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公務員こうむいん

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

公務員こうむいん(ひこうむいんか)とは、国家こっか公務員こうむいんほうまたは地方ちほう公務員こうむいんほう全部ぜんぶまたは一部いちぶ適用てきようされている行政ぎょうせい組織そしき行政ぎょうせい法人ほうじん職員しょくいん日本にっぽん公務員こうむいん)にたいし、その適用てきよう除外じょがいする機構きこう改革かいかく手法しゅほうである。公務員こうむいんにより、職員しょくいん身分みぶん公務員こうむいんではなくなる。

公務員こうむいんは、組織そしき形態けいたい転換てんかん付随ふずいするかたちおこなわれる場合ばあい社会保険庁しゃかいほけんちょう日本にっぽん年金ねんきん機構きこう日本にっぽん郵政ゆうせい公社こうしゃ民営みんえいなど)がおおいが、独立どくりつ行政ぎょうせい法人ほうじん公務員こうむいんのように組織そしき形態けいたい転換てんかんをしないままおこなわれる場合ばあいもある。

この項目こうもくでは、おも国家こっか公務員こうむいん公務員こうむいんについて説明せつめいする。

独立どくりつ行政ぎょうせい法人ほうじん公務員こうむいん

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独立どくりつ行政ぎょうせい法人ほうじんには、行政ぎょうせい執行しっこう法人ほうじん中期ちゅうき目標もくひょう管理かんり法人ほうじん国立こくりつ研究けんきゅう開発かいはつ法人ほうじんの3種類しゅるいがあり、行政ぎょうせい執行しっこう法人ほうじん役職やくしょくいん国家こっか公務員こうむいんであるのにたいし、国立こくりつ研究けんきゅう開発かいはつ法人ほうじん中期ちゅうき目標もくひょう管理かんり法人ほうじん役職やくしょくいん国家こっか公務員こうむいんとされていないため、国家こっか公務員こうむいんほう適用てきようがいである。

ただし、行政ぎょうせい執行しっこう法人ほうじんとそれ以外いがい独立どくりつ行政ぎょうせい法人ほうじんは、役職やくしょくいんたいする国家こっか公務員こうむいんほうおよびそれに関連かんれんする法律ほうりつ一部いちぶ適用てきようされるかか、ならびにそれに付随ふずいする法制ほうせいじょう措置そちちがいがあるのみで、独立どくりつ行政ぎょうせい法人ほうじんとしての組織そしき形態けいたいちがいはなく、組織そしきとしての権能けんのう権限けんげん差異さいはない。

したがって、独立どくりつ行政ぎょうせい法人ほうじん公務員こうむいんは、法人ほうじん機構きこう改革かいかくおこなったようにえるが、実際じっさい組織そしき形態けいたい転換てんかんともなわない、たん役職やくしょくいんたいする法令ほうれい適用てきよう関係かんけい変化へんかさせるにぎない措置そちといえる。

独立どくりつ行政ぎょうせい法人ほうじん通則つうそくほうだい51じょうにより行政ぎょうせい執行しっこう法人ほうじん職員しょくいんは、国家こっか公務員こうむいんとされるが、国家こっか公務員こうむいんほう規定きてい全部ぜんぶ適用てきようされるわけではなく、国家こっか公務員こうむいんほうだいじゅうはちじょうだいじゅうはちじょうだいいちこう前段ぜんだんのぞく。)、だいろくじゅうじょうからだいななじゅうじょうまで、だいななじゅうじょうさんだいこうおよだいななじゅうじょうよんだいこうだいななじゅうじょうだいこうならびにだいひゃくろくじょう規定きてい適用てきようされていない。

また、国家こっか公務員こうむいんほう関連かんれんする、

  • 国家こっか公務員こうむいん寒冷かんれい手当てあてかんする法律ほうりつ規定きてい
  • 一般いっぱんしょく職員しょくいん給与きゅうよかんする法律ほうりつ規定きてい
  • 国家こっか公務員こうむいん育児いくじ休業きゅうぎょうとうかんする法律ほうりつだいじょうだいこうだいはちじょうだいきゅうじょうだいじゅうろくじょうからだいじゅうきゅうじょうまでおよだいじゅうよんじょうからだいじゅうろくじょうまでの規定きてい
  • 一般いっぱんしょく職員しょくいん勤務きんむ時間じかん休暇きゅうかとうかんする法律ほうりつ規定きてい
  • 一般いっぱんしょく任期にんきづけ職員しょくいん採用さいようおよ給与きゅうよ特例とくれいかんする法律ほうりつだいななじょうからだいきゅうじょうまでの規定きてい
  • 国家こっか公務員こうむいん自己じこ啓発けいはつとう休業きゅうぎょうかんする法律ほうりつだいじょうだいこうおよだいななじょう規定きてい
  • 国家こっか公務員こうむいん配偶はいぐうしゃ同行どうこう休業きゅうぎょうかんする法律ほうりつだいじょうだいこうおよだいはちじょう規定きてい

かく法律ほうりつ規定きていは、行政ぎょうせい執行しっこう法人ほうじん適用てきようされていない(独立どくりつ行政ぎょうせい法人ほうじん通則つうそくほうじゅうきゅうじょう)。

公務員こうむいん効果こうか

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日本にっぽん郵政ゆうせい公社こうしゃ民営みんえい社会保険庁しゃかいほけんちょう全国ぜんこく健康けんこう保険ほけん協会きょうかい日本にっぽん年金ねんきん機構きこうへの移行いこうと、機構きこう改革かいかく付随ふずいして公務員こうむいんおこなわれているが、独立どくりつ行政ぎょうせい法人ほうじんについては、後述こうじゅつするように、公務員こうむいん自体じたい改革かいかく手法しゅほうひとつとしてかんがえられており、機構きこう改革かいかくともなわず、単独たんどく措置そちされているケースがおおい。

独立どくりつ行政ぎょうせい法人ほうじんなどを公務員こうむいんすると、給与きゅうよ手当てあて勤務きんむ時間じかん休暇きゅうかとう設定せってい弾力だんりょくてきおこなえ、組織そしき運営うんえい柔軟じゅうなんになると評論ひょうろんもあるが、給与法きゅうよほう勤務きんむ時間じかんほう上記じょうきとおり、すべての独立どくりつ行政ぎょうせい法人ほうじんにおいて適用てきようがいであるため、行政ぎょうせい執行しっこう法人ほうじん(公務員こうむいんがた)であっても給与きゅうよ手当てあて勤務きんむ時間じかん休暇きゅうかなどは弾力だんりょくてきおこなえる。こうした公務員こうむいん効果こうか評論ひょうろんは、そのおおくがたんにイメージでべられているにぎず、まとていないものがおおい。

公務員こうむいん法制ほうせいじょう効果こうかは、公務員こうむいんとして制限せいげんされている規制きせい解除かいじょされることにともなって、

  • 職員しょくいんは、政治せいじてき行為こうい制限せいげん撤廃てっぱいされること
  • 職員しょくいんは、倫理りんりほう対象たいしょうがいとなり、私企業しきぎょうとの接触せっしょく自由じゆうになること
  • 職員しょくいんは、私企業しきぎょうしょくねるなど、兼業けんぎょうすることができるようになること
  • 職員しょくいんは、国民こくみん全体ぜんたい奉仕ほうししゃとして、公共こうきょう利益りえきのために勤務きんむし、全力ぜんりょくげてこれに専念せんねんするという服務ふくむがなくなること
  • 職員しょくいんは、国民こくみん全体ぜんたい奉仕ほうししゃ服務ふくむがないため、これにふさわしくない行為こういをもって懲戒ちょうかい免職めんしょくとされることはなくなること
  • 職員しょくいんは、ストライキなどの争議そうぎけんゆうすること
  • 使用しようしゃは、職員しょくいん任用にんよう自由じゆうになること
  • 使用しようしゃは、職員しょくいん降任こうにん休職きゅうしょく免職めんしょく公務員こうむいん適用てきようされる特殊とくしゅ法令ほうれい制限せいげんがなくなること(一般いっぱん労働ろうどうほう適用てきようになる)

などの効果こうか発生はっせいする。使用しようしゃがわ任免にんめん自由じゆう以外いがい組織そしき運営うんえいにはなん関係かんけいなく、もっぱ職員しょくいん個人こじん生活せいかつにおいて自由じゆう効果こうかといえる。

また、上記じょうきでみたようにたん職員しょくいん一部いちぶ適用てきようされていた国家こっか公務員こうむいんほう規定きていすべはずれるにぎず、機構きこうじょう合理ごうりさくではないことから、財政ざいせいてきには、公務員こうむいんによって財政ざいせいげんとなる要素ようそなんらない。他方たほうで、職員しょくいん適用てきようする労働ろうどう法制ほうせい一般いっぱんすることになるため、

  • 職員しょくいん雇用こよう保険ほけん適用てきようされ、使用しようしゃがわ雇用こよう保険ほけんりょう事業主じぎょうぬし負担ふたん発生はっせいする
  • 職員しょくいん労災ろうさい保険ほけん適用てきようされ、使用しようしゃがわ労災ろうさい保険ほけんりょう負担ふたん発生はっせいする

ということから、必然ひつぜんてき財政ざいせいぞうともなうこととなる。また、職員しょくいんにも雇用こよう保険ほけんりょう負担ふたん発生はっせいし、職員しょくいん処分しょぶん所得しょとくひくくなるが、これを不利益ふりえきとみて所得しょとくげんぶん補填ほてんした場合ばあいは、さらに財政ざいせいぞうともな結果けっかとなる。

その採用さいよう方法ほうほうについても、人事院じんじいんぜん省庁しょうちょう一括いっかつおこなっている国家こっか公務員こうむいん採用さいよう試験しけん利用りようできなくなるため、独自どくじ採用さいよう事務じむおこなわなければならず、公平こうへいせい担保たんぽした場合ばあい(コネを排除はいじょした公募こうぼ競争きょうそう試験しけんとう実施じっし)のコストが増加ぞうか財政ざいせいぞうになる。

行政ぎょうせい改革かいかく推進すいしんほう公務員こうむいん

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行政ぎょうせい改革かいかく推進すいしんほう簡素かんそ効率こうりつてき政府せいふ実現じつげんするための行政ぎょうせい改革かいかく推進すいしんかんする法律ほうりつ平成へいせい18ねん法律ほうりつだい47ごう))では、そのだい52じょうにおいて、「平成へいせい18年度ねんど以降いこう中期ちゅうき目標もくひょう期間きかん終了しゅうりょうする特定とくてい独立どくりつ行政ぎょうせい法人ほうじんについては、その業務ぎょうむ国家こっか公務員こうむいん身分みぶんゆうしないものおこな場合ばあいにおける問題もんだいてん有無うむ検証けんしょうし、その結果けっか役員やくいんおよ職員しょくいん国家こっか公務員こうむいん身分みぶんあたえることが必要ひつようみとめられないときは、特定とくてい独立どくりつ行政ぎょうせい法人ほうじん以外いがい独立どくりつ行政ぎょうせい法人ほうじん移行いこうさせるものとする。」と規定きていしており、公務員こうむいん行政ぎょうせい改革かいかく手法しゅほうひとつとして位置いちづけている。また、平成へいせい19ねん12月24にち閣議かくぎ決定けっていされた「独立どくりつ行政ぎょうせい法人ほうじん整理せいり合理ごうり計画けいかく」においても、公務員こうむいん独立どくりつ行政ぎょうせい法人ほうじん改革かいかくいち手法しゅほうとして位置いちづけている。

なお、行政ぎょうせい改革かいかく推進すいしんほうだい52じょう公務員こうむいんは、どうほうだい2しょうだい4せつそう人件じんけん改革かいかく」の規定きていであるが、上記じょうきでみたように、人件じんけん削減さくげんする効果こうか法益ほうえきゆうしておらず、むしろ、人件じんけんぞうともなうこととなる。

公務員こうむいんとみなし公務員こうむいん

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国立こくりつ研究けんきゅう開発かいはつ法人ほうじん中期ちゅうき目標もくひょう管理かんり法人ほうじん国立こくりつ大学だいがく法人ほうじんなど公務員こうむいんされた公法人こうほうじん特殊とくしゅ法人ほうじんにおいては、設置せっち根拠こんきょたる個別こべつほうにて、みなし公務員こうむいん規定きていかれるものがおおい。独立どくりつ行政ぎょうせい法人ほうじん制度せいど設立せつりつ国立こくりつ大学だいがく法人ほうじん方針ほうしんさだめた「中央ちゅうおう省庁しょうちょうとう改革かいかく推進すいしんかんする方針ほうしん」(平成へいせい11ねん4がつ27にち中央ちゅうおう省庁しょうちょうとう改革かいかく推進すいしん本部ほんぶ決定けってい)においては、行政ぎょうせい執行しっこう法人ほうじん以外いがい独立どくりつ行政ぎょうせい法人ほうじん職員しょくいんについて、「業務ぎょうむ性質せいしつとうおう一定いってい独立どくりつ行政ぎょうせい法人ほうじん職員しょくいんに、個別こべつ法令ほうれいにより刑法けいほうその罰則ばっそく適用てきようについての「みなし公務員こうむいん規定きていとうくものとするとされており、これにしたがい、おおくの国立こくりつ研究けんきゅう開発かいはつ法人ほうじんおよ中期ちゅうき目標もくひょう管理かんり法人ほうじんならびに国立こくりつ大学だいがく法人ほうじん個別こべつほう設立せつりつ根拠こんきょほう)において、みなし公務員こうむいん規定きてい整備せいびされている。

みなし公務員こうむいん規定きていとは、法人ほうじん職員しょくいんたいし、刑法けいほうその罰則ばっそく適用てきようについて、公務こうむ従事じゅうじする職員しょくいん国家こっか公務員こうむいん地方ちほう公務員こうむいん)とみなすというもので、公務員こうむいんではない法人ほうじん職員しょくいんたいし、「公務員こうむいんおこなった行為こういたいする罰則ばっそく」と「公務員こうむいんたいしておこなわれた行為こういたいする罰則ばっそく」が公務員こうむいん同様どうようせられるというものである。

具体ぐたいてきには、法人ほうじん文書ぶんしょ印章いんしょうについて公文書こうぶんしょ偽造ぎぞう公印こういん偽造ぎぞうなどのつみ成立せいりつすることとなる。刑法けいほう以外いがい罰則ばっそくには暴力ぼうりょく行為こういとう処罰しょばつかんする法律ほうりつ大正たいしょう15ねん法律ほうりつだい60ごうがある。

みなし公務員こうむいん規定きていにより適用てきようされる罰則ばっそくは、国家こっか公務員こうむいん地方ちほう公務員こうむいんであるものにつき独自どくじにその服務ふくむ規律きりつさだめた国家こっか公務員こうむいんほうまたは地方ちほう公務員こうむいんほうじょう罰則ばっそく秘密ひみつ漏洩ろうえい罰則ばっそく営利えいり企業きぎょう地位ちいいた罰則ばっそくなど)の適用てきようはないとほぐされている。

なお、公務員こうむいんされた組織そしき職員しょくいんは、つづ国家こっか公務員こうむいん宿舎しゅくしゃ通称つうしょう官舎かんしゃ)を使用しようすることができる場合ばあいがあるが、これは、個別こべつほうによって国家こっか公務員こうむいん宿舎しゅくしゃほう職員しょくいん適用てきようすることができ、それにともなって宿舎しゅくしゃ使用しようすることができるのであって、みなし公務員こうむいんであるからではない。 (れい地域ちいき医療いりょう機能きのう推進すいしん機構きこうは、個別こべつほうにてみなし公務員こうむいん規定きていかれているが、国家こっか公務員こうむいん宿舎しゅくしゃほう適用てきようがいであるため、職員しょくいん国家こっか公務員こうむいん宿舎しゅくしゃ使用しようさせることはできない。) みなし公務員こうむいん宿舎しゅくしゃほう適用てきようは、法制ほうせいじょうまったべつ措置そちである。

関連かんれん項目こうもく

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