高額こうがく療養りょうよう費ひ

高額こうがく療養りょうよう費ひ（こうがくりょうようひ）とは、健康けんこう保険ほけん法ほう等ひとしに基もとづき、日本にっぽんにおいて保険ほけん医療いりょう機関きかんの窓口まどぐちで支払しはらう医療いりょう費ひを一定いってい額がく以下いかにとどめる、公的こうてき医療いりょう保険ほけん制度せいどにおける給付きゅうふのひとつである。

1973年ねん（昭和しょうわ48年ねん）10月がつの健康けんこう保険ほけん法ほう等とうの改正かいせい法ほう施行しこうにより始はじまった（国民こくみん健康けんこう保険ほけんにおいては猶予ゆうよ期間きかんが設もうけられ1975年ねん（昭和しょうわ50年ねん）10月がつより開始かいし）。制度せいど導入どうにゅうの背景はいけいには1961年ねん（昭和しょうわ36年ねん）の国民こくみん皆みな保険ほけん達成たっせい以来いらい、家族かぞく療養りょうよう費ひの支給しきゅう割合わりあいが長年ながねん5割わりにとどまっていたことがある。医療いりょう内容ないようの高度こうど化か傾向けいこうに保険ほけんとして、充分じゅうぶん対応たいおうしていくことができるよう家族かぞくに対たいする医療いりょう給付きゅうふ内容ないようの改善かいぜんを図はかる狙ねらいがあった（高額こうがく療養りょうよう費ひの導入どうにゅうと同時どうじに家族かぞく療養りょうよう費ひの給付きゅうふ割合わりあいが7割わりに引ひき上あげられている）。被ひ扶養ふよう者しゃのための保険ほけん給付きゅうふとして開始かいししたが、1981年ねん（昭和しょうわ56年ねん）の改正かいせい法ほう施行しこうにより被ひ保険ほけん者しゃ本人ほんにんにも拡大かくだいされ、さらに1984年ねん（昭和しょうわ59年ねん）10月がつからは世帯せたい合算がっさん、多た数すう回かい該当がいとうの制度せいども導入どうにゅうされた。

財政ざいせい規模きぼは2013年ねん（平成へいせい25年ねん）度どでは2兆ちょう2200億おく円えんほどであり、国民こくみん医療いりょう費ひ40.1兆ちょう円えんの5%程度ていどを占しめている。原則げんそくとして、保険ほけん者しゃに対たいし高額こうがく療養りょうよう費ひ支給しきゅう申請しんせい書しょを提出ていしゅつすることで自己じこ負担ふたん限度げんど額がくを超こえた額がくが後のちに支給しきゅうされるが、所定しょていの要件ようけんを満みたせば支給しきゅう申請しんせい書しょを提出ていしゅつしなくても自動的じどうてきに支給しきゅうされる制度せいど（現物げんぶつ給付きゅうふもしくは保険ほけん者しゃの側がわで計算けいさん）もある。

名称めいしょうはよく間違まちがわれるが、「高額こうがく医療いりょう費ひ」「高額こうがく医療いりょう費ひ制度せいど」ではない（このように間違まちがえる人ひとが非常ひじょうに多おおいのは、税法ぜいほうや確定かくてい申告しんこくにおいて「医療いりょう費ひ控除こうじょ制度せいど」が存在そんざいしているからである）。医療いりょう費ひ控除こうじょとは異ことなり、保険ほけん金きんなどで補填ほてんされる金額きんがく（民間みんかんの医療いりょう保険ほけんの給付きゅうふ金きんなど）は、高額こうがく療養りょうよう費ひの算出さんしゅつ基準きじゅんに含ふくまれない。

平成へいせい25年度ねんど 高額こうがく療養りょうよう費ひの支給しきゅう実績じっせき

種別しゅべつ		請求せいきゅう件数けんすう（千せん件けん）	1件けんあたり金額きんがく平均へいきん
現役げんえき世代せだい	協会きょうかいけんぽ	3,236	10万まん8817円えん
	組合くみあい健保けんぽ	2,080	10万まん5895円えん
	日雇ひやとい保険ほけん	1	11万まん6097円えん
	船員せんいん保険ほけん	14	10万まん0974円えん
	共済きょうさい組合くみあい	660	10万まん3464円えん
	市町村しちょうそん国保こくほ	15,439	6万まん4782円えん
	国保こくほ組合くみあい	382	9万まん1209円えん
	計けい	21,811	1万まん7433円えん
後期こうき高齢こうれい者しゃ		32,253	1万まん6832円えん
総計そうけい		54,065	4万まん1063円えん

支給しきゅう要件ようけん

第だい115条じょう（高額こうがく療養りょうよう費ひ）

1. 療養りょうようの給付きゅうふについて支払しはらわれた一部いちぶ負担ふたん金きんの額がく又または療養りょうよう（食事しょくじ療養りょうよう及および生活せいかつ療養りょうようを除のぞく。次項じこうにおいて同おなじ。）に要ようした費用ひようの額がくからその療養りょうように要ようした費用ひようにつき保険ほけん外がい併用へいよう療養りょうよう費ひ、療養りょうよう費ひ、訪問ほうもん看護かんご療養りょうよう費ひ、家族かぞく療養りょうよう費ひ若もしくは家族かぞく訪問ほうもん看護かんご療養りょうよう費ひとして支給しきゅうされる額がくに相当そうとうする額がくを控除こうじょした額がく（次つぎ条じょう第だい一いち項こうにおいて「一部いちぶ負担ふたん金きん等とうの額がく」という。）が著いちじるしく高額こうがくであるときは、その療養りょうようの給付きゅうふ又またはその保険ほけん外がい併用へいよう療養りょうよう費ひ、療養りょうよう費ひ、訪問ほうもん看護かんご療養りょうよう費ひ、家族かぞく療養りょうよう費ひ若もしくは家族かぞく訪問ほうもん看護かんご療養りょうよう費ひの支給しきゅうを受うけた者ものに対たいし、高額こうがく療養りょうよう費ひを支給しきゅうする。
2. 高額こうがく療養りょうよう費ひの支給しきゅう要件ようけん、支給しきゅう額がくその他た高額こうがく療養りょうよう費ひの支給しきゅうに関かんして必要ひつような事項じこうは、療養りょうように必要ひつような費用ひようの負担ふたんの家計かけいに与あたえる影響えいきょう及および療養りょうように要ようした費用ひようの額がくを考慮こうりょして、政令せいれいで定さだめる。

1ヶ月かげつ間あいだにかかった自己じこ負担ふたん額がくを合算がっさんし、自己じこ負担ふたん限度げんど額がくを超こえた額がくについては保険ほけん者しゃ（全国ぜんこく健康けんこう保険ほけん協会きょうかい、健康けんこう保険ほけん組合くみあい、市町村しちょうそん等とう）によって支給しきゅうされる（健康けんこう保険ほけん法ほう第だい115条じょう、同どう施行しこう規則きそく第だい109条じょう、国民こくみん健康けんこう保険ほけん法ほう第だい57条じょうの2）。

「1ヶ月かげつ間あいだ」とは、暦こよみ月がつ（同月どうげつの1日にちから31日にちまで）をいう。保険ほけん者しゃが窓口まどぐち負担ふたん額がくを把握はあくする方法ほうほうは、現行げんこうでは保険ほけん医療いりょう機関きかんが暦こよみ月がつ単位たんいで作成さくせいし保険ほけん者しゃに提出ていしゅつするレセプトしかないため、このような扱あつかいとなる。そのため、同おなじ病気びょうきであっても入院にゅういんが月つきをまたがった場合ばあいは各月かくつきごとに別々べつべつに計算けいさんされるため、費用ひようのかかる入院にゅういんを予定よていしているならば、一般いっぱん的てきには月つきの初はじめから治療ちりょうすることにしたほうがよいとされる。

部屋へや代だい等ひとしの特別とくべつ料金りょうきん、歯科しか材料ざいりょうにおける特別とくべつ料金りょうきん、先進せんしん医療いりょうの先進せんしん技術ぎじゅつ部分ぶぶん、自費じひ診療しんりょうを受うけて償還しょうかん払ばらいを受うけた場合ばあいにおける算定さんてい費用ひよう額がくを超こえる部分ぶぶんなど、保険ほけん外がいの負担ふたんについては対象たいしょう外がいとなる。また保険ほけん給付きゅうふであっても定額ていがく制せい（標準ひょうじゅん負担ふたん額がく）である入院にゅういん時じの食事しょくじ療養りょうようや生活せいかつ療養りょうようも対象たいしょう外がいである。

高額こうがく療養りょうよう費ひの現物げんぶつ給付きゅうふ化か

2007年ねん（平成へいせい19年ねん）4月がつより入院にゅういん療養りょうように対たいして、2012年ねん（平成へいせい24年ねん）4月がつより外来がいらい診療しんりょうに対たいして、高額こうがく療養りょうよう費ひが現物げんぶつ給付きゅうふ化かされた。従来じゅうらいの制度せいどでは一部いちぶ負担ふたん額がくを支払しはらった後のち、保険ほけん者しゃに高額こうがく療養りょうよう費ひの申請しんせいを行おこなうという形かたちであったが、現在げんざいでは、70歳さい未満みまんの被ひ保険ほけん者しゃ又または70歳さい以上いじょうの低てい所得しょとく者しゃ・現役げんえき並なみI・IIの者ものはあらかじめ保険ほけん者しゃに高額こうがく療養りょうよう費ひ限度げんど額がく適用てきよう認定にんてい証しょう（以下いか、限度げんど額がく認定にんてい証しょうと略りゃくす）の申請しんせいを行おこない、交付こうふされた限度げんど額がく認定にんてい証しょうを医療いりょう機関きかんに提示ていじすることによって、後のちほど還付かんぷされる高額こうがく療養りょうよう費ひを見越みこした自己じこ負担ふたん限度げんど額がくのみの支払しはらいで済すむようになった（健康けんこう保険ほけん法ほう施行しこう規則きそく第だい103条じょうの2）。なお、70歳さい以上いじょうで低てい所得しょとく者しゃ・現役げんえき並なみI・IIでない者ものについては限度げんど額がく認定にんてい証しょうの交付こうふは必要ひつようなく、通常つうじょうの診療しんりょうと同様どうように70歳さいから74歳さいの者ものは高齢こうれい受給じゅきゅう者しゃ証しょう、75歳さい以上いじょうの者ものは後期こうき高齢こうれい者しゃ医療いりょう保険ほけん者しゃ証しょうを窓口まどぐちで提示ていじすることで、自動的じどうてきに高額こうがく療養りょうよう費ひの現物げんぶつ給付きゅうふが行おこなわれる。限度げんど額がく認定にんてい証しょうの有効ゆうこう期間きかんは、原則げんそくとして1年ねんである。

限度げんど額がく認定にんてい証しょうには所得しょとく区分くぶん項目こうもくにア - オの5種類しゅるいの記号きごうが記しるされている（70歳さい未満みまんの者ものの場合ばあい）。

所得しょとく区分くぶん

ア	年収ねんしゅう1160万まん円えん以上いじょう	健康けんこう保険ほけん・船員せんいん保険ほけんは被ひ保険ほけん者しゃの標準ひょうじゅん報酬ほうしゅう月額げつがくが83万まん円えん以上いじょう 国民こくみん健康けんこう保険ほけんは総そう所得しょとく金額きんがくの世帯せたい合計ごうけい額がくが901万まん円えん超ちょう
イ	年収ねんしゅう770万まん円えん以上いじょう1160万まん円えん未満みまん	健康けんこう保険ほけん・船員せんいん保険ほけんは被ひ保険ほけん者しゃの標準ひょうじゅん報酬ほうしゅう月額げつがくが53万まん円えん以上いじょう83万まん円えん未満みまん 国民こくみん健康けんこう保険ほけんは総そう所得しょとく金額きんがくの世帯せたい合計ごうけい額がくが600万まん - 901万まん円えん
ウ	年収ねんしゅう370万まん円えん以上いじょう770万まん円えん未満みまん	健康けんこう保険ほけん・船員せんいん保険ほけんは被ひ保険ほけん者しゃの標準ひょうじゅん報酬ほうしゅう月額げつがくが28万まん円えん以上いじょう53万まん円えん未満みまん 国民こくみん健康けんこう保険ほけんは総そう所得しょとく金額きんがくの世帯せたい合計ごうけい額がくが210万まん - 600万まん円えん
エ	年収ねんしゅう370万まん円えん未満みまん	健康けんこう保険ほけん・船員せんいん保険ほけんは被ひ保険ほけん者しゃの標準ひょうじゅん報酬ほうしゅう月額げつがくが28万まん円えん未満みまん 国民こくみん健康けんこう保険ほけんは総そう所得しょとく金額きんがくの世帯せたい合計ごうけい額がくが210万まん円えん以下いか
オ	低てい所得しょとく者しゃ	市区しく町まち村民そんみん税ぜいの非課税ひかぜい者しゃ世帯せたい等とう

区分くぶんオの適用てきようを受うけるためには市区しく町村ちょうそん長ちょうの証明しょうめいまたは添付てんぷ書類しょるいが必要ひつようである。また、区分くぶんア・イに該当がいとうする者ものは、たとえ市町しちょう村民そんみん税ぜい非課税ひかぜいであっても区分くぶんオとはならず区分くぶんア・イとなる。

なお、限度げんど額がく認定にんてい証しょうの交付こうふを受うけ使用しようした場合ばあいであっても、以下いかのような場合ばあいには支給しきゅう申請しんせい書しょを提出ていしゅつすることによって高額こうがく療養りょうよう費ひの追加ついか支給しきゅうを受うけられる場合ばあいがあるので保険ほけん者しゃに相談そうだんを行おこなった方ほうがよい。

• 既すでに「多た数すう回かい該当がいとう」に該当がいとうしている状態じょうたいで医療いりょう機関きかんにかかった場合ばあい（医療いりょう機関きかんの側がわでは、限度げんど額がく認定にんてい証しょうだけでは多数たすう回かい該当がいとうか否ひかは判別はんべつできないため、限度げんど額がくとの差額さがくを改あらためて請求せいきゅうする必要ひつようがある）
• 限度げんど額がく認定にんてい証しょうの交付こうふを受うけた本人ほんにんが、同どう月内げつないに転院てんいんしている場合ばあい
• 限度げんど額がく認定にんてい証しょうの交付こうふを受うけた本人ほんにんが、同どう月内げつないに他たの同どう一いち医療いりょう機関きかんに支払しはらった自己じこ負担ふたん額がくが2万まん1000円えん以上いじょうとなった場合ばあい
• 同どう一いち世帯せたいにおいて、他たの70歳さい未満みまんの被ひ保険ほけん者しゃ・被ひ扶養ふよう者ものが同どう月内げつないに限度げんど額がく認定にんてい証しょうを使用しようした場合ばあい
• 同どう一いち世帯せたいにおいて、他たの70歳さい未満みまんの被ひ保険ほけん者しゃ・被ひ扶養ふよう者しゃが同どう月内げつないに同どう一いち医療いりょう機関きかんに支払しはらった自己じこ負担ふたん額がくが2万まん1000円えん以上いじょうとなった場合ばあい
• 同どう一いち世帯せたいにおいて、70歳さいから74歳さいの被ひ保険ほけん者しゃ・被ひ扶養ふよう者しゃが同どう月内げつないに医療いりょう機関きかんにおいて自己じこ負担ふたん額がくを支払しはらっている場合ばあい
• 限度げんど額がく認定にんてい証しょうを使用しようしたが、異ことなる区分くぶんであることが判明はんめいした場合ばあい（市区しく町村ちょうそん長ちょうの証明しょうめいや添付てんぷ書類しょるいが必要ひつような場合ばあいがある）

高額こうがく療養りょうよう費ひ貸付かしつけ制度せいど・委任いにん払ばらい制度せいど

上述じょうじゅつの現物げんぶつ給付きゅうふを受うけない場合ばあい、一度いちど病院びょういん窓口まどぐちで一部いちぶ負担ふたん金きんを支払しはらわなければならず、受診じゅしんから高額こうがく療養りょうよう費ひの支給しきゅうを受うけるまで通常つうじょう3ヶ月かげつ程度ていどかかる。金銭きんせん的てきな余裕よゆうがない場合ばあいは、後のちほど還付かんぷされる高額こうがく療養りょうよう費ひを担保たんぽとし融資ゆうしを受うけることができる貸付かしつけ制度せいど、初はじめから還付かんぷ額がくを見越みこした自己じこ負担ふたん限度げんど額がくのみの支払しはらいにする委任いにん払はらい制度せいどが利用りようできる場合ばあいがある。保険ほけん者しゃによって貸付かしつけ額がくが異ことなっている場合ばあい（協会きょうかいけんぽの場合ばあい、支給しきゅう見込みこみ額がくの80%が限度げんど）や医療いりょう機関きかんの承認しょうにんが必要ひつような場合ばあいがあるので制度せいどを利用りようしたい場合ばあいは保険ほけん者しゃもしくは病院びょういんの医事いじ課か、医療いりょうソーシャルワーカーのいる医療いりょう相談そうだん室しつなどで相談そうだんすること。

自己じこ負担ふたん限度げんど額がく

高額こうがく療養りょうよう費ひの支給しきゅう要件ようけん、支給しきゅう額がくその他た高額こうがく療養りょうよう費ひの支給しきゅうに関かんして必要ひつような事項じこうは、療養りょうように必要ひつような費用ひようの負担ふたんの家計かけいに与あたえる影響えいきょう及および療養りょうように要ようした費用ひようの額がくを考慮こうりょして、政令せいれいで定さだめる、とされ（健康けんこう保険ほけん法ほう第だい115条じょう2項こう）、現行げんこう法ほうでは以下いかのように定さだめられている（健康けんこう保険ほけん法ほう施行しこう令れい第だい41条じょう）。

被ひ保険ほけん者しゃまたは被ひ扶養ふよう者ものが同どう月内げつないに同どう一いち医療いりょう機関きかんに支払しはらった自己じこ負担ふたん額がくが次つぎの自己じこ負担ふたん限度げんど額がく（高額こうがく療養りょうよう費ひ算定さんてい基準きじゅん額がく）を超こえた場合ばあいに、その超こえた額がくが支給しきゅうされる。70歳さい未満みまんと70歳さい以上いじょうで、それぞれ計算けいさん方法ほうほうが異ことなる。健康けんこう保険ほけん組合くみあいの場合ばあい、付加ふか給付きゅうふとして、規約きやくで定さだめることにより、これらより低ひくい上限じょうげん額がくを設定せっていすることができる（健康けんこう保険ほけん法ほう第だい53条じょう）。

• 「同どう一いち医療いりょう機関きかん」とは、以下いかの扱あつかいとなる（昭和しょうわ48年ねん10月がつ17日にち保険ほけん発はつ95号ごう・庁ちょう保険ほけん発はつ18号ごう、昭和しょうわ48年ねん11月7日にち保険ほけん発はつ99号ごう・庁ちょう保険ほけん発はつ21号ごう）。
  • 医療いりょう機関きかんごとに区別くべつする。
  • 同どう一院いちいんでも歯科しかと医科いか（その他たの診療しんりょう科か）は区別くべつする。
  • 同どう一院いちいんでも入院にゅういんと外来がいらいは区別くべつする。
  • 診療しんりょう科かごとに区別くべつする（ただし、2010年ねん（平成へいせい22年ねん）3月がつ診療しんりょう分ぶんまでの旧きゅう総合そうごう病院びょういんに限かぎる）。
  • 院外いんがい薬局やっきょく（院外いんがい処方しょほう）の場合ばあいは、それと対応たいおうする病院びょういん又または診療しんりょう所しょにおける療養りょうように要ようした費用ひようと合算がっさんする（そのため、薬局やっきょくの領収証りょうしゅうしょうには「どの保険ほけん医療いりょう機関きかんのどの診療しんりょう科かの先生せんせい」が処方しょほうしたのか明記めいきされている）。
  • 治療ちりょう用よう補ほ装具そうぐは、その費用ひようのみをもって判断はんだんする。医療いりょう機関きかんからの指示しじであっても当該とうがい医療いりょう機関きかんの一部いちぶ負担ふたん金きんと合算がっさんしない。

70歳さい未満みまん

2015年ねん（平成へいせい27年ねん）1月がつより、所得しょとく区分くぶんが3段階だんかいから5段階だんかいへと細分さいぶん化かされることとなった。

• 区分くぶんア：25万まん2600円えん+（10割わり相当そうとう医療いりょう費ひ-84万まん2000円えん）×1%
• 区分くぶんイ：16万まん7400円えん+（10割わり相当そうとう医療いりょう費ひ-55万まん8000円えん）×1%
• 区分くぶんウ：8万まん100円えん+（10割わり相当そうとう医療いりょう費ひ-26万まん7000円えん）×1%
• 区分くぶんエ：5万まん7600円えん
• 区分くぶんオ：3万まん5400円えん

多た数すう回かい該当がいとう

直近ちょっきん1年ねん以内いないに高額こうがく療養りょうよう費ひ給付きゅうふに該当がいとうする回かい数すう月がつが3回かい以上いじょうある場合ばあい、4回かい目め以降いこうは自己じこ負担ふたん限度げんど額がくがさらに引ひき下さげられる（多た数すう回かい該当がいとう）。ただし、途中とちゅうで管掌かんしょうする保険ほけん者しゃが変かわった場合ばあい、回数かいすうの通算つうさんはされない。

• 区分くぶんア：14万まん100円えん
• 区分くぶんイ：9万まん3000円えん
• 区分くぶんウ：4万まん4400円えん
• 区分くぶんエ：4万まん4400円えん
• 区分くぶんオ：2万まん4600円えん

世帯せたい合算がっさん

同どう一いち世帯せたいで同どう月内げつないに同どう一いち医療いりょう機関きかんに支払しはらった自己じこ負担ふたん額がくが2万まん1000円えん以上いじょうとなった被ひ保険ほけん者しゃや被ひ扶養ふよう者しゃが2人ふたり以上いじょういる場合ばあいは自己じこ負担ふたん額がくを合算がっさんして上記じょうきの自己じこ負担ふたん限度げんど額がくを超こえた場合ばあいも払はらい戻もどされる（世帯せたい合算がっさん）。ただし、夫婦ふうふであっても夫婦ふうふともに被ひ保険ほけん者しゃである場合ばあい（一方いっぽうが他方たほうの被ひ扶養ふよう者しゃでない場合ばあい）には両者りょうしゃの自己じこ負担ふたん額がくは合算がっさんされず、また同どう一いち世帯せたいであっても協会きょうかいけんぽと健康けんこう保険ほけん組合くみあい、船員せんいん保険ほけん、後期こうき高齢こうれい者しゃ医療いりょう制度せいど等ひとし、異ことなる保険ほけん者しゃ・制度せいど間あいだでの合算がっさんはできない（昭和しょうわ59年ねん9月がつ22日にち保険ほけん発はつ65号ごう・庁ちょう保険ほけん発はつ17号ごう）。なお協会きょうかいけんぽの都道府県とどうふけん支部しぶが変かわったにすぎない場合ばあいは通算つうさんされる。

75歳さいになり後期こうき高齢こうれい者しゃ医療いりょう制度せいどの被ひ保険ほけん者しゃとなった場合ばあい、75歳さいの誕生たんじょう月がつにおいては、誕生たんじょう日び前まえの医療いりょう費ひと誕生たんじょう日び後ごの医療いりょう費ひについて、健康けんこう保険ほけん（国民こくみん健康けんこう保険ほけん）と後期こうき高齢こうれい者しゃ医療いりょう制度せいどでそれぞれ自己じこ負担ふたん限度げんど額がくが適用てきようされるが、2009年ねん（平成へいせい21年ねん）1月がつからは、この自己じこ負担ふたん限度げんど額がくは個人こじん単位たんいで両りょう制度せいどのいずれも本来ほんらい額がくの2分ぶんの1の額がくが適用てきようされる。ただし、75歳さいの誕生たんじょう日びがその月つきの初日しょにちの場合ばあいは適用てきようされない。被ひ保険ほけん者しゃが後期こうき高齢こうれい者しゃ医療いりょう制度せいどの被ひ保険ほけん者しゃとなる場合ばあい、その被ひ扶養ふよう者しゃについても特例とくれいの対象たいしょうとなる。

70歳さい以上いじょう

65 - 69歳さいで後期こうき高齢こうれい者しゃ医療いりょう制度せいどの被ひ保険ほけん者しゃとされる者ものも含ふくむ。平成へいせい29年ねん8月がつ診療しんりょう分ぶんから、現役げんえき並なみ所得しょとく者しゃの外来がいらい（個人こじんごと）、一般いっぱん所得しょとく者しゃの外来がいらい（個人こじんごと）及および外来がいらい・入院にゅういん（世帯せたい）の自己じこ負担ふたん限度げんど額がくが引ひき上あげられた。75歳さい以上いじょうは後期こうき高齢こうれい者しゃ医療いりょう制度せいどから支給しきゅうされるが、計算けいさん方法ほうほうは同おなじである。70歳さい以上いじょうの者ものの上限じょうげん額がくは2017年ねん（平成へいせい29年ねん）8月がつから段階だんかい的てきに引ひき上あげを行おこなっていて、2018年ねん（平成へいせい30年ねん）8月がつ以降いこう診療しんりょう分ぶんについての上限じょうげん額がくは以下いかの通とおりとなる。

• 「現役げんえき並なみ所得しょとく者しゃ」とは、療養りょうようの給付きゅうふの一部いちぶ負担ふたん割合わりあいが「3割わり」とされる者しゃ及およびその被ひ扶養ふよう者しゃ・同どう一いち世帯せたい所属しょぞく者しゃが該当がいとうする。「現役げんえき並なみ所得しょとく者しゃ」に該当がいとうする場合ばあい、たとえ市町しちょう村民そんみん税ぜい非課税ひかぜいであっても低てい所得しょとく者しゃとはならず「現役げんえき並なみ所得しょとく者しゃ」となる。
  • 「現役げんえき並なみ所得しょとく者しゃIII」は、健康けんこう保険ほけん・船員せんいん保険ほけんは被ひ保険ほけん者しゃの標準ひょうじゅん報酬ほうしゅう月額げつがくが83万まん円えん以上いじょう、国民こくみん健康けんこう保険ほけん・後期こうき高齢こうれい者しゃ医療いりょう制度せいどは総そう所得しょとく金額きんがくの世帯せたい合計ごうけい額がくが690万まん円えん以上いじょう
  • 「現役げんえき並なみ所得しょとく者しゃII」は、健康けんこう保険ほけん・船員せんいん保険ほけんは被ひ保険ほけん者しゃの標準ひょうじゅん報酬ほうしゅう月額げつがくが53万まん円えん以上いじょう83万まん円えん未満みまん、国民こくみん健康けんこう保険ほけん・後期こうき高齢こうれい者しゃ医療いりょう制度せいどは総そう所得しょとく金額きんがくの世帯せたい合計ごうけい額がくが380万まん円えん以上いじょう690円えん未満みまん
  • 「現役げんえき並なみ所得しょとく者しゃI」は、健康けんこう保険ほけん・船員せんいん保険ほけんは被ひ保険ほけん者しゃの標準ひょうじゅん報酬ほうしゅう月額げつがくが28万まん円えん以上いじょう53万まん円えん未満みまん、国民こくみん健康けんこう保険ほけん・後期こうき高齢こうれい者しゃ医療いりょう制度せいどは総そう所得しょとく金額きんがくの世帯せたい合計ごうけい額がくが145万まん円えん以上いじょう380円えん未満みまん
• 「一般いっぱん」とは、「現役げんえき並なみ所得しょとく者しゃ」「低てい所得しょとくII」「低てい所得しょとくI」のいずれにも該当がいとうしない者ものをいう。また、基準きじゅん日び（7月がつ31日にち）時点じてんの所得しょとく区分くぶんが「一般いっぱん」または「低てい所得しょとく」に該当がいとうする場合ばあいは、計算けいさん期間きかん（前年ぜんねん8月がつ1日にち - 7月がつ31日にち）のうち、「一般いっぱん」または「低てい所得しょとく」であった月つきの外来がいらい療養りょうようの自己じこ負担ふたん額がくの合計ごうけいが14万まん4000円えんを超こえた額がくが払はらい戻もどされる。なお、基準きじゅん日びにおいて「一般いっぱん」または「低てい所得しょとく」であれば計算けいさん期間きかん内ないに「現役げんえき並なみ所得しょとく者しゃ」であった月つきがあってもよいが、基準きじゅん日びにおいて「現役げんえき並なみ所得しょとく者しゃ」に該当がいとうすればたとえ計算けいさん期間きかん内ないに「一般いっぱん」または「低てい所得しょとく」であった月つきがあっても年間ねんかん自己じこ負担ふたん額がく合計ごうけいは適用てきようされない。
• 「低てい所得しょとくII」とは、健康けんこう保険ほけん・船員せんいん保険ほけんは被ひ保険ほけん者しゃ自身じしんが市町しちょう村民そんみん税ぜい非課税ひかぜい者しゃ等とうである場合ばあい、国民こくみん健康けんこう保険ほけん・後期こうき高齢こうれい者しゃ医療いりょう制度せいどは世帯せたい主ぬし及および加入かにゅう者しゃ全員ぜんいんが市民しみん税ぜい非課税ひかぜいの世帯せたい、であって「低てい所得しょとくI」に該当がいとうしない者ものをいう。
• 「低てい所得しょとくI」とは、健康けんこう保険ほけん・船員せんいん保険ほけんは被ひ保険ほけん者しゃとその扶養ふよう家族かぞく全員ぜんいんの収入しゅうにゅうから必要ひつよう経費けいひ・控除こうじょ額がくを除のぞいた後のちの所得しょとくが0円えんとなる者ものをいう。国民こくみん健康けんこう保険ほけん・後期こうき高齢こうれい者しゃ医療いりょう制度せいどは世帯せたい主ぬし及および加入かにゅう者しゃ全員ぜんいんが市民しみん税ぜい非課税ひかぜいの世帯せたいであって、その世帯せたいの所得しょとくが0円えん（公的こうてき年金ねんきんの控除こうじょ額がくは80万まん円えんとして計算けいさんする）となる者もの又または老齢ろうれい福祉ふくし年金ねんきんを受給じゅきゅうしている者ものをいう。

外来がいらい診療しんりょう

外来がいらい診療しんりょうのみの場合ばあい、同どう月内げつないの自己じこ負担ふたん額がくを個人こじんごとに合算がっさんして、自己じこ負担ふたん限度げんど額がくを超こえた場合ばあい、その超こえた分ぶんが支給しきゅうされる。

• 現役げんえき並なみ所得しょとく者しゃ：2018年ねん（平成へいせい30年ねん）8月がつより適用てきようなし（入院にゅういん療養りょうようの世帯せたい合算がっさんと一本いっぽん化か）
• 一般いっぱん：1万まん8000円えん
• 低てい所得しょとくII：8000円えん
• 低てい所得しょとくI：8000円えん

入院にゅういん療養りょうよう

同どう一いち月がつ同一どういつ病院びょういんでの入院にゅういん診療しんりょうの場合ばあい及および外来がいらい療養りょうようで上記じょうきの適用てきよう後ごになお残のこる一部いちぶ負担ふたん金きんを、世帯せたいで合算がっさんして自己じこ負担ふたん限度げんど額がくを超こえた場合ばあい、その超こえた分ぶんが支給しきゅうされる。70歳さい未満みまんの場合ばあいと異ことなり、21,000円えん未満みまんのものでも合算がっさんできる。

• 現役げんえき並なみ所得しょとく者しゃIII：25万まん2600円えん+（10割わり相当そうとう医療いりょう費ひ-84万まん2000円えん）×1%
• 現役げんえき並なみ所得しょとく者しゃII：16万まん7400円えん+（10割わり相当そうとう医療いりょう費ひ-55万まん8000円えん）×1%
• 現役げんえき並なみ所得しょとく者しゃI：8万まん100円えん+（10割わり相当そうとう医療いりょう費ひ-26万まん7000円えん）×1%
• 一般いっぱん：5万まん7600円えん
• 低てい所得しょとくII：2万まん4600円えん
• 低てい所得しょとくI：1万まん5000円えん

多た数すう回かい該当がいとう

• 現役げんえき並なみ所得しょとく者しゃIII：14万まん100円えん
• 現役げんえき並なみ所得しょとく者しゃII：9万まん3000円えん
• 現役げんえき並なみ所得しょとく者しゃI・一般いっぱん：4万まん4400円えん（外来がいらいのみの月つきは多数たすう回かい該当がいとうの回数かいすうに数かぞえない）
• 低てい所得しょとく者しゃ：適用てきようなし

長期ちょうき高額こうがく疾病しっぺい

• 人工じんこう腎臓じんぞうを実施じっししている慢性まんせい腎不全じんふぜん（人工じんこう透析とうせき治療ちりょう）
• 血友病けつゆうびょう
• 抗こうウイルス剤ざいを投与とうよしている後天こうてん性せい免疫めんえき不全ふぜん症候群しょうこうぐん（HIV感染かんせん者しゃ）

以上いじょうの疾患しっかん（特定とくてい疾患しっかん）に係かかる療養りょうようを受うける者ものについては、自己じこ負担ふたん限度げんど額がくは1万まん円えんとなる。ただし、人工じんこう透析とうせきを要ようする区分くぶんア・イの者もの及およびその被ひ扶養ふよう者しゃ・同どう一いち世帯せたい所属しょぞく者しゃについては自己じこ負担ふたん限度げんど額がく2万まん円えん（健康けんこう保険ほけん特定とくてい疾病しっぺい療養りょうよう受療証しょうの申請しんせい・交付こうふ・提出ていしゅつ要よう）となる（平成へいせい21年ねん4月がつ30日にち厚あつし労ろう告つげ291号ごう）。

血友病けつゆうびょう、HIV感染かんせん者しゃについては、自己じこ負担ふたん限度げんど額がくが公費こうひ負担ふたんとなるので、実際じっさいには患者かんじゃの窓口まどぐち負担ふたんはない。

特定とくてい疾患しっかんに係かかる高額こうがく療養りょうよう費ひについては、原則げんそくとして多数たすう回かい該当がいとうに係かかる支給しきゅう回数かいすうに通算つうさんされない。

高額こうがく介護かいご合算がっさん療養りょうよう費ひ

第だい115条じょうの2（高額こうがく介護かいご合算がっさん療養りょうよう費ひ）

1. 一部いちぶ負担ふたん金きん等とうの額がく（前条ぜんじょう第だい一いち項こうの高額こうがく療養りょうよう費ひが支給しきゅうされる場合ばあいにあっては、当該とうがい支給しきゅう額がくに相当そうとうする額がくを控除こうじょして得えた額がく）並ならびに介護かいご保険ほけん法ほう第だい五ご十じゅう一いち条じょう第だい一いち項こうに規定きていする介護かいごサービス利用りよう者しゃ負担ふたん額がく（同どう項こうの高額こうがく介護かいごサービス費ひが支給しきゅうされる場合ばあいにあっては、当該とうがい支給しきゅう額がくを控除こうじょして得えた額がく）及および同どう法ほう第だい六ろく十じゅう一いち条じょう第だい一いち項こうに規定きていする介護かいご予防よぼうサービス利用りよう者しゃ負担ふたん額がく（同どう項こうの高額こうがく介護かいご予防よぼうサービス費ひが支給しきゅうされる場合ばあいにあっては、当該とうがい支給しきゅう額がくを控除こうじょして得えた額がく）の合計ごうけい額がくが著いちじるしく高額こうがくであるときは、当該とうがい一部いちぶ負担ふたん金きん等とうの額がくに係かかる療養りょうようの給付きゅうふ又または保険ほけん外がい併用へいよう療養りょうよう費ひ、療養りょうよう費ひ、訪問ほうもん看護かんご療養りょうよう費ひ、家族かぞく療養りょうよう費ひ若もしくは家族かぞく訪問ほうもん看護かんご療養りょうよう費ひの支給しきゅうを受うけた者ものに対たいし、高額こうがく介護かいご合算がっさん療養りょうよう費ひを支給しきゅうする。
2. 前条ぜんじょう第だい二に項こうの規定きていは、高額こうがく介護かいご合算がっさん療養りょうよう費ひの支給しきゅうについて準用じゅんようする。

前年ぜんねんの8月がつ1日にちから当年とうねんの7月がつ31日にちまでの1年間ねんかんにおける、公的こうてき医療いりょう保険ほけんの自己じこ負担ふたん額がく（高額こうがく療養りょうよう費ひが支給しきゅうされる場合ばあいは、その支給しきゅう額がくを除のぞいた額がく）と、介護かいご保険ほけんの利用りよう者しゃ負担ふたん額がくの年間ねんかんの合計ごうけい額がくが著いちじるしく高額こうがくであるときに、一定いっていの自己じこ負担ふたん限度げんど額がくを超こえる分ふんが支給しきゅうされる（健康けんこう保険ほけん法ほう第だい115条じょうの2、国民こくみん健康けんこう保険ほけん法ほう第だい57条じょうの3）。なお、公的こうてき医療いりょう保険ほけん・介護かいご保険ほけんのいずれか一方いっぽうの自己じこ負担ふたん額がくが0円えんである場合ばあいには適用てきようされない。また、（利用りよう者しゃ負担ふたん額がく-自己じこ負担ふたん限度げんど額がく）が支給しきゅう基準きじゅん額がく（500円えん）を超こえない場合ばあいには支給しきゅうされない。

年度ねんどの途中とちゅうで保険ほけん者しゃが変更へんこうになった場合ばあいでも合算がっさんされる。請求せいきゅうは、介護かいご保険ほけんの保険ほけん者しゃ（市町村しちょうそん）が発行はっこうする自己じこ負担ふたん額がくの証明しょうめい書しょを添そえて公的こうてき医療いりょう保険ほけんの保険ほけん者しゃに対たいして行おこない、支給しきゅうは公的こうてき医療いりょう保険ほけんの保険ほけん者しゃが行おこなう。費用ひようは割合わりあいに応おうじて保険ほけん者しゃ間あいだで按分あんぶんし、公的こうてき医療いりょう保険ほけん分ぶんが「高額こうがく介護かいご合算がっさん療養りょうよう費ひ」として、介護かいご保険ほけん分ぶんは「高額こうがく医療いりょう合算がっさん介護かいご（予防よぼう）サービス費ひ」として、結果けっか的てきには超過ちょうか額がくの全額ぜんがくが支給しきゅうされる（高額こうがく医療いりょう・高額こうがく介護かいご合算がっさん療養りょうよう費ひ制度せいど）。

70歳さい未満みまんの者ものの自己じこ負担ふたん限度げんど額がくは以下いかの通とおりである。

• 区分くぶんア：212万まん円えん
• 区分くぶんイ：141万まん円えん
• 区分くぶんウ：67万まん円えん
• 区分くぶんエ：60万まん円えん
• 区分くぶんオ：34万まん円えん

70歳さい以上いじょうの者ものの自己じこ負担ふたん限度げんど額がくは以下いかの通とおりである。

• 現役げんえき並なみ所得しょとく者しゃIII：212万まん円えん
• 現役げんえき並なみ所得しょとく者しゃII：141万まん円えん
• 現役げんえき並なみ所得しょとく者しゃI：67万まん円えん
• 一般いっぱん：56万まん円えん
• 低てい所得しょとくII：31万まん円えん
• 低てい所得しょとくI：19万まん円えん（介護かいごサービス利用りよう者しゃが世帯せたい内ないに複数ふくすういる場合ばあいは31万まん円えん）

具体ぐたい例れい

ケース1

区分くぶんウの人ひとが、同一どういつの1ヶ月かげつ間あいだに同どう一いち医療いりょう機関きかん窓口まどぐちへ支払しはらった金額きんがくが15万まん円えん（3割わり負担ふたん）だった場合ばあい。

10割わり相当そうとう医療いりょう費ひ

15万まん円えん×100/30=50万まん円えん

自己じこ負担ふたん限度げんど額がく

8万まん100円えん+（50万まん円えん-26万まん7000円えん）×1%=8万まん2430円えん

高額こうがく療養りょうよう費ひとして支給しきゅうされる金額きんがく

15万まん円えん-8万まん2430円えん=6万まん7570円えん

ケース2

区分くぶんアの人ひとが、同一どういつの1ヶ月かげつ間あいだに同どう一いち医療いりょう機関きかん窓口まどぐちへ支払しはらった金額きんがくが30万まん円えん（3割わり負担ふたん）だった場合ばあい。

10割わり相当そうとう医療いりょう費ひ

30万まん円えん×100/30=100万まん円えん

自己じこ負担ふたん限度げんど額がく

25万まん2600円えん+（100万まん円えん-84万まん2000円えん）×1%=25万まん4180円えん

高額こうがく療養りょうよう費ひとして支給しきゅうされる金額きんがく

30万まん円えん-25万まん4180円えん=4万まん5820円えん

なお、事前じぜんに限度げんど額がく認定にんてい証しょうの交付こうふを受うけておけば、病院びょういんの窓口まどぐちで一旦いったん3割わり負担ふたん額がくを支払しはらう必要ひつようがなく、自己じこ負担ふたん限度げんど額がくの支払しはらいのみで済すむ。

時効じこう

健康けんこう保険ほけんの他ほかの給付きゅうふと同おなじく、高額こうがく療養りょうよう費ひ・高額こうがく介護かいご合算がっさん療養りょうよう費ひの支給しきゅうを受うける権利けんりは、2年ねんを経過けいかしたときは時効じこうにより消滅しょうめつする。時効じこうの起算きさん日びは、高額こうがく療養りょうよう費ひは「診療しんりょう月がつの翌月よくげつの初日しょにち」（自己じこ負担ふたん分ぶんを翌月よくげつ以降いこうに支払しはらった場合ばあいは支払しはらった日ひの翌日よくじつ）、高額こうがく介護かいご合算がっさん療養りょうよう費ひは「計算けいさん期間きかんの末日まつじつの翌日よくじつ」（8月がつ1日にち）である（昭和しょうわ48年ねん11月7日にち保険ほけん発はつ99号ごう・庁ちょう保険ほけん発はつ21号ごう）。

問題もんだい点てん

治療ちりょう中ちゅうに加入かにゅうしている保険ほけん者しゃが切きり替かわり、被ひ保険ほけん者しゃが気きづかず自己じこ負担ふたん分ぶんの上限じょうげんを超こえて医療いりょう費ひを「二に重じゅう払ばらい」しているケースが発覚はっかくしている。厚生こうせい労働省ろうどうしょうによると、「保険ほけん制度せいどはそれぞれあり、他方たほうの給付きゅうふ状じょう況きょうを見みることができないので、調整ちょうせいは今いまのところ考かんがえていない」とのこと。医療いりょう団体だんたいは「この制度せいどの目的もくてきは「患者かんじゃの負担ふたん軽減けいげん」なのに放置ほうちされている」などと批判ひはんしている。

暦こよみ月がつごとになるので診療しんりょうが月つき跨またぎになった場合ばあい、合計ごうけい額がくが該当がいとうしても月つき毎ごとに見みるとぎりぎり足たりない場合ばあいもあり、支払しはらわれない場合ばあいが出でたり月つき中ちゅうの診療しんりょうに比くらべて少額しょうがくになるなど、制度せいどとして公平こうへい性せいに疑問ぎもんが残のこる場合ばあいもある。つまり月がつ初はじめに倒たおれたり事故じこに遭あえば高額こうがく医療いりょう制度せいどは確実かくじつに使用しようできるが、月末げつまつだとそうはならない場合ばあいもある、ということになる。

また、実態じったいがないのに日本人にっぽんじんの扶養ふようなどと嘘うそをついて外国がいこく人じんがガン治療ちりょうなど高額こうがく療養りょうよう費ひ制度せいどを利用りようする例れいも後ごを絶たたない。未払みはらいも多おおく、医療いりょう機関きかんは対応たいおうに苦慮くりょしている。

関連かんれん項目こうもく

• 公費こうひ負担ふたん医療いりょう
• 日本にっぽんの医療いりょう#医療いりょう費ひ負担ふたんの補助ほじょ制度せいど
• 還付かんぷ金きん詐欺さぎ

外部がいぶリンク

• 高額こうがく療養りょうよう費ひ制度せいどを利用りようされる皆みなさまへ - 厚生こうせい労働省ろうどうしょう
• 高額こうがくな医療いりょう費ひを支払しはらったときは高額こうがく療養りょうよう費ひで払はらい戻もどしが受うけられます - 全国ぜんこく健康けんこう保険ほけん協会きょうかい