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調和ちょうわせい

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
原子げんし分子ぶんしポテンシャルエネルギーたてじく)と原子げんし間隔かんかくよこじく)との関係かんけい原子げんし間隔かんかくちかすぎたりとおすぎたりすると、u0かって復元ふくげんりょくける(だまがくぼみのなか前後ぜんごころがっていると想像そうぞうするとよい)。あお曲線きょくせんは、分子ぶんし実際じっさいポテンシャル井戸いどちか関数かんすうあらわす。あか曲線きょくせん放物線ほうぶつせんであり、振動しんどうちいさい場合ばあいあお曲線きょくせん近似きんじとなっている。赤色あかいろ近似きんじでは、回復かいふくりょく-V'(u)変位へんいuたいして線形せんけいであるため、分子ぶんし調和ちょうわ振動しんどうとしてあつかっている。

古典こてん力学りきがくにおける調和ちょうわせい(ひちょうわせい、英語えいご: anharmonicity)とは、けい調和ちょうわ振動しんどうからのずれのこと。たん振動しんどう振動しんどうしない振動しんどう調和ちょうわ振動しんどう英語えいご: anharmonic oscillator)とばれ、けい調和ちょうわ振動しんどう近似きんじすることができ、摂動せつどう理論りろんもちいて調和ちょうわせい計算けいさんすることができる。同調どうちょうせいおおきい場合ばあいは、数値すうち解析かいせき使用しようする必要ひつようがある。

その結果けっか振動しんどう基本きほん周波数しゅうはすうとすると、などの振動しんどうすうをもつ振動しんどうあらわれる。 さらに、振動しんどうすう調和ちょうわ振動しんどう振動しんどうすうからずれる。 だいいち近似きんじでは、振動しんどうすうのシフト振動しんどう振幅しんぷくじょう比例ひれいする。

, , ... の固有こゆう振動しんどうすうをもつ振動しんどうけいでは、調和ちょうわせいにより振動しんどうすうをもつ振動しんどうられる。

調和ちょうわ振動しんどう量子りょうしろん

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調和ちょうわ振動しんどうのエネルギーじゅん

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れいとしてつぎのようなハミルトニアンであらわされる調和ちょうわ振動しんどうかんがえる。

調和ちょうわこう十分じゅうぶんちいさい()として1摂動せつどうまでかんがえると、調和ちょうわ振動しんどうエネルギーじゅんつぎのように調和ちょうわ振動しんどうのエネルギーじゅんからずれる[1]

ここでは、調和ちょうわ振動しんどうかず演算えんざん固有こゆう状態じょうたいである。ここで代入だいにゅうすると、生成せいせい消滅しょうめつ演算えんざんについての16こうられる。生成せいせい消滅しょうめつ演算えんざん昇降しょうこうせいにより、ゼロでない期待きたいあたえるのは2と2ふくこうのみである。よってこのこうのみを計算けいさんすると、つぎのようになる。よって調和ちょうわ振動しんどうのように等間隔とうかんかくなエネルギーじゅんではないことがわかる。

調和ちょうわ振動しんどう粒子りゅうしぞう

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フェルミ粒子りゅうしれい

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ぜんハミルトニアン自由じゆう状態じょうたい調和ちょうわ相互そうご作用さようあらわされ、それらが2種類しゅるいフェルミ粒子りゅうし生成せいせい消滅しょうめつ演算えんざんあらわされる場合ばあいかんがえる。

このぜんハミルトニアンは、ボゴリューボフ変換へんかん

によってつぎのようなたい角形かくがたになり、固有値こゆうちもとめることができる。

ここでかく量子りょうしのエネルギー、けい全体ぜんたいのエネルギーの自由じゆう状態じょうたいからのずれである。よって相互そうご作用さようハミルトニアンにあらわれる関数かんすうおおきさにかかわらず量子りょうしぞう保存ほぞんされる。[2]

ボース粒子りゅうしれい

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ぜんハミルトニアンが2種類しゅるいのボース粒子りゅうし生成せいせい消滅しょうめつ演算えんざんあらわされる場合ばあいかんがえる。

このときぜんハミルトニアンのたいかくこうえるような変換へんかんができるのは、

のときだけである。つまりボース粒子りゅうしでボゴリューボフ変換へんかん使つかえるのは相互そうご作用さようちいさいときのみである。相互そうご作用さようおおきいときには量子りょうしぞうこわれるのみならず、エネルギーに下限かげんくなり、物理ぶつりてき解釈かいしゃく困難こんなんになる。[2]

参考さんこう文献ぶんけん

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  1. ^ リチャード・P・ファインマンちょ西川にしかわ恭治きょうじ監訳かんやく「ファインマン統計とうけい力学りきがく」2009ねん、シュプリンガー・ジャパン
  2. ^ a b 高橋たかはしやすし量子りょうし問題もんだいから量子りょうしろんへ(物理ぶつりのたねあかし1)』講談社こうだんしゃ、1997ねん3がつISBN 978-4061551015