酢酸さくさんブチル

酢酸さくさんブチル
IUPAC名めい	酢酸さくさんブチル
別名べつめい	酢酸さくさんn-ブチル
分子ぶんし式しき	C6H12O2
分子ぶんし量りょう	116.16
CAS登録とうろく番号ばんごう	123-86-4
形状けいじょう	無色むしょく液体えきたい
密度みつどと相そう	0.88 g/cm3,
融点ゆうてん	-74 °C
沸点ふってん	126 °C
SMILES	CCCCOC(C)=O

酢酸さくさんブチル（さくさんブチル、butyl acetate、酢酸さくさんn-ブチル）はラッカーの製造せいぞうなどに用もちいられる化学かがく物質ぶっしつである。

特徴とくちょう

バナナ様さまの甘あまい芳香ほうこうを持もつ無色むしょくの液体えきたいで、多おおくの果物くだものに微量びりょう芳香ほうこう成分せいぶんとして含ふくまれ、他たの物質ぶっしつと組くみ合あわさって特徴とくちょう的てきな香かおりを作つくっている。例たとえばリンゴ、特とくにレッド・デリシャスの香かおりの一部いちぶはこの物質ぶっしつである。他たに酢酸さくさんイソブチル、酢酸さくさんtert-ブチル、酢酸さくさんsec-ブチルの3種類しゅるいの構造こうぞう異性いせい体たいを持もつ。

用途ようと

香料こうりょう（食品しょくひん添加てんか）

• キャンディ、アイスクリーム、チーズなどに果物くだものの香かおりを付つける物質ぶっしつを製造せいぞうする原料げんりょうとして使つかわれる。

香料こうりょう以外いがい

• 溶剤ようざい（溶媒ようばい）や中間なかま原料げんりょうとして、塗料とりょうの希釈きしゃく、硝酸しょうさん繊維素せんいそ原料げんりょう、人造じんぞう真珠しんじゅ用よう塗料とりょう、天然てんねんゴム、医薬品いやくひん、接着せっちゃく剤ざいなどの製造せいぞうなどにも使用しようされる。OECDに報告ほうこくされている1999年ねんにおける生産せいさん量りょうは1万まんトン以上いじょうである。

製造せいぞう方法ほうほう

硫酸りゅうさん触媒しょくばいの存在そんざい下かにて、酢酸さくさんとn-ブタノールから酢酸さくさんブチルを合成ごうせいし、脱だつ低てい沸にえ蒸留じょうりゅう後ご、脱だっ高だか沸にえ蒸留じょうりゅうする。

安全あんぜん性せい

日本にっぽんの消防しょうぼう法ほうでは危険きけん物ぶつ第だい4類るい・第だい2石油せきゆ類るいに分類ぶんるいされる。動物どうぶつ実験じっけんでの半数はんすう致死ちし量りょう（LD₅₀）は、ラットへの経口けいこう投与とうよで14g/kg、ウサギへの経けい皮がわ投与とうよで5g/kg以上いじょう。