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駒ヶ岳こまがだけ噴火ふんか津波つなみ

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出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア（Wikipedia）』
大沼おおぬまから望のぞむ北海道ほっかいどう駒ヶ岳こまがだけ。1640年ねんの駒ヶ岳こまがだけ山さん体からだ崩壊ほうかいに伴ともなう岩いわ屑くずなだれにより、大沼おおぬま、小沼おぬま、蓴菜じゅんさい（じゅんさい）沼ぬまが形成けいせいされた。

駒ヶ岳こまがだけ噴火ふんか津波つなみ（こまがたけふんかつなみ）は、寛永かんえい17年ねん（1640年ねん）に、北海道ほっかいどう駒ヶ岳こまがだけの山やま体たい崩壊ほうかいにより発生はっせいした火山かざん津波つなみ災害さいがいである。溺死できし者しゃ700人にん以上いじょう。この時ときの噴火ふんかは、古文書こもんじょに記録きろくの残のこる江戸えど時代じだい以降いこうの駒ヶ岳こまがだけの噴火ふんかの中なかでも最大さいだい規模きぼである[1]。日本にっぽんでは、1792年ねん島原しまばら大変たいへん肥後ひご迷惑めいわく（雲仙うんぜん眉山びざん）、1741年ねん寛ひろし保津ほうづ波は（渡島ととう大島おおしま）に次つぐ、史上しじょう3番目ばんめに大おおきな火山かざん津波つなみ災害さいがいとなった[2]。

火山かざん活動かつどうの概要がいよう

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内浦湾うちうらわん沿岸えんがんの八雲やくも町まちから望のぞむ駒ケ岳こまがたけ。ここから望のぞんだ山容さんようは2つのピークとえぐれた山腹さんぷくが特徴とくちょうである。寛永かんえいの噴火ふんか以前いぜんは円錐えんすい形がただった

解説かいせつ

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「北海道ほっかいどう駒ヶ岳こまがだけ#火山かざん史し」も参照さんしょう

寛永かんえい17年ねん6月がつ13日にち（1640年ねん7月がつ31日にち）、北海道ほっかいどう駒ヶ岳こまがたけは大だい規模きぼな噴火ふんか活動かつどうを開始かいしした。激はげしい山鳴やまなりを伴ともない[7]、その後ご山頂さんちょう部ぶが崩壊ほうかいして大だい規模きぼな岩いわ屑くずなだれが発生はっせい[6]。これが東ひがしに流下りゅうかして内浦湾うちうらわん（噴火湾ふんかわん）になだれ込こんだため、大だい津波つなみが発生はっせいした[1]。津波つなみの規模きぼはMt7.9-8.2[8]。亀田かめだから十勝とかちにかけて津波つなみを記録きろくしたとされ、有珠うす（現在げんざいの洞爺湖とうやこ町まち有珠うす）では津波つなみの高たかさが7.5 mに達たっしたという[1]。この津波つなみによって700人にん以上いじょうが溺死できしし、船舶せんぱく100余よ隻せきに被害ひがいが出でたとされる[9][10][11][2]。山やま体たい崩壊ほうかいとともに火砕流かさいりゅう（ブラスト）も発生はっせいし、8月がつ2日にちまでは火山灰かざんばいや軽石かるいしの噴出ふんしゅつが続つづいた[6]。その後ご活動かつどうは急速きゅうそくに衰おとろえ、およそ70日にち後ごに静穏せいおん化かした。

地形ちけいの変化へんか

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この時ときの岩いわ屑くずなだれは、南みなみ麓ふもとでは折戸川おりとがわをせき止とめて現在げんざいの大沼おおぬま・小沼おぬま・蓴菜じゅんさい（じゅんさい）沼ぬまを形成けいせいしており、また、東麓ひがしふもとでは出来でき澗崎（できまざき）と呼よばれる岬みさきを形成けいせいした[1]。元々もともとは標高ひょうこう1,700 mの円錐えんすい形がたの山やま体たいであった駒ヶ岳こまがたけが、現在げんざいのような標高ひょうこう1,100 mの2つの馬蹄ばてい形がたカルデラを持もつ山やま体たいとなったのも、この時ときの山やま体たい崩壊ほうかいが原因げんいんである[12]。

出典しゅってん

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  1. ^ a b c d “岩いわ屑くずなだれ・山やま体たい崩壊ほうかい”. 気象庁きしょうちょう. 2021年ねん12月6日にち閲覧えつらん。
  2. ^ a b 寛永かんえい17年ねん(1640年ねん)駒ヶ岳こまがだけ噴火ふんか津波つなみ (PDF) 北海道大学ほっかいどうだいがく大学院だいがくいん理学りがく研究けんきゅう院いん助手じょしゅ・西村にしむら裕一ひろいち
  3. ^ 吉本よしもと 充宏みつひろ、宇井うい 忠英ただひで「北海道ほっかいどう駒ヶ岳こまがだけ火山かざん1640年ねんの山やま体たい崩壊ほうかい」『火山かざん』第だい43巻かん第だい4号ごう、1998年ねん、137-148頁ぺーじ、2020年ねん4月がつ7日にち閲覧えつらん。 
  4. ^ 吉本よしもと 充宏みつひろ「北海道ほっかいどう駒ヶ岳こまがだけ火山かざん 1640 年ねん山やま体たい崩壊ほうかいに伴ともなう火ひ砕物重力じゅうりょく流りゅう堆積たいせき物ぶつ」『日本にっぽん火山かざん学会がっかい講演こうえん予稿よこう集しゅう』第だい2001.2巻かん、2001年ねん、146頁ぺーじ、2020年ねん4月がつ7日にち閲覧えつらん。 
  5. ^ 吉本よしもと 充宏みつひろ、宝田たからだ 晋すすむ治ち、高橋たかはし 良りょう「北海道ほっかいどう駒ヶ岳こまがだけ火山かざんの噴火ふんか履歴りれき」『地質ちしつ学がく雑誌ざっし』第だい113巻かんSupplement、2007年ねん、81-92頁ぺーじ、2020年ねん4月がつ7日にち閲覧えつらん。 
  6. ^ a b c d “気象庁きしょうちょう｜北海道ほっかいどう駒ヶ岳こまがだけ 有史ゆうし以降いこうの火山かざん活動かつどう”. www.data.jma.go.jp. 2021年ねん12月6日にち閲覧えつらん。
  7. ^ “駒ヶ岳こまがだけ：歴史れきし時代じだいの噴火ふんか”. gbank.gsj.jp. 2021年ねん12月7日にち閲覧えつらん。
  8. ^ 中西なかにし諒りょう, 岡村おかむら聡さとし『1640年ねん北海道ほっかいどう駒ヶ岳こまがだけ噴火ふんかによる津波つなみ堆積たいせき物ぶつの分布ぶんぷと津波つなみ規模きぼの推定すいてい』
  9. ^ 吉本よしもと充宏みつひろ、宝田たからだ晋すすむ治ち、高橋たかはし良りょう「北海道ほっかいどう駒ヶ岳こまがだけ火山かざんの噴火ふんか履歴りれき」『地質ちしつ学がく雑誌ざっし』第だい113巻かん、日本にっぽん地質ちしつ学会がっかい、2007年ねん、84頁ぺーじ、doi:10.5575/geosoc.113.S81、2017年ねん3月がつ6日にち閲覧えつらん。 
  10. ^ 早川はやかわ由紀夫ゆきお. “噴火ふんかに備そなえる（長期ちょうき予知よち）Long-term prediction” (PDF). 群馬大学ぐんまだいがく. 2015年ねん5月がつ2日にち閲覧えつらん。
  11. ^ “主おもな火山かざん災害さいがい年表ねんぴょう” (PDF). 気象庁きしょうちょう. 2015年ねん5月がつ2日にち閲覧えつらん。
  12. ^ “北海道ほっかいどう駒ケ岳こまがたけ（北海道ほっかいどう鹿部しかべ町まち）”. web.archive.org (2015年ねん6月がつ3日にち). 2021年ねん12月6日にち閲覧えつらん。

参考さんこう文献ぶんけん

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