関口せきぐち安あん義よし

関口せきぐち 安あん義よし（せきぐち やすよし、1935年ねん9月23日にち - 2022年ねん12月17日にち）は、日本にっぽんの日本にっぽん近代きんだい文学ぶんがく研究けんきゅう者しゃ。都留文科大学つるぶんかだいがく名誉めいよ教授きょうじゅ。

略歴りゃくれき

埼玉さいたま県けん越谷こしがや市し生うまれ。早稲田大学わせだだいがく国文こくぶん科か卒そつ、同どう大学院だいがくいん博士はかせ課程かてい修了しゅうりょう、博士はかせ（文学ぶんがく）の学位がくいを取得しゅとく。都留文科大学つるぶんかだいがく講師こうし、助教授じょきょうじゅ、教授きょうじゅ。中国ちゅうごく河北かわきた大学だいがく、アメリカオレゴン大学だいがく、ニュージーランドワイカト大学だいがくなどで客員きゃくいん教授きょうじゅを務つとめる。定年ていねん退職たいしょく後ご、文教大学ぶんきょうだいがく教授きょうじゅ。2006年ねんに退職たいしょくした。

芥川あくたがわ龍之介りゅうのすけ研究けんきゅうで著名ちょめいだが、若わかい頃ころから、久米くめ正雄まさおの失恋しつれん事件じけんで悪役あくやくになった夏目なつめ漱石そうせきの女婿じょせい・松岡まつおか譲ゆずるに関心かんしんを持もち、長年ながねんかけ大著たいちょ評伝ひょうでんを1991年ねんに完成かんせい上梓じょうしした。1999年ねん、『芥川あくたがわ龍之介りゅうのすけとその時代じだい』で第だい8回かいやまなし文学ぶんがく賞しょう受賞じゅしょう。

ほかにも北原きたはら白秋はくしゅうの児童じどう詩し研究けんきゅう、また小説しょうせつ家かとして失敗しっぱいしフランス文学ぶんがく者しゃとして名なを成なした豊島としま与志雄よしお、芥川あくたがわの親友しんゆうで法学ほうがく者しゃの恒藤つねとう恭きょうや九州大学きゅうしゅうだいがくの教授きょうじゅとなった成瀬なるせ正一しょういち、児童じどう文学ぶんがく作家さっか・早船はやふねちよ、今西いまにし祐ゆう行ぎょうなど、今日きょうあまり照明しょうめいが当あたられていない文学ぶんがく者しゃの評伝ひょうでんを次々つぎつぎに上梓じょうしし、近代きんだい日本にっぽん文学ぶんがく作家さっかの伝記でんき研究けんきゅうでも多おおくの業績ぎょうせきがある。

2022年ねん12月17日にち、心不全しんふぜんのため死去しきょ。87歳さい没ぼつ。

著書ちょしょ

• 芥川あくたがわ龍之介りゅうのすけの文学ぶんがく 関東かんとう図書としょ 1968
• 豊島としま与志雄よしお研究けんきゅう 笠間かさま書院しょいん 1979
• 文学ぶんがく教育きょういくの課題かだいと創造そうぞう 教育きょういく出版しゅっぱん 1980
• 国語こくご教育きょういくと読者どくしゃ論ろん 明治めいじ図書としょ出版しゅっぱん 1986
• 評伝ひょうでん 豊島としま与志雄よしお 未み來社らいしゃ 1987
• 芥川あくたがわ龍之介りゅうのすけ実像じつぞうと虚像きょぞう 洋々ようよう社しゃ 1988
• 評伝ひょうでん 松岡まつおか譲ゆずる 小沢おざわ書店しょてん 1991
• 「羅生門らしょうもん」を読よむ 三省堂さんせいどう選書せんしょ 1992
  • 新版しんぱん 「羅生門らしょうもん」を読よむ 小沢おざわ書店しょてん 1999
• 芥川あくたがわ龍之介りゅうのすけの手紙てがみ 大修館書店たいしゅうかんしょてん 1992
• 芥川あくたがわ龍之介りゅうのすけ-闘たたかいの生涯しょうがい 毎日新聞社まいにちしんぶんしゃ 1992
• 評伝ひょうでん 成瀬なるせ正一しょういち 日本にっぽんエディタースクール出版しゅっぱん部ぶ 1994
• この人ひとを見みよ 芥川あくたがわ龍之介りゅうのすけと聖書せいしょ 小沢おざわ書店しょてん 1995
• 芥川あくたがわ龍之介りゅうのすけ 岩波いわなみ新書しんしょ 1995
• 特派とくは員いん芥川あくたがわ龍之介りゅうのすけ 中国ちゅうごくでなにを視みたのか 毎日新聞社まいにちしんぶんしゃ 1997
• 豊島としま与志雄よしおと児童じどう文学ぶんがく 夢ゆめと寓意ぐういの物語ものがたり 久山くやま社しゃ 1997
• 芥川あくたがわ龍之介りゅうのすけの復活ふっかつ 洋々ようよう社しゃ 1998
• 芥川あくたがわ龍之介りゅうのすけとその時代じだい 筑摩書房ちくましょぼう 1999
• 芥川あくたがわ龍之介りゅうのすけと児童じどう文学ぶんがく 久山くやま社しゃ 2000
• 恒藤つねとう恭きょうとその時代じだい 日本にっぽんエディタースクール出版しゅっぱん部ぶ 2002
• 芥川あくたがわ龍之介りゅうのすけの素顔すがお イー・ディー・アイ 2003
• 一ひとつの花はな 評伝ひょうでん今西いまにし祐ゆう行ぎょう 教育きょういく出版しゅっぱん 2004
• 芥川あくたがわ龍之介りゅうのすけの歴史れきし認識にんしき 新しん日本にっぽん出版しゅっぱん社しゃ 2004
• 悲運ひうんの哲学てつがく者しゃ 評伝ひょうでん藤岡ふじおか蔵六ぞうろく イー・ディー・アイ 2004
• 芥川あくたがわ龍之介りゅうのすけ永遠えいえんの求道きゅうどう者しゃ 洋々ようよう社しゃ 2005
• キューポラのある街まち 評伝ひょうでん早船はやふねちよ 新しん日本にっぽん出版しゅっぱん社しゃ 2006
• よみがえる芥川あくたがわ龍之介りゅうのすけ 日本にっぽん放送ほうそう出版しゅっぱん協会きょうかい(NHKライブラリー) 2006
• 世界せかい文学ぶんがくとしての芥川あくたがわ龍之介りゅうのすけ 新しん日本にっぽん出版しゅっぱん社しゃ 2007
• 賢治けんじ童話どうわを読よむ〈港みなとの人ひと児童じどう文化ぶんか研究けんきゅう叢書そうしょ3〉港みなとの人ひと 2008
• 「羅生門らしょうもん」の誕生たんじょう 翰林かんりん書房しょぼう 2009
• 評伝ひょうでん 長崎ながさき太郎たろう 日本にっぽんエディタースクール出版しゅっぱん部ぶ 2010
• 芥川あくたがわ龍之介りゅうのすけ新しん論ろん　翰林かんりん書房しょぼう 2012　
• 続つづけ 賢治けんじ童話どうわを読よむ〈港みなとの人ひと児童じどう文化ぶんか研究けんきゅう叢書そうしょ4〉港みなとの人ひと 2015　
• 評伝ひょうでん 矢内やない原はら忠雄ただお 新教しんきょう出版しゅっぱん社しゃ 2019
• 時代じだいを拓ひらく芥川あくたがわ龍之介りゅうのすけ 新しん日本にっぽん出版しゅっぱん社しゃ 2022
• 内村うちむら鑑三かんぞう 闘たたかいの軌跡きせき 新教しんきょう出版しゅっぱん社しゃ 2023

編著へんちょ

• 芥川あくたがわ龍之介りゅうのすけ研究けんきゅう 菊地きくち弘ひろし、久保田くぼた芳太郎よしたろう共編きょうへん 明治めいじ書院しょいん 1981
• 芥川あくたがわ龍之介りゅうのすけ事典じてん 菊地きくち弘ひろし、久保田くぼた芳太郎よしたろう共編きょうへん 明治めいじ書院しょいん 1985
• センダックを「読よむ」(児童じどう文学ぶんがく世界せかい) 中ちゅう教きょう出版しゅっぱん 1991
• 特集とくしゅう子こどものうた(児童じどう文学ぶんがく世界せかい) 中ちゅう教きょう出版しゅっぱん 1992
• アプローチ芥川あくたがわ龍之介りゅうのすけ 明治めいじ書院しょいん 1992
• 芥川あくたがわ龍之介りゅうのすけ研究けんきゅう資料しりょう集成しゅうせい 全ぜん10巻かん+別巻べっかん1 日本にっぽん図書としょセンター 1993
• 入門にゅうもん児童じどう文学ぶんがく(児童じどう文学ぶんがく世界せかい) 中ちゅう教きょう出版しゅっぱん 1993
• 自由じゆう詩しのひらいた地平ちへい 北原きたはら隆太郎りゅうたろう共編きょうへん 久山くやま社しゃ 1994
• 芥川あくたがわ龍之介りゅうのすけ全ぜん作品さくひん事典じてん 庄司しょうじ達也たつや共編きょうへん 勉つとむ誠まこと出版しゅっぱん 2000
• 芥川あくたがわ龍之介りゅうのすけ事典じてん 菊地きくち弘ひろし、久保田くぼた芳太郎よしたろう共編きょうへん 増ぞう訂てい版ばん 明治めいじ書院しょいん 2001
• 芥川あくたがわ龍之介りゅうのすけ旅たびとふるさと(「国文学こくぶんがく解釈かいしゃくと鑑賞かんしょう」別冊べっさつ) 至文しぶん堂どう 2001
• 松岡まつおか譲ゆずる三さん篇へん（EDI叢書そうしょ8）イー・ディー・アイ 2002
• 芥川あくたがわ龍之介りゅうのすけ新しん辞典じてん 翰林かんりん書房しょぼう 2003
• 芥川あくたがわ龍之介りゅうのすけ その知的ちてき空間くうかん(「国文学こくぶんがく解釈かいしゃくと鑑賞かんしょう」別冊べっさつ) 至文しぶん堂どう 2004
• アプローチ児童じどう文学ぶんがく 翰林かんりん書房しょぼう、2008
• 生誕せいたん120年ねん芥川あくたがわ龍之介りゅうのすけ 翰林かんりん書房しょぼう 2012