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「駈込み訴へ」(かけこみうったえ、新かなでは「訴え」)は、太宰治の短編小説。
本作品は妻美知子が太宰の口述を筆記してできたものである[1]。後年、美知子は以下のように回想している[3]。
太宰は
炬燵に
当たって、
盃をふくみながら
全文、
蚕が
糸を
吐くように
口述し、
淀みもなく、い
直しもなかった。ふだんと
打って
変わったきびしい
彼の
表情に
威圧されて、
私はただ
機械的にペンを
動かすだけだった。
イスカリオテのユダを主人公とした視点で、イエス・キリストに対してどういう感情を持っていたのかを述べるという形式を取っている。全体としてはイエスの薄情や嫌らしさを訴える内容となっている。しかしその実質は、自暴自棄になったユダの愛と憎しみがないまぜになって、どちらがどちらか本人すらすでに判別つかなくなり、混乱しながらも悲痛に訴えているというものである。ユダがどこに駆け込んで誰に訴えかけたのかは、明らかにされない。
太宰は「姥捨」において「ユダの悪が強ければ強いほど、キリストのやさしさの光が増す」と記している。
- JUDAS, CHRIST WITH SOY ユダ、キリスト ウィズ ソイ 〜太宰治『駈込み訴え』より〜(2015年10月、HONMOKU AREA-2)[4]
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