黒田くろだ覚さとし

黒田くろだ 覚さとし（くろだ さとる、1900年ねん2月がつ1日にち - 1990年ねん12月2日にち）は、日本にっぽんの法学ほうがく者しゃ。京都大学きょうとだいがく教授きょうじゅ、東京都立大学とうきょうとりつだいがく 教授きょうじゅ、神奈川大学かながわだいがく教授きょうじゅおよび学長がくちょう代行だいこうを務つとめた。

経歴けいれき・人物じんぶつ

京都きょうと府ふ京都きょうと市し出身しゅっしん。第だい三さん高等こうとう学校がっこうから1923年ねん3月がつに京都きょうと帝国ていこく大学だいがく法学部ほうがくぶを卒業そつぎょう、同年どうねん4月がつより大学院だいがくいんに進すすむ。京都きょうと帝みかど大だいでは憲法けんぽう学がく・国法こくほう学がくの正系せいけいとされる森口もりぐち繁治しげじに師事しじ。

1925年ねん（大正たいしょう14年ねん）京都きょうと帝みかど大だい法学部ほうがくぶ助教授じょきょうじゅに就任しゅうにんした。ドイツ法ほうを専攻せんこうし、純粋じゅんすい法学ほうがくのハンス・ケルゼンと彼かれが所属しょぞくしたウィーン学派がくはの研究けんきゅうを手てがけた。1927年ねんから1930年ねんまで、文部省もんぶしょう在外ざいがい研究けんきゅう員いんとして渡わたり欧おうし、このときにはケルゼン本人ほんにんに受講じゅこう、個人こじん的てきな親交しんこうを結むすんでいる。しかし、帰国きこく後ごにケルゼンの影響えいきょうからは次第しだいに遠とおざかったとされる。1936年ねん以降いこう、カール・シュミットの制憲せいけん権けん理論りろんを踏ふまえ、それに修正しゅうせいを加くわえた制憲せいけん権けん理論りろんを発表はっぴょうした。

1940年ねんから1947年ねんまで京都きょうと大学だいがくの憲法けんぽう学がく講座こうざを担当たんとうした（1940年ねんから1943年ねんまでは大西おおにし芳雄よしおと分担ぶんたん。帝国ていこく憲法けんぽう第だい一いち章しょう、同どう第だい二に章しょうを黒田くろだ覚さとしが担当たんとう。大西おおにし芳雄よしおの担当たんとうは第だい三さん章しょう以下いか。)。

国家こっか緊急きんきゅう権けんの研究けんきゅうに関かんして、黒田くろだ覚さとしの理論りろんは、「非常ひじょう大権たいけんによって帝国ていこく憲法けんぽう第だい2章しょうに定さだめられた規定きてい以外いがいをも侵害しんがいできる」とした。一方いっぽう、同門どうもんである大西おおにし芳雄よしおは非常ひじょう大権たいけんの効力こうりょくの制限せいげんを主張しゅちょうした。

1965年ねん、神奈川大学かながわだいがくで憲法けんぽうの教授きょうじゅに就任しゅうにん。1970年ねん7月がつ27日にちから1971年ねん1月がつ31日にちまで、神奈川大学かながわだいがく学長がくちょう代行だいこう。

安藤あんどう百ひゃく福ぶくの脱税だつぜい疑惑ぎわく時じには弁護べんご団だんの結成けっせいを支援しえんした。

著書ちょしょ・訳書やくしょ

著書ちょしょ

• 『国会こっかい法ほう・選挙せんきょ法ほう』 （林田はやしだ和博かずひろとの共著きょうちょ） 有斐閣ゆうひかく 1958年ねん
• 『新しん憲法けんぽう解説かいせつ』 京都新聞社きょうとしんぶんしゃ 1947年ねん NDLJP:1153243
• 『新しん憲法けんぽう読本とくほん』 京都新聞社きょうとしんぶんしゃ 1947年ねん NDLJP:3856795
• 『憲法けんぽうに於おける象徴しょうちょうと主権しゅけん』 有斐閣ゆうひかく 1946年ねん
• 『国防こくぼう国家こっかの理論りろん』 弘文こうぶん堂どう 1941年ねん NDLJP:1710530
• 『日本にっぽん憲法けんぽう論ろん（上うえ）』（改訂かいてい版ばん） 弘文こうぶん堂どう 1940年ねん NDLJP:1910753
• 『日本にっぽん憲法けんぽう論ろん（中なか）』（改訂かいてい版ばん） 弘文こうぶん堂どう 1940年ねん NDLJP:1917126
• 『ウイン学派がくはの法律ほうりつ学がくと其その諸しょ問題もんだい』 大だい鐙あぶみ閣かく 1927年ねん NDLJP:1442156

訳書やくしょ

• （ハンス・ケルゼン著ちょ）『自然しぜん法論ほうろんと法ほう実証じっしょう主義しゅぎ』 大畑おおはた書店しょてん 1932年ねん NDLJP:1215792