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CONFIG.SYS

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

CONFIG.SYS(コンフィグ シス)はMS-DOSOS/2などのOSにおいて初期しょき設定せっていおこなファイルである。また、Windows NTけいではCONFIG.NTという同様どうようのファイルが存在そんざいする。

CONFIGとはConfiguration(コンフィギュレーション。「構造こうぞう」、コンピュータ用語ようごでは「設定せってい」などとやくされる)のりゃくといわれる。

概要がいよう

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このファイルはOSが使用しようするメモリ領域りょういき指定していしたり、拡張かくちょうメモリ(8086けいCPUリアルモードにおいてきできない範囲はんいにあるメモリ領域りょういき呼称こしょう)やCD-ROMなどのデバイスドライバんだりするために、OSの起動きどう最初さいしょまれる設定せっていファイルである。なお Windowsでも下位かいそうにMS-DOS部分ぶぶん9xけいでは起動きどう初期しょき設定せっていもちいられることがある。

CONFIG.SYSは起動きどうドライブのルートディレクトリ配置はいちされる。なお一部いちぶ互換ごかんDOS(MS-DOSとの互換ごかんせいたもつようにつくられているもののマイクロソフト公認こうにんのOSの呼称こしょう)においてはファイルめいことなる場合ばあいがある(DR-DOS場合ばあいはDCONFIG.SYS、FreeDOSではFDCONFIG.SYS)。

構文こうぶん

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基本きほんてきに CONFIG.SYS は先頭せんとうからじゅん解釈かいしゃくされるが、一部いちぶのコマンド(命令めいれいぶん)は任意にんいくだりくことができる。

  • DEVICE=(デバイスドライバのパスパラメータ) - コンベンショナルメモリにデバイスドライバをむ。
  • BUFFERS=(数値すうち) - ディスクアクセス(き)のためのバッファ領域りょういきすう
  • FILES=(数値すうち) - ファイルハンドル(OSをとおしてひらくファイルに付与ふよされる識別しきべつ番号ばんごう)の最大さいだいすう。つまり同時どうじひらくことのできるファイルの最大さいだいすう
  • FCBS=(数値すうち) - FCB(ファイルコントロールブロック、MS-DOSバージョン2.0以前いぜん使つかわれていたファイル管理かんり方法ほうほう)で同時どうじひらくことのできるファイルの最大さいだいすう
  • SHELL=(シェルのパス、パラメータ) - シェルプログラムの指定してい省略しょうりゃくすると "\COMMAND.COM" が仮定かていされる。
  • LASTDRIVE=(A-Z) - 最後さいご使用しようするドライブ識別しきべつ文字もじ省略しょうりゃくすると "P" が仮定かていされる。
DOS/Vのみ
MS-DOSバージョン5.0以降いこう
  • DEVICEHIGH=(デバイスドライバのパス、パラメータ) - UMBにデバイスドライバをむ(UMBが使用しよう不可ふか、またははいりきらない場合ばあいはコンベンショナルメモリにむ)。
  • DOS=(HIGH/LOW),(UMB|NOUMB) - MS-DOSのシステム本体ほんたいHMAむかかの選択せんたく(HIGHでHMAにむ)と、UMBを使用しようにするか使用しよう不可ふかにするかの選択せんたく("UMB"で有効ゆうこう、"NOUMB"で無効むこう)。省略しょうりゃくするとLOW, NOUMBが仮定かていされる。
MS-DOSバージョン 6.2 以降いこう
  • INSTALL=(常駐じょうちゅうコマンドのパス、パラメータ) - デバイスドライバ以外いがい常駐じょうちゅうプログラムを実行じっこうする。
  • SET (変数へんすうめい)=(文字もじれつ) - 環境かんきょう変数へんすう設定せっていする。
  • BREAK (ON/OFF) - CTRL+C(STOP または BREAK)みの有効ゆうこう無効むこう指定してい
  • 行頭ぎょうとうの REM または ";" - 注釈ちゅうしゃくぶんくだりとみなされ、OSではばされる。
  • 行頭ぎょうとうの "?" - コマンド実行じっこうまえ都度つど確認かくにんする。

CONFIG.SYSのれい

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イギリスで稼働かどうしているPC/AT互換ごかんにおけるれい

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 device = c:\dos\himem.sys
 device = c:\dos\emm386.exe umb
 dos = high,umb
 devicehigh = c:\windows\mouse.sys
 devicehigh = c:\dos\setver.exe
 devicehigh = c:\dos\smartdrv.exe
 country = 044,437,c:\dos\country.sys 
 shell = c:\dos\command.com c:\dos /e:512 /p

このれい各行かくこう記述きじゅつ以下いかとおり。

  1. コンベンショナルメモリじょうでhimem.sysを実行じっこうする。これによりXMS方式ほうしきによる拡張かくちょうメモリへのアクセスが可能かのうになる。
  2. コンベンショナルメモリじょうemm386.exe実行じっこうする。EMS方式ほうしきによるメモリアクセスのほか、UMBも使用しよう可能かのうになる。
    なお、このくだりにおけるemm386.exeの引数ひきすうには、このほかに "ram"(EMS使用しよう)や "noems"(UMBのみ)などが存在そんざいする。
  3. MS-DOS 本体ほんたいをHMAにみ、UMBを使用しよう可能かのうにする。
  4. UMB じょうでmouse.sysを実行じっこうする。
  5. UMB じょうでsetver.exeを実行じっこうする。
  6. UMB じょうでsmartdrv.exeを実行じっこうする。
  7. 地域ちいきをイギリス、コードページを437(英語えいご)にする。
  8. シェルとしてCOMMAND.COM使用しようする。このさい常駐じょうちゅう部分ぶぶん完全かんぜん常駐じょうちゅうさせる(EXITコマンドで終了しゅうりょうしない)とともに、環境かんきょう変数へんすう領域りょういきを512バイト確保かくほする。

日本にっぽん稼働かどうしているNEC PC-9800シリーズにおけるれい(バージョン5.0以上いじょう場合ばあい

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PC-9800シリーズでは、コンソール画面がめんにおいて日本語にほんご表示ひょうじ標準ひょうじゅん対応たいおうしているため、DOS/V日本語にほんごキーボードや日本語にほんご表示ひょうじ利用りようするさい必要ひつようとなる各種かくしゅドライバるい不要ふようである。またどう機種きしゅ日本にっぽんでの利用りよう前提ぜんていとしているため(日本にっぽん国外こくがいでは動作どうさ保証ほしょうされない)、くに番号ばんごうなどの指定してい省略しょうりゃくする。

DEVICE=A:\DOS\HIMEM.SYS
DEVICE=A:\DOS\EMM386.EXE /UMB
DEVICEHIGH=A:\DOS\NECCD.SYS /D:CD_101
SHELL=A:\COMMAND.COM /P /E:2000
LASTDRIVE=Q
DOS=HIGH,UMB
  1. コンベンショナルメモリじょうでHIMEM.SYSを実行じっこうし、XMS方式ほうしきによる拡張かくちょうメモリの利用りよう可能かのうにする。
  2. コンベンショナルメモリじょうでEMM386.EXEを実行じっこうし、EMS方式ほうしきによるメモリアクセスおよびUMBを使用しよう可能かのうにする。
  3. UMBにNECCD.SYS(CD-ROM ドライブを使用しよう可能かのうにするデバイスドライバ)をみ、そのドライブの内部ないぶめいを"CD_101"にする。
  4. シェルコマンドにA:\COMMAND.COM使用しようし、環境かんきょう変数へんすう領域りょういきを2000バイト確保かくほする。
  5. ドライブQ:までを使用しよう可能かのうにする。
  6. MS-DOS本体ほんたいでHMAおよびUMBを利用りようする。

外部がいぶリンク

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関連かんれん項目こうもく

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