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麻疹ましんワクチン

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
麻疹ましんワクチン
子供こども麻疹ましんワクチン接種せっしゅ
ワクチン概要がいよう
病気びょうき 麻疹ましん
種別しゅべつ 弱毒じゃくどくワクチン
臨床りんしょうデータ
MedlinePlus a601176
識別しきべつ
CAS番号ばんごう
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ATCコード J07BD01 (WHO)
ChemSpider none ×
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麻疹ましんワクチン(ましんワクチン)とは、麻疹ましん予防よぼう効果こうかてきワクチンである[1]空気くうき感染かんせんこうウイルスやくのない麻疹ましんたいする、唯一ゆいいつ実効じっこうてき予防よぼうほうである[2]

麻疹ましん麻疹ましんワクチンによる予防よぼう接種せっしゅ導入どうにゅうされる1963ねん以前いぜんにはすうねんいちエピデミックが発生はっせいし、260まんにんものいのちうば非常ひじょう危険きけん感染かんせんしょうであった。

麻疹ましんワクチンの初回しょかい投与とうよを、生後せいご9かげつ子供こどもにした場合ばあいは85%の効果こうかられ、生後せいご12かげつ子供こどもにした場合ばあいは95%の効果こうかられる[3]初回しょかい投与とうよ免疫めんえきられなかった場合ばあい、2度目どめ投与とうよでほぼすべてのヒトに免疫めんえきがつく[4]。このワクチンの投与とうよりつ人口じんこうの93%以上いじょうだと、一般いっぱんてき麻疹ましん発生はっせいしないが、予防よぼう接種せっしゅ人口じんこう減少げんしょうするとさい発生はっせいする[4]

麻疹ましんワクチンはなんねん有効ゆうこうせい持続じぞくし、時間じかん経過けいかによる効果こうか減少げんしょうについては明確めいかくである[4]麻疹ましんウイルスと接触せっしょくしたのちからでも、数日すうじつ以内いないにワクチンを投与とうよすれば予防よぼう効果こうかはみられる[4]

麻疹ましんワクチンは一般いっぱんてき安全あんぜんでありHIV感染かんせんしょうのヒトにも投与とうよできる[4]。ただしステロイド製剤せいざい免疫めんえき抑制よくせいざい投与とうよけているものには禁忌きんきである[5]重大じゅうだい副作用ふくさようとしては、アナフィラキシー(0.1%未満みまん、10まんにん1人ひとり程度ていどとも[4]) 、血小板けっしょうばん減少げんしょうせい紫斑しはんびょう(100まんにん1人ひとり程度ていど)、急性きゅうせい散在さんざいせいのう脊髄せきずいえん頻度ひんど不明ふめい)、脳炎のうえん脳症のうしょう(100まんにん1人ひとり未満みまん)、熱性ねっせいけいれん(0.1%未満みまん、3000にん1人ひとり程度ていどとも[6])がある[5]脳炎のうえん脳症のうしょうにはワクチン接種せっしゅとの因果いんが関係かんけいかならずしもあきらかではないれいふくまれる[7]。ワクチン副作用ふくさようによる急性きゅうせい硬化こうかせいぜん脳炎のうえん(SSPE)は[6]

アナフィラキシー以外いがい症状しょうじょうは、麻疹ましん感染かんせんした場合ばあいにワクチン接種せっしゅ場合ばあいよりこうかくりつ発症はっしょうする症状しょうじょうであるため、リスクを比較ひかくするとワクチンを接種せっしゅしたほう有利ゆうりとされる。かる副作用ふくさようとしては、発熱はつねつ(20%程度ていどで37.5℃以上いじょう、10%未満みまんで38.5℃以上いじょう)などの風邪かぜさま症状しょうじょうや、軽度けいど発疹はっしん(10%-20%)などがある[5]ギラン・バレー症候群しょうこうぐん自閉症じへいしょう炎症えんしょうせいちょう疾患しっかんになるかくりつ上昇じょうしょうはみられない[4]

麻疹ましんワクチンは、のワクチンとわさったものがある。混合こんごうワクチンは風疹ふうしんワクチンとわせた麻疹ましん風疹ふうしん混合こんごうワクチン(MRワクチン)、麻疹ましん風疹ふうしんおたふくかぜワクチンわせたしん三種さんしゅ混合こんごうワクチン(MMRワクチン)がある[4]。MMRワクチンは1971ねんから使つかわれており、世界せかい普及ふきゅうしていて、麻疹ましん単価たんかワクチンはおおきく減少げんしょうしている[8]

日本にっぽんでは、MMRワクチンは1988ねんから1993ねんまで実施じっしされていたが、2019ねん現在げんざい承認しょうにんである。2016ねん現在げんざい日本にっぽんでは、MR(麻疹ましん風疹ふうしん混合こんごう)ワクチンの定期ていき接種せっしゅおこなっている。さらに2005ねんには、水疱瘡みずぼうそう予防よぼうもちいる水痘すいとうワクチンしん三種さんしゅ混合こんごうワクチンをわせたMMRVワクチン英語えいごばんアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくでつくられた[9]日本にっぽんでは、2020ねん現在げんざい承認しょうにんである。

麻疹ましんワクチンは単独たんどくがた混合こんごうがたともに同様どうよう効果こうかがある[4]世界せかい保健ほけん機構きこう(WHO)生後せいご6かげつから接種せっしゅ可能かのうとし、麻疹ましん発症はっしょうする地域ちいきでは生後せいご9かげつ子供こどもへの接種せっしゅ推奨すいしょうしている[4]麻疹ましん頻繁ひんぱん発症はっしょうしない地域ちいきでは、成人せいじん同様どうよう抗体こうたい獲得かくとくりつ期待きたいできる生後せいご12-15かげつ子供こどもへの予防よぼう接種せっしゅ適切てきせつとされている[4]日本にっぽんでは1さいから接種せっしゅされている。

麻疹ましんワクチンは なまワクチンであり、麻疹ましんウイルスをよわめたものからつくられる[4]。ワクチンを溶液ようえきとして保管ほかんするとかつする可能かのうせいがあるため、凍結とうけつ乾燥かんそうしたワクチン粉末ふんまつを、ワクチン製造せいぞうしゃがセットで提供ていきょうする特定とくてい液体えきたいじゅんみず[5]など)と接種せっしゅ直前ちょくぜんわせ、皮下ひか注射ちゅうしゃまたは筋肉きんにく注射ちゅうしゃ投与とうよする[4]。ワクチンの効果こうか抗体こうたい検査けんさによって確認かくにんできる[4]

2013ねんまでにやく85%の世界せかいどもたちがワクチンの投与とうよけている[10]。2008ねんにはすくなくとも192カ国かこくに2かい投与とうよ提供ていきょうされた[1]麻疹ましんワクチンが最初さいしょ導入どうにゅうされたのは1963ねんである[3]麻疹ましんワクチンはWHO必須ひっす医薬品いやくひんモデル・リスト記載きさいされており、基礎きそてき医療いりょう制度せいど重要じゅうようされている医薬品いやくひんである[11]。2014ねん発展はってん途上とじょうこくでの麻疹ましんワクチンの価格かかくいち投与とうよにつきやく0.70あめりかドルである[1][12]

出典しゅってん

[ソースを編集へんしゅう]
  1. ^ a b c “Measles vaccines: WHO position paper.”. Weekly epidemiological record 84 (35): 349–60. (28 August 2009). PMID 19714924. http://www.who.int/wer/2009/wer8435.pdf. 
  2. ^ しん Q&A Q1-3 国立こくりつ感染かんせんしょう研究所けんきゅうじょ 感染かんせんしょう情報じょうほうセンター
  3. ^ a b Control, Centers for Disease; Prevention (2014). CDC health information for international travel 2014 the yellow book. p. 250. ISBN 9780199948505. https://books.google.ca/books?id=nVppAgAAQBAJ&pg=PA250 
  4. ^ a b c d e f g h i j k l m n World Health Organization (28 April 2017). “Measles vaccines: WHO position paper – April 2017” (English, French). Weekly epidemiological record No 17, 2017, 92: 205–228. オリジナルの8 September 2017時点じてんにおけるアーカイブ。. http://apps.who.int/iris/bitstream/10665/255149/1/WER9217.pdf?ua=1. 
  5. ^ a b c d 乾燥かんそう弱毒じゃくどくせいしんワクチン「タケダ」 独立どくりつ行政ぎょうせい法人ほうじん 医薬品いやくひん医療いりょう機器きき総合そうごう機構きこう
  6. ^ a b しんQ&A(麻疹ましんワクチンについて)Q3-07:麻疹ましんワクチン接種せっしゅふく反応はんのうには、どのようなものがありますか? 国立こくりつ感染かんせんしょう研究所けんきゅうじょ(NIID)
  7. ^ しんについて ワクチンについて 厚生こうせい労働省ろうどうしょう
  8. ^ Vaccine Timeline”. 2015ねん2がつ7にち時点じてんオリジナルよりアーカイブ。2015ねん2がつ10日とおか閲覧えつらん
  9. ^ Mitchell, Deborah (2013). The essential guide to children's vaccines. New York: St. Martin's Press. p. 127. ISBN 9781466827509. https://books.google.ca/books?id=w0C7L9o3m-MC&pg=PA127 
  10. ^ Measles Fact sheet N°286” (2014ねん11月). 2015ねん2がつ4にち閲覧えつらん
  11. ^ WHO Model List of EssentialMedicines”. World Health Organization (2013ねん10がつ). 2014ねん4がつ22にち閲覧えつらん
  12. ^ Vaccine, Measles”. 2015ねん12月6にち閲覧えつらん