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軟障

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
智積ちしゃくいんの軟障
年中ねんじゅう行事ぎょうじ絵巻えまき』より
姫路城ひめじじょうにて

軟障(ぜじょう・ぜんじょう[1])は、日本にっぽん邸宅ていたく宮殿きゅうでんもちいられたぬの使つかった仕切しきり。装飾そうしょくせいたか壁代かべしろ一種いっしゅで、すだれ内側うちがわけて目隠めかくしにしたり、部屋へや部屋へやあいだ間仕切まじきわりとして使用しようした。しろ生絹きぎぬ6ぶくよこにつなげ、からたかまつ四季しき木々きぎえがいたり、物語ものがたりいち場面ばめんなど優雅ゆうが風景ふうけいえがいた。高松たかまつもちいたものをとくに「高松たかまつ軟障」といった。裏地うらじには白練しろねりきぬをつけ、上下じょうげ左右さゆうむらさきあやうらむらさき練絹ねりぎぬ)でひろえんをつけ、さらひもとおすためのちちみみ)をける。ときにはえん同質どうしつあやたたんでひもとしてもちいる。

12世紀せいき後半こうはんしるされた『まさあきら装束しょうぞくしょう』には軟障にえがくからのこと、室内しつないにひくひきかたとうについてつぎのように記載きさいされている。

高松たかまつの軟障をかかく。ひがしさんじょうにありしは、嵯峨野さがのかりせし少将しょうしょうをぞかかれたりし。これをたつることまれこと也。……母屋もやさんぽう御簾みすけておろしたるうえに、軟障とて幔のようなるきぬに、たかまつ本体ほんたいにて、四季しきどもをえがきたり。とう四季しきえがきたれば、はるひがしはじめてくべし。母屋もや御簾みすぼうがくしたさいに押ててくべし、もとひもを幔のようけてつなしたれども、つなしてはくべからず。つないとぐちは、御簾みすと軟障とのなか押隠おしかくして、えんなかにこはしのいたれてぼうがくしたさいに押てて、はしらにとぢつけたるがよきなり、たけみじかくて、したすだれがむなかへり、御簾みすふたつがいきあひをば、はなつきにひとのするなり、そのわろし。いちへりを引かさねてくべし。ただしあいだひろくて軟障はせまくば、ちがへることかなはじ、はなつきにすべし。

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ ゼンは漢音かんおん。ゼジョウはゼンジョウのンが発音はつおんされないもの。

参考さんこう文献ぶんけん

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外部がいぶリンク

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  • 東京とうきょう国立こくりつ博物館はくぶつかんるい爽雑ようしょう指図さしずまきまき1江戸えど時代じだい書写しょしゃ)、軟障をつるしたむろあや