長田ながた幹雄みきお

長田ながた 幹雄みきお（ながた みきお、1905年ねん（明治めいじ38年ねん）3月1日にち - 1997年ねん（平成へいせい9年ねん）4月がつ10日とおか）は、岩波書店いわなみしょてんの元もと専務せんむ、竹久たけひさ夢ゆめ二に研究けんきゅう者しゃ。

1919年ねん（大正たいしょう8年ねん）に岩波書店いわなみしょてんに入いれ店てん以来いらい1972年ねん（昭和しょうわ47年ねん）に退職たいしょくするまで、『漱石そうせき全集ぜんしゅう』をはじめとする岩波書店いわなみしょてんの主要しゅよう出版しゅっぱん物ぶつにかかわり、編集へんしゅう・経営けいえいの両面りょうめんにおいて長ながく同どう書店しょてんの中心ちゅうしん的てき存在そんざいであり続つづけた。｢岩波いわなみ新書しんしょ｣の命名めいめい者しゃでもある。

経歴けいれき

長野ながの県けん諏訪すわ郡ぐん豊平とよひら村むら（現げん・茅野ちの市し）生うまれ。成人せいじんする前まえに父ちちをなくしたため、高等こうとう小学校しょうがっこうを14歳さいで卒業そつぎょうすると上京じょうきょうし、岩波書店いわなみしょてんに入はいる。

いわゆる『決定けってい版ばん漱石そうせき全集ぜんしゅう』（1935年ねん - 1937年ねん刊行かんこう）においては、企画きかくから出版しゅっぱんまで、小宮こみや豊隆とよたかを補佐ほさし、完成かんせいに最後さいごまで責任せきにんを持もった。その一部始終いちぶしじゅうは、以下いかの「参考さんこう文献ぶんけん」にある「編集へんしゅう日記にっき」に綴つづられているが、小宮こみやは著書ちょしょ『夏目なつめ漱石そうせき』（岩波書店いわなみしょてん、1938年ねん）の「序ついで」の最後さいごであえて長田ながたの名前なまえをあげて、謝意しゃいを表あらわしている。

　是ぜを書かき上あげるに就ついては、私わたしはいろんな人ひとの御ご世話せわを蒙こうむつた。私わたしは中なかに、一いち一いち出所しゅっしょを書かいて、それらの人々ひとびとに負ふふ所しょを明あきらかにしたが、然しかし引用いんようの都合つごう上じょう、或あるいは不知ふち不ふ識のうちに、出所しゅっしょを明記めいきする事ことを怠だるつた場合ばあいも、或あるいはあるかも知しれない。これは切せつに寛容かんようを祈いのりたい。ただ縁えんの下したの力持ちからもちとして、私わたしの爲ためにいろんな材料ざいりょうを集あつめ、いろんな調査ちょうさをしてくれたのみならず、最後さいごに原稿げんこうに眼めを通とおし、引用いんよう文ぶんの出入でいりその他たに丁寧ていねいな注意ちゅういを向むけてくれた岩波書店いわなみしょてんの長田ながた幹雄みきお君くんの好意こういに對たいしては、中なかで何なん所しょでも觸ふれやうがなかつた。此所に特記とっきして、謝意しゃいを表あらわしたいと思おもふ。　昭和しょうわ十じゅう三さん年ねん四よん月がつ二に十じゅう日にち — 小宮こみや豊隆とよたか、『夏目なつめ漱石そうせき』

編へん・著書ちょしょ

• 『夢ゆめ二に日記にっき』 （筑摩書房ちくましょぼう、1962年ねん）
• 『夢ゆめ二に本ほん』 （日本にっぽん古書こしょ通信つうしん社しゃ、1974年ねん）
• 『夢ゆめ二にと私わたし』 （日本にっぽん古書こしょ通信つうしん社しゃ、1998年ねん）

参考さんこう文献ぶんけん

• 小林こばやし勇いさむ 『惜櫟荘そう主人しゅじん 一ひとつの岩波いわなみ茂雄しげお伝でん』 講談社こうだんしゃ文芸ぶんげい文庫ぶんこ、1993年ねん
• 山下やました浩ひろし 「10:初期しょき漱石そうせき全集ぜんしゅうの未み公開こうかい資料しりょう――昭和しょうわ10年ねんの決定けってい版ばんと編集へんしゅう日記にっき（配本はいほん開始かいしまで）」

関連かんれん項目こうもく

• 竹久たけひさ夢ゆめ二に伊香保いかほ記念きねん館かん - 長田ながた幹雄みきおが収集しゅうしゅうした竹久たけひさ夢ゆめ二にコレクションを所蔵しょぞうしている。

外部がいぶリンク

• 夢ゆめ二に研究けんきゅう家か・長田ながた幹雄みきお記念きねん室しつ（本館ほんかん常設じょうせつ展てん） （竹久たけひさ夢ゆめ二に伊香保いかほ記念きねん館かん常設じょうせつ展示てんじ）