雖井蛙かえる流りゅう

雖井蛙かえる流りゅう（せいありゅう）は、日本にっぽんの剣術けんじゅつの流派りゅうは。江戸えど時代じだいの剣客けんかく深尾ふかお角かく馬ばが創始そうしした。鳥取とっとり藩はんで伝承でんしょうされ、現在げんざいは鳥取とっとり市し指定してい無形むけい文化財ぶんかざい。

概要がいよう

丹に石せき流りゅう、去さ水流すいりゅう、東ひがし軍ぐん流りゅう、卜伝ぼくでん流りゅう、神道しんとう流りゅう、新しん陰かげ流りゅう、タイ捨流、岩いわ流りゅう、戸田とだ流りゅうなど諸しょ流りゅうを修おさめた深尾ふかお角かく馬ばが、「井いの中なかの蛙かえると雖も大海たいかいを知しらざるべけんや」との意いで「雖井蛙かえる流りゅう平法ひらのり」と称しょうして創始そうしした。

兵法ひょうほうではなく平法ひらのりとしたのは、武士ぶしが平素へいそから稽古けいこすべき心得こころえを説といているからであるという。その技法ぎほうは、旧来きゅうらいの介かい者しゃ剣術けんじゅつが素肌すはだ剣術けんじゅつに改あらためられ、深尾ふかおが学まなんだ諸しょ流りゅうの技わざへの返かえし技わざで構成こうせいされている。

鳥取とっとり藩はん藩士はんし上野うえの忠ただし親おやは『井い蛙かえる語ご海うみ』などを著あらわし、それまでの口伝くでんを文書ぶんしょ化か（伝書でんしょ）した。鳥取とっとり藩はんの大だい部分ぶぶんを占しめる流儀りゅうぎとして栄さかえ、明治めいじ以降いこうも鳥取とっとり県けんにおいて松田まつだ秀彦ひでひこ、太田おおた義人よしひと、山根やまね幸恵ゆきえに継承けいしょうされた。

参考さんこう文献ぶんけん

• 『月刊げっかん剣道けんどう日本にっぽん』1976年ねん11月がつ号ごう、スキージャーナル
• 『月刊げっかん剣道けんどう日本にっぽん』1999年ねん8月がつ号ごう、スキージャーナル