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BDS-C

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

BDS-Cは、BD Softwareせい8080/Z80ようC言語げんご処理しょりけいコンパイラ)である[1]同社どうしゃ設立せつりつしたレオ・ゾルマン(Leor Zolman)が1979ねん開発かいはつした。

概要がいよう

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CP/M-80うえ稼動かどうし、K&R時代じだいのC言語げんご仕様しようのやや方言ほうげんともなうサブセット[1]として実装じっそうされている。米国べいこくライフボートしゃから世界せかいてき販売はんばいされたが、日本にっぽんでは初期しょきのバージョンおよび完成かんせいたかめたVer.1.5が一部いちぶ愛好あいこうられたものの、一般いっぱんてきにはサブセットとしてライフボートしゃ日本にっぽん法人ほうじん)から発売はつばいされたαあるふぁ-Cのほうがメジャーだった(BDSしゃによれば、BDS-Cは世界せかいやく25,000セット、αあるふぁ-Cは日本にっぽんやく50,000セットが出荷しゅっかされた)。BD Softwareしゃ販売はんばい価格かかくは$110、日本にっぽんでの販売はんばい価格かかくは6まんえん(9まん8000えんとの資料しりょうもある[2])と、当時とうじどうクラスのコンパイラにして非常ひじょう安価あんかであったのも成功せいこう理由りゆうである。なお、BDはレオのMIT時代じだいのニックネーム"Brain Damaged"(のう障害しょうがい)からけたというが、現在げんざい名前なまえ由来ゆらいかんしての説明せつめいは、BD Softwareがわ回避かいひしている。

特徴とくちょう

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2.5~4MHzのZ80が主流しゅりゅうであった1980年代ねんだい初期しょきの8ビットパーソナルコンピュータとぼしいハードウェア資源しげん考慮こうりょし、すくないメインメモリフロッピーディスク稼動かどうした。コンパイラは前半ぜんはん後半こうはんかれて実行じっこうされたが、それらのあいだわたしは一般いっぱんてき手法しゅほうであるFDじょう中間ちゅうかんファイルを生成せいせいすることをけ、メモリじょう中間ちゅうかんコードをいて直接ちょくせつわたすなどの工夫くふうにより、高速こうそくなコンパイル・リンクが可能かのうだった。その代償だいしょうとしてあまおおきなモジュールをコンパイルすることは不可能ふかのうだったが、実用じつようじょう支障ししょうはそれほどられなかった。

当初とうしょ標準ひょうじゅんヘッダやライブラリが互換ごかんで、とくにファイルディスクリプタが独特どくとくのため、K&Rのサンプルプログラムもそのままでは実行じっこうできないものであったが、Ver. 1.5以降いこう標準ひょうじゅんてき入出力にゅうしゅつりょく関数かんすう(fputc、fprintfなど)が、一般いっぱんてき引数ひきすうもちいて利用りようできるようになった。

実行じっこう速度そくど当時とうじ最速さいそくといわれたLSI-C80はもちろん、最適さいてきかせたWhitesmith Cなどにはおよばなかったものの、プログラム入門にゅうもんから小規模しょうきぼなツール開発かいはつなどには充分じゅうぶん効率こうりつ実行じっこう速度そくどられ、コンパイル・リンクにようする時間じかんみじかさとあいまって、C言語げんご入門にゅうもんようとして評価ひょうかたかかった。

BDS-C/αあるふぁ-Cはfloatがたやdoubleがた対応たいおうしていなかったため、実用じつようてきなアプリケーションの作成さくせいにはいていないという弱点じゃくてんがあった。そのため、関数かんすうしのかたち実行じっこうする浮動ふどう小数点しょうすうてん演算えんざんライブラリ多数たすう開発かいはつ配布はいふされていた。BDS-C/αあるふぁ-Cに対応たいおうした解説かいせつしょ多数たすう出版しゅっぱんされており、CP/MにおけるC言語げんご草分くさわてき存在そんざいといえる。

BDS-Cは現在げんざい、BD Softwareしゃのサイトからパブリックドメインで提供ていきょうされている。

αあるふぁシリーズについて

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ライフボートしゃαあるふぁシリーズとして多数たすうのプログラミング言語げんごパッケージを販売はんばいしており、ライブラリレベルで相互そうご互換ごかんせいたせていた。たとえばαあるふぁ-FORTRAN(FORTRAN 66相当そうとう)で浮動ふどう小数点しょうすうてんふく数値すうち計算けいさんおこない、αあるふぁ-Cで作成さくせいした実行じっこう制御せいぎょおよびハードウェア制御せいぎょルーチンをライブラリとしてリンクするといった、マルチ言語げんごプログラミングを可能かのうとしていた。この機能きのう実現じつげんするじょうで、マクロアセンブラM80およびリンカL80のはたらきはおおきい。

αあるふぁシリーズの言語げんごとしては、αあるふぁ-C、αあるふぁ-FORTRAN、αあるふぁ-PASCALαあるふぁ-COBOLαあるふぁ-LISPαあるふぁ-FORTHαあるふぁ-APLαあるふぁ-PROLOGがシリーズ展開てんかいされていた。

出典しゅってん

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  1. ^ a b MyComNo10 1983, p. 29.
  2. ^ MyComNo10 1983, p. 6.

参考さんこう文献ぶんけん

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  • 「3.市販しはんC言語げんご特徴とくちょう」『マイコンピュータ』CQ出版しゅっぱんしゃ〈No.10〉、1983ねん9がつ1にち、29ぺーじ 

外部がいぶリンク

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