鉤かぎ虫ちゅう感染かんせん症しょう

Hookworm infection
別称べっしょう	Hookworm disease
Hookworms
概要がいよう
診療しんりょう科か	Infectious disease
症状しょうじょう	Itchiness, localized rash, abdominal pain, diarrhea
原因げんいん	Ancylostoma duodenale (old world hookworm), Necator americanus (new world hookworm)
危険きけん因子いんし	Walking barefoot in warm climates with poor sanitation
診断しんだん法ほう	Stool sample
合併症がっぺいしょう	Anemia, protein deficiency
予防よぼう	Not walking barefoot, stopping outdoor defecation
使用しようする医薬品いやくひん	Albendazole, mebendazole, iron supplements
頻度ひんど	428 million (2015)
分類ぶんるいおよび外部がいぶ参照さんしょう情報じょうほう

鉤かぎ虫ちゅう感染かんせん症しょう（こうちゅうかんせんしょう）は、腸ちょう内ない寄生虫きせいちゅうの一種いっしゅである鉤かぎ虫ちゅうによる感染かんせん症しょうである。感染かんせん初期しょきに感染かんせん部位ぶいにかゆみや発疹はっしんが発生はっせいすることがある。鉤かぎ虫ちゅうの数かずが少すくないと、症状しょうじょうがみられない場合ばあいがある。多数たすうの鉤かぎ虫ちゅうに感染かんせんした場合ばあい、腹痛はらいた、下痢げり、体重たいじゅうの減少げんしょう、倦怠けんたい感かん、などの症状しょうじょうがみられる。子供こどもの場合ばあい、精神せいしん的てきおよび肉体にくたい的てき発達はったつに害がいを与あたえる可能かのう性せいがある。貧血ひんけつを起おこす場合ばあいがある。

一般いっぱん的てきに人ひとに感染かんせんする鉤かぎ虫ちゅう感染かんせん症しょうには、鉤かぎ虫むし症しょうとアメリカ鉤かぎ虫むし症しょうの2つあり、それぞれ、鉤かぎ虫ちゅうドゥオデナーレ（Ancylostoma duodenale）とアメリカ鉤かぎ虫ちゅう（Necator americanus）が原因げんいんである。鉤かぎ虫ちゅうの卵たまごは感染かんせん者しゃの便びんに沈着ちんちゃくする。これらが幼虫ようちゅう（未熟みじゅくな鉤かぎ虫ちゅう）に孵化ふかして皮膚ひふに潜もぐり込こみ感染かんせんする。この他ほかにも、汚染おせんされた食品しょくひんから感染かんせんが拡散かくさんされることがある。危険きけん因子いんしには、衛生えいせい状態じょうたいが悪わるい温暖おんだんな気候きこうで裸足はだしで歩あるくことがあげられる。診断しんだんは、顕微鏡けんびきょうで便びんのサンプルを検査けんさすることによって判明はんめいする。

鉤かぎ虫ちゅう感染かんせん症しょうが一般いっぱん的てきにみられる地域ちいきでの個人こじんレベルの予防よぼうは、裸足はだしで歩あるかないことである。大衆たいしゅうレベルでの効果こうか的てきな予防よぼうは、屋外おくがい排泄はいせつを減へらすこと、生せいの糞便ふんべんを肥料ひりょうとして使用しようしないこと、大量たいりょうの駆虫くちゅうである。治療ちりょうは通常つうじょう、医薬品いやくひんのアルベンダゾールまたはメベンダゾールの1〜3日間にちかんの投与とうよである。貧血ひんけつの人ひとには鉄分てつぶんサプリメントの投与とうよが必要ひつような場合ばあいがある。

2015年ねんに鉤かぎ虫ちゅうに感染かんせんした人数にんずうは約やく4億おく2800万まん人にんである。重度じゅうどの感染かんせん症しょうは子供こどもと大人おとなの両方りょうほうにみられるが、一般いっぱん的てきに大人おとなの重症じゅうしょう化かはあまりみられない。鉤かぎ虫ちゅう感染かんせん症しょうが致命ちめい的てきとなることはまれである。鉤かぎ虫ちゅう感染かんせん症しょうは土壌どじょう伝播でんぱ蠕虫症しょうであり、顧かえりみられない熱帯ねったい病びょうに分類ぶんるいされる。