キャラクタユーザインタフェース

CLIの画面がめん例れい。内容ないようはGentoo LinuxでBashコマンドを実行じっこうしたもの。

キャラクタユーザインタフェース (英えい: character user interface; CUI)、キャラクタベースユーザインタフェース (character-based user interface, CUI) 、コンソールユーザインタフェース (英えい: console user interface; CUI) 、またはコマンドラインインタフェース (英えい: command line interface; CLI) は、キーボード等ひとしからの文字もじ列れつを入力にゅうりょくとし、文字もじ列れつが表示ひょうじされるウィンドウや古ふるくはラインプリンタで印字いんじされる文字もじなどを出力しゅつりょくとする、ユーザインタフェースの様式ようしきである。キャラクタユーザインタフェースの語かたりは日本語にほんごでの使用しようが主流しゅりゅうであり、英語えいご圏けんやその日本にっぽん法人ほうじんなどでは『command line interface』と称しょうすのがほとんどで、英語えいご版ばんWikipediaの表題ひょうだいもCommand line interfaceである。もっぱらグラフィカルユーザインタフェース (GUI) の対義語たいぎごとして使つかわれる。

特徴とくちょう

初期しょきのコンピュータは、CUIによる対話たいわ環境かんきょうが主流しゅりゅうであった。その後ご、コンピュータの性能せいのうが向上こうじょうしたことにより、GUI環境かんきょうを標準ひょうじゅん搭載とうさいしているパーソナルコンピュータ（MacintoshやWindows 95など）がオフィスや一般いっぱん家庭かていにも普及ふきゅうし、専門せんもん家かを除のぞいてCUIの利用りよう頻度ひんどは減へっていった。

多おおくのネットワーク機器ききは、TelnetやSecure Shellに対応たいおうしており、CUIを標準ひょうじゅん搭載とうさいしている。また、パーソナルコンピュータ (PC) やサーバ向むけのオペレーティングシステム (OS) には、既定きていのインターフェース がGUIであってもコマンドラインターミナルなどのCUI環境かんきょうが標準ひょうじゅんで用意よういされている。しかし、スマートフォンなどのモバイル端末たんまつ向むけOSには標準ひょうじゅんで用意よういされていないことが多おおい。 ユーザインタフェースがCUIのアプリケーションをコンソールアプリケーションという。また、あまり一般いっぱん的てきではないが、テキストコンソールを利用りようしてウィンドウなどを表現ひょうげんしているインタフェースをテキストユーザインタフェースという。

以降いこう、CUIそのものだけでなくコマンドラインインタプリタ、シェルについても述のべる。

長所ちょうしょ

• GUIでは表示ひょうじし切きれないような膨大ぼうだいなファイル群ぐんを複数ふくすうの処理しょりに通とおす際さいに、処理しょり順じゅんにコマンドやファイル名めいのパターンを列挙れっきょして一括いっかつ処理しょりさせることができる。
• 処理しょりの自動じどう化か（バッチ処理しょり）が容易よういである（一連いちれんのコマンドや制御せいぎょ文ぶんは文字もじ情報じょうほうなのでファイルに単純たんじゅんに保存ほぞんしておくことができ、それを後あとで何なん度どでも実行じっこう・修正しゅうせいできる）。
• プログラムを作成さくせいする際さい、ユーザからの入力にゅうりょくを処理しょりする部分ぶぶん（コマンドラインインタプリタ）を比較的ひかくてき簡単かんたんに作つくれる。GUIのプログラムは、一般いっぱんにユーザインタフェースの作成さくせいに手間てまがかかり、管理かんりすべき内部ないぶ状態じょうたいも多おおくなる。

これに関連かんれんして、異ことなるOSにプログラムを移植いしょくする際さいも、標準ひょうじゅん入出力にゅうしゅつりょくのみを使用しようするコンソールプログラムのほうがはるかに移植いしょくしやすい。また、標準ひょうじゅん入出力にゅうしゅつりょくは多おおくのプログラム言語げんごで標準ひょうじゅんライブラリや組くみ込こみの言語げんご機能きのうとして提供ていきょうされているため、プログラム言語げんごの入門にゅうもんやプロトタイピング、テストドライバとしても向むいている 。

• プログラムの出力しゅつりょくを別べつのプログラムに直接ちょくせつ入力にゅうりょくしたり（簡易かんいなプロセス間あいだ通信つうしん: パイプ）、ファイルに保存ほぞんしたりできる。なお、多おおくの統合とうごう開発かいはつ環境かんきょう (IDE) ではGUIのクライアントを使つかって直感ちょっかん的てきにアプリケーションを開発かいはつできるようになっているが、プログラムのコンパイル・ビルド時じにバックで動作どうさしているのは（単独たんどくでも動作どうさ可能かのうな）コマンドラインのコンパイラやリンカである。
• リモートログインする場合ばあい、クライアント側がわで専用せんようのソフトウェアが不要ふようである（SSHクライアント程度ていどで済すむ）ことが多おおい。
• 別べつのコンピュータにリモートログインする場合ばあい、画像がぞう情報じょうほうの転送てんそうが不要ふようあるいは必要ひつよう最低限さいていげんに抑おさえられるため、ネットワークへの負荷ふかが低ひくい。低速ていそくな回線かいせんでもリモート操作そうさができる。
• 一般いっぱんに自動じどう補完ほかん機能きのう（オートコンプリート）や履歴りれきが利用りようできるため、コマンドをすべて手しゅで入力にゅうりょくする必要ひつようはない。
• キーボードだけで操作そうさできるため、手慣てなれたユーザは作業さぎょうを敏速びんそくに行おこなえる。
• 直前ちょくぜん操作そうさの確認かくにんや、資料しりょう収集しゅうしゅう（操作そうさ履歴りれきの保存ほぞん・他人たにんへの提供ていきょう）などが容易よういである。
• 入力にゅうりょく元もと・出力しゅつりょく先さきの切替きりかえが容易よういである（リダイレクト）。
• 先行せんこう入力にゅうりょくが可能かのうである。GUIにおける、操作そうさを行おこなうためのボタンが表示ひょうじされるまで待またされる、といったことが避さけられる。
• GUIほど必要ひつようなリソースが多おおくない。

など

短所たんしょ

• 多おおくの場合ばあい、コマンドや応答おうとうは英語えいごを基本きほんとしている。そのため、英語えいごを母語ぼごとしていない者ものにとっては使つかいづらい。
• 直感ちょっかん的てきな操作そうさはできず、まず基本きほん的てきなコマンドをある程度ていど覚おぼえる必要ひつようがあるため、アプリケーションのエンドユーザにとっては習得しゅうとくコストがかかる。各かくプログラムのパラメータも必要ひつように応おうじて調しらべる必要ひつようがある。
• 人間にんげんの視覚しかく的てきな能力のうりょくをあまり活用かつようできない。
• 選択肢せんたくしやヘルプなどを画面がめん上じょうに表示ひょうじすることにも限界げんかいがある。
• 画像がぞうや図形ずけいの操作そうさや編集へんしゅうには向むかないか不可能ふかのうである。
• 同おなじ目的もくてきのプログラムでも操作そうさ方法ほうほうがまったく異ことなるケースがある。例たとえばテキストエディタではフルスクリーンエディタとラインエディタに大別たいべつできるが、後者こうしゃでは、編集へんしゅう中ちゅうは結果けっかが反映はんえいされないため、中断ちゅうだんしてモードを切きり替かえる必要ひつようがある。

など

関連かんれん項目こうもく

• インタラクティブフィクション
• 端末たんまつエミュレータ
• MS-DOS
• テキストユーザインタフェース