軟障
軟障(ぜじょう・ぜんじょう[1])は、
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高松 の軟障を懸 く。東 三 条 にありしは、嵯峨野 に狩 せし少将 をぞかかれたりし。これをたつる事 稀 の事 也。……母屋 三 方 に御簾 を懸 けておろしたる上 に、軟障とて幔の様 なる絹 に、高 き松 を本体 にて、四季 の木 どもを画 きたり。是 等 四季 の絵 を画 きたれば、春 を東 に始 めて引 くべし。母屋 の御簾 の帽 額 の下 の際 に押当 てて引 くべし、もと紐 を幔の様 に付 けて綱 を具 したれども、綱 しては引 くべからず。綱 の緒 は、御簾 と軟障との中 に押隠 して、縁 の中 にこはしの板 を入 れて帽 額 の下 の際 に押当 てて、柱 にとぢつけたるがよきなり、たけ短 くて、下 の簾 がむなかへり、御簾 二 つがいきあひをば、はなつきに人 のするなり、その儀 わろし。一 へりを引重 ねて引 くべし。但 、間 も広 くて軟障は狭 くば、ちがへることかなはじ、はなつきにすべし。
脚注
[- ^ ゼンは
漢音 。ゼジョウはゼンジョウのンが発音 されないもの。
参考 文献
[外部 リンク
[東京 国立 博物館 『類 爽雑要 抄 指図 巻 』巻 1下 (江戸 時代 書写 )、軟障を吊 した室 礼 の図 。