給きょうきゅう」(『日本にっぽんだい事典じてん 2』(平凡社へいぼんしゃ、1993ねんISBN 978-4-582-13105-5)P967
  15. ^ 網野あみの善彦よしひこ公事こうじ」(『歴史れきしがく事典じてん 1 交換こうかん消費しょうひ』(弘文こうぶんどう、1994ねんISBN 978-4-335-21031-0)P218

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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