全国ぜんこく健康けんこう保険ほけん協会きょうかい

全国ぜんこく健康けんこう保険ほけん協会きょうかい
Japan Health Insurance Association

本社ほんしゃのあるYOTSUYA TOWER
種類しゅるい	特別とくべつの法律ほうりつにより設立せつりつされる法人ほうじん
略称りゃくしょう	協会きょうかいけんぽ、健保けんぽ協会きょうかい
本社ほんしゃ所在地しょざいち	日本にっぽん 〒160-8507 東京とうきょう都と新宿しんじゅく区く四谷よつや一いち丁目ちょうめ6番ばん1号ごう YOTSUYA TOWER6F 北緯ほくい35度ど41分ふん15.4秒びょう 東経とうけい139度ど43分ふん44.6秒びょう
設立せつりつ	2008年ねん10月1日にち
業種ぎょうしゅ	サービス業ぎょう
法人ほうじん番号ばんごう	7010005013337
事業じぎょう内容ないよう	健康けんこう（船員せんいん）保険ほけん事業じぎょう（保険ほけん証しょう発行はっこう・給付きゅうふ等とう）、保健ほけん事業じぎょう（健康けんこう診断しんだん）、医療いりょう費ひの分析ぶんせき等とう
代表だいひょう者しゃ	北川きたがわ博康ひろやす（理事りじ長ちょう）
資本しほん金きん	健康けんこう保険ほけん勘定かんじょう 65億おく9,427万まん7,976円えん 船員せんいん保険ほけん勘定かんじょう 4億おく6,512万まん4,590円えん （出資しゅっし金きん・2016年ねん3月がつ31日にち現在げんざい）
売上うりあげ高だか	健康けんこう保険ほけん勘定かんじょう 10兆ちょう2,323億おく8,024万まん818円えん 船員せんいん保険ほけん勘定かんじょう 455億おく6,114万まん4,086円えん（事業じぎょう収益しゅうえき・2020年ねん3月がつ期き）
経常けいじょう利益りえき	健康けんこう保険ほけん勘定かんじょう 5311億おく1290万まん0204円えん 船員せんいん保険ほけん勘定かんじょう 31億おく2878万まん5924円えん（2020年ねん3月がつ期き）
純じゅん利益りえき	健康けんこう保険ほけん勘定かんじょう 5310億おく9358万まん9352円えん 船員せんいん保険ほけん勘定かんじょう 31億おく2877万まん8908円えん（2020年ねん3月がつ期き）
純資産じゅんしさん	健康けんこう保険ほけん勘定かんじょう 3兆ちょう4932億おく7910万まん5780円えん 船員せんいん保険ほけん勘定かんじょう 537億おく4233万まん7421円えん （2020年ねん3月がつ期き）
総そう資産しさん	健康けんこう保険ほけん勘定かんじょう 4兆ちょう2176億おく0993万まん0376円えん 船員せんいん保険ほけん勘定かんじょう 577億おく4999万まん2995円えん（2020年ねん3月がつ期き）
従業じゅうぎょう員数いんずう	常勤じょうきん職員しょくいん 2,098人にん（2016年ねん3月がつ31日にち現在げんざい）
支店してん舗数	47
決算けっさん期き	毎年まいとし3月31日にち
関係かんけいする人物じんぶつ	小林こばやし剛つよし（元もと理事りじ長ちょう）
外部がいぶリンク	www.kyoukaikenpo.or.jp

全国ぜんこく健康けんこう保険ほけん協会きょうかい（ぜんこくけんこうほけんきょうかい）は、被用者ひようしゃ保険ほけん者しゃのひとつで、健康けんこう保険ほけん法ほう等ひとしに基もとづき2008年ねん（平成へいせい20年ねん）10月1日にちに設立せつりつされた、厚生こうせい労働省ろうどうしょう所管しょかんの特別とくべつの法律ほうりつにより設立せつりつされる法人ほうじん（公法人こうほうじん）である。日本にっぽん最大さいだいの保険ほけん者しゃ（医療いりょう保険ほけん引受ひきうけ人じん）である。略称りゃくしょう協会きょうかいけんぽ。 前身ぜんしんは社会保険庁しゃかいほけんちょうが実施じっししていた政府せいふ管掌かんしょう健康けんこう保険ほけん（政管健保せいかんけんぽ）。

民間みんかん企業きぎょうは、所定しょていの要件ようけん（健康けんこう保険ほけん#適用てきよう事業じぎょう所しょを参照さんしょう）に該当がいとうする場合ばあい、社会しゃかい保険ほけん加入かにゅうの義務ぎむが発生はっせいする。企業きぎょうが健康けんこう保険ほけん組合くみあいを組織そしきしていない場合ばあい、保険ほけんの引受ひきうけ者しゃは全国ぜんこく健康けんこう保険ほけん協会きょうかい（愛称あいしょう「協会きょうかいけんぽ」）となり（第だい5条じょう）、所定しょていの要件ようけんを満みたす当該とうがい企業きぎょうの従業じゅうぎょう員いん（健康けんこう保険ほけん#被ひ保険ほけん者しゃ）はその意思いしにかかわらず協会きょうかいの実施じっしする医療いりょう保険ほけんの被ひ保険ほけん者しゃとされる。従来じゅうらい、自前じまえで健保けんぽ組合くみあいを持もてない中小ちゅうしょう企業きぎょうの従業じゅうぎょう員いんやその家族かぞくを対象たいしょうとしていて、現在げんざいでは加入かにゅうする事業じぎょう所しょの約やく8割わりが従業じゅうぎょう員いん10人にん未満みまんの中小ちゅうしょう・零細れいさい企業きぎょうであるが、近年きんねんは大だい企業きぎょうであっても健保けんぽ組合くみあいを持もたない、あるいは健保けんぽ組合くみあいを解散かいさんして協会きょうかいけんぽに移行いこうする例れいが増ふえている。

また船員せんいん保険ほけんについても協会きょうかいが管掌かんしょうしている。なお、日雇ひやとい特例とくれい被ひ保険ほけん者しゃについては、協会きょうかいのみがその保険ほけんの保険ほけん者しゃとなり、健康けんこう保険ほけん組合くみあいが保険ほけん者しゃとなることはない。被ひ保険ほけん者しゃ証しょうの保険ほけん者しゃ番号ばんごうは8桁けたの番号ばんごうからなり、管掌かんしょう健康けんこう保険ほけんが01、日雇ひやとい特例とくれい被ひ保険ほけん者しゃが03、日雇ひやとい特例とくれい被ひ保険ほけん者しゃ特別とくべつ療養りょうよう費ひ受給じゅきゅう者しゃが04から始はじまる。

歴史れきし

「社会保険庁しゃかいほけんちょう#沿革えんかく」も参照さんしょう

2008年ねん9月30日にちまでは同様どうようの業務ぎょうむを政府せいふ管掌かんしょう健康けんこう保険ほけん（政管健保せいかんけんぽ）として国くにの直営ちょくえい（社会保険庁しゃかいほけんちょう）で実施じっししていた。2007年ねんの厚生こうせい労働ろうどう白書はくしょによれば、2006年ねん3月がつ時点じてんで約やく3565万まん人にんが政管健保せいかんけんぽに加入かにゅうしていた。

一連いちれんの医療いりょう保険ほけん制度せいどの改革かいかくや社会保険庁しゃかいほけんちょうの諸しょ問題もんだい発覚はっかくによる廃止はいし・解体かいたいから、2008年ねん10月がつ1日にちより政府せいふ管掌かんしょう健康けんこう保険ほけんは厚生こうせい労働省ろうどうしょうを離はなれ、協会きょうかいによる全国ぜんこく健康けんこう保険ほけん協会きょうかい管掌かんしょう健康けんこう保険ほけんに移管いかんされた。協会きょうかいは健康けんこう保険ほけん（政府せいふ管掌かんしょう健康けんこう保険ほけん）事業じぎょうを非ひ公務員こうむいん化かし、自主じしゅ自立じりつ運営うんえいかつ事業じぎょうの合理ごうり化か・効率こうりつ化かを目指めざすために設立せつりつされた。それゆえ協会きょうかいは全国ぜんこく単位たんいの非ひ公務員こうむいん型がたの特殊とくしゅ法人ほうじんとし、業務ぎょうむの合理ごうり化か・効率こうりつ化かを推進すいしんする（第だい7条じょうの3）。

健康けんこう保険ほけん法ほうに基もとづく保険ほけん者しゃ (平成へいせい25年ねん)

保険ほけん者しゃ	加入かにゅう者しゃ数すう			組合くみあい数すう
	加入かにゅう者しゃ計けい	本人ほんにん	家族かぞく
全国ぜんこく健康けんこう保険ほけん協会きょうかい (日雇ひやとい特例とくれい被ひ保険ほけん者しゃ以外いがい)	34877千せん人にん	19631千せん人にん	15246千せん人にん	N/A
全国ぜんこく健康けんこう保険ほけん協会きょうかい (日雇ひやとい特例とくれい被ひ保険ほけん者しゃ)	18千せん人にん	12千せん人にん	6千せん人にん	N/A
健康けんこう保険ほけん組合くみあい	29504千せん人にん	15533千せん人にん	13951千せん人にん	1443組合くみあい

組織そしき

事業じぎょう所しょの業態ぎょうたい別べつ・規模きぼ別べつ事業じぎょう所しょ数すう
及および被ひ保険ほけん者しゃ数すう(平成へいせい23年ねん)

被ひ保険ほけん者しゃ数すう	事業じぎょう所しょ数すう
1～4人にん	960,667 (59%)
5～9	305,934 (19%)
10～19	181,303 (11%)
20～29	63,801 (4%)
30～49	49,518 (3%)
50～99	37,050 (2%)
100～299	21,377 (1%)
300～499	3,304 (1%以下いか)
500～999	1,788 (1%以下いか)
1000人にん以上いじょう	718 (1%以下いか)
総計そうけい	1,625,460 (100%)

協会きょうかいは、健康けんこう保険ほけんの被ひ保険ほけん者しゃ（健康けんこう保険ほけん組合くみあいの被ひ保険ほけん者しゃを除のぞく）に係かかる健康けんこう保険ほけん事業じぎょう及および船員せんいん保険ほけん事業じぎょうを行おこない、被ひ保険ほけん者しゃ及およびその被ひ扶養ふよう者しゃ（加入かにゅう者しゃ）の健康けんこう増進ぞうしんを図はかるとともに、良質りょうしつかつ効率こうりつ的てきな医療いりょうが享受きょうじゅできるようにし、もって加入かにゅう者しゃ及および事業じぎょう主ぬしの利益りえきの実現じつげんを図はかることを目的もくてきとする（全国ぜんこく健康けんこう保険ほけん協会きょうかい定款ていかん第だい2条じょう）。

協会きょうかいけんぽ・船員せんいん保険ほけんの事業じぎょうに関かんする業務ぎょうむのうち、被ひ保険ほけん者しゃの資格しかくの取得しゅとく及および喪失そうしつの確認かくにん、標準ひょうじゅん報酬ほうしゅう月額げつがく及および標準ひょうじゅん賞与しょうよ額がくの決定けってい並ならびに保険ほけん料りょうの徴収ちょうしゅう（任意にんい継続けいぞく被ひ保険ほけん者しゃ・疾病しっぺい任意にんい継続けいぞく被ひ保険ほけん者しゃに係かかるものを除のぞく）並ならびにこれらに附帯ふたいする業務ぎょうむは、厚生こうせい労働ろうどう大臣だいじんが行おこなう（これらは厚生こうせい年金ねんきんと一体いったいとなっている業務ぎょうむのためであり、実際じっさいには日本にっぽん年金ねんきん機構きこうに委任いにんされている。第だい5条じょう2項こう、船員せんいん保険ほけん法ほう第だい4条じょう2項こう）。協会きょうかいは以下いかの業務ぎょうむを行おこなう（これらは健康けんこう保険ほけん・船員せんいん保険ほけん独自どくじの業務ぎょうむである。第だい7条じょうの2、船員せんいん保険ほけん法ほう第だい5条じょう）。

1. 保険ほけん給付きゅうふに関かんする業務ぎょうむ
2. 保健ほけん事業じぎょう及および福祉ふくし事業じぎょうに関かんする業務ぎょうむ
3. 1,2のほか、協会きょうかいが管掌かんしょうする健康けんこう保険ほけん・船員せんいん保険ほけんの事業じぎょうに関かんする業務ぎょうむであって厚生こうせい労働ろうどう大臣だいじんが行おこなう業務ぎょうむ以外いがいのもの（被ひ保険ほけん者しゃ証しょうの発行はっこう業務ぎょうむ、任意にんい継続けいぞく被ひ保険ほけん者しゃ・疾病しっぺい任意にんい継続けいぞく被ひ保険ほけん者しゃの保険ほけん料りょうの徴収ちょうしゅう等とう）
4. 厚生こうせい労働ろうどう大臣だいじんが保険ほけん給付きゅうふ（健康けんこう保険ほけん組合くみあいに係かかる場合ばあいを除のぞく）に関かんして事業じぎょう主ぬし・船舶せんぱく所有しょゆう者しゃに対たいして行おこなう命令めいれい・質問しつもん・検査けんさ等とうについての権限けんげんに係かかる事務じむ（あらかじめ厚生こうせい労働ろうどう大臣だいじんの認可にんかが必要ひつよう）に関かんする業務ぎょうむ
5. 1～4の業務ぎょうむに付帯ふたいする業務ぎょうむ
6. 前期ぜんき高齢こうれい者しゃ納付のうふ金きん、後期こうき高齢こうれい者しゃ支援しえん金きん及および退職たいしょく者しゃ給付きゅうふ拠出きょしゅつ金きん並ならびに介護かいご納付のうふ金きんの納付のうふに関かんする事務じむ
7. 健康けんこう保険ほけん事業じぎょう・船員せんいん保険ほけん事業じぎょうに関かんする広報こうほうの実施じっし、保険ほけん料りょうの納付のうふの勧奨かんしょうその他た厚生こうせい労働ろうどう大臣だいじんが行おこなう保険ほけん料りょうの徴収ちょうしゅうに係かかる業務ぎょうむに対たいする適切てきせつな協力きょうりょく

主しゅたる事務所じむしょ（本部ほんぶ）は東京とうきょう都と千代田ちよだ区くに置おき（第だい7条じょうの4、定款ていかん第だい3条じょう）、都道府県とどうふけんごとに従したがえたる事務所じむしょ（支部しぶ）がある（定款ていかん別表べっぴょう一いち）。協会きょうかいの本部ほんぶには、役員やくいんとして理事りじ長ちょう1人にん、理事りじ6人にん以内いない、監事かんじ2人にんが置おかれる（第だい7条じょうの9、第だい7条じょうの10）。理事りじ長ちょう及および監事かんじは、厚生こうせい労働ろうどう大臣だいじんが任命にんめいするが、理事りじ長ちょうの任命にんめいにあたってはあらかじめ運営うんえい委員いいん会かいの意見いけんを聴きかなければならない。理事りじは理事りじ長ちょうが任命にんめいする（第だい7条じょうの11）。

運営うんえい委員いいん会かいは、事業主じぎょうぬし及および被ひ保険ほけん者しゃの意見いけんを反映はんえいさせ、協会きょうかいの業務ぎょうむの適正てきせいな運営うんえいを図はかるために、本部ほんぶに設置せっちされる。運営うんえい委員いいん会かいは、事業じぎょう主ぬし3名めい、被ひ保険ほけん者しゃ3名めい、学識がくしき経験けいけん者しゃ3名めいの計けい9名めいにより構成こうせいし厚生こうせい労働ろうどう大臣だいじんが任命にんめいする（第だい7条じょうの18）。2019年ねん（令れい和わ元年がんねん）現在げんざいの委員いいん長ちょうは慶應義塾大学けいおうぎじゅくだいがく名誉めいよ教授きょうじゅの田中たなか滋しげる。

• 定款ていかんの変更へんこう、事業じぎょう計画けいかく・予算よさん・決算けっさん・重要じゅうような財産ざいさんの処分しょぶん・重大じゅうだいな債務さいむの負担ふたん、協会きょうかいの業務ぎょうむ及および組織そしきに関かんするの重要じゅうよう事項じこうその他た理事りじ長ちょうが業務ぎょうむ執行しっこう上じょう必要ひつようと認みとめた事項じこうについては、理事りじ長ちょうはあらかじめ運営うんえい委員いいん会かいの議ぎを経へなければならない（第だい7条じょうの19、定款ていかん第だい13条じょう）。運営うんえい委員いいん会かいは、理事りじ長ちょうの諮問しもんに応おうじ、又または必要ひつようと認みとめる事項じこうについて、理事りじ長ちょうに建議けんぎすることができ、理事りじ長ちょうは運営うんえい委員いいん会かいの委員いいんの3分ぶんの1以上いじょうの委員いいんが審議しんぎすべき事項じこうを示しめして運営うんえい委員いいん会かいの開催かいさいを請求せいきゅうしたときは、運営うんえい委員いいん会かいを招集しょうしゅうしなければならない（定款ていかん第だい21~22条じょう）。

協会きょうかいけんぽ事業じぎょう

評議ひょうぎ会かいは、都道府県とどうふけんごとの実情じつじょうに応おうじた業務ぎょうむの適正てきせいな運営うんえいに資しするために、支部しぶごとに設置せっちされる。委員いいんは12名めい以内いないとし、事業じぎょう主ぬし、被ひ保険ほけん者しゃ、学識がくしき経験けいけん者しゃから支部しぶ長ちょうが各かく同数どうすうを委嘱いしょくし、当該とうがい支部しぶの業務ぎょうむの実施じっしについて意見いけんを聴きく（第だい7条じょうの21、定款ていかん第だい29条じょう）。

船員せんいん保険ほけん事業じぎょう

船員せんいん保険ほけん事業じぎょうに関かんして船舶せんぱく所有しょゆう者しゃ及および被ひ保険ほけん者しゃの意見いけんを聴きき、当該とうがい事業じぎょうの円滑えんかつな運営うんえいを図はかるため、協会きょうかいに船員せんいん保険ほけん協議きょうぎ会かいを置おく（船員せんいん保険ほけん法ほう第だい6条じょう1項こう）。協議きょうぎ会かいの委員いいんは、12人にん以内いないで、船舶せんぱく所有しょゆう者しゃ、被ひ保険ほけん者しゃ、学識がくしき経験けいけん者しゃのうちから、厚生こうせい労働ろうどう大臣だいじんが任命にんめいする（船員せんいん保険ほけん法ほう第だい6条じょう2項こう）。2019年ねん（令れい和わ元年がんねん）7月がつ就任しゅうにんの現げん委員いいん長ちょうは早稲田大学わせだだいがく法学ほうがく学術がくじゅつ院いん教授きょうじゅの菊池きくち馨かおる実み。

理事りじ長ちょうは、次つぎに掲かかげる事項じこうの立案りつあんをしようとするときは、運営うんえい委員いいん会かいの議ぎを経へなければならず、さらにあらかじめ、船員せんいん保険ほけん協議きょうぎ会かいの意見いけんを聴きき、その意見いけんを尊重そんちょうしなければならない（船員せんいん保険ほけん法ほう第だい7条じょう1項こう、定款ていかん第だい45条じょう）ほか、船員せんいん保険ほけん協議きょうぎ会かいは、船員せんいん保険ほけん事業じぎょうに関かんし、理事りじ長ちょうの諮問しもんに応おうじ、又または必要ひつようと認みとめる事項じこうについて、理事りじ長ちょうに建議けんぎすることができる（船員せんいん保険ほけん法ほう第だい7条じょう3項こう）。

1. 定款ていかん（船員せんいん保険ほけん事業じぎょうに係かかる部分ぶぶんに限かぎる。）の変更へんこう
2. 運営うんえい規則きそく（船員せんいん保険ほけん事業じぎょうに係かかる部分ぶぶんに限かぎる。）の変更へんこう
3. 協会きょうかいの毎まい事業じぎょう年度ねんどの事業じぎょう計画けいかく並ならびに予算よさん及および決算けっさん（船員せんいん保険ほけん事業じぎょうに係かかる部分ぶぶんに限かぎる。）
4. 協会きょうかいの重要じゅうような財産ざいさんの処分しょぶん又または重大じゅうだいな債務さいむの負担ふたん（船員せんいん保険ほけん事業じぎょうに係かかるものに限かぎる。）
5. その他た船員せんいん保険ほけん事業じぎょうに関かんする重要じゅうよう事項じこうとして厚生こうせい労働ろうどう省令しょうれいで定さだめるもの

協会きょうかいけんぽの運営うんえい

日本にっぽんの国民こくみん医療いりょう費ひ（制度せいど区別くべつ、2020年度ねんど）

公費こうひ負担ふたん医療いりょう給付きゅうふ			3兆ちょう1222億おく円えん（007.3%）
後期こうき高齢こうれい者しゃ医療いりょう給付きゅうふ			15兆ちょう2868億おく円えん（035.3%）
医療いりょう保険ほけん等とう給付きゅうふ 19兆ちょう3653億おく円えん （45.1%）	被用者ひようしゃ保険ほけん 10兆ちょう2934億おく円えん （24.0%）	協会きょうかいけんぽ	5兆ちょう7040億おく円えん（013.3%）
		健康けんこう保険ほけん組合くみあい	3兆ちょう5259億おく円えん（008.2%）
		船員せんいん保険ほけん	184億おく円えん（000.0%）
		共済きょうさい組合くみあい	1兆ちょう0450億おく円えん（002.4%）
	国民こくみん健康けんこう保険ほけん		8兆ちょう7628億おく円えん（020.4%）
	その他た労災ろうさいなど		3091億おく円えん（000.7%）
患者かんじゃ等とう負担ふたん			5兆ちょう1922億おく円えん（012.2%）
総額そうがく			42兆ちょう9665億おく円えん（100.0%）

保険ほけん料りょう率りつ

毎まい事業じぎょう年度ねんどごとに財政ざいせいの均衡きんこうを保たもつことができるよう、支部しぶ被ひ保険ほけん者しゃを単位たんいとした保険ほけん料りょう率りつ（都道府県とどうふけん単位たんい保険ほけん料りょう率りつ）を協会きょうかいが設定せっていする（各かく支部しぶが任意にんいに設定せっていするのではない）。各かく都道府県とどうふけんの個々ここの保険ほけん料りょう率りつについては外部がいぶリンク参照さんしょう。

• 都道府県とどうふけん単位たんい保険ほけん料りょう率りつでは、一般いっぱんに年齢ねんれい構成こうせいの高たかい県けんほど医療いりょう費ひが高たかく保険ほけん料りょう率りつが高たかくなり、また所得しょとく水準すいじゅんの低ひくい県けんほど同おなじ医療いりょう費ひでも保険ほけん料りょう率りつが高たかくなることから、都道府県とどうふけん支部しぶ間あいだで年齢ねんれい調整ちょうせい・所得しょとく調整ちょうせいを行おこなう。これにより、結果けっか的てきには地域ちいきの医療いりょう格差かくさのみが保険ほけん料りょう率りつに反映はんえいされることとなる。
• 保険ほけん料りょう率りつの上下じょうげ限げんは、健保けんぽ組合くみあいと同様どうようとし、3.0～13.0%とする（第だい160条じょう1項こう）。
  • 2008年ねんの発足ほっそく当時とうじは上下じょうげ限げんを6.6～9.1%として、全国ぜんこく一いち律りつの保険ほけん料りょう率りつとして8.2%とされた。保険ほけん料りょう率りつの上限じょうげんは、2010年ねんの法ほう改正かいせいまでは10.0%、2016年ねん4月がつの法ほう改正かいせいまでは12.0%であった。
• 令れい和わ2年度ねんどより都道府県とどうふけん単位たんい保険ほけん料りょう率りつの算定さんていにおいて、健康けんこうづくりを促うながすためのインセンティブ制度せいどが導入どうにゅうされることとなった（施行しこう令れい第だい45条じょうの2、施行しこう規則きそく第だい135条じょうの5の2）。まずインセンティブ制度せいどの財源ざいげんとなる保険ほけん料りょう率りつとして新あらたに全ぜん支部しぶの都道府県とどうふけん単位たんい保険ほけん料りょう率りつに0.01%が上乗うわのせされ、その上うえで特定とくてい健診けんしん・保健ほけん指導しどうの実施じっし率りつやジェネリック医薬品いやくひんの使用しよう割合わりあいなどの評価ひょうか指数しすうに応おうじて全ぜん支部しぶをランキングし、上位じょうい過半数かはんすうに該当がいとうした支部しぶについては得点とくてんに応おうじた報奨ほうしょう金きんによって保険ほけん料率りょうりつを引ひき下さげる。
• 保険ほけん料りょう率りつの変更へんこうについては、協会きょうかいが行おこなおうとする場合ばあいはあらかじめ当該とうがい都道府県とどうふけん支部しぶ長ちょうの意見いけんを聴きいたうえで運営うんえい委員いいん会かいの議ぎを経へなければならない。支部しぶ長ちょうは、意見いけんを求もとめられたときのほか、必要ひつようと認みとめるときは評議ひょうぎ会かいの意見いけんを聴きいたうえで理事りじ長ちょうに対たいし、意見いけんの申さる出でを行おこなうものとする。厚生こうせい労働ろうどう大臣だいじんは、事業じぎょうの健全けんぜんな運営うんえいに支障ししょうがあると認みとめるときは、相当そうとうの期間きかんを定さだめて協会きょうかいに対たいし保険ほけん料りょう率りつの変更へんこうの認可にんかを申請しんせいすべきことを命めいずることができ、申請しんせいがないときは社会しゃかい保障ほしょう審議しんぎ会かいの議ぎを経へて当該とうがい都道府県とどうふけん単位たんいの保険ほけん料率りょうりつを変更へんこうすることができる（第だい160条じょう6～12項こう）。
• 介護かいご保険ほけん第だい2号ごう被ひ保険ほけん者しゃたる協会きょうかいけんぽ被ひ保険ほけん者しゃについては、一般いっぱん保険ほけん料りょう率りつに加くわえ、介護かいご保険ほけん料りょう率りつ（令れい和わ2年度ねんどは全国ぜんこく一律いちりつ1.79%）が加算かさんされ、あわせて徴収ちょうしゅうされる。
• 協会きょうかいけんぽにおいて、保険ほけん料りょうの徴収ちょうしゅうは厚生こうせい労働ろうどう大臣だいじんが行おこなうこととされているが、厚生こうせい労働ろうどう大臣だいじんは、協会きょうかいと協議きょうぎを行おこない、効果こうか的てきな保険ほけん料りょうの徴収ちょうしゅうを行おこなうために必要ひつようがあると認みとめるときは、協会きょうかいに保険ほけん料りょうの滞納たいのう者しゃに関かんする情報じょうほうその他た必要ひつような情報じょうほうを提供ていきょうするとともに、当該とうがい滞納たいのう者しゃに係かかる保険ほけん料りょうの徴収ちょうしゅうを行おこなわせることができるとされる（第だい181条じょうの3）。これにより協会きょうかいが徴収ちょうしゅうしたときは、その徴収ちょうしゅうした額がくに相当そうとうする額がくについては、政府せいふから協会きょうかいに対たいし、交付こうふされたものとみなされる。

財政ざいせい運営うんえい

協会きょうかいは毎まい事業じぎょう年度ねんど、予算よさん及および事業じぎょう計画けいかくを作成さくせいし、当該とうがい年度ねんど開始かいし前まえに厚生こうせい労働ろうどう大臣だいじんの認可にんかを受うけなければならない。また、毎まい事業じぎょう年度ねんど、財務諸表ざいむしょひょうを作成さくせいし、これに事業じぎょう報告ほうこく書しょ、決算けっさん報告ほうこく書しょを添そえ、監事かんじ及および会計かいけい監査かんさ人じんの意見いけんを付つけて、決算けっさん完結かんけつ後ご2ヶ月かげつ以内いないに厚生こうせい労働ろうどう大臣だいじんに提出ていしゅつし、その承認しょうにんを受うけなければならない。

• 2年ねんごとに（平成へいせい24年度ねんどまでは毎まい事業じぎょう年度ねんどごとに）、翌よく事業じぎょう年度ねんど以降いこう5年間ねんかんの協会きょうかいが管掌かんしょうする健康けんこう保険ほけん事業じぎょうの収支しゅうしの見通みとおしを作成さくせいし、公表こうひょうするものとする。
• 当該とうがい事業じぎょう年度ねんど及およびその直前ちょくぜんの2事業じぎょう年度内ねんどないにおいて行いった保険ほけん給付きゅうふに要ようした費用ひようの額がくの1事業じぎょう年度ねんどあたりの平均へいきん額がくの12分ぶんの1に相当そうとうする額がくを、剰余じょうよ金きんのうちから準備じゅんび金きんとして積立つみたてなければならない（施行しこう令れい第だい46条じょう）。
  • 平成へいせい25、26年度ねんどについては、準備じゅんび金きんの積つみ立たては要ようしないこととされた（附則ふそく第だい8条じょうの5）。
• 協会きょうかいの業務ぎょうむ上じょうの余裕よゆう金きんの運用うんようは、政令せいれいで定さだめるところにより、事業じぎょうの目的もくてき及および資金しきんの性質せいしつに応おうじ、安全あんぜんかつ効率こうりつ的てきにしなければならない、とされ（第だい7条じょうの33）、実際じっさいには信託しんたく業務ぎょうむを行おこなう金融きんゆう機関きかんに運用うんようを委託いたくしている。
• 借入金かりいれきんは大臣だいじん認可にんかにする等ひとしの規制きせいを行おこなうとともに、借入金かりいれきんには政府せいふ保証ほしょうを付ふすことができるものとする。
• 国庫こっこは、毎まい年度ねんど、予算よさんの範囲はんい内ないにおいて、健康けんこう保険ほけん事業じぎょうの事務じむの執行しっこうに要ようする費用ひようを負担ふたんするとされ（第だい151条じょう）、協会きょうかいの事務じむ費ひは全額ぜんがくが国庫こっこ負担ふたんである。また、国庫こっこは、予算よさんの範囲はんい内ないにおいて、後期こうき高齢こうれい者しゃ医療いりょう制度せいどで定さだめる特例とくれい健康けんこう審査しんさ及および特定とくてい保健ほけん指導しどうの実施じっしに要ようする費用ひようの一部いちぶを補助ほじょすることができる（第だい154条じょうの2）。
• 国庫こっこは、協会きょうかいに対たいして、主おもな保険ほけん給付きゅうふ費ひの13%～20%を補助ほじょするとされ（第だい153条じょう1項こう）、当面とうめんの間あいだ補助ほじょ率りつは16.4%とされる（附則ふそく第だい5条じょう）。また協会きょうかいが拠出きょしゅつすべき介護かいご納付のうふ金きんについても同様どうように16.4%を補助ほじょする。なお法ほう改正かいせいにより、後期こうき高齢こうれい者しゃ支援しえん金きんの納付のうふに要ようする費用ひようの額がくの国庫こっこ補助ほじょは平成へいせい29年ねん4月がつからは行おこなわれなくなった。
  • 平成へいせい27年度ねんど以降いこうの協会きょうかいの国庫こっこ補助ほじょ額がくについて、協会きょうかいの準備じゅんび金きんが法定ほうてい準備じゅんび金きんを超こえて積つみ立たてられる場合ばあいにおいては、一いちの事業じぎょう年度ねんどにおいて当該とうがい積つみ立たてられた準備じゅんび金きんの額がくの16.4%を、当該とうがい一いちの事業じぎょう年度ねんどの翌よく事業じぎょう年度ねんどの国庫こっこ補助ほじょ額がくから控除こうじょされる（附則ふそく第だい5条じょうの4~第だい5条じょうの6）。
  • 政府せいふは、協会きょうかいの一般いっぱん保険ほけん料率りょうりつを引ひき上あげる必要ひつようがあると見込みこまれる場合ばあいにおいて、協会きょうかいの国庫こっこ補助ほじょに係かかる規定きていについて検討けんとうを加くわえ、必要ひつようがあると認みとめるときはその結果けっかに基もとづいて所要しょようの措置そちを講こうずることとされる（附則ふそく第だい5条じょうの7）。

協会きょうかいけんぽの財政ざいせい悪化あっか

平成へいせい26年度ねんど決算けっさん（医療いりょうおよび介護かいご）

収入しゅうにゅう (億おく円えん)		支出ししゅつ (億おく円えん)
保険ほけん料りょう収入しゅうにゅう	85,057	保険ほけん給付きゅうふ費ひ	50,739
国庫こっこ補助ほじょなど	14,029	前期ぜんき高齢こうれい者しゃ納付のうふ金きん	14,342
その他た	1,134	後期こうき高齢こうれい者しゃ支援しえん金きん	17,552
		退職たいしょく者しゃ給付きゅうふ拠出きょしゅつ金きん	2,959
		介護かいご納付のうふ金きん	8,967
		その他た	1,717
計けい	100,220	計けい	96,276
		単たん年度ねんど収支しゅうし差さ	3,944

協会きょうかいけんぽの財政ざいせい状況じょうきょうは非常ひじょうに厳きびしく、支出ししゅつの約やく4割わりが後期こうき高齢こうれい者しゃ医療いりょう制度せいどへの拠出きょしゅつ金きんが占しめている。これは拠出きょしゅつ金きんの算出さんしゅつ方法ほうほうが従来じゅうらい3分ぶんの2が加入かにゅう者しゃ割わり、3分ぶんの1が総そう報酬ほうしゅう割わりで各かく保険ほけん者しゃに割わり振ふられていること（協会きょうかい健保けんぽは日本にっぽん最大さいだいの保険ほけん者しゃである）、また協会きょうかいの被ひ保険ほけん者しゃの標準ひょうじゅん報酬ほうしゅうの平均へいきんは、2008年度ねんど385万まん円えんだったものが2011年度ねんどには370万まん円えんへと減少げんしょうしていて、公務員こうむいん共済きょうさい・大だい企業きぎょう中心ちゅうしんの健保けんぽ組合くみあいと比較ひかくし、著いちじるしく低ひくいことなどが原因げんいんであった。

2014年ねんの試算しさんでは、保険ほけん料りょうを現状げんじょうの10%、賃金ちんぎん上昇じょうしょう率りつを0%とした場合ばあい、支払しはらいのための準備じゅんび金きん（積立つみたて金きん）が2018年度ねんどに枯渇こかつする可能かのう性せいが出でてきている。対策たいさくが施ほどこされなければ、累積るいせき赤字あかじも1700億おく円えんに達たっする見通みとおし。対策たいさくとして、協会きょうかいけんぽ側がわは国庫こっこ補助ほじょ率りつを16.4%から20%までに引ひき上あげること、更さらに高齢こうれい者しゃ拠出きょしゅつ金きんの報酬ほうしゅう按分あんぶんを1/3としている上限じょうげんを撤廃てっぱいし全額ぜんがく按分あんぶんとすることを求もとめている。

2015年ねん5月がつ27日にちの参議院さんぎいん本ほん会議かいぎで成立せいりつした「医療いりょう保険ほけん制度せいど改革かいかく関連かんれん法ほう」による医療いりょう保険ほけん制度せいど改革かいかく等とうの一環いっかんとして、被用者ひようしゃ保険ほけん者しゃの後期こうき高齢こうれい者しゃ支援しえん金きんについて、より負担ふたん能力のうりょくに応おうじた負担ふたんとする観点かんてんから、総そう報酬ほうしゅう割わり部分ぶぶんを2015年ねん（平成へいせい27年ねん）度どに2分ぶんの1、2016年ねん（平成へいせい28年ねん）度どに3分ぶんの2に引ひき上あげ、2017年ねん（平成へいせい29年ねん）度どから全面ぜんめん総そう報酬ほうしゅう割わりを実施じっしすることとなった。あわせて、全面ぜんめん総そう報酬ほうしゅう割わりの実施じっし時じに、前期ぜんき財政ざいせい調整ちょうせいにおける前期ぜんき高齢こうれい者しゃに係かかる後期こうき高齢こうれい者しゃ支援しえん金きんについて、前期ぜんき高齢こうれい者しゃ加入かにゅう率りつを加味かみした調整ちょうせい方法ほうほうに見直みなおすこととされ、前期ぜんき高齢こうれい者しゃ負担ふたん金きんの負担ふたん軽減けいげんを図はかることとなった。

関連かんれん項目こうもく

• 日本にっぽんの医療いりょう
• 健康けんこう保険ほけん組合くみあい連合れんごう会かい
• 骨太ほねぶとの方針ほうしん2005

外部がいぶリンク

• 全国ぜんこく健康けんこう保険ほけん協会きょうかい