飛鳥あすか了りょう

飛鳥あすか 了りょう（あすか りょう）は、永井豪ながいごう作さくの漫画まんが『デビルマン』、『デビルマンレディー』、『バイオレンスジャック』他たに登場とうじょうする架空かくうの人物じんぶつ。

演えんじた人物じんぶつ

声優せいゆう

• 水島みずしま裕ひろし（OVA版ばん〈誕生たんじょう編へん・妖鳥死し麗うらら濡編〉、CBキャラ 永井豪ながいごうワールド）
• 関せき智一ともかず（AMON デビルマン黙示録もくしろく）
• 古澤ふるさわ徹とおる（PS版はんゲーム『デビルマン』）
• かかずゆみ（ゲーム『悪魔あくま雀すずめ〜デビルマージャン〜』）
• 保志ほし総一朗そういちろう（パチスロ『デビルマンII 悪魔あくま復活ふっかつ』）
• 日野ひの聡さとし（サイボーグ009VSデビルマン）
• 村瀬むらせ歩あゆみ（DEVILMAN crybaby）
• 藤村ふじむら真しん優ゆう（DEVILMAN crybaby・少年しょうねん時代じだい）
• 清里きよさと孝也たかや（パチンコ『Pデビルマン 〜疾風迅雷しっぷうじんらい〜』）

俳優はいゆう

• 伊崎右典いざきゆうすけ（実写じっしゃ映画えいが版ばん）

人物じんぶつ像ぞう

明あかり曰いわく天使てんしのように美うつくしい外見がいけん。また、作中さくちゅう(外伝がいでんも含ふくむ）に於おいて人前ひとまえではエキセントリックかつクールな性格せいかくだが、明あかり曰いわく「クールを気取きどるが虫むしも殺ころせないおしとやか」な性格せいかく。外伝がいでんでは明あかりの前まえで一人称いちにんしょうが「俺おれ」から「僕ぼく」に変化へんかするなど、相手あいてによって態度たいどに変化へんかがみられる。ゆえに了りょうが明あかりに対たいして少々しょうしょう猫ねこを被こうむっていると看做みなすことが出来できる場面ばめんも見受みうけられる。

多数たすうの永井豪ながいごう作品さくひんに『スター・システム』によって登場とうじょうしている。

『デビルマン』

不動ふどう明あきらの親友しんゆう。金髪きんぱつに青あおい目めの美少年びしょうねん。其その美貌びぼうは天使てんしすら連想れんそうさせるらしい。日本人にっぽんじんの父ちちと白人はくじんの母ははの間あいだに産うまれたハーフである。

本編ほんぺん中ちゅうで起おこったことではあるものの、当とう作品さくひんでは描えがかれなかった出来事できごとを纏まとめた外伝がいでんなどでは、不動ふどう明あかりを同性どうせいながら愛あいしてしまったゆえの懊悩おうのうが見みえ隠かくれする。

考古こうこ学者がくしゃであった父ちちの研究けんきゅうを引ひき継つぎ、デーモンの存在そんざいを知しる。そして、不動ふどう明あかりと共ともにデーモンとの合体がったいの準備じゅんびを整ととのえる。

しかし合体がったいには失敗しっぱいし、明あかりとデーモンの戦闘せんとうに巻まき込こまれ重傷じゅうしょうを負おう。そのかわりテレパシー能力のうりょくが身みについたようで、入院にゅういん中ちゅうに明あかりのピンチを察さっし駆かけつけたりなどしている（テレパシーは了りょうではなく、内うちなる「了りょうの正体しょうたい」の無意識むいしき下かの意思いしによる産物さんぶつである可能かのう性せいが外伝がいでん「新しんデビルマン」で示唆しさされている）。

デーモンと合体がったいし逸はぐれた普通ふつうの人間にんげんとして、世界せかいが混乱こんらんに陥おちいっていくさまを非常ひじょうに恐おそれているが、徐々じょじょに事件じけんが自分じぶんの考かんがえ通どおりに展開てんかいしていくことに疑問ぎもんを抱いだくようになる。

牧村まきむら美樹みきが不良ふりょうに絡からまれ、不動ふどう明あかりが困惑こんわくしながらも美樹みきを救出きゅうしゅつしようと行動こうどうしていた際さいに現あらわれ、「（美樹みきを救すくうことよりも）俺おれの用ようの方ほうが重要じゅうようだ 来こい!!」と発言はつげん。それでも美樹みきを救すくおうとする明あかりと自分じぶんに対たいして不良ふりょうが挑発ちょうはつすると、猟銃りょうじゅうを改造かいぞうした銃じゅうを発砲はっぽうして、その件けんを強制きょうせい的てきに終おわらせるなど、中なか々にして強引ごういんな面めんがある。不動ふどう明あかりが危機ききに瀕ひんした際さいには、いち早はやく彼かれを救出きゅうしゅつするために赤あかの他人たにんを脅おどしてもいる。

女性じょせいに割われたガラス瓶がらすびんを突つき刺さし、高笑たかわらいするなど、かなりの暴力ぼうりょく性せいを秘ひめている。

また、「デーモンハンター回かい」などで見みられるように、明あかりと二に人にんきりの時ときは他者たしゃに採とる高こう圧あつ的てきな態度たいどが無なくなり、口調くちょうが若干じゃっかん変化へんかする。

麻薬まやく入いりの煙草たばこを吸すっている。どの時点じてんから吸すい始はじめたのか、またその後ご煙草たばこを止とめたのかは不明ふめい。

初はつ登場とうじょうには睡眠すいみん不足ふそくのような目付めつきだったが、徐々じょじょに直なおっていった。

また、上述じょうじゅつした通とおり、暴力ぼうりょく的てきで強引ごういん、高こう圧あつ的てきな態度たいどを他者たしゃに取とるが、同時どうじに明あかりの危機ききにはデーモンの猛者もさにすら臆おくすること無なく立たち向むかう勇敢ゆうかんな性格せいかくでもある。

因ちなみにペットとしてカナリアや犬いぬを飼かっていた。

不動ふどう明あかり曰いわく、まだ中学ちゅうがく時代じだいの彼かれには本編ほんぺん中ちゅうの暴力ぼうりょく性せいは見みられなかったらしい。実際じっさいに、中学ちゅうがく時代じだいの明あかりと了りょうが描写びょうしゃされた外伝がいでん「ネオデビルマン（永井豪ながいごう 直筆じきひつ部分ぶぶん）」では、確たしかに明あかりとのやり取とりは非常ひじょうに柔和にゅうわではあった。併し、「喧嘩けんか売うってる？」と謂いう旨むねの発言はつげんもその物語ものがたり中ちゅうでしており、本編ほんぺん中ちゅうの了りょうの暴力ぼうりょく性せいの片鱗へんりんが見みえている。だが、不動ふどう明あかりはそんな彼かれを、外伝がいでん「新しんデビルマン」に於おいて虫むしも殺ころせないおしとやかな性格せいかくと評ひょうしている。

麻薬まやくの所持しょじ、猟銃りょうじゅうの改造かいぞうの他ほか、免許めんきょ証しょうの偽装ぎそうや一般人いっぱんじんへの暴行ぼうこう、個人こじん情報じょうほうの抽出ちゅうしゅつなど、平然へいぜんと法ほうを破やぶっていた。

「デーモンハンター回かい」や物語ものがたり終盤しゅうばんなどで見みられるように、緊張きんちょう状態じょうたいでは顔かおを引ひき攣つらせながら笑わらう傾向けいこうにある。

了りょうは銃じゅうなどの所持しょじについて自身じしんの身みに危険きけんを感かんじていることを理由りゆうにしていたが、『激げきマン！デビルマンの章あきら』によると、銃じゅうの所持しょじは不動ふどう明あかりを危険きけんから守まもるため。実際じっさい上作じょうさく中ちゅうで銃じゅうを使用しようした場面ばめんは明あかりが不良ふりょうに絡からまれていた時ときと明あかりがデーモンに殺ころされそうになった時ときの二ふたつのみである。

なお、テレビアニメ版ばん『デビルマン』では、彼かれに容姿ようしが似にている「氷こおり村むら巌いわお」が登場とうじょうしているが、飛鳥あすか了りょうは登場とうじょうしない。『激げきマン! デビルマンの章あきら』によると、物語ものがたりの導入どうにゅうに際さいして「案内あんない人じん」として設定せっていした人物じんぶつであり、デビルマンが登場とうじょうした時点じてんで死しんだのだが、永井ながいはストーリーの続つづきが描えがけなくなったため担当たんとうの意見いけんもあって強引ごういんに「生いきていたこと」にして出演しゅつえんが続行ぞっこうとなった。そのためアニメ側がわからも代替だいたいのキャラを求もとめられて氷こおり村むらをデザインしたとのこと。

外伝がいでん作品さくひん

『新しんデビルマン』:主おもに本編ほんぺんで描えがかれなかった、本編ほんぺん中ちゅうの時とき系列けいれつの間あいだに存在そんざいしている二に人にんきりでのタイムトラベルが描えがかれている。

特とくに新しんデビルマンでは飛鳥あすか了りょうとしての明あかりへの激はげしい恋慕れんぼが明確めいかくに描えがかれている。それは明あかりに「ぼ、僕ぼくは女おんなに興味きょうみはない」「本当ほんとうなんだ」と告白こくはく紛まがいの発言はつげんを行おこなっていることから確認かくにんできる。

そして本編ほんぺんのアーマゲドン（ハルマゲドン）が起おこる直前ちょくぜんに了りょうから明あかりに会あいに行いったが、明あきらはまるで了りょうの存在そんざいを認知にんちしていないかのように無視むしし、通とおりすぎて行いってしまった。

了りょうの表情ひょうじょうは明あかりが通とおりすぎて行いく最中さいちゅうの三さんコマで微々びびたるものだが哀かなしみを帯おびてゆき、ページ最後さいごの一いちコマの了りょうの表情ひょうじょうは窺うかがい知しることはできない。

『ネオデビルマン』:原作げんさく者しゃである永井豪ながいごうによる直筆じきひつ部分ぶぶんでは、明あかりとの初はじめての出会であいが描えがかれている。そして仲なかが急速きゅうそくに深ふかまった二人ふたりは共ともにピクニックにまで行いくように。しかし姿すがたは飛鳥あすか了りょうであるが、意識いしきが既すでに飛鳥あすか了りょうであるなら、不可解ふかかいな言動げんどうがある。

『夏なつの日ひ』:また、完全かんぜん描えがき下おろしの海水浴かいすいよく回かい「夏なつの日ひ」でも明あかりへの恋愛れんあい感情かんじょうと美樹みきへの猛烈もうれつな嫉妬しっとが描写びょうしゃされており、美樹みきと明あかりが二人ふたりで泳およいでいる最中さいちゅうに5ページに渡わたり美樹みきを睨にらんでおり、無意識むいしきに悪魔あくまを呼よび寄よせ、美樹みきを殺ころしかけてしまった。

そして二人ふたりをみて明あかりが自分じぶんを睥睨へいげいし、自分じぶんからはなれて美樹みきの元もとへと向むかう悪夢あくむに魘うなされている。

しかし、美樹みきの異変いへんに気付きづいた明あきらは彼女かのじょを救出きゅうしゅつ。その後ご夕日ゆうひに照てらされながら肌はだを寄よせ合あう二人ふたりが描えがかれている。美樹みきを殺ころすという行動こうどうは皮肉ひにくにも明あかりと美樹みきの距離きょりを縮ちぢめる要因よういんとなってしまった。

小説しょうせつ版ばん 『真しん・デビルマン』

設定せっていはほとんど原作げんさく準拠じゅんきょ。ただし、不動ふどう明あかりに絡からんでいた不良ふりょうに対たいして、原作げんさくは猟銃りょうじゅうを発砲はっぽうしたが、小説しょうせつ版ばんは牽制けんせいのみなど、性格せいかくは少々しょうしょう温厚おんこうになっている。しかし彼かれの仕草しぐさや外見がいけんに対たいする文章ぶんしょう表現ひょうげんは原作げんさくよりもやや女性じょせい的てきになっている。原作げんさく漫画まんが版ばんと同おなじく矢や張はり明あかりと美樹みきの関係かんけいには思おもうところがある様子ようす。

また、原作げんさくとは違ちがい牧村まきむら美樹みきが明あかりと了りょうの仲なかに嫉妬しっとしている場面ばめんがある（原作げんさく漫画まんがは了りょうの初はつ登場とうじょうと描えがき下おろし「夏なつの日ひ」以外いがい接触せっしょくしていない）。

続編ぞくへん『バイオレンスジャック』

如月きさらぎハニーの生いき別わかれの兄あにとして関東かんとうで暮くらしていた。

大だい地震じしん後ごは魔王まおうスラムキングの店みせでボーイとして働はたらいていたが、恋人こいびと（厳密げんみつには誤あやまり。詳細しょうさいは項目こうもく「サタン」で記述きじゅつ。）である牧村まきむら美樹みきがキングの愛人あいじんに見初みそめられたことで2人ふたりで逃亡とうぼうを図はかる。

しかし発見はっけんされてしまい、見みせしめのためスラムキングに四肢ししを切きり落おとされた人ひと犬けんの身みに落おとされることになる。

出番でばんそのものは多おおくはないが、物語ものがたりの鍵かぎを握にぎるキャラクターとして最後さいごに正体しょうたいが明あかされる。

続編ぞくへん『デビルマンレディー』

不動ふどう明あかりの回想かいそうにのみ登場とうじょう。

明あかりにとっては飛鳥あすか了りょうと後述こうじゅつのある存在そんざいは同どう一いち視し出来できる者ものであることがわかった。明あかりにとって彼かれは自身じしん（明あきら）が地獄じごくに陥おちいった原因げんいんであり、憎にくしみであるが、如何いかなる意味いみであれ、それでもなお不動ふどうは了りょうを好すきであり、明あきらは了りょうを「出来できることなら理解りかいしたい」と述のべている。

実写じっしゃ版ばん『DEVILMAN』

不動ふどう明あかりの親友しんゆうとして登場とうじょう。不動ふどう明あかりと幼おさななじみである、本編ほんぺん中ちゅうでも同おなじ学校がっこうに通かよっている（原作げんさくは明あかりが転校てんこうし了りょうから離脱りだつ）など、原作げんさくとの差異さいも見みられる。

明あかりのモノローグでは、普段ふだんから少々しょうしょう言動げんどうが珍奇ちんきであったと評ひょうされている。

授業じゅぎょう中ちゅうに不動ふどう明あかりに危害きがいを加くわえた者ものの居いる教室きょうしつに乗のり込こみ、指ゆびを切きり落おとすなどの暴力ぼうりょく性せいを見みせる反面はんめん、学校がっこうの無断むだん欠席けっせきを咎とがめられた際さいには直すぐに謝罪しゃざいするなど、礼儀れいぎ正ただしさも併あわせ持もつ。原作げんさくは白人はくじんの血ちが入はいったハーフであるが、こちらは純じゅん日本人にっぽんじん。美形びけいであることとプロポーションが整ととのっている点てんは共通きょうつう。

不動ふどう明あかりには言動げんどう共どもに非常ひじょうに思慮しりょ深ふかくあり、上記じょうきのように明あかりと敵対てきたいする者ものへ過度かどに攻撃こうげき的てきになったり、例れいの加害かがい者しゃとは別べつの件けんで明あかりを三さん人にんがかりで暴行ぼうこうした者ものへは明あかりとの約束やくそくを破やぶってでも報復ほうふくしようとするなど獰猛どうもうな姿すがたを見みせる。しかし明あかりが煩悶はんもんしている際さいには一言ひとことではあるが、明あかりがその心理しんり状態じょうたいから立たち直なおるために十分じゅうぶんな言葉ことばを投なげ掛かけてもいる。少々しょうしょう一般いっぱんから逸はぐれた価値かち観かんを有ゆうするが、明あきらに対たいしての気配きくばりは真正しんせいである。

crybaby版ばんと幾いくらか共通きょうつう点てんが見みられるが、終盤しゅうばんに「お前まえだけは好すきだった」と不動ふどう明あかりに対たいして発言はつげんしており、自分じぶんの抱いだく感情かんじょうに明確めいかくな理解りかいがある点てんはcrybaby版ばんと対照たいしょう的てきである。

明あかりと美樹みきが二に人にんしか居いない空間くうかんで話はなしていた「神かみの存在そんざいの有無うむ」について、後々あとあと明あかりに「神かみはいたか?!」と問といかけており、crybaby版ばんと同おなじく、どこかしらで明あかりを監視かんしまたは盗聴とうちょうしている可能かのう性せいが示唆しさされている。

さらには上記じょうきのように自分じぶんが相手あいてに抱いだく好意こういには自覚じかくがあるが、牧村まきむら美樹みきに好意こういを寄よせる不動ふどう明あかりが彼女かのじょに笑顔えがおを向むけた際さいには「何なにで笑わらってるんだ？お前まえ」と明あかりの笑顔えがおに疑問ぎもんを持もっており、（明あきら含ふくめ）他者たしゃが誰だれかに向むける愛あいに対たいしてはcrybaby版ばんと同様どうように鈍にぶいところがあると言いえる。

上述じょうじゅつの通とおり、実写じっしゃ版ばんとそれより幾分いくぶんも後のちに製作せいさくされたcrybaby版ばんは陸上りくじょう競技きょうぎ、ラップ要素ようそ、飛鳥あすか了りょうの言動げんどうなど、幾いくらかの共通きょうつう点てんがある。

アニメ版ばん『DEVILMAN crybaby』

本人ほんにん曰いわく嫌きらわれ者しゃ。

物語ものがたり冒頭ぼうとうで描写びょうしゃされた不動ふどう明あかりに出会であう前まえの幼少ようしょう期きに当あたる彼かれの瞳ひとみには生気せいきが宿やどっておらず、陰鬱いんうつな表情ひょうじょうであったが、不動ふどう明あかりに「大丈夫だいじょうぶ？」と声こえを掛かけられ、手てを差さし伸のべられてから瞳ひとみが光ひかりを取とり戻もどした。その際さい彼かれに「大丈夫だいじょうぶ。怖こわくない。怖こわくない」と宥なだめられており、非常ひじょうに周囲しゅういに対たいして恐怖きょうふを抱だいていた様子ようす。

持もち前まえの頭脳ずのうでかなり裕福ゆうふくな暮くらしを営いとなんでおり、不動ふどう明あかりにバイクや携帯けいたい、高級こうきゅうな食糧しょくりょうなどを買かい与あたえている。だが同時どうじに了りょうはその携帯けいたいから明あかりが自分じぶん以外いがいの人間にんげんと喋しゃべった言葉ことばを録音ろくおん、盗聴とうちょうしており、また、明あかりの母ははの携帯けいたいから無断むだんで明あかりの写真しゃしんをダウンロードしている。

この作品さくひんの彼かれは不動ふどう明あかりへの愛あいを自覚じかくしていない。しかしながら、明あかりに食物しょくもつを食たべさせて貰もらった際さいに自分じぶん（了りょう）の瞳ひとみを小刻こきざみに震ふるわせていたり、幼少ようしょう期きから雨あめで濡ぬれた明あかりに静しずかに傘かさを差さすなどの、不動ふどう明あかりへの確たしかな愛情あいじょう表現ひょうげんを行おこなっている（傘かさを差さすとは愛情あいじょう表現ひょうげんの一ひとつであり、一般いっぱんに傘かさを差さし出だしている方ほうが差さされている方ほうへ深ふかい愛情あいじょうを向むけている）。

実写じっしゃ版ばんと同おなじく、明あかりに何なにかしらの被害ひがいを与あたえた輩やからには幼おさないころから報復ほうふくを行おこなっていたらしい。また実写じっしゃ版ばん同様どうように、明あきら以外いがいへの異常いじょうな暴力ぼうりょく性せいと、時折ときおり見みせる礼儀れいぎ正ただしさを併あわせ持もつ。

明あかりの靴くつを盗ぬすんだ三さん人にん（実写じっしゃ版ばんも暴行ぼうこうして報復ほうふくされたのは三さん人にん）に具体ぐたい的てきに何なにをしたのかは描写びょうしゃされていないが、明あかりの靴くつを盗ぬすんだ三さん人にんが先まず映うつり、次つぎに彼かれらを睨にらみ付つける了りょう、最後さいごに了りょうが取とり返かえした明あかりの靴くつと共ともに例れいの三さん人にんの靴くつも明あかりの元もとへ持もって来きている描写びょうしゃがある。

因ちなみにこの作品さくひんでも牧村まきむら美樹みきを殺害さつがいしようとしている。

なお、明あかりへの自みずからの深ふかい愛あいは自覚じかくはしていないものの、「お前まえが必要ひつようなんだ」「お前まえしか俺おれが信用しんよう出来できる者ものがいない」「お前まえが信しんじられるのは俺おれだけだ」など、ただ愛あいを自覚じかくしていないだけで、かなり感情かんじょう表現ひょうげんには素直すなおである。

自分じぶんの不動ふどう明あかりへ抱いだく愛あいに無自覚むじかくのうちは、人ひとが他者たしゃへ抱いだく感情かんじょうを理解りかい出来できずにいた。

OVA版ばん

明あかりに恋こいした理由りゆうを除のぞけば大おおまかには原作げんさく通どおり。ただし牧村まきむら美樹みきとの仲なかは全ぜん作品さくひんで最もっとも険悪けんあくだと言いっても過言かごんではない。睨にらみながらではあるが挨拶あいさつをした美樹みきに対たいして了りょうは無視むしし、美樹みきは了りょうの美うつくしさに嫉妬しっとを覚おぼえ、了りょうは自身じしんが明あかりに同行どうこうを要求ようきゅうした際さいに美樹みきも付ついて来こようとしたところ、ナイフを突つき付つけている。その際さいに美樹みきも驚おどろきはしたが、了りょうを睨にらみ続つづけていた。

自分じぶんと明あかりに襲おそい掛かかったデーモンが飛散ひさんした際さいに、その血ちを浴あびてしたり顔がおになるなど、原作げんさくよりさらに暴力ぼうりょく的てきになっている。

自身じしんに好意こうい的てきな女性じょせいに対たいしても尊大そんだいな態度たいどを採とっている。

ドラマCD『デビルマン伝説でんせつ』

自身じしんの本当ほんとうの正体しょうたいを知しり、不動ふどう明あかりに「どうか新しん世界せかいに生いきてくれ」と自分じぶんの思おもいの丈たけを語かたった。しかし、その場面ばめんは既すでに本来ほんらいの記憶きおくが戻もどった後のちがゆえに、飛鳥あすか了りょうと謂いうのは厳密げんみつには間違まちがいである可能かのう性せいがある。

『CBキャラ 永井豪ながいごうワールド』

この作品さくひんの途中とちゅうで了りょうが本来ほんらいの記憶きおくを取とり戻もどしていることが分わかるが、どの段階だんかいで取とり戻もどしたかは不明ふめいなので、一先ひとまず記憶きおくを取とり戻もどしていたと判明はんめいした場面ばめんまでは飛鳥あすか了りょうの人格じんかくだと仮定かていした上うえで記述きじゅつする。

パロディの世界せかいに突如とつじょ自分じぶんたちが入はいり込こんでしまったことを知しり、不動ふどう明あかりに報告ほうこくしようと、明あかりが居候いそうろう中ちゅうの牧村まきむら家かの自宅じたくに無断むだんで上あがり込こむ。

最初さいしょは落おち着つき払はらっていたが、しかし、白人はくじんの血ちが入はいったハーフの美少年びしょうねんでスタイルが抜群ばつぐんに良よかった自分じぶん自身じしんが、パロディの世界せかいに入はいったことでギャグ調ちょうの見みた目めになったことを指摘してきされると激昂げっこう。牧村まきむら家かの中なかで躊躇ちゅうちょ無なく銃弾じゅうだんを放はなっている。結果けっか的てきには明あかりに命中めいちゅうしたが、明あかりを狙ねらったのか美樹みきを狙ねらって撃うったが明あかりが美樹みきを庇かばったのかは不明ふめい。

彼かれはこの作品さくひん中ちゅうで（ギャグの世界せかいだとと謂いうこともあるが）情緒じょうちょ不安定ふあんてい気味ぎみに描えがかれており、怒おこると周まわりが見みえなかったり、自分じぶんが現在げんざい攻撃こうげきしてる相手あいてが誰だれかわからなくなっている節ふしがある（というか注意ちゅうい散漫さんまん気味ぎみ）。

今いま作さくでも、やはり原作げんさく漫画まんがや小説しょうせつ同様どうように美樹みきを敵視てきししており、明あきら、美樹みき、了りょうの三さん人にんの野宿のじゅくで了りょうに注目ちゅうもくすると、上述じょうじゅつの「夏なつの日ひ」の彼かれには及およばずとも邪魔じゃまと言いわん許もとに美樹みきを睨にらみ付つけており、実際じっさいこの作中さくちゅうで見殺みごろしの件けんも含ふくめると二に回かいほど、美樹みきを殺ころそうとしていた。

さらにその内うちの一ひとつでは、「俺おれと明あかりの邪魔じゃまをする小娘こむすめ（美樹みき）！死しぬが良よい!!」と発言はつげんし、自みずからの手てで美樹みきを殺害さつがいしかけた。

この作品さくひん世界せかいの真実しんじつを不動ふどう明あかりも認知にんちし、彼かれと対立たいりつした際さいには静しずかに涙なみだを流ながした。

この世界せかいでも明あかりに対たいしての配慮はいりょには力ちからを注そそいでおり、「明あかりを傷付きずつけることだけはやめて貰もらおう」と敵てきを脅おどしていた。

上記じょうきの通とおり情緒じょうちょ不安定ふあんていで、明あかりが自分じぶんを置おいて美樹みきの元もとへ向むかった後のち、佇たたずみながら気取きどっていたが、刹那せつな「バッキャロー!!!」と叫さけびながら涙なみだを浮うかべ、「俺おれを見捨みすてた奴やつは皆殺みなごろしだぁ～もう!!」と幼稚ようちな言動げんどうを採とるなど、精神せいしん的てきに少々しょうしょう幼おさない面めんもある。

サタン

飛鳥あすか了りょうの正体しょうたい。

白しろく輝かがやく6対ついの翼つばさを持もち、不動ふどう明あかりを愛あいしている耽美たんびな堕天使だてんし。創造そうぞう神しんの一いち柱はしらでもある。

元々もともとは天使てんしであり、「暁あかつきのルシファー」、「明あけの明星みょうじょう」と呼よばれるほど、天使てんしの間あいだでも並外なみはずれた美うつくしさを誇ほこっていた。サタンの作中さくちゅうで確認かくにんされている人間にんげん態たいである飛鳥あすか了りょう、不動ふどうジュンは白人はくじんの血ちが入はいっているハーフ、アスカ蘭らんは純粋じゅんすいな白人はくじんということから、客観きゃっかん的てきに見みてサタンは人間にんげんの人種じんしゅでいえば白人はくじんに近ちかい外観がいかんであることは間違まちがいない。

また、原作げんさく者しゃ直筆ちょくひつ部分ぶぶんの『ネオデビルマン』に於おける「アーマゲドン」の加筆かひつで戦たたかう最中さいちゅうに微笑ほほえむ場面ばめんがあるなど、好戦こうせん的てきな節ふしがある。「天使てんし長ちょうルシフェル」とも呼よばれ、その力ちからも絶大ぜつだい。

手足てあしや舌したが切断せつだんされても、何なん度どでも再生さいせいできるフォトン体たい。想像そうぞう力りょくで全すべてを生うみ出だせる。

『デビルマン』（サタン）

自みずから創つくり出だした生命せいめいであるはずのデーモン（悪魔あくま族ぞく）を恐おそれ忌いみ嫌きらい滅ほろぼそうとする神かみたちに反逆はんぎゃくし、デーモン側がわに味方みかたしたことで天界てんかいを追おわれて堕天使だてんしとなった。他たの天使てんしたち同様どうように男女だんじょ両方りょうほうの性せいを有ゆうするため、胸むねには女性じょせいの象徴しょうちょうともいえる乳房ちぶさが、股間こかんにはヒトの男性だんせい生殖せいしょく器き同様どうように陰茎いんけいと陰嚢ふぐりが確認かくにんできる。『週刊しゅうかん少年しょうねんマガジン』連載れんさい以降いこうに作者さくしゃが描えがいたサタンには、金色きんいろの陰毛いんもうが描えがかれている。

デーモンの首領しゅりょうとして神かみたちとの戦たたかいに勝利しょうりし、次つぎなる戦たたかいに備そなえて自みずから氷ごおりの中なかで二に百ひゃく万まん年ねんの眠ねむりについたが、再ふたたび目覚めざめた時ときに人間にんげんたちが地球ちきゅうを支配しはいしていることに激はげしく憤いきどおり、抹殺まっさつしようと画策かくさくする。

交通こうつう事故じこで死しんだ飛鳥あすか了りょうの身分みぶんを手てにいれ、サイコジェニーの能力のうりょくでサタンの記憶きおくを一時いちじ的てきに消去しょうきょし、心身しんしんともども人間にんげん「飛鳥あすか了りょう」（ただし本編ほんぺんでの言及げんきゅうに拠よると人格じんかく操作そうさはしていない模様もよう）となっていたが、それは人類じんるい抹殺まっさつ計画けいかくをより完璧かんぺきにするための演出えんしゅつであり、サイコジェニーたちと再会さいかいした際さいに全すべてを思おもい出だし、サタンとしての人類じんるい抹殺まっさつ計画けいかくを本格ほんかく的てきに始動しどうさせる。

その目論見もくろみ通どおり、人類じんるいはデーモンによる恐怖きょうふで自滅じめつし、計画けいかくは成功せいこうしたかに思おもわれた。

だが、唯一ゆいいつの誤算ごさんが存在そんざいした。両性りょうせい生物せいぶつである堕天使だてんしサタンは、正義せいぎを愛あいする心しん優やさしい少年しょうねん 不動ふどう明あかりを愛あいしてしまっているのだ。

不動ふどう明あかりを愛あいしているサタンは、彼かれの人格じんかくを残のこしたままデーモンの新しん世界せかいに生いき残のこらせようとする。

全すべてを知しった明あきら＝デビルマンとの最終さいしゅう決戦けっせん「アーマゲドン」に生いき残のこった後のち、デーモンによる人類じんるい抹殺まっさつがかつて神かみがデーモンを滅亡めつぼうさせようとしたことと同おなじであることに気きづき、息いき絶たえた明あかりに懺悔ざんげしながら涙なみだを流ながす。

サタンの行動こうどうは原作げんさく漫画まんがと原作げんさく者しゃによる本編ほんぺんの中なかで起おこっていたことを加筆かひつした外伝がいでん作品さくひんの描写びょうしゃを原拠げんきょに、順じゅんを追おうと以下いかのようになる。

神かみの右腕うわんとして活動かつどう。

デーモンをただ醜みにくいという理由りゆうで滅ほろぼそうとした神かみに反逆はんぎゃくする（描えがき下おろし版ばん第だい一いち章しょう：神話しんわ大戦たいせん）。神かみに勝利しょうりし、次つぎの攻撃こうげきに備そなえてデーモンと共ともに眠ねむりにつく。

氷こおりから目覚めざめた後のち、どこかで不動ふどう明あかりに恋こいに落おちる。

その後ご明あかりの通かよう学校がっこうに潜入せんにゅう。

明あかりを洗脳せんのうし、飛鳥あすか了りょう（サタン）を昔むかしからの親友しんゆうとする記憶きおくを植うえ付つけ、不動ふどう明あかりの親友しんゆう、飛鳥あすか了りょうとして振ふる舞まい始はじめた（外伝がいでん「ネオデビルマン」永井豪ながいごう直筆じきひつ部分ぶぶんより）。

上述じょうじゅつの一連いちれんの出来事できごとの最中さいちゅう、了りょうは明あかりの優やさしさに触ふれた直後ちょくご、「だから明あかりの親友しんゆうになった」と発言はつげんしており、その瞬間しゅんかんに明あかりを上記じょうきの通とおりに洗脳せんのうし、その時とき初はじめてサタン（了りょう）と不動ふどう明あかりは親友しんゆうになった。

この発言はつげん内容ないようがサタンが明あかりに恋こいに落おちた理由りゆうを示しめしているのか、それとも洗脳せんのうの契機けいきとなる発言はつげんとしての役割やくわりを担になっていたのか、乃至ないしはその両方りょうほうの意義いぎがあったのかは定さだかではない。

また、洗脳せんのう前まえの明あかりが飛鳥あすか了りょうという名前なまえに無む反応はんのうだったことから、本物ほんもの（サタンの成なり代かわりではない）の飛鳥あすか了りょうと不動ふどう明あかりに接点せってんはないようだ。

そして、明あかりと了りょう（サタン）はその後ごに親交しんこうを深ふかめ、二人ふたりだけで登山とざんするまでに至いたる。

了りょうは明あかりを登山とざんに誘さそったのは明あかりに地球ちきゅうの美うつくしさを知しって欲ほしかったからと発言はつげんしており、この時点じてんでは完全かんぜんにサタンの意識いしきは消きえていない可能かのう性せいがある。

それから父ちちの海外かいがい勤務きんむにより明あかりは父ちちの親友しんゆうの娘むすめである牧村まきむら美樹みきの家いえで暮くらすようになり、サタンと離はなれてしまう。

そしてその1ヶ月かげつ後ご、本編ほんぺんが開始かいしする。

明あかり曰いわく、その1ヶ月かげつで了りょうの性格せいかくは変かわってしまったらしい。

麻薬まやく入いりのタバコを常用じょうようしているのが原因げんいんかもしれないという意見いけんもある。本編ほんぺんでの外見がいけんの変化へんかも、明あかりと再会さいかいしデーモンへの心しんの負担ふたんが軽減けいげんしたことで、麻薬まやくを絶たったとすれば説明せつめいがつくが、飛鳥あすか了りょうの外見がいけんの変化へんかに本編ほんぺん中ちゅうでの言及げんきゅうはない。

ただ、明あかりをして、飛鳥あすか了りょうは天使てんしのように美うつくしいと言いわれており、飛鳥あすか了りょうが絶大ぜつだいな美貌びぼうを持もっていることは明あきらかである（実際じっさいに、白人はくじんとのハーフという身分みぶんが通用つうようしている）。

そして、本編ほんぺん中ちゅうに外伝がいでん「新しんデビルマン」と「夏なつの日ひ」の出来事できごとが起おこる。

この新しんデビルマンと「夏なつの日ひ」から、サタンの記憶きおくを消けした人間にんげんの少年しょうねん・飛鳥あすか了りょうとしてもどこかで恋愛れんあい的てきに明あかりを愛あいし始はじめてしまっていたことがわかった。 小説しょうせつ版ばんでは、サタンとして明確めいかくに明あかりに対たいして告白こくはくし、拒こばまれてしまった。

そして二に人にんの愛あいと憎悪ぞうおの戦たたかい「アーマゲドン」に突入とつにゅうする。

「デビルマン伝説でんせつ」では、この戦たたかいの合間あいまもサタンは明あかりに「どうして…一緒いっしょに生いきることは考かんがえてくれないの？」と呼よび掛かける。

明あかりが「二人ふたりのどちらかが生いき絶たえるまで戦たたかいは終おわらない」と一蹴いっしゅうしてなおも明あかりへ呼よび掛かけを続つづけた。

また、原作げんさく者しゃ・永井豪ながいごう曰いわく、堕天したサタンに（天使てんしの）翼つばさが付ついている理由りゆうは、神かみに反逆はんぎゃくしたからといってサタンの持もつ其その絶大ぜつだいな美うつくしさが取とり上あげられるとは思おもえないから（「激げきマン！デビルマンの章あきら」より）とのことである。

続編ぞくへん『バイオレンスジャック』（サタン）

デビルマンの後のち、天使てんしたちにより地球ちきゅうは創世そうせい記きの世界せかいとなった。

サタンは再ふたたび地球ちきゅうの再生さいせいを試こころみた。

しかし、サタンの記憶きおくの中なかの破壊はかいされた場所ばしょへのイメージが大だい地震じしんを引ひき起おこし、アーマゲドン後ごの荒廃こうはいした世界せかいに逆戻ぎゃくもどりしてしまった。それでも、再生さいせいされた人々ひとびとは逞たくましく生いきようとした。

サタンは人類じんるいと共ともに不動ふどう明あかりを殺ころしてしまった「ハルマゲドン（アーマゲドン）」がある種しゅのトラウマとなり、後悔こうかいし、苦くるしみ続つづけていた。

その後悔こうかいの念ねんが、自分じぶん自身じしんに苛烈かれつな試練しれんと生いき方かたを与あたえ、同時どうじに自身じしんの分裂ぶんれつを引ひき起おこした（人間にんげんで例たとえると多重たじゅう人格じんかく）。

サタンは自身じしんの記憶きおくを再ふたたび消けし、サタンの力ちからを封ふうじ、自身じしんを人間にんげん以下いかの犬いぬとして、かつ四肢ししを切断せつだんされ首輪くびわを付つけた人ひと犬けんとして、牧村まきむら美樹みきと共ともに生いきるという自分じぶん自身じしん（サタン）を罰ばっする道みちを自みずから望のぞんだ。

そしてその人ひと犬けんという姿すがたはサタンの良心りょうしんの化身けしんになっていた。

一方いっぽうサタンの悪あくの精神せいしんはスラムキングとして関東かんとうに君臨くんりんし、支配しはいを企たくらむ魔王まおうとなった。

これはサタンの心しんの葛藤かっとうが実体じったい化かしたものだった。人ひと犬けんをスラムキングが虐待ぎゃくたいの限かぎりを尽つくしたのも自分じぶんで自分じぶんを責せめ立たてて虐いじめ抜ぬく心しんの内うちの表あらわれだった。

そして、サタンの複雑ふくざつな心しんはさらに多おおくの、サタンの心しんを代弁だいべんする人々ひとびとを産うみ出だしてしまった。その中なかのハニーたち七なな人にんはサタンの良心りょうしん最後さいごの賭かけだった。

この七なな人にんが人ひと犬けんを救すくいだせば、サタンは堕天前まえの天使てんし長ちょうルシフェルとして復活ふっかつし、救すくい出だせなければ大だい魔王まおうサタンとして地球ちきゅうを再ふたたび無むに返かえすつもりだった。

だが悪あくの心しんが勝かち、サタンは大だい魔王まおうサタンとなった。

それでも心しんの底そこで自分じぶんを止とめる存在そんざいである不動ふどう明あかりを望のぞんでしまい、明あかりをバイオレンスジャックとして復活ふっかつさせてしまった（ただし作品さくひんの中なかに登場とうじょうする竜馬りょうまと門もん土どの関係かんけい、そして結末けつまつによる、ジャックはサタンの創つくりだした理想りそうの不動ふどう明あかりであり、本物ほんものでは無ないという示唆しさと捉とらえられる要素ようそもある）。

ジャックとサタンの邂逅かいこうでサタンは悟さとったような表情ひょうじょうを見みせ、明あかりと供きょうに地ちに落おちていった...。

その後ご、なぜかジャック（明あきら）は人々ひとびとの記憶きおくから消きえかかっていた（この現象げんしょうはレディーでも出でてくる）。

続編ぞくへん『デビルマンレディー』（サタン）

サタンは地獄じごくにいる不動ふどう明あかりにより、コキュートスに落おとされていると見みなされていた。

明あかりは地獄じごくで会あった地上ちじょうの人間にんげん、不動ふどうジュンとサタンの元もとへ向むかった。しかし、会あいに向むかうとサタンは消きえていた。滅亡めつぼうしたはずの地上ちじょうから人々ひとびとが地獄じごくに落おちてくること、地上ちじょうからアーマゲドンの歴史れきしが消けされ、自分じぶんの物語ものがたりが架空かくうの歴史れきしとして置おき換かえられ人々ひとびとに記憶きおくされていることにより明あかりは異常いじょう事態じたいを感知かんちする。

不動ふどうジュンは明あかりに頼たのまれ、地上ちじょうにもどり、事ことの動向どうこうを調査ちょうさするようになった。しかし、なぜか彼女かのじょから不動ふどう明あかりそのものの記憶きおくが日ひを増ます毎ごとに消きえていくという、バイオレンスジャックのエピローグで起おきたことと類似るいじする現象げんしょうが起おこり始はじめる。

そして物語ものがたりの最終さいしゅう局面きょくめんで全すべてが明あかされる。サタンは再ふたたび記憶きおくを消けし、人間にんげん態たいの男性だんせいと女性じょせいに分離ぶんりしていた。自分じぶんの男性だんせい体たい（しかし超ちょう能力のうりょくで女体にょたいに変化へんかしている）に「アスカ蘭らん」、女性じょせい体たいに「不動ふどうジュン」と名付なづけ、神かみたちにより歴史れきしが改変かいへんされた地上ちじょうを再ふたたび取とり戻もどすため、大だい天使てんしミカエルの目めを欺あざむくため、そして不動ふどう明あかりを現世げんせいに復活ふっかつさせ、共ともに同おなじ道どうを歩あゆむために活動かつどうしていたのであった。

アーマゲドンの歴史れきしを消けし、不動ふどうジュンから明あかりの記憶きおくを消けした者ものはミカエルたちであり、神かみにとって都合つごうの悪わるい歴史れきしを取とり除のぞいてきたのだった。

物語ものがたりの終盤しゅうばん、肉体にくたいが完全かんぜんに男性だんせい化かしたアスカ蘭らんは、ホルモンをコントロールして女性じょせいらしい身体しんたいになった男おとこだったことを不動ふどうジュンに打うち明あける。筋肉質きんにくしつの立派りっぱな体躯たいくに男性だんせい器きを得えたアスカに求もとめられるまま、ジュンは逞たくましい彼かれに身体しんたいを許ゆるし、一夜いちやの性交せいこうで受精じゅせいした。アスカとのセックスを終おえてから僅わずか半日はんにちたらずでジュンは臨月りんげつ状態じょうたいとなって破水はすいを迎むかえ、地獄じごくに居いた本物ほんものの不動ふどう明あかりを出産しゅっさんする。

男性だんせい体たいと女性じょせい体たいに分わかれていたとはいえ、元もとはひとつの存在そんざいであったアスカ蘭らんと不動ふどうジュンの肉体にくたいは融合ゆうごうして再ふたたびサタンに戻もどり、地獄じごくで神かみを理解りかいした今いまの明あかりなら、自身じしん（サタン）を理解りかいしてくれると確信かくしん。明あかりに共ともに戦たたかおうと笑顔えがおで手てを差さしのべる。

『デビルマン』、『バイオレンスジャック』、『デビルマンレディー』の三さん作品さくひんに渡わたる不動ふどう明あかりとサタン（飛鳥あすか了りょう）の確執かくしつは、明あかりがサタンの手てをとることで漸ようやく無なくなった。そして二人ふたりが率ひきいるデーモン・デビルマン連合れんごう軍ぐんと、「神かみの軍団ぐんだん」である天使てんし達たちとの、真しんの「アーマゲドン（最終さいしゅう戦争せんそう）」が始はじまる。

外伝がいでん作品さくひん

『新しんデビルマン』：主おもに本編ほんぺん中ちゅうにで起おこった筈はずだが描えがかれていなかった飛鳥あすか了りょうの話はなしの加筆かひつがされていた。

しかし、その中なかでの明あかりと了りょうの二に人にんきりの過去かこへの時間じかん旅行りょこうはサタンの無意識むいしきの意思いしであると説明せつめいされている。

アーマゲドン前まえには、サタンは飛鳥あすか了りょうの姿すがたで明あかりに会あいに行いくが、明あきらはまるで気きづいていないかの如ごとくサタンを無視むし、彼かれ（彼女かのじょ）の側がわを通過つうかしてしまう。

明あかりが通とおりすぎる最中さいちゅうに一いちコマ毎ごとに了りょう（の姿すがたをしたサタン）の顔かおが下したに伏ふせていき、眉まゆも下さがって行いく。

最後さいごの一いちコマのサタンの表情ひょうじょうは確認かくにんできない。

『ネオデビルマン』（永井豪ながいごう 作さく）：アーマゲドンの最中さいちゅうが描写びょうしゃされた。

その中なかでサタンは周まわりの敵てきを一瞬いっしゅんで消けし去さる戦闘せんとう力りょくをみせた。

サタンは光線こうせんと思おもわしきものを明あかりに浴あびせ、その後ご明あかりは下半身かはんしんを失うしなっている。

戦たたかいの最中さいちゅうに明あかりと了りょう（サタン）の中学ちゅうがくでの出会であいが回想かいそうされている。

サタンは飛鳥あすか了りょうの姿すがたで中学ちゅうがくに潜入せんにゅう。

明あかりと出会であい、明あきらに対たいして、「君くん（明あきら）が優やさしいから君きみの親友しんゆうになった」という発言はつげんを尻目しりめに、自身じしん（飛鳥あすか了りょう＝サタン）と昔むかしからの親友しんゆうであるという記憶きおくを洗脳せんのうで植うえ付つける。

その後ご、明あかりと二人ふたりで登山とざんに赴おもむくほどの仲なかに進展しんてんする。

その中なかで了りょう(サタン)は「地球ちきゅうの美うつくしさを君きみ(明あきら)に知しって欲ほしかったから登山とざんに誘さそった」と語かたる。

小説しょうせつ 『真しん・デビルマン』（サタン）

概おおむねの設定せっていは原作げんさくと同おなじ。

しかし性格せいかくはかなりの暴君ぼうくん。

側近そっきんのルシフェルたち（小説しょうせつ版ばん 悪あく魔王まおうゼノン）からは「不動ふどう明あかりしか見みえていない」と評ひょうされている。

不動ふどう明あかりに対たいし明確めいかくに告白こくはくしたが拒絶きょぜつされ、「お前まえの前まえではいつも美うつくしくありたかったのに」と明あかりに伝つたえ、竜りゅうに変身へんしんした。

また、小説しょうせつ版ばんではサタンの美うつくしさが細こまかく表現ひょうげんされている。 例れい 不動ふどう明あかりしか見みえていない蒼あおい瞳ひとみ、美うつくしい音楽おんがくのような声こえ、信しんじられないほど豊ゆたかな乳房ちぶさ、男おとことも女おんなともつかぬ美うつくしい真珠しんじゅ色しょくの身体しんたい など

OVA版ばん（サタン）

外見がいけんにおいて原作げんさく漫画まんが版ばんと差別さべつ化かが図はかられており、無機質むきしつとも有機ゆうき質しつとも言いえない外観がいかんを持もつ。

それだけがサタンとしての唯一ゆいいつの姿すがたか、それとも原作げんさく同様どうようの姿すがたもあるのかは不明ふめい。

この作品さくひんのサタンは氷山ひょうざんで遭遇そうぐうした不動ふどう明あかりの父ちちの記憶きおくを吸収きゅうしゅうしたとき、父ちちの明あかりへの記憶きおくと愛情あいじょうも吸収きゅうしゅうしてしまい、それが恋慕れんぼと化かした模様もよう。※あくまでこれはOVAのオリジナル設定せっていである。ネオデビルマン（永井豪ながいごうの製作せいさくした箇所かしょ）と原作げんさく本編ほんぺんの明あかりの発言はつげんから、原作げんさく「デビルマン」で明あかりの両親りょうしんが海外かいがい勤務きんむになったのは明あかりとサタン（了りょう）が出会であうよりも後ごのことであるとわかる（つまりサタンは明あかりの父ちちが海外かいがい勤務きんむに赴おもむく前まえには既すでに復活ふっかつを遂とげていたことになる。）。

ドラマCD 『デビルマン伝説でんせつ』（サタン）

演えんじる役者やくしゃが牧村まきむら美樹みき以外いがいはOVAと一致いっちしており、実質じっしつOVAの続編ぞくへん。

不動ふどう明あかり一いち人にんを生いき残のこらせるために仲間なかまを大量たいりょうに犠牲ぎせいにしたことをゼノンから怒鳴どなられている。

また、ハルマゲドン（アーマゲドン）の最中さいちゅうに明あかりに対たいしどうして自分じぶん（サタン）と共ともに生いきることは考かんがえてくれないのかを問とうて嘆なげき、明あかりにその呼よび掛かけが一蹴いっしゅうされてなおも明あかりが死しぬと人間にんげんは完全かんぜんに死しに絶たえることを引ひき合あいに出だし、自分じぶんの元もとへつくことを求もとめた。

『AMON_デビルマン黙示録もくしろく』

漫画まんが版ばん： 神かみに反逆はんぎゃくした罪つみで幽閉ゆうへい。

明あかりが死しぬ記憶きおくを延々えんえんと流ながされ、愛あいする者ものである不動ふどう明あかりが死しぬ罰ばちを受うけ続つづけていた。

アニメ版ばん： サタンとしての記憶きおくが蘇よみがえった後のち、人類じんるいを疑心暗鬼ぎしんあんきにさせる発言はつげんで民衆みんしゅうを煽動せんどうする。 不動ふどう明あかりが牧村まきむら美樹みきの死体したいを抱いだきながら泣なき叫さけぶ姿すがたを宙ちゅうに浮うきながら見下みおろしていた。

「全すべてがここから始はじまってしまう」などの、世界せかいをやり直なおしているかのような発言はつげんをしている。

サイコジェニーを使つかい民衆みんしゅうを洗脳せんのうし、牧村まきむら美樹みきを殺害さつがいしたかのような描写びょうしゃもある。

原作げんさく外伝がいでん「新しんデビルマン」同様どうように物語ものがたりの最後さいご、最終さいしゅう戦争せんそうが始はじまる前まえに飛鳥あすか了りょうの姿すがたで不動ふどう明あかりに会あいに行いくが、数すう秒びょうの対峙たいじの後のち、不動ふどう明あかりは無視むしして通とおりすぎて行いってしまう。

原作げんさくや外伝がいでん、小説しょうせつ「真しん・デビルマン」とは異ことなり、瞳ひとみは蒼あお眼めではなく淡あわい緑みどり。

明あかりから身体しんたいを取とり返かえしたアモンは、サタンが不動ふどう明あかりという唯ただ一いち人にんを生いき残のこらせるために自分じぶん（アモン）を嵌はめて犠牲ぎせいにし、あまつさえその明あかりに身体しんたいを支配しはいされた屈辱くつじょくと怒いかりを光線こうせんに乗のせてサタンにぶつけようとした。

しかしサタンの配下はいか・サイコジェニーに妨害ぼうがいされる。

サタンはアモンに身体しんたいを取とり返かえされ、意識いしきが無なくなった明あきらに対たいし、「目めを覚さませ、明あきらァァァ!!!」と叫さけび、明あかりの復活ふっかつを願ねがった。

その後ご、「新しんデビルマン」と同様どうよう、アーマゲドン前まえに明あかりに会あいに行いく。

しかしやはり明あかりはサタンを無視むしして通とおり過すぎる。

サタンは明あかりが通とおり過すぎた後のち、寂寥せきりょうを感かんじさせる表情ひょうじょうで視線しせんを地面じめんに下さげ、物語ものがたりは終了しゅうりょうする。

実写じっしゃ版ばん 『DEVILMAN』（サタン）

漫画まんが版ばんと異ことなり、サタンとしての姿すがたに5対ついの翼つばさを持もつ天使てんしのような形態けいたいと、その姿すがたが硬質こうしつ化かし、威嚇いかく的てきになった戦闘せんとう形態けいたいがある。

不動ふどう明あかりと人間にんげん態たいの姿すがたが酷似こくじしており本編ほんぺんでも牧村まきむら美樹みきに言及げんきゅうされている。

それが偶然ぐうぜんなのかサタンが意図いと的てきに明あかりに似にせたのかは不明ふめい。

掌てのひらからデビルマンが苦くるしむほどの電気でんきを発生はっせいさせる、デビルマンを吹ふき飛とばすエネルギー波はを放はなつなど、終始しゅうしデビルマンを圧倒あっとうする戦闘せんとう力りょくを見みせた。

自分じぶん（サタン）がデーモンに取とり憑つかれて化ばけ物ものになったと騙だまし（実際じっさいは生うまれた時ときから既すでに人間にんげんではなくサタン。明あかりは終盤しゅうばんにサタンに始はじめ（幼少ようしょう）から了りょう（人間にんげん）ではなくサタンであることを隠かくし、騙だましていたことを非難ひなんされている。)、明あかりをアモンと合体がったいさせ、デビルマンを創つくる。

その後ご物語ものがたりの新あらたな展開てんかいの度たび、飛鳥あすか了りょうとして現あらわれる。

明あかりを殺ころしかけたシレーヌを自分じぶんの手てで消けした描写びょうしゃがある。

意識いしきのない明あかりを消けそうとしたシレーヌに対たいして怒鳴どなり、明あかりが目覚めざめるとシレーヌは消きえていた。

その後ごシレーヌは登場とうじょうせず（この時とき既すでにデーモン側がわでないと知しらないシレーヌの恋こい事情じじょうを知しっている発言はつげんがある）。

他た作品さくひんと違ちがい、サタンには両性りょうせい具有ぐゆうという明確めいかくな描写びょうしゃはなく、明あかりへの愛あいも原作げんさくや外伝がいでんのような同性愛どうせいあいや異い性愛せいあいなのか、幼少ようしょう期きからの親友しんゆうとしての友愛ゆうあいなのかは不明ふめい（この作品さくひんでは了りょうと明あきらは幼少ようしょうからの親友しんゆう）。

原作げんさく含ふくめた他た作品さくひんではサタンは明あかりに対たいして戦たたかっている最中さいちゅうも愛あいを投なげ掛かける（「デビルマン伝説でんせつ」より）、戦たたかいを躊躇ちゅうちょし、明あかりと戦たたかいたくないことから涙なみだを流ながす（原作げんさく漫画まんが「デビルマン」より）など、明あかりとの戦たたかいを気後きおくれしているが、本ほん作品さくひんは決別けつべつした後のちは「滅ほろぶのはお前まえ（明あきら）だ」と発言はつげんしており、デーモンの大群たいぐんに一人ひとりでなお立たち向むかう明あかりに涙なみだを流ながしはしたが、他た作品さくひんのサタンとは違ちがい、明確めいかくに明あかりに殺意さついを抱だいている（涙なみだを流ながすのは序盤じょばんの了りょうの「デーモンは泣なかない」というセリフへの掛かけ合あわせ＝サタンもまた涙なみだを流ながした時ときにデーモンではなくデビルマンとなったという示唆しさともとれる）。

そしてアーマゲドンの後のち、サタンと明あきらは和解わかい。死しんでしまった不動ふどう明あかりに「お前まえ（明あきら）が逝ゆくなら、俺おれもすぐに逝ゆくからな」と言葉ことばを落おとし、直後ちょくご明あかりが笑顔えがおを見みせたことに喜よろこびを感かんじ物語ものがたりから退場たいじょうする。

原作げんさく漫画まんが版ばんや派生はせい作品さくひんと違ちがいこの作品さくひんは、サタンと明あかりがアーマゲドンのすぐ後ごに和解わかいすることが出来できた現状げんじょう唯一ゆいいつの作品さくひんである。

因ちなみにこの作品さくひんとcrybaby版ばんでは、サタンと明あきらは幼少ようしょうからの親友しんゆう。中学ちゅうがくで知しり合あった原作げんさくとは設定せっていが異ことなる。

また、こちらの作品さくひんのサタンは他た作品さくひんと違ちがい、記憶きおく操作そうさを行おこなっておらず、飛鳥あすか了りょうとして振ふる舞まっていたころからサタンの人格じんかくであった。このケースは実写じっしゃ版ばんだけでなく、「CBキャラ 永井豪ながいごうワールド」でも同様どうようである。

この世界せかいでは飛鳥あすか了りょうとしての父親ちちおやを原作げんさく漫画まんが同様どうように洗脳せんのうして共ともに生活せいかつしていたのかそもそも父ちちも元々もともとデーモンで明あかりを騙だますために芝居しばいをしたのかは不明ふめい。

アニメ版ばん『DEVILMAN crybaby』（サタン）

監督かんとく湯川ゆかわ政明まさあき曰いわく、漫画まんが版ばんと違ちがい愛あいを求もとめて神かみと戦たたかったが、敗やぶれてしまったという設定せってい。

冒頭ぼうとうの「私わたしは嫌きらわれ者しゃ」は天使てんし時代じだいの彼かれ（彼女かのじょ）自身じしんのことを指さしているとも、人間にんげんとして生いきていた期間きかんのこととも捉とらえられる。

神かみとの愛あいの戦争せんそうに敗やぶれた後のち、「愛あいはない。愛あいなどない。ゆえに悲かなしみもない」と思おもい始はじめる。

その後ご飛鳥あすか了りょうとして復活ふっかつした際さいに不動ふどう明あかりと会あう。

作品さくひん冒頭ぼうとうで光ひかりが宿やどっていなかったサタン（了りょう）の瞳ひとみは明あかりとの接触せっしょくにより、光ひかりを宿しゅくすこととなった描写びょうしゃがある。

漫画まんが版ばんと同おなじく、サタンは不動ふどう明あかりを新しん世界せかいで生いき残のこれるように、最強さいきょうの器うつわであるアモンを犠牲ぎせいにすることで、明あかりをデビルマンにする。

明あかりとの最終さいしゅう決戦けっせん後ご、幼おさないころの明あかりが言いっていることを思おもいだし「愛あいはない、ゆえに悲かなしみもない、そう思おもっていた」「俺おればっかりに喋しゃべらせるな」と明あかりに話はなしかけた。

かつての自身じしんの思おもいを過去かこのものにしていることから、この時点じてんでサタンは愛あいを知しったと思おもわれる。

しかし、明あきらは漫画まんが版ばん同様どうよう、下半身かはんしんを失うしない既すでに屍かばねとなっていた。

サタンは何なにかを感かんじるが、自身じしんが悲かなしんでいるとは理解りかいできず、その意味いみを問といながら、「嫌いやだよ」「独ひとりにするな」「話はなしを聞きいてくれ」と、物言ものいわぬ明あかりに悲かなしみを溢あふれさせ、彼かれの遺体いたいを抱いだきながら涙なみだを流ながした。